美影とは誰なのか────あとできっちり喋ってもらいますので

「美影とは誰なのか────あとできっちり喋ってもらいますので」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
美影とは誰なのか────あとできっちり喋ってもらいますので」を以下のとおり復元します。
発言者:[[????>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/274.html]]
対象者:[[トシロー・カシマ]]


アリヤ√、支配層が崩壊し混沌とする[[鎖輪]]の中、己の死が近いことを悟ったトシローは、かつて[[愛する者>美影]]を[[奪い、>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/905.html]]今また[[守ろうとした>https://w.atwiki.jp/vermili/pages/1017.html]][[少女>アンヌ・ポートマン]]の命を奪った仇として、
先代の&bold(){&ruby(ホワイトパイル){[[白木の杭>白い杭]]}}、[[クラウス>ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス]]を斃すことに&bold(){自身の残りの命全てを費やそう}と、密かに決意していた。

だが……現れたクラウスとの闘いがまさに始まらんとするその瞬間、[[『柩の娘』]]と共に消滅したはずの[[『裁定者』]]が再度出現。
[[シェリル>シェリル・マクレガー]]は深手を負い、仇としたクラウスは冷静に一人脱出。
トシロー自身も銀の呪毒が急速に躯を蝕んだことで、裁定者によって狩り立てられ、
相棒と[[アイザック>アイザック・フォレスト]]を取り残したまま、一人暗い水底に沈んだかに見えた。


それでも―――トシローは生き残っていた。
致命傷ではあったが、それにより銀に汚染された血が抜かれ、失血死寸前でかろうじてこの世に留まっていたのだった。
&bold(){&color(#203B42){しかし、&ruby(ブラインド){縛血者}として血が足りない状態が続けば、程なくして死を迎えるであろうし……}}
&bold(){かといって血を取り入れたとしても、&color(#203B42){今度は銀の毒に汚染された血が体内を満たし死亡する、と……どうしようもない状況であった。}}

&size(13){&color(#33080F){―――&bold(){無為に生き、全て失い、後悔しながら……意味も無く死ね。}}}
&size(13){&color(#33080F){―――&bold(){ただ死ね、と。}}}

トシローは迫る死の足音を前に、運命はそう宣告していると感じ………


&size(16){&color(#040414){&bold(){「俺はいったい……なんだったの、だろう……な……」}}}


&bold(){己の不甲斐なさを悔いて、苦汁に満ちた泣き言が喉から絞り出された。}

&size(15){&color(#040414){&bold(){俺には命の捨て場所すらないのか? 死に意義を見出すことさえ、許されないというのか?}}}
&size(15){&color(#040414){&bold(){ならばこの生は、刃は、間違い続けた愚かさは}――&bold(){本当に無価値なだけのものだったのか?}}}


&size(16){&color(#040414){&bold(){「まだだ……まだっ!」}}}


己自身への情けなさ、怒りを振り絞り、死を拒絶しようとするトシロー。

&size(15){&color(#040414){&bold(){ここでは死ねない。せめてあの&ruby(クラウス){老人}を滅ぼすまでは、}}}
&size(15){&color(#040414){&bold(){せめて “復讐” を成し遂げるまでは、ここで朽ち果てるわけにはいかない。}}}

&size(13){&color(#072F3D){&bold(){だが、肉体はその意志の求めをただ無慈悲にかわし……応えることはない。}}}


&size(18){&color(darkblue){「――――」}}

&size(17){&color(#040414){&bold(){「&size(18){&italic(){────}}ああ」}}}


&bold(){もがく彼の霞んだ視界に……&ruby(・・・){黒い髪}と、懐かしい東洋の香りを感じさせる人影が現れた。}
混濁する意識の中、トシローは思う。

&size(13){&color(#040414){&bold(){背後にある河は三途のものなら、ここは賽の河原か。}}}
&size(13){&color(#040414){&bold(){ならば……目の前に立つ&ruby(・){君}は、1人しかいない。}}}
&size(13){&color(#040414){&bold(){……死出の旅へ導くべく、俺を待っていた女などたった1人だけだから。}}}


