一つ思ったんだが……つまり、その問題は……ただ君がその女性に夢中になっている、だけの話なんじゃないのか?

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一つ思ったんだが……つまり、その問題は……ただ君がその女性に夢中になっている、だけの話なんじゃないのか?」を以下のとおり復元します。
発言者:[[緋文字礼]]
対象者:[[秋月 凌駕]]


[[ギアーズ>戦闘実行部隊・ギアーズ]]に囚われるも、その後の乱戦から生還を果たしてきた凌駕、そんな彼の様子が以前と変わった……&bold(){それも面白い方向に。}
そんな話を[[切>草笛 切]]から聞き、興味を抱いた礼は、[[ネイムレス]]探索行動のため出撃した彼を追いかけ直接話を聞くことにした。

属する集団の目的と方向が異にするであろう、
自分の個人的な悩みを礼に打ち明けてよいものかとためらう様子を見せる凌駕に対し、

&sizex(3){&color(steelblue){「口外はしないと誓うし、何かあれば力になるよ。}}
 &sizex(3){&color(steelblue){何より、君という人間が何処へ向かおうとしているのか……それに興味を惹かれて仕方がないんだ」}}

&sizex(3){&color(steelblue){「それに、こういうのもいいだろう?}}
 &sizex(3){&color(steelblue){男同士の腹を割った本音の相談……まあ僕には、まだ割って話すだけの溜め込める腹がないんだけどね」}}

礼はそう告げて、凌駕もまた&color(blue){礼さんならば大丈夫だろう}という安心感から、
少しずつ、自分の内に生まれた形にならない思いを親友に吐露していくのだった。

凌駕は、今の自分の中にはとても大切なものが欠けている、不安定な状態にあると告げる。
&bold(){その欠けてしまっているものを埋めるため、何をすべきか、いや何を成したいと思うのか……}
礼の言葉を受け、思考に付随する他の要素を除き去った上で、純粋な願いが彼の口から零れ出た――

&sizex(5){&color(blue){&bold(){「救いたい」}}}

&sizex(5){&color(blue){&bold(){「自然な笑顔をこぼせる日々が、リーザに訪れるように」}}}

&sizex(4){&color(blue){殺し合いたいのか、抱き合いたいのか……}}
&sizex(4){&color(blue){いいや、傍にいてほしいのだのどうだのと、そんな我欲より先にあるのは彼女の救いだけだった。}}

凌駕の口からでてきた個人…女の名は、
ギアーズの一員であり今も敵対する[[エリザベータ・イシュトヴァーン]]のことなのか、と問う礼に対して、
凌駕は肯定の頷きを返し、

&sizex(3){&color(blue){「まぁ、その……実は色々あって、闘ったり、街で遭ったり、ずっと地下で一緒に閉じ込められたりしていて……」}}

&size(17){&color(blue){「彼女のことが妙に頭から離れなくなったというか……}}
 &size(17){&color(blue){素顔で笑える瞬間を蔑ろにしないでほしいというか、何ともいえない感情が湧きあがってきて」}}

&sizex(4){&color(blue){「ああ、別に殺されたくないからの恐怖とか、そういうのは関係ないんですよ?}}
 &sizex(4){&color(blue){むしろ自分が死ぬことよりも、}}
 &sizex(4){&color(blue){それで兵士としての仮面に心が押し潰されないかとか、そういう部分が心配で……」}}

&sizex(4){&color(blue){「日の光を歩めるように。自分に苦しまないように――}}
 &sizex(4){&color(blue){彼女が望んだ自分自身に成れるよう、導くための一助でありたい」}}

&sizex(4){&color(blue){「ほんの小さな欠片でもいいんだ。}}
 &sizex(4){&color(blue){たまたま気に入ったから停まっただけの宿り木でも、俺に何かを与えられたら…………って礼さん?」}}

熱っぽく語る凌駕はいつのまにか沈黙していた礼の様子に気づき、どうかしたのか、と尋ねると……
礼は、&bold(){呆れたような眼差しを向けながら――}

&sizex(4){&color(steelblue){「なぁ、凌駕くん……」}}

&sizex(4){&color(steelblue){「一つ思ったんだが……つまり、その問題は……」}}


&sizex(5){&color(steelblue){&bold(){「ただ君がその女性に夢中になっている、だけの話なんじゃないのか?」}}}


&bold(){そう、あっさりと親友の悩みの正体を告げ……}
さらに、

&sizex(5){&color(steelblue){&bold(){「それも酷いベタ惚れだ。彼女の存在以外、何も見えなくなっている」}}}

と付け加えるのだった。

親友のその総括を聞き……


&sizex(5){&color(blue){「嘘だろ……」}}


&bold(){凌駕の思考は一気に真っ白になった。}
そして今まで自分が礼に語って聞かせた言葉の数々を、&bold(){それまで欠落していた男女間の恋愛感情的視点で振り返ると……}

