――安心できるな、おまえ達は

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――安心できるな、おまえ達は」を以下のとおり復元します。
発言者:[[クロウ・ムラサメ]]


単独での潜入任務中、欲竜の長[[ダインスレイフ>ファヴニル・ダインスレイフ]]によって捕捉されたムラサメ。
一方は強化兵に在らざる者、それに対し強欲竜団側は、粗雑ではあれ[[星辰体]]の恩恵を受けた[[強化兵>機甲星装兵]]ばかり。
だが、ダインスレイフはムラサメの纏う独特な空気を敏感に感じ取り、
&color(#671755){この相手は油断ならない、&bold(){&ruby(、、、、、、、、、、、、、、、、、、、){いつでも死ねることに全霊を懸けている男}である}}と理解し、容赦なく配下の兵を投入したのだが……

&bold(){一瞬の交錯の後、命が潰えていたのは機甲兵の方であった。}
追撃を放つ他の兵達。だが、その銃撃が捉えたのは敵手の残像のみであり、
地を這うように疾走しながら、剣士は必殺の瞬間を逃すことなく、的確に無慈悲に、斬首の刃を振り下ろす。

&bold(){左へ右へ、風の如く不規則に。}
&bold(){されど時には迅雷と化し、恐るべき緩急をつけながら。}
&bold(){迫り来る砲撃を紙一重で躱しつつ、接近と離脱を繰り返す。}
&bold(){十対一という圧倒的不利な状況を怜悧な瞳で見切り、予測し、理解して――}
&bold(){距離を詰めた刹那、今度は二つ……魔法のように首が飛んだ。}

強引な人体改造で常に精神混濁状態にあるはずの機甲兵は困惑を弾き出す。

&bold(){なにせ紛れもなく、ムラサメはこの場において最弱の存在なのだから。}
最も遅く膂力が低く耐久力も劣る、そんな相手に翻弄されている現実に、機甲兵達の理解は追いつくことができなかった。

――漆黒の瞳が見据える先、斬滅の速度は徐々に徐々に加速する。
趣向を変えんと、ダインスレイフは[[無数の剣鱗>https://www46.atwiki.jp/vermili/pages/318.html]]を剣士の周囲に創造し、その刃はムラサメから機動力と視界を奪い取り、
その向こうから兵達の無数の砲撃が襲い来るかに見えたが……

&color(#555756){&sizex(3){&bold(){「無駄だ」}}}

積み重ねられた戦闘者としての思考は、その発動さえ読み切り、弾幕の発生に先んじて抜刀。
剣山は切り拓かれ、何等打撃を与えられずに、新たに三つの首が宙に舞う。
自爆を使う暇さえ許されず、絶妙な間合いを取られた上で、接近を許せば一振りで絶命させられる……。
もはや、機甲兵にはムラサメに対し有効な手立てを無くしていた。

そうして発動の瞬間を完全に読み切って、狩られる側となった機甲兵達に向き合いながら、ムラサメはそっと呟く。

&color(#555756){&sizex(3){&bold(){「――安心できるな、おまえ達は」}}}
&color(#555756){&sizex(3){&bold(){「速く、強く、頑丈で、だがそれだけだ。獣と変わらん。荒唐無稽な&ruby(ほし){異能}がない。ならば後は仕留めることなど容易いものだ」}}}

&bold(){――自然界を見渡せば、人間の&ruby(スペック){身体能力}を上回る猛獣などそこら中に存在している。}
&bold(){機械化兵の相手もまた基本的には同じこと。}
&bold(){牙や爪が大砲に置き換わっただけであり、虎や熊を斬るに等しく――そして実際、彼は修練の過程で虎も熊も共に斬った経験を持っていた。}
&bold(){加えて、日常的に&ruby(ワーグナー){試作機甲星装兵}の上位互換である&ruby(エスペラント){星辰奏者}と訓練で切り結んでいる以上、}
&bold(){ムラサメにとって警戒する理由の方が存在しないと言えた……。}

ゆえに何よりも彼が怖れるのは、隔絶した膂力以上に&bold(){[[星辰光]]という&ruby(、、、){隠し玉}の方。}

&color(#555756){&bold(){突然火を出す、爆発させる、風雷操作に振動操作と……何だそれは? 冗談にも程があるというものだろう。}}

&bold(){“何をやってくるか分からない”相手との殺し合いが、戦場の現実であり、}
&bold(){手が二つ、足が二つ、そこに武器と装備が幾つか、そして鍛え上げてきた技……}
&bold(){それのみが己の持てる全てであり、慮外の異能の前では、容易く蹂躙されてしまうと感じる今、}
&bold(){クロウ・ムラサメという男は、卓抜した剣の冴えを持ちながらも、}
&bold(){どこまでも自分自身に対して匙を投げ、諦観に身を委ねていたのであった………。}


