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発言者:[[ハインケル・ヘルツォーク]]
対象者:[[マレーネ・フランケンシュタイン]]
マレーネ√、
[[己の大事な人>秋月 凌駕]]を守り、生かすため、死して[[鋼に変わり果てた兄>アポルオン]]を撃ったマレーネ。
その一撃で、苦しみから解放されたハインケルが、
妹の成長した姿を喜び、彼女を支えてくれる少年に家族の未来を託した後、
&sizex(3){&color(silver){&bold(){自分がいなくても、妹が大切な人と寄り添って、強く生きていけることを確信し、安堵と共に告げた別れの言葉。}}}
事態の根源たるオルフィレウス、
天空に坐す彼を引きずり出す手がかりを求め、凌駕とマレーネは二人、電波塔まで赴いていた。
そこにも、何等機械神の居城につながるものは見当たらなかったのだが……
しかし、二人は思わぬ存在と対面を果たすこととなる。
そう、アレクサンドルと死闘を繰り広げ、多大な損傷を被り
マレーネの前からも姿を消していた、アポルオン――ハインケルがそこにいた。
傷つき、既に限界寸前の躯でありながらも
なお、彼は妹を守るという一念を抱え、凌駕に対し攻撃を打ち込もうとする。
その恋人の兄の痛ましい姿に、凌駕はしかし、反撃をするという選択を選ぶことは出来なかった。
彼の心に浮かぶのは、
今まで自分が選んできた“正しさ”への迷いなき選択などではなく……
たとえ死していたとしても、
&sizex(3){&color(blue){大切なマレーネの家族を、彼女の眼の前で、自分が&ruby(・・・・・・){殺してしまう}事に対する躊躇いだった。}}
そんな凌駕に振り降ろされようとする鋼の拳。
&bold(){だが、その寸前、マレーネはアポルオンに向かって、一発の銃弾を撃ち込む。}
&sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「凌駕を傷つけるのは、誰だろうと許さない……」}}}
&sizex(4){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(3){誰、だろうと……}だって、生きてる、から」}}}
&sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(4){あなたはもう、壊れるしかなくて……救ってあげるには、}これしか……こんなことしかないからッ」}}}
&bold(){己が&ruby(エゴ){愛}を貫くために、幻の地獄に囚われ続ける兄を解放するために。}
ゆっくりと崩れ落ちる兄の身体。
マレーネはその身体に縋りつき&bold(){嗚咽と共に、たった今、己が犯した所業に対し打ち震える。}
&sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……っ!」}}}
&sizex(4){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(3){撃って、しまった……!} &sizex(3){私、兄さんを}この手で撃ってしまったぁ……&sizex(5){っ!}」}}}
&sizex(6){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(5){許して……ッ!} 兄さん……っ」}}}
そんな彼女に、凌駕が手を伸ばそうとしたその瞬間―――
&sizex(5){&color(silver){「いいんだよ……マレーネ」}}
&sizex(3){&color(silver){在りし日の優しかった兄が語りかける。}}
&sizex(4){&color(silver){「強くなったね……マレーネ。兄さんは嬉しいぞ……」}}
&sizex(3){&color(midnightblue){鋼鉄の亡霊}&color(silver){などではなく、妹を心から慈しむ、一人の兄が……。}}
&sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「兄さん……っ」}}}
&sizex(4){&color(silver){「出来たんだね、大切な人が……」}}
&sizex(5){&color(silver){「ああ、良かった。本当に、良かった……」}}
そのまま、ハインケルは、妹の大切な人である凌駕を呼び寄せる。
彼は、凌駕の瞳を真っ直ぐに見つめながら微笑んで……
&sizex(3){&color(silver){艱難、絶望、喪失――そんな巨大な&ruby(マイナス){負}を小さな背中に背負ってきたマレーネ。}}
&sizex(3){&color(silver){だからこそ、妹のこれからの人生に、幸福、希望、獲得……そんな強い想いを与えてやってほしい。}}
&sizex(3){&color(silver){出来るはずだ――君ならば……。}}
そう、確かな信頼とともに生者である凌駕へと、妹の未来を託し、
その願いを受けた凌駕も、&sizex(3){&color(blue){&bold(){必ず果たしてみせる}}}と力強く頷いた。
そして、泣き続けるマレーネに視線を戻して、兄は少しの厳しさを乗せ告げる・・・
&sizex(4){&color(silver){「死人の為に、もう泣くんじゃない……}}