&sizex(4){&color(blue){&bold(){幸せになってもらいたい。}}}
&sizex(4){&color(blue){&bold(){自分のことは二の次。}}}
&sizex(4){&bold(){&color(blue){笑顔が見たい、それで十分、どうか彼女の心が自分や現実に押し潰されないように――}等々。}}

さっきの自分の様子が、&bold(){ただ女に逆上せ上がった馬鹿野郎の独り相撲そのものだった}と自覚した瞬間……

&sizex(5){&color(blue){「ああぁ……何だそれは、何だそれは、}}
 &sizex(5){&color(blue){クラスの女子が気になり始めたばかりの餓鬼かっ、俺は……!!」}}

&sizex(5){&color(blue){「しかも何だ、自分のことより彼女の笑顔って……恋愛小説気取りの優男か?}}
 &sizex(5){&color(blue){馬鹿なのか? 阿呆なのか? }} 
 &sizex(5){&color(blue){何さっきから顔から火が出そうなことを皆目見当つかないですって顔しながらーーッ」}}

その恥ずかしさに凌駕は悶え、

&sizex(5){&color(steelblue){「ああ……君は救いようのない馬鹿野郎だな」}}

礼は溜息混じりに呆れて、

&sizex(5){&color(blue){「ははははははっ! 何だよそれ……!」}}

&sizex(5){&color(steelblue){「まったく勘弁してくれよ……}}
 &sizex(5){&color(steelblue){僕はさっきから、ただの惚気話に付き合わされてたってだけかい……? くくくくっ」}}

最後はその可笑しさでお互い大いに笑い合う。


そして――

&sizex(4){&color(steelblue){「しかし、いきなり答が出てしまったな……こうなったら逢いに行くしかないじゃないか、彼女の元へ」}}

[[マレーネ>マレーネ・フランケンシュタイン]]や礼らに対する裏切り、愚挙になりかねないと判断する思考を持ちながらも、心の熱を抑えずに凌駕ははっきりと誓う。

&sizex(4){&color(blue){「馬鹿なことはよせって止める権利が、一緒に闘ってきた礼さんにはあると思う……けど」}}

&sizex(5){&color(blue){「ごめん、俺、礼さんを殴り倒してでもリーザに逢いに行くよ。}}
 &sizex(5){&color(blue){そしてできる限りの声で彼女に教えてやりたい」}}


&size(22){&color(blue){&bold(){「そんな&ruby(けしょう){仮面}を見たから――俺はぶっ壊れたんじゃないってさ」}}}


そんな親友の願いに対し、
礼は、止めはしない、元々今の集まりとて一時的な利害が一致したことで成立した集団であって、
&ruby(りょうが){君}にだって、僕らと同じように自己の目的を追及する権利がある、と説き………