&size(17){&color(#040414){&bold(){「み、かげ……美影、俺はッ}―――&bold(){」}}}


&bold(){みっともなく震える指先を必死に、愛おしい昔日の影へと伸ばす。}


&size(18){&color(#040414){&bold(){「もう、少し……あと少し、俺を……留まらせてくれ」}}}


&size(14){&color(#040414){&bold(){どうか、この常世にしがみ付かせてくれ。}}}
&size(14){&color(#040414){&bold(){たった一つでいい、何かの想いを遂げさせてくれ。}}}
&size(14){&color(#040414){&bold(){このままでは死ねんのだ。こんな死に様など耐えられない。}}}
&size(14){&color(#040414){&bold(){自分を好きになれることはないだろう、だがせめて……決着をつけなければならない。}}}

&size(15){&color(#040414){&bold(){だから頼む、美影。最後に何かを、トシロー・カシマに一つでも成し遂げるための機会を与えてくれ。}}}
&size(15){&color(#040414){&bold(){罵って見下げ果ててくれてもいい、だからどうか、俺に&size(14){&italic(){────}}}}}


&bold(){どれだけ情けなかろうが、惨めだろうとも。}
&bold(){胸に浮かんだ想い、願いを抱え、男は女の幻へと這いずってゆく。}


&size(15){&color(darkblue){その想いは果たして―――}}


&size(18){&color(darkblue){「――判りました。では、少々手荒に行きます」}}

&size(19){&color(darkblue){&bold(){「というより……苛々させますね、あなたは。}}}
&size(19){&color(darkblue){&bold(){他の女の名前を出すなど、デリカシーはあるのですか?」}}}


&size(13){&color(#040414){&bold(){美影ではない? ではいったいこの影は誰なのか?}}}
朦朧とする意識には、しかしそれ以上の考える余裕は与えられなかった。


&size(20){&color(navy){&bold(){「新発見です。 私、少々独占欲が強かったらしいですよ?」}}}

&size(22){&color(navy){&bold(){「&ruby(・・・・・・・・){美影とは誰なのか}&size(21){&italic(){───}}あとできっちり喋ってもらいますので」}}}



&size(15){&color(darkblue){&bold(){その言葉と共に}―――}}
&size(15){&color(darkblue){&bold(){壁に預けられたトシローの胸元に、鈍く光る短剣の切っ先が刺し込まれて………}}}



----
- 一番入れてはいけないスイッチを入れてしまった感  -- 名無しさん  (2018-02-17 13:59:01)
- そして、独占するために夜に搾り尽くすのか  -- 名無しさん  (2018-02-17 14:04:45)
- ↑2覚醒スイッチ押すのも得意なのに、嫉妬スイッチ押すこともできるとか、トシローさん、流石やでぇ・・・・・・。  -- 名無しさん  (2018-03-12 21:22:43)
- もうトシローは剣術教官になって生徒を覚醒させた方がいいんじゃないか?  -- 名無しさん  (2018-03-13 09:08:58)
- ↑総統を生徒にしてみようw ゼファーさんでも可!(ゲス顔)  -- 名無しさん  (2018-03-13 11:53:47)
- ↑トシローさんは強さよりかは精神に重きを置いてるから、ゼファーさんは自分と同類の屑だぐらいにしか思わないんじゃね。総統は見たら心折れそうだけどね…  -- 名無しさん  (2018-03-13 14:21:23)
- 秋月凌駕もヤバそう、アッシュは可愛がりそう、零示と直は分からん、  -- 名無しさん  (2018-03-13 15:01:16)
- ↑どこでも可愛がられそうなアッシュのヒロイン力の高さよ。どの世界でも生け贄とかになってそうって意味でもヒロイン力高いぜ!(白目)  -- 名無しさん  (2018-03-13 16:19:44)
- トシローさん  -- 名無しさん  (2018-03-13 17:09:57)
- まじで面倒だな  -- 名無しさん  (2018-03-13 17:10:30)
- トシローさんは、凌駕とかヴァルゼライドとかハイドリヒ卿とか言う意味のわからない精神してる連中見たら絶対心折れる  -- 名無しさん  (2018-03-13 17:28:55)
- ↑吸血鬼が光を直視した如く灰になるよね、きっと。  -- 名無しさん  (2018-03-13 17:47:30)
- なんだろ、生き延びて目覚めたら死よりも恐ろしい状況になってしまったというか。本当に不運だなトシローさん。  -- 名無しさん  (2018-08-06 20:40:57)
#comment

復元してよろしいですか?