さようなら――マレーネ

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さようなら――マレーネ - (2017/12/09 (土) 13:54:14) の1つ前との変更点

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発言者:[[ハインケル・ヘルツォーク]] 対象者:[[マレーネ・フランケンシュタイン]] マレーネ√、 [[己の大事な人>秋月 凌駕]]を守り、生かすため、死して[[鋼に変わり果てた兄>アポルオン]]を撃ったマレーネ。 その一撃で、苦しみから解放されたハインケルが、 妹の成長した姿を喜び、彼女を支えてくれる少年に家族の未来を託した後、 &sizex(3){&color(silver){&bold(){自分がいなくても、妹が大切な人と寄り添って、強く生きていけることを確信し、安堵と共に告げた別れの言葉。}}} 事態の根源たるオルフィレウス、 天空に坐す彼を引きずり出す手がかりを求め、凌駕とマレーネは二人、電波塔まで赴いていた。 そこにも、何等機械神の居城につながるものは見当たらなかったのだが…… しかし、二人は思わぬ存在と対面を果たすこととなる。 そう、アレクサンドルと死闘を繰り広げ、多大な損傷を被り マレーネの前からも姿を消していた、アポルオン――ハインケルがそこにいた。 傷つき、既に限界寸前の躯でありながらも なお、彼は妹を守るという一念を抱え、凌駕に対し攻撃を打ち込もうとする。 その恋人の兄の痛ましい姿に、凌駕はしかし、反撃をするという選択を選ぶことは出来なかった。 彼の心に浮かぶのは、 今まで自分が選んできた“正しさ”への迷いなき選択などではなく…… たとえ死していたとしても、 &sizex(3){&color(blue){大切なマレーネの家族を、彼女の眼の前で、自分が&ruby(・・・・・・){殺してしまう}事に対する躊躇いだった。}} そんな凌駕に振り降ろされようとする鋼の拳。 &bold(){だが、その寸前、マレーネはアポルオンに向かって、一発の銃弾を撃ち込む。} &sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「凌駕を傷つけるのは、誰だろうと許さない……」}}} &sizex(4){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(3){誰、だろうと……}だって、生きてる、から」}}} &sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(4){あなたはもう、壊れるしかなくて……救ってあげるには、}これしか……こんなことしかないからッ」}}} &bold(){己が&ruby(エゴ){愛}を貫くために、幻の地獄に囚われ続ける兄を解放するために。} ゆっくりと崩れ落ちる兄の身体。 マレーネはその身体に縋りつき&bold(){嗚咽と共に、たった今、己が犯した所業に対し打ち震える。} &sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……っ!」}}} &sizex(4){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(3){撃って、しまった……!} &sizex(3){私、兄さんを}この手で撃ってしまったぁ……&sizex(5){っ!}」}}} &sizex(6){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(5){許して……ッ!} 兄さん……っ」}}} そんな彼女に、凌駕が手を伸ばそうとしたその瞬間――― &sizex(5){&color(silver){「いいんだよ……マレーネ」}} &sizex(3){&color(silver){在りし日の優しかった兄が語りかける。}} &sizex(4){&color(silver){「強くなったね……マレーネ。兄さんは嬉しいぞ……」}} &sizex(3){&color(midnightblue){鋼鉄の亡霊}&color(silver){などではなく、妹を心から慈しむ、一人の兄が……。}} &sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「兄さん……っ」}}} &sizex(4){&color(silver){「出来たんだね、大切な人が……」}} &sizex(5){&color(silver){「ああ、良かった。本当に、良かった……」}} そのまま、ハインケルは、妹の大切な人である凌駕を呼び寄せる。 彼は、凌駕の瞳を真っ直ぐに見つめながら微笑んで…… &sizex(3){&color(silver){艱難、絶望、喪失――そんな巨大な&ruby(マイナス){負}を小さな背中に背負ってきたマレーネ。}} &sizex(3){&color(silver){だからこそ、妹のこれからの人生に、幸福、希望、獲得……そんな強い想いを与えてやってほしい。}} &sizex(3){&color(silver){出来るはずだ――君ならば……。}} そう、確かな信頼とともに生者である凌駕へと、妹の未来を託し、 その願いを受けた凌駕も、&sizex(3){&color(blue){&bold(){必ず果たしてみせる}}}と力強く頷いた。 そして、泣き続けるマレーネに視線を戻して、兄は少しの厳しさを乗せ告げる・・・ &sizex(4){&color(silver){「死人の為に、もう泣くんじゃない……}}  &sizex(4){&color(silver){死んだ者など、さっさと墓に葬って、花でも捧げて、忘れ去ってしまうんだ……」}} &sizex(4){&color(silver){「それでいいんだ……永い人生の折りにでも、ふと気まぐれに思い出したなら……}}  &sizex(4){&color(silver){枯れた花を替えてくれれば、それでいいさ……」}} &sizex(4){&color(silver){「生きている者の笑顔を奪う……そんな罪悪を、&ruby(おれ){死者}に背負わせたまま逝かせる気かい……?」