&sizex(4){&color(steelblue){「どうせ一度の人生だよ。それで死のうが生きようが、我がまま放題してくればいい。後のことは任せてくれ」}}

&sizex(5){&color(steelblue){「なるほど……確かに、今の君は面白いな」}}

そう笑いながら告げていく。


そうして、凌駕は

&sizex(5){&color(blue){「じゃあ、いってくるよ。ありがとう、礼さん」}}

背中を押してくれた親友との絆を確かめつつ、焦がれた&ruby(ひと){女性}のため、歩みを進めるのであった。


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- 色々(ヌキヌキポン)  -- 名無しさん  (2017-04-26 10:23:02)
- このシーンで悶絶する凌駕が印象的  -- 名無しさん  (2017-04-26 10:25:03)
- この時の凌駕さんは中庸の怪物じゃない普通の人間だったよね。  -- 名無しさん  (2017-04-26 18:52:57)
- 礼さんマジいい友人  -- 名無しさん  (2017-04-26 18:54:03)
- lightでも型月でも恋は超人達にバグを引き起こす。  -- 名無しさん  (2017-04-26 19:40:54)
- BBしかり「両儀式」しかり愛歌しかりパーソナルアタラクシアしかりシルヴァリオシリーズ主人公しかり恋というバグは色褪せることのないテーマだね  -- 名無しさん  (2017-04-26 19:56:06)
- ↑ fateルートの士郎とセイバーの2人もバグが起きたと表現されるよな  -- 名無しさん  (2017-04-26 20:20:10)
- 水銀「分かるよ、恋をすると他の事がどうでもよくなる」錬金術師「ああ分かるよ、僕も一緒さ」闇「愛は人を狂わせる……私にも覚えがある」アッシュ(俺も分かるけど、混ざっちゃいけない気がする)  -- 名無しさん  (2017-04-26 21:30:31)
- ↑ ライル「……(素直になれよという表情で沈黙している)」 練炭「……(諦めろという表情で沈黙している)」  覇吐「………(ようこそ、こちら側へという表情で沈黙している)」 四四八「……(メイド服は良いモノだという表情で沈黙している)」  -- 名無しさん  (2017-04-26 21:40:46)
- ↑2 ゼファー「……(あー、スゲー落ち着くという表情でヴェンデッタの膝枕で微睡みながら沈黙している)」  -- 名無しさん  (2017-04-26 21:42:55)
- √によって恋愛対象が変わるキャラの中で、ゼファー×ヴェンデッタはともかく、四四八×晶でパンツさんはないがしろなのが吹く  -- 名無しさん  (2017-04-26 22:28:23)
- ↑ 晶はカッコかわゆいからな。あとボスキャラとの因縁もシッカリしてる。  -- 名無しさん  (2017-04-26 23:10:02)
- ↑3 練炭「ある日、気付いた時からペタンに魅了されてた。」  ゼファー「分かるわー。小さな胸に抱き締めてくれるのが堪んねー」  -- 名無しさん  (2017-04-26 23:14:39)
- ↑3まぁ晶がメインヒロインだしね!  -- 名無しさん  (2017-04-26 23:28:00)
- ↑×4単体でも十分にキャラとして魅力的なのに大天使ハゲの娘ってのがアカン。ヒロイン力高杉  -- 名無しさん  (2017-04-26 23:40:08)
- 晶もナギサもアリスやカレンやリーザからエロい事を教え込む相手として狙われてそう。  -- 名無しさん  (2017-04-26 23:49:48)
- ↑2他の三人が軒並み残念なのがなおさら引き立て役になってるよね  -- 名無しさん  (2017-04-27 03:41:14)
- ↑10あ、アッシュの愛はまともだし...  -- 名無しさん  (2017-04-27 11:33:00)
- ↑ うむ、彼女と同じ様に重いだけだな  -- 名無しさん  (2017-04-27 11:42:26)
- ↑2ライル「お前のために世界を殺す(実行済)」練炭「数千年単位で彼女の為に戦い続ける」覇吐「惚れたぜ。あんたの為に俺は死のう」まともな愛ってこれでしょ?(light感)  -- 名無しさん  (2017-04-27 13:28:45)
- トシロー「この楽園には俺と彼女だけ在ればいい」信明「あ、彼女救うついでに世界救っておきました」四四八「メイド萌えええええ!!」...うん、まともだな  -- 名無しさん  (2017-04-27 13:34:27)
- うむ、真っ当な(ここ重要)を叫びながら闘う男はカッコいい  -- 名無しさん  (2017-05-01 23:13:43)
- おそらくまっとうな恋愛感情という点では零示が異端なレベルで一般人寄りだよね  -- 名無しさん  (2017-05-01 23:16:08)
- 真人間のアッシュですら記憶をいじくり回されても忘れなかった愛っめ時点でね。  -- 名無しさん  (2017-05-01 23:19:20)
- なら一番真っ当じゃない愛とは何ぞや?  -- 名無しさん  (2017-05-01 23:31:21)
- 全てを愛しているor自分しか愛していない  -- 名無しさん  (2017-05-02 00:43:23)
- 愛する者に正気なしって言うし、愛なんてみな狂ってるものなのさ。  -- 名無しさん  (2017-05-02 00:44:16)
- ↑3俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺俺  -- 名無しさん  (2017-05-04 19:52:57)
- 非の打ち所無しと方々から絶賛された黄昏すら慈愛が過ぎてどうしようもない屑すら排除できない欠陥持ちなんだから、結局ベクトルじゃなくスカラー値として行き過ぎた愛はロクなもんじゃない。重要なのはバランス・中庸、つまり凌駕さんこそ最強…あれ?(記事本文に戻る)  -- 名無しさん  (2017-05-05 09:24:45)
- ↑悟り開くレベルのバランスはアウトなんじゃ…やはり灰と光の境界線がナンバーワンじゃ…  -- 名無しさん  (2017-05-05 23:48:05)
- 他の主人公達と比べるほどに際立つアッシュ君の素晴らしさ。これはヘリオスじゃなくても誇りに思いますわ  -- 名無しさん  (2017-05-06 08:06:17)
- 凌駕・四四八・覇吐・杜志郎「俺達だってまともだ!!」  -- 名無しさん  (2017-05-07 10:51:05)
- ふと、light作品主人公勢でまともな愛と括るとdies以前の作品群で言えば多いんじゃないかと思った。元々高濱昏式コンビや正田卿がそう言う作品出す前は中二系じゃない話出してたんだし  -- 名無しさん  (2017-05-07 10:59:43)
- ↑やはりパラロスは黒歴史だったかーー渺。--渺。--渺。  -- 名無しさん  (2017-05-07 11:05:02)
- ↑あれはlightがルネ山の最も有効な起用方針を発掘した作品だったと思ってる。「レストインピース」サイコーやったろ?  -- 名無しさん  (2017-05-13 23:08:48)
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