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- 自己評価低すぎィ!?  -- 名無しさん  (2017-04-25 09:48:14)
- 異能者のことを上に見過ぎてるんだよなぁ...  -- 名無しさん  (2017-04-25 09:49:49)
- 熊を撲殺できる時点で師匠も大概人間辞めてるんだよなぁ…  -- 名無しさん  (2017-04-25 10:28:41)
- 貴方とコールレイン少佐はもうちょっと自信もってよ!他の星辰奏者達がかわいそうになってくるだろ!  -- 名無しさん  (2017-04-25 12:38:13)
- ↑だって、圧勝出来ないし...  -- 名無しの人狼  (2017-04-25 12:44:39)
- し、師匠は最初は自信持ってたから…粉々にされちゃっただけだから…  -- 名無しさん  (2017-04-25 12:45:39)
- ある意味作中もっとも化け物じみた人物だったよ師匠は  -- 名無しさん  (2017-04-25 14:49:37)
- 師匠とゼファーさんに自分の活躍ぶりを名前を伏せて言ったらなんて反応するんだろ。ネタバレ後込みでやってみたいわ。ベタに褒めちぎった後に真実知ってそっぽ向くんだろうか  -- 名無しさん  (2017-04-25 18:50:25)
- ↑2ゼファー見るまで、並の精鋭程度ならまだ粋がれてたとか、わけわかんないよなぁ……  -- 名無しさん  (2017-04-26 00:11:31)
- 師匠「仕方がない。火球や氷柱飛ばしてくるだけならばそれを切り伏せればいいだけだが少佐の異能は対策しようがないのだ」  -- 名無しさん  (2017-04-26 00:20:04)
- 正直ゼファーさんの本領は暗殺スタイルだから戦う強さより暗殺を防げるかだよね  -- 名無しさん  (2017-04-26 00:23:26)
- これだけ強くてもウラヌスちゃんに負けるという現実  -- 名無しさん  (2017-04-26 00:27:01)
- というか性能だけは高いから、ウラヌスちゃん...  -- 名無しさん  (2017-04-26 00:38:13)
- 性能だけならチトセ級だろうね、性能だけなら(断言  -- 名無しさん  (2017-04-26 01:31:20)
- 付属性以外全部優秀なんだけどいかんせんこの世界では精神力がすべてに勝るから精神的弱者であるウラヌスちゃんでどう頑張っても…ねぇ…  -- 名無しさん  (2017-04-26 02:26:10)
- 神から恵んでもらった力で調子扱いてるウラヌスに、師匠がやられるのはそりゃいやだよなぁ。糞眼鏡はウラヌスを勝者だからで讃えるのか、グレイと同じで、ウラヌスの力=自ら勝ち取ったものではないから、嫌悪するのか  -- 名無しさん  (2017-04-26 02:29:39)
- 少なくともアッシュとの最後の特訓で精神力でもう一度あと一度と限界突破した師匠がウラヌスちゃんに精神力で劣るとは思えないからな…  -- 名無しさん  (2017-04-26 02:35:47)
- まぁ別に精神力強い方が勝たなきゃいけない道理はないんだし別にいいんじゃね  -- 名無しさん  (2017-04-26 09:52:45)
- ギルが一番嫌いなタイプでしょ。それか屑すぎて無関心かだな。たぶんギル的にはグレイみたいな中途半端なやつが一番嫌いなんじゃないか  -- 名無しさん  (2017-04-26 10:34:16)
- 本編だと最終的にグレイに倒されるのを受け入れたからなぁ、あいつ...  -- 名無しさん  (2017-04-26 10:36:38)
- それは閣下と同じ死に方だったからでグレイを認めたのとは違うんじゃないか?  -- 名無しさん  (2017-04-26 10:39:34)
- ヴァルゼライドと同じ境地に立ったからってそこで満足したのが駄目だったよね。「諦めんぞみるがいい。私は閣下を越えるのだ!」ってなってればおじさんとスフィアワンチャンあったかもしれない  -- 名無しさん  (2017-04-26 10:44:21)
- というか最後までお前なんぞ認められん!ってグレイに言ってたならまだ筋が通って良かったんだが、閣下と同じ死に方だぞ?って言われたらテノヒラークルーなのが一貫性なさすぎて...本当にこいつ閣下に報われて欲しかっただけの糞ホモなんだなって  -- 名無しさん  (2017-04-26 10:47:53)
- ウラヌスちゃん→師匠→宿儺→ウラヌスちゃん  おお、三竦みが出来たぞ  -- 名無しさん  (2017-04-26 12:09:39)
