……本当に。私、なんて厄介な男にひっかかったのかしら

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……本当に。私、なんて厄介な男にひっかかったのかしら」を以下のとおり復元します。
発言者:[[エリザベータ・イシュトヴァーン]]
対象者:[[秋月 凌駕]]


&sizex(3){&bold(){命を賭けて、不器用にアプローチし続けた少年の告白に対する、素顔に自身の持てない恥ずかしがり屋の女性の答えであり、彼女自身の決意の言葉。}}

死力を尽くし、エリザベータを下した凌駕。
己の敗北、そして少年の勝ちを認めた彼女に対し、彼は手を差し伸べながら告げる……

&sizex(4){&color(blue){&bold(){「一緒に行こう。そのために、どうか君の意思で掴んでくれ」}}}

だが、その選択を“自分の意思で選ぶ”ことに対しエリザベータは躊躇いを隠せない様子であり、

&sizex(4){&color(darkviolet){「……厳しいわね、凌駕は。さっきまでは優しかったのに、今はこんなにも恐いことを口にしてる」}}
&sizex(4){&color(darkviolet){「俺が攫っていく、とは言ってくれないの?」}}

彼女の受け身がちな言葉に、凌駕は&bold(){それじゃあ君が救われない、どれだけ誤魔化しても君という存在を本当の意味で救えるのは君自身しかいない、}そう語りかける……

&sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){「でも凌駕、世の中には必ずいるの。自分の意思じゃ立ち上がることを恐いと思う人間が……どうしても、その一歩で踏みとどまってしまう人間がね」}}}
&sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){「頭では分かっているのよ、あなたの手を掴めば良いって。きっと、私は誇り高くなれるわ。胸を張って、自分の道を歩めるようになると思う……」}}}

&sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){「でも……」}}}

そう、怖れの感情を吐露する目の前の女性に、
少年は、[[親友>緋文字礼]]との語らいでようやく自覚できた&bold(){素直な感情}を明かす。

&sizex(4){&color(blue){「俺は、君が居てくれると前を向けると思うんだ。つい昼間まで、本当に間抜けだったから」}}
&sizex(4){&color(darkviolet){「間抜けって……あなたが?」}}
&sizex(4){&color(blue){「そうだよ。情けないことに、相談しないと根性一つ出せなかった」}}

自分もそんな、&bold(){好きな相手の言葉や表情に一喜一憂する、ありきたりな男なんだ}と伝えた上で―――


&sizex(6){&color(blue){「君が笑うと、俺も嬉しい」}}


&sizex(4){&color(blue){「……ほら、俗だろう? 俺は、君が救われてないと嫌なんだ。好きになった相手がつまらない女性のままだなんて、絶対にさせたくない。これはそんな男の我がままなんだよ」}}
&sizex(4){&color(darkviolet){「我がまま、って……」}}

凌駕は、その言葉の裏で、好ましいと思った誰かを引き上げることで、無意識にその誰かから己の孤独感を癒してもらいたがっているという側面を感じながらも、&bold(){それでも大切に想っているんだという思いを込める。}


&bold(){果たしてその少年の言葉に、エリザベータは……}


&sizex(5){&color(darkviolet){&bold(){「……本当に。私、なんて厄介な男にひっかかったのかしら」}}}


&sizex(3){&color(darkviolet){&bold(){力を伴った奉仕愛を向けられて―――}}}
&sizex(3){&color(darkviolet){&bold(){今が嬉しくて…昔の自分が情けなくて……}}}


&sizex(5){&color(darkviolet){&bold(){「これじゃあどう足掻いても逃げようがないじゃないの……」}}}


&sizex(3){&color(darkviolet){&bold(){今度こそ自分の完敗}}}と笑みをこぼし、

&sizex(4){&color(blue){「俺が夢中になった女性は、逃げながら鉄の&ruby(ナミダ){雨}を降らせるからさ。生半可な覚悟じゃ抱きしめさせてもくれないんだよ」}}
&sizex(4){&color(darkviolet){「臆病だから、その子。仮面と衣装で着飾らないと、人前にだって立てなくて……」}}
&sizex(4){&color(darkviolet){「けど、そうね。ここに一人、そんな恥ずかしがり屋を好いてくれる奇特な人がいるのだから」}}

&sizex(3){&bold(){その瞳に、小さな意思を灯し。}}
&sizex(3){&bold(){真実、彼女自身が自らエリザベータ・イシュトヴァーンを変えようという、かつてない決意を胸に抱きながら。}}


&sizex(5){&color(darkviolet){&bold(){「あなたに付いていくわ、凌駕……そうすればいつか、素顔のままで生きていけそうな気がするもの」}}}


&sizex(4){&color(blue){「よし、俺に付いてこい」}}
&sizex(4){&color(blue){「――ぐらいな事を言った方がいいのかな、ここはやっぱり」}}

&sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){「およしなさい。そういう安手の男らしさは、凌駕には似合わないわ」}}}
&sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){「あなたは、そのままが一番いいの……&sizex(4){私の可愛い人}」}}}

&sizex(3){&color(blue){そういうリーザだって、相当な初心じゃないか}}と凌駕がからかうと、

&sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){「……意地悪ね、凌駕は。判ってるくせに」}}}
&sizex(4){&color(darkviolet){&bold(){「少なくとも……こんなに情熱的な口説かれ方をしたのなんて、初めてよ」}}}

彼女は頬を染めて俯きながら、素直な思いを表してみせる。



&bold(){―――そうして、穏やかな空気が流れる中、新たな一歩を踏み出すべく二人の男女は動き出す。}

&sizex(4){&color(blue){「行こう、リーザ」}}

&sizex(4){&color(blue){「これから一緒にいられると思えば、大抵の事は切り抜けられる気がする。いや――」}}
&sizex(5){&color(blue){&bold(){必ず、切り抜けて見せる。}}}

&sizex(3){&color(blue){少年はその手に、愛する人への誓いを込めて―――}}

&sizex(5){&color(darkviolet){「ありがとう、凌駕……女冥利に尽きるわね」}}

&sizex(3){&color(darkviolet){女もまたそれに喜びを感じながら、掴んだ手に引き寄せられ、静かに立ち上がったのだった………}}


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- ここだけ見ると微笑ましいのに、相談しないと根性一つ出せない=相談して自覚したら根性が幾らでも出るという恐ろしい部分に目が行っちゃうのが・・・  -- 名無しさん  (2017-05-27 00:48:43)
- ↑ブッダ系主人公は資格持っていて、あとはスイッチの入れ方を自覚するだけよ……  -- 名無しさん  (2017-05-27 10:41:30)
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