&sizex(4){&color(silver){死んだ者など、さっさと墓に葬って、花でも捧げて、忘れ去ってしまうんだ……」}}
&sizex(4){&color(silver){「それでいいんだ……永い人生の折りにでも、ふと気まぐれに思い出したなら……}}
&sizex(4){&color(silver){枯れた花を替えてくれれば、それでいいさ……」}}
&sizex(4){&color(silver){「生きている者の笑顔を奪う……そんな罪悪を、&ruby(おれ){死者}に背負わせたまま逝かせる気かい……?」}}
&sizex(4){&color(silver){「それは少し……意地悪が過ぎるというものじゃないのか……}}
&sizex(4){&color(silver){マレーネは、あんなに聞き分けのいい妹だったのに……はは」}}
&bold(){その言葉にマレーネは涙を止め、毅然とした顔を見せる。}
そうしてハインケルは、マレーネの成長――
&sizex(3){&color(silver){望んだものを掴むために、傷つき、時に己の手を汚してでも決意する心の強さを得てくれた}}と感じ、
同時に大切な人と歩んでいく未来のために、
&sizex(3){&color(midnightblue){彼女が背負った科学の罪人としての証、“フランケンシュタイン”の名を捨て、}}
&sizex(3){&color(silver){己の妹だった、“マレーネ・ヘルツォーク”として生きてくれ}}と願う。
&bold(){そんな兄の願いに妹は――}
&sizex(4){&color(#00BFFF){「うん、判った……けれど」}}
&sizex(5){&color(#00BFFF){「それは全てが終わってから。私と凌駕の闘いは、まだ終わっていない」}}
&sizex(5){&color(#00BFFF){「私と兄さんの本当の敵を……科学の&ruby(うらがわ){暗黒面}を、まだ斃してはいないから」}}
&bold(){&ruby(メタルブルー){鋼青}の隻眼に強き輝きを宿し、未来へ生き抜こうとする意思を示した。}
その姿を認めたハインケルは、穏やかな表情で微笑みを浮かべながら、目を閉じる
&sizex(4){&color(silver){「ああ――」}}
&sizex(4){&color(silver){「思い残す事は……本当に何も無くなった……」}}
&sizex(3){ゆっくりと、鋼の躯……その内部で歯車の回転と流れる電流が途絶えて――}
&sizex(5){&color(silver){&bold(){「さようなら――マレーネ」}}}
&sizex(3){&bold(){此処に、アポルオン――ハインケル・ヘルツォークの魂は煉獄より解放された。}}
&sizex(3){&color(silver){&bold(){もう二度と、誰に苦しめられるでもなく。}}}
&sizex(3){&color(silver){&bold(){終わりのない悪夢の中で、妹を守るため戦い続けることはなくなったのである……。}}}
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- マレーネがヒロインとして輝いたシーンだった -- 名無しさん (2017-07-07 10:28:19)
- そして直後の礼さんである -- 名無しさん (2017-12-09 08:17:01)
- 凌駕「さようなら、マレーネ……」 -- 名無しさん (2017-12-09 08:37:04)
- ↑ハインケル「何でこんなこと書いた!言え!」 -- 名無しさん (2017-12-09 12:19:28)
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発言者:[[ハインケル・ヘルツォーク]]
対象者:[[マレーネ・フランケンシュタイン]]
マレーネ√、
[[己の大事な人>秋月 凌駕]]を守り、生かすため、死して[[鋼に変わり果てた兄>アポルオン]]を撃ったマレーネ。
その一撃で、苦しみから解放されたハインケルが、
妹の成長した姿を喜び、彼女を支えてくれる少年に家族の未来を託した後、
&sizex(3){&color(silver){&bold(){自分がいなくても、妹が大切な人と寄り添って、強く生きていけることを確信し、安堵と共に告げた別れの言葉。}}}
事態の根源たるオルフィレウス、
天空に坐す彼を引きずり出す手がかりを求め、凌駕とマレーネは二人、電波塔まで赴いていた。
そこにも、何等機械神の居城につながるものは見当たらなかったのだが……
しかし、二人は思わぬ存在と対面を果たすこととなる。
そう、アレクサンドルと死闘を繰り広げ、多大な損傷を被り
マレーネの前からも姿を消していた、アポルオン――ハインケルがそこにいた。
傷つき、既に限界寸前の躯でありながらも
なお、彼は妹を守るという一念を抱え、凌駕に対し攻撃を打ち込もうとする。
その恋人の兄の痛ましい姿に、凌駕はしかし、反撃をするという選択を選ぶことは出来なかった。
彼の心に浮かぶのは、
今まで自分が選んできた“正しさ”への迷いなき選択などではなく……
たとえ死していたとしても、
&sizex(3){&color(blue){大切なマレーネの家族を、彼女の眼の前で、自分が&ruby(・・・・・・){殺してしまう}事に対する躊躇いだった。}}
そんな凌駕に振り降ろされようとする鋼の拳。