- ↑(∴)「俺ならその三竦み意味ないんだけどなあ」  -- 名無しさん  (2017-04-26 12:21:51)
- ↑確かに師匠にも未練があるからなあ。  -- 名無しさん  (2017-04-26 12:22:35)
- ↑4それはあるよね。まだだ、まだだし続けて臨界点突破で散っていったりするのであればまだ一貫性もあったんだけど糞眼鏡途中で諦めたからなお前も半端じゃねえかって感じが  -- 名無しさん  (2017-04-26 18:46:25)
- ナギサちゃんの言う「大好きな英雄様に報われて欲しいだけ」ってのが良くも悪くも正しかったんだなって、あの眼鏡。  -- 名無しさん  (2017-04-26 18:53:46)
- 邪竜おじさんもそうだが、あいつら二人「光の奴隷」というよりも「光の奴隷の奴隷」というのがしっくりくる  -- 名無しさん  (2017-04-26 19:04:55)
- この言葉からすると普通の人間が頑張っても野生動物を純粋な身体能力で上回るのは不可能か。技術を加えれば、猛獣すら撲殺可能…この世界の武術どうなってんだ?  -- 名無しさん  (2017-04-26 19:37:47)
- 現実世界でも六十七十の爺さんが山から降りてきた熊をぶん投げて退散させたってニュースがあったりするから極めればいけるのでは? ほら、レスリングのアレクサンドルとか普通に猛獣絞め殺せそうじゃろ?  -- 名無しさん  (2017-04-26 23:32:52)
- 熊を撲殺するのは目的じゃなくて邪念を払うためなんだよなぁ  -- 名無しさん  (2017-04-27 00:21:29)
- 師匠は性欲的な邪念を振り払うために生死のやり取りをするのだって言うけど生物的な本能からすると命の危機に陥ると子孫残そうとするのが当たり前だから逆効果じゃね?と思わなくもない  -- 名無しさん  (2017-04-27 03:29:06)
- ↑本当の命の危機ならタマヒュンして明鏡止水の心で抑えるまでもないんじゃない  -- 名無しさん  (2017-04-27 03:34:50)
- 本気おじさん「そんなのとっちまえばいいだけだろうが?」  -- 名無しさん  (2017-04-27 03:43:43)
- ↑2 そもそも師匠は熊や虎を命の危険だと認識してなかったんじゃね?  -- 名無しさん  (2017-06-25 13:29:30)
- なんでシルヴァリオ世界のひとはどいつもこいつも比較基準がぶっ壊れてるのか…  -- 名無しさん  (2017-06-25 14:34:01)
- このシーンってなんでケルベロス来たんだっけ  -- 名無しさん  (2017-09-12 04:29:50)
- マルスみたいな攻防一体型の能力かイヴみたいな超物量でも無い限り普通に勝てそう  -- 名無しさん  (2017-09-12 18:03:33)
- 予測不能な異能はどうしようもない、とかいいながら不意打ち発生の剣柱を普通に見切る師匠・・・  -- 名無しさん  (2017-09-12 20:55:49)
- 基本格上と戦うことを想定した師匠にとっては予想できる範疇なんだろうな  -- 名無しさん  (2017-09-12 21:30:35)
- 元々星辰奏者相手と戦った感想が「他愛なし」だったから、あいつと出会うまでは  -- 名無しさん  (2017-09-12 21:38:38)
- アマツはなぜこんなお化けじみた強さの師匠を干してエスペラントを重用したのか…見る目が無いにも程がある…  -- 名無しさん  (2017-09-13 03:38:09)
- 兵器として考えたらエスペラントの方が安く多く作れる  -- 名無しさん  (2017-09-13 20:19:03)
- 割と真面目にエスペラントの新兵の訓練担当が一番適職って感じがする。エスペラントになって調子に乗っているであろう新米の鼻をへし折る意味で  -- 名無しさん  (2018-10-30 19:24:40)
- ゼファー「――安心できるな、おまえ達は(アシュナギを見ながら)」  -- 名無しさん  (2018-10-31 00:12:13)
- アシュアヤグレイの3人とか見ながら呟いてても違和感ないよねこの台詞  -- 名無しさん  (2018-10-31 00:43:27)
- 例に上げてる突然火を出す人(サヤ)も風雷を操る人(チトセ)も振動を操る人(ゼファー)も帝国でトップクラスの実力者じゃないですかー  -- 名無しさん  (2019-06-19 03:19:50)
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