}} &sizex(4){&color(silver){「それは少し……意地悪が過ぎるというものじゃないのか……}}  &sizex(4){&color(silver){マレーネは、あんなに聞き分けのいい妹だったのに……はは」}} &bold(){その言葉にマレーネは涙を止め、毅然とした顔を見せる。} そうしてハインケルは、マレーネの成長―― &sizex(3){&color(silver){望んだものを掴むために、傷つき、時に己の手を汚してでも決意する心の強さを得てくれた}}と感じ、 同時に大切な人と歩んでいく未来のために、 &sizex(3){&color(midnightblue){彼女が背負った科学の罪人としての証、“フランケンシュタイン”の名を捨て、}} &sizex(3){&color(silver){己の妹だった、“マレーネ・ヘルツォーク”として生きてくれ}}と願う。 &bold(){そんな兄の願いに妹は――} &sizex(4){&color(#00BFFF){「うん、判った……けれど」}} &sizex(5){&color(#00BFFF){「それは全てが終わってから。私と凌駕の闘いは、まだ終わっていない」}} &sizex(5){&color(#00BFFF){「私と兄さんの本当の敵を……科学の&ruby(うらがわ){暗黒面}を、まだ斃してはいないから」}} &bold(){&ruby(メタルブルー){鋼青}の隻眼に強き輝きを宿し、未来へ生き抜こうとする意思を示した。} その姿を認めたハインケルは、穏やかな表情で微笑みを浮かべながら、目を閉じる &sizex(4){&color(silver){「ああ――」}} &sizex(4){&color(silver){「思い残す事は……本当に何も無くなった……」}} &sizex(3){ゆっくりと、鋼の躯……その内部で歯車の回転と流れる電流が途絶えて――} &sizex(5){&color(silver){&bold(){「さようなら――マレーネ」}}} &sizex(3){&bold(){此処に、アポルオン――ハインケル・ヘルツォークの魂は煉獄より解放された。}} &sizex(3){&color(silver){&bold(){もう二度と、誰に苦しめられるでもなく。}}} &sizex(3){&color(silver){&bold(){終わりのない悪夢の中で、妹を守るため戦い続けることはなくなったのである……。}}} ---- - マレーネがヒロインとして輝いたシーンだった -- 名無しさん (2017-07-07 10:28:19) - そして直後の礼さんである -- 名無しさん (2017-12-09 08:17:01) - 凌駕「さようなら、マレーネ……」 -- 名無しさん (2017-12-09 08:37:04) - ↑ハインケル「何でこんなこと書いた!言え!」 -- 名無しさん (2017-12-09 12:19:28) #comment
発言者:[[ハインケル・ヘルツォーク]] 対象者:[[マレーネ・フランケンシュタイン]] マレーネ√、 [[己の大事な人>秋月 凌駕]]を守り、生かすため、死して[[鋼に変わり果てた兄>アポルオン]]を撃ったマレーネ。 その一撃で、苦しみから解放されたハインケルが、 妹の成長した姿を喜び、彼女を支えてくれる少年に家族の未来を託した後、 &sizex(3){&color(silver){&bold(){自分がいなくても、妹が大切な人と寄り添って、強く生きていけることを確信し、安堵と共に告げた別れの言葉。}}} 事態の根源たるオルフィレウス、 天空に坐す彼を引きずり出す手がかりを求め、凌駕とマレーネは二人、電波塔まで赴いていた。 そこにも、何等機械神の居城につながるものは見当たらなかったのだが…… しかし、二人は思わぬ存在と対面を果たすこととなる。 そう、アレクサンドルと死闘を繰り広げ、多大な損傷を被り マレーネの前からも姿を消していた、アポルオン――ハインケルがそこにいた。 傷つき、既に限界寸前の躯でありながらも なお、彼は妹を守るという一念を抱え、凌駕に対し攻撃を打ち込もうとする。 その恋人の兄の痛ましい姿に、凌駕はしかし、反撃をするという選択を選ぶことは出来なかった。 彼の心に浮かぶのは、 今まで自分が選んできた“正しさ”への迷いなき選択などではなく…… たとえ死していたとしても、 &sizex(3){&color(blue){大切なマレーネの家族を、彼女の眼の前で、自分が&ruby(・・・・・・){殺してしまう}事に対する躊躇いだった。}} そんな凌駕に振り降ろされようとする鋼の拳。 &bold(){だが、その寸前、マレーネはアポルオンに向かって、一発の銃弾を撃ち込む。} &sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「凌駕を傷つけるのは、誰だろうと許さない……」}}} &sizex(4){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(3){誰、だろうと……}だって、生きてる、から」}}} &sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(4){あなたはもう、壊れるしかなくて……救ってあげるには、}これしか……こんなことしかないからッ」}}} &bold(){己が&ruby(エゴ){愛}を貫くために、幻の地獄に囚われ続ける兄を解放するために。} ゆっくりと崩れ落ちる兄の身体。 マレーネはその身体に縋りつき&bold(){嗚咽と共に、たった今、己が犯した所業に対し打ち震える。} &sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……っ!」