よって、美しい。誇るがいい、おまえ達はその虚構(いつわり)に輝きを持たせられるのだから

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よって、美しい。誇るがいい、おまえ達はその虚構(いつわり)に輝きを持たせられるのだから」を以下のとおり復元します。
発言者:[[《伯爵》]]
対象者:[[トシロー・カシマ]]、[[アリヤ・タカジョウ]]


&size(13){&color(#443042){&bold(){勝った者が選択した理念を玉座へ飾るだけならば、その是非を問うのはどこまでも無意味だ。}}}
&size(13){&color(#443042){&bold(){無限に等しい善悪と勝敗を見てきた。そして、彼にとって敗北は存在しない。}}}
&size(13){&color(#443042){&bold(){だからこそ……醜悪な勝者よりも、美しい敗者に目を奪われる。}}}


[[クラウス>ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス]]とアリヤの師弟が成した渾身の一撃を受けてなお、[[老狩人が満足して死にゆく様を待ってから、再生する余裕を見せる>騒ぐことでもない。おまえ達の語る“吸血鬼”とは、そういうものであろう?]]《伯爵》。
そこに現れた、血族の滅びの真実を追い求めるトシローと[[覚悟を固めた>答えは最初から決まっていた――あの吸血鬼(かいぶつ)を斃す。やるべきことなど、それ以外になかった。]]アリヤは、協力してこの規格外の怪物に挑んでいくも、赤子の手をひねるように、二人は叩きのめされた。
そんな、厳然たる実力差を何度も思い知らされても、自分に挑む彼らの様を見つめながら伯爵が告げた、美醜で世界を眺める「強者」からの称賛の言葉。

&bold(){自己が他を排する行為に、何らかの&ruby(・・){意味}をつけたがるという性。}
&bold(){それを持つのは人間のみであり、彼らは殺人という行為に対し付与する様々な表現を歴史の中で創り出してきた。}
&bold(){けれども、それは私の観点からすれば、詰まるところ虚構であり装飾、遊戯に過ぎない。}
&bold(){これまで見てきたような凡百の人間、悠久の時を生きる血族などの弱者は、そんな虚構の中で戯れ、滅びるしかなかったが……}
&bold(){[[矛盾を前に足掻き、残り僅かな命を燃やし尽くした>仕方がないという言葉など理由にならん。まだ歩けると、俺の命は言っておる]]あの老人のように────}
&bold(){そして、今どれほど叶わぬと判っていても、決意とやらを掲げて怪物を打倒しようと足掻くおまえ達の姿は美しい。}

&size(13){&color(#443042){&bold(){そう、虚構や幻想を輝かせ、真実と成せるかもしれぬその意志の力に、私は期待しているのだと。}}}

&bold(){&color(#381747){《伯爵》という御伽噺の魔王は、頂点に立つ者としての傲慢さを隠すことなく、倒れ伏す二人に言い放つのだった。}}


****本編より

&size(14){&color(#443042){&bold(){「}────&bold(){ぶしつけな物言いをするのであれば、だ。おまえ達の決断には、&ruby(・・・・・・・){何の意味もない}」}}}

&size(14){&color(#443042){&bold(){「“他を殺すには覚悟がいる” と、よく人が口ずさむ言葉にあろう?}}}
 &size(14){&color(#443042){&bold(){しかし、私はそうは思わぬ。あれはただの装飾だ」}}}

&size(15){&color(#443042){&bold(){「蟻を踏み潰して憂う象はいない。肉を貪るのに決意を抱く虎も、また然り。}}}
 &size(15){&color(#443042){&bold(){他を完全に上回る力の差は“殺害”ではなく、ただの“作業”へと行為の姿を変える」}}}

&size(16){&color(#443042){&bold(){「言ってしまえば、当然なのだ。}}}
 &size(16){&color(#443042){&bold(){自らのために他を淘汰する作業に一々理屈や覚悟を語るのは人の遊戯でしかない」}}}


&size(18){&color(#443042){&bold(){「そう}────&bold(){人だけが、暴力に&ruby(・・){意義}を求める」}}}

&size(18){&color(#443042){&bold(){「単なる殺人行為に意味が欲しい。それ故に、覚悟を形作り誇るのだ。}}}
 &size(18){&color(#443042){&bold(){私が行うのはただの&ruby(・・・・・){排除でなく}、&ruby(・・・・・・・・・){強く尊い決断である}と言うために」}}}

&size(18){&color(#443042){&bold(){「騎士道、士道、忠義も同様、全ては&ruby(・・){飾り}だ。}}}
 &size(18){&color(#443042){&bold(){他のために、己のために、民のために、主君のために…………何も変わらぬ。」}}}


&size(22){&color(#443042){&bold(){「}────&bold(){よって、&ruby(・・・){美しい}。}}}
  &size(22){&color(#443042){&bold(){誇るがいい、おまえ達はその&ruby(いつわり){虚構}に輝きを持たせられるのだから」}}}


&size(21){&color(#443042){&bold(){「私がおまえ達の精神を好ましく思う理由はそれだ。}}}
 
  &size(21){&color(#443042){&bold(){決意、実に結構ではないか。}}}
 
  &size(22){&color(#443042){&bold(){飾り立てて、意味を持たせるがいい。}}}
  
  &size(22){&color(#443042){&bold(){虚実を真実にまで昇華し、生に輝きを宿してみせろ」}}}



&size(23){&color(#443042){&bold(){「さあ────奇跡を起こす時だ。}}}
 
  &size(23){&color(#443042){&bold(){奮起せよ、戦士たち。私はおまえ達に期待している」}}}



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- マルスに似て非なると言うか肯定的に捉えた感じだな  -- 名無しさん  (2018-08-24 07:26:12)
- マルスはお前らが崇める英雄なんて俺のような殺人鬼と変わらねぇんだよと嘲笑しているのに対して、伯爵は絶対者としての論評って感じだからね  -- 名無しさん  (2018-08-24 19:13:17)
- 今日は、絵に描いたような無双に輝ける意味を持たせて良いのか?  -- 名無しさん  (2018-08-25 15:07:36)
- 似たようなことはケルちゃんもいってたな。圧倒的すぎて作業になるって相手に期待するのと自分を卑下するとこは真逆だけど  -- 名無しさん  (2018-08-25 22:48:40)
- これに一番近いのってイヴァンさんの「本気でぶつかり合うからこそ、命ってのは輝くんだよォッ!」で言ってることに近いのかな?イヴァンさんは虚構を真実にという視点ではなく真実そのものだと考えてるだろうけど  -- 名無しさん  (2018-08-26 21:26:15)
- これ何がキツイって、言ってるのが同じ人間じゃなく、元人間とかじゃない、正真正銘の人外(別種)が発言してる事なんだよな。お前も人間の癖にという定番の返しが出来ない  -- 名無しさん  (2018-08-31 16:00:41)
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