&bold(){だが、その寸前、マレーネはアポルオンに向かって、一発の銃弾を撃ち込む。}
&sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「凌駕を傷つけるのは、誰だろうと許さない……」}}}
&sizex(4){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(3){誰、だろうと……}だって、生きてる、から」}}}
&sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(4){あなたはもう、壊れるしかなくて……救ってあげるには、}これしか……こんなことしかないからッ」}}}
&bold(){己が&ruby(エゴ){愛}を貫くために、幻の地獄に囚われ続ける兄を解放するために。}
ゆっくりと崩れ落ちる兄の身体。
マレーネはその身体に縋りつき&bold(){嗚咽と共に、たった今、己が犯した所業に対し打ち震える。}
&sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……っ!」}}}
&sizex(4){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(3){撃って、しまった……!} &sizex(3){私、兄さんを}この手で撃ってしまったぁ……&sizex(5){っ!}」}}}
&sizex(6){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(5){許して……ッ!} 兄さん……っ」}}}
そんな彼女に、凌駕が手を伸ばそうとしたその瞬間―――
&sizex(5){&color(silver){「いいんだよ……マレーネ」}}
&sizex(3){&color(silver){在りし日の優しかった兄が語りかける。}}
&sizex(4){&color(silver){「強くなったね……マレーネ。兄さんは嬉しいぞ……」}}
&sizex(3){&color(midnightblue){鋼鉄の亡霊}&color(silver){などではなく、妹を心から慈しむ、一人の兄が……。}}
&sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「兄さん……っ」}}}
&sizex(4){&color(silver){「出来たんだね、大切な人が……」}}
&sizex(5){&color(silver){「ああ、良かった。本当に、良かった……」}}
そのまま、ハインケルは、妹の大切な人である凌駕を呼び寄せる。
彼は、凌駕の瞳を真っ直ぐに見つめながら微笑んで……
&sizex(3){&color(silver){艱難、絶望、喪失――そんな巨大な&ruby(マイナス){負}を小さな背中に背負ってきたマレーネ。}}
&sizex(3){&color(silver){だからこそ、妹のこれからの人生に、幸福、希望、獲得……そんな強い想いを与えてやってほしい。}}
&sizex(3){&color(silver){出来るはずだ――君ならば……。}}
そう、確かな信頼とともに生者である凌駕へと、妹の未来を託し、
その願いを受けた凌駕も、&sizex(3){&color(blue){&bold(){必ず果たしてみせる}}}と力強く頷いた。
そして、泣き続けるマレーネに視線を戻して、兄は少しの厳しさを乗せ告げる・・・
&sizex(4){&color(silver){「死人の為に、もう泣くんじゃない……}}
&sizex(4){&color(silver){死んだ者など、さっさと墓に葬って、花でも捧げて、忘れ去ってしまうんだ……」}}
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&bold(){その言葉にマレーネは涙を止め、毅然とした顔を見せる。}
そうしてハインケルは、マレーネの成長――
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同時に大切な人と歩んでいく未来のために、
&sizex(3){&color(midnightblue){彼女が背負った科学の罪人としての証、“フランケンシュタイン”の名を捨て、}}
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その姿を認めたハインケルは、穏やかな表情で微笑みを浮かべながら、目を閉じる
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- マレーネがヒロインとして輝いたシーンだった -- 名無しさん (2017-07-07 10:28:19)
- そして直後の礼さんである -- 名無しさん (2017-12-09 08:17:01)
- 凌駕「さようなら、マレーネ……」 -- 名無しさん (2017-12-09 08:37:04)
- ↑ハインケル「何でこんなこと書いた!言え!」 -- 名無しさん (2017-12-09 12:19:28)
- ↑2医者<御臨終です -- 名無しさん (2017-12-09 13:54:14)
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