}}} &sizex(4){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(3){撃って、しまった……!} &sizex(3){私、兄さんを}この手で撃ってしまったぁ……&sizex(5){っ!}」}}} &sizex(6){&color(#00BFFF){&bold(){「&sizex(5){許して……ッ!} 兄さん……っ」}}} そんな彼女に、凌駕が手を伸ばそうとしたその瞬間――― &sizex(5){&color(silver){「いいんだよ……マレーネ」}} &sizex(3){&color(silver){在りし日の優しかった兄が語りかける。}} &sizex(4){&color(silver){「強くなったね……マレーネ。兄さんは嬉しいぞ……」}} &sizex(3){&color(midnightblue){鋼鉄の亡霊}&color(silver){などではなく、妹を心から慈しむ、一人の兄が……。}} &sizex(5){&color(#00BFFF){&bold(){「兄さん……っ」}}} &sizex(4){&color(silver){「出来たんだね、大切な人が……」}} &sizex(5){&color(silver){「ああ、良かった。本当に、良かった……」}} そのまま、ハインケルは、妹の大切な人である凌駕を呼び寄せる。 彼は、凌駕の瞳を真っ直ぐに見つめながら微笑んで…… &sizex(3){&color(silver){艱難、絶望、喪失――そんな巨大な&ruby(マイナス){負}を小さな背中に背負ってきたマレーネ。}} &sizex(3){&color(silver){だからこそ、妹のこれからの人生に、幸福、希望、獲得……そんな強い想いを与えてやってほしい。}} &sizex(3){&color(silver){出来るはずだ――君ならば……。}} そう、確かな信頼とともに生者である凌駕へと、妹の未来を託し、 その願いを受けた凌駕も、&sizex(3){&color(blue){&bold(){必ず果たしてみせる}}}と力強く頷いた。 そして、泣き続けるマレーネに視線を戻して、兄は少しの厳しさを乗せ告げる・・・ &sizex(4){&color(silver){「死人の為に、もう泣くんじゃない……}}  &sizex(4){&color(silver){死んだ者など、さっさと墓に葬って、花でも捧げて、忘れ去ってしまうんだ……」}} &sizex(4){&color(silver){「それでいいんだ……永い人生の折りにでも、ふと気まぐれに思い出したなら……}}  &sizex(4){&color(silver){枯れた花を替えてくれれば、それでいいさ……」}} &sizex(4){&color(silver){「生きている者の笑顔を奪う……そんな罪悪を、&ruby(おれ){死者}に背負わせたまま逝かせる気かい……?」}} &sizex(4){&color(silver){「それは少し……意地悪が過ぎるというものじゃないのか……}}  &sizex(4){&color(silver){マレーネは、あんなに聞き分けのいい妹だったのに……はは」}} &bold(){その言葉にマレーネは涙を止め、毅然とした顔を見せる。} そうしてハインケルは、マレーネの成長―― &sizex(3){&color(silver){望んだものを掴むために、傷つき、時に己の手を汚してでも決意する心の強さを得てくれた}}と感じ、 同時に大切な人と歩んでいく未来のために、 &sizex(3){&color(midnightblue){彼女が背負った科学の罪人としての証、“フランケンシュタイン”の名を捨て、}} &sizex(3){&color(silver){己の妹だった、“マレーネ・ヘルツォーク”として生きてくれ}}と願う。 &bold(){そんな兄の願いに妹は――} &sizex(4){&color(#00BFFF){「うん、判った……けれど」}} &sizex(5){&color(#00BFFF){「それは全てが終わってから。私と凌駕の闘いは、まだ終わっていない」}} &sizex(5){&color(#00BFFF){「私と兄さんの本当の敵を……科学の&ruby(うらがわ){暗黒面}を、まだ斃してはいないから」}} &bold(){&ruby(メタルブルー){鋼青}の隻眼に強き輝きを宿し、未来へ生き抜こうとする意思を示した。} その姿を認めたハインケルは、穏やかな表情で微笑みを浮かべながら、目を閉じる &sizex(4){&color(silver){「ああ――」}} &sizex(4){&color(silver){「思い残す事は……本当に何も無くなった……」}} &sizex(3){ゆっくりと、鋼の躯……その内部で歯車の回転と流れる電流が途絶えて――} &sizex(5){&color(silver){&bold(){「さようなら――マレーネ」}}} &sizex(3){&bold(){此処に、アポルオン――ハインケル・ヘルツォークの魂は煉獄より解放された。}} &sizex(3){&color(silver){&bold(){もう二度と、誰に苦しめられるでもなく。}}} &sizex(3){&color(silver){&bold(){終わりのない悪夢の中で、妹を守るため戦い続けることはなくなったのである……。}}} ---- - マレーネがヒロインとして輝いたシーンだった -- 名無しさん (2017-07-07 10:28:19) - そして直後の礼さんである -- 名無しさん (2017-12-09 08:17:01) - 凌駕「さようなら、マレーネ……」 -- 名無しさん (2017-12-09 08:37:04) - ↑ハインケル「何でこんなこと書いた!言え!」 -- 名無しさん (2017-12-09 12:19:28) - ↑2医者<御臨終です -- 名無しさん (2017-12-09 13:54:14) #comment

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