判るさ――なにせ自分自身のことだからな

「判るさ――なにせ自分自身のことだからな」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

判るさ――なにせ自分自身のことだからな - (2020/07/04 (土) 23:25:33) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

発言者:[[ブライアン・マックール]] 対象者:[[至門]] &color(#1E0107){&bold(){人間としての情愛も、悪党の仁義も、男の誇りさえも捨て去った&ruby(・・){蛆虫}の這いずる世界。}} &size(13){&color(#1E0107){&bold(){[[最底辺の街>関東邪法街]]に流れ着いた、悪名高き元テロリストのブライアンが昏い熱の籠った欲望を吐き出した一場面。}}} [[彰護>角鹿 彰護]]らにより潰された、[[魔女>災禍の魔女たち]]狩りに関わる拠点。 その“現場”を直に確認したと、雇い主である至門に告げるブライアン。 &bold(){原型を留めない死骸}、&bold(){わざわざ素手で殺されたと思しき死体の数々}………常人ならば目を覆わんばかりの惨状。 &bold(){[[「歪んでいる」>───そうか。俺は、笑っているのか]]}と、犯人の在り方を語りながらも、彼の言葉にはどこか&bold(){嬉し気な響き}さえ含まれているように思われた。 そんなブライアンは、犯人像に興味なさげな態度を示す至門に、 この相手は、&color(#140A10){「自分でなければ狩れない相手」}と言い、こう言葉を継いだ…… &size(16){&color(#140A10){「こいつは、自分の一番大事な&ruby(もの){理想}を捨てた奴だ。}} &size(16){&color(#140A10){それも、かつては命を懸けて貫いたほど筋金入りのをな。}} &size(16){&color(#140A10){普通はそこで抜け殻として終わるか、死ぬ。だが………」}} &size(17){&color(#140A10){「そんな&ruby(・・・・・・){終わってる奴}に、何か一つだけ執着する目的が残ったとき……}} &size(17){&color(#140A10){[[こういう徹底して、かつ歪んだ化け物が生まれる>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/40.html]]こともあるのさ」}} &size(17){&color(#140A10){「善も悪も、自分の生死にすらも関心がない。だから話も通じない。}} &size(17){&color(#140A10){言っておくが手強いぞ。生きた亡霊を相手にするようなものだからな」}} 至門は、「何故そんなことが判る」と鼻で笑い―――ブライアンは独り引き攣った笑いを漏らす。 &size(20){&color(#140A10){&bold(){「判るさ&size(21){&italic(){───}}なにせ自分自身のことだからな」}}} &color(#1E0107){己と同じく僅かに光も射さぬ無明の荒野を歩く者を、ブライアンは見出してしまった。} &color(#1E0107){姿を視ずとも判る……愛する者や親友、家族への献身、社会への責務や誇りある行動……} &color(#1E0107){それら&ruby(・・・・・){人間らしい}在り方に背を向け、誰からも唾吐かれる最底辺の蟲の影を。} &color(#1E0107){そんな&ruby(・・){同類}を穢し、粉砕し尽くした時に、自己自身に最後の愛想が尽きるのか……それともかけがえない喪失の苦痛に苛まれるのか……} &color(#1E0107){知りたい。殺し合い、その涯に何があるのかを。} &color(#1E0107){倒錯した欲望が枯れ木のような躰に活力をみなぎらせる。} &bold(){&color(#660033){そうして去っていく痩身の男の眼には、まだ見ぬ獲物への臭いたつ妄執が宿っていた………。}} ---- #comment
発言者:[[ブライアン・マックール]] 対象者:[[至門]] &color(#1E0107){&bold(){人間としての情愛も、悪党の仁義も、男の誇りさえも捨て去った&ruby(・・){蛆虫}の這いずる世界。}} &size(13){&color(#1E0107){&bold(){[[最底辺の街>関東邪法街]]に流れ着いた、悪名高き元テロリストのブライアンが昏い熱の籠った欲望を吐き出した一場面。}}} [[彰護>角鹿 彰護]]らにより潰された、[[魔女>災禍の魔女たち]]狩りに関わる拠点。 その“現場”を直に確認したと、雇い主である至門に告げるブライアン。 &bold(){原型を留めない死骸}、&bold(){わざわざ素手で殺されたと思しき死体の数々}………&bold(){常人ならば目を覆わんばかりの惨状}。 &bold(){[[「歪んでいる」>俺は、笑っているのか]]}と犯人の異常性に触れながらも、彼の言葉にはどこか&bold(){嬉し気な響き}さえ含まれているように思われた。 そんなブライアンは、犯人像に興味なさげな態度を示す至門に、 この相手は、&color(#1C1114){「自分でなければ狩れない相手」}と言い、こう言葉を継いだ…… &size(16){&color(#1C1114){「こいつは、自分の一番大事な&ruby(もの){理想}を捨てた奴だ。}} &size(16){&color(#1C1114){それも、かつては命を懸けて貫いたほど筋金入りのをな。}} &size(16){&color(#1C1114){普通はそこで抜け殻として終わるか、死ぬ。だが……」}} &size(17){&color(#1C1114){&bold(){「そんな&ruby(・・・・・・){終わってる奴}に、何か一つだけ執着する目的が残ったとき……}}} &size(17){&color(#1C1114){&bold(){こういう徹底して、かつ歪んだ化け物が生まれることもあるのさ」}}} &size(17){&color(#1C1114){「善も悪も、自分の生死にすらも関心がない。だから話も通じない。}} &size(17){&color(#1C1114){言っておくが手強いぞ。生きた亡霊を相手にするようなものだからな」}} 鼻で笑って去っていく至門に対し――&bold(){ブライアンは独り引き攣った笑いを漏らす。} &size(20){&color(#1C1114){&bold(){「判るさ&size(21){&italic(){───}}なにせ自分自身のことだからな」}}} &color(#1E0107){己と同じく僅かに光も射さぬ無明の荒野を歩く者を、ブライアンは見出した。} &color(#1E0107){愛する者や親友、家族への献身、社会への責務や誇りある行動……} &color(#1E0107){それら&ruby(・・・・・){人間らしい}在り方に背を向け、誰からも唾吐かれる&bold(){最底辺の蟲の影}を。} ---- #comment

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: