それが君の素顔(つみ)なら……その全て――俺が受け止めてやるッ!

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それが君の素顔(つみ)なら……その全て――俺が受け止めてやるッ! - (2017/05/29 (月) 18:58:58) の編集履歴(バックアップ)




初出はPV4。
どれだけ拒絶の悲鳴と(ナミダ)にさらされても、立ち上がることを止めなかった男、秋月凌駕。
そんな彼が、拳と共に初恋の女性に贈る愛の告白。
「……ねぇ、凌駕。何と言って私を口説いたか憶えてる?」
「いや、本当にすみません……もう許してください、リーザさん……」



だが……
彼女だけに夢中なその男の想いは、最早両腕を奪われたぐらいの傷で消えるものではなかった。


「心装!!」


かくして、自己の無意識の歪みの理解などよりも、目の前の女性が何より己にとっては大事だと、凌駕は両腕を再生させ、不完全ながらも影装の位階へと到達する。

「これで十分だよ、リーザ……君の傍へ行くのには」

そしてそのまま、驚愕し怯えるエリザベータに向け、最後の突撃(アタック)を敢行する。

電磁の礫弾に覆われた結界、一歩でも踏み入れば、人体一つを消し飛ばすことすら容易い破壊の雨霰に対し、
亜音速を超え、鉄雨を認識し、両の手に宿った未だ理解に至らない、自身の歪さを示した力を片道切符にし、凌駕は進み続ける。

目覚めた自分? ああそれで? それよりほら彼女が泣いているぞ……上等だ、いざ辿り着こう。
そう、他の何より、ただ一心に君の元へ―――


「私は銃口! 私は刃! 私は、ただ殺す武器(もの)!!」

「だからお願い――近づかないでよ、傷つかないで!」

槍を構え、哀しく叫び続ける大切な女性……
槍先に宿るは、彼女の心を決して解放しない煉獄の檻―――
それを消し飛ばさんと、凌駕は猛る、


「それが君の素顔(つみ)なら……」

もう何も言わなくていい。俺はずっと、君と同じ場所にいるから。

「その全て――俺が受け止めてやるッ!!」


叫びと共に、凌駕は鋼鉄の腕で以て彼女を抱き締めるべく、駆けて、駆けて、駆け抜けて……
降り注ぐ鉄の弾幕(ナミダ)を潜り抜けたその先、二人を遮る距離(もの)は無く…
引かれ合うように、二人の男と女は、互いに向けて渾身の一撃を放つ。


「リーザアァァァ――――ッッ!!」
「凌駕アァァァ――――ッッ!!」



その激突の結果――
女の太陽の如く燃え盛る槍は、戦士としての武装(くちべに)は消し去られ……
消滅の光を解いた凌駕の拳が、エリザベータの心臓部に叩き込まれたのだった。


…………そのまま吹き飛ばされたエリザベータの身体を素早く抱きとめ、凌駕は彼女と共に地面へと倒れ込む。

「すまなかった、リーザ……新しい力の制御(コントロール)が、巧く出来てたかどうか」
「えっと、その……大丈夫だよな? どこも消えてなくなったりしてないと思うし、君は変わらず綺麗なままで……あ、ちょっと汚れてはいるけど。そんなの俺は全然気にならないっていうか」

直前まで客観的には殺し合っていた相手を気遣い、やはり嫌われてしまったかと不安になりながら慌てて弁解する少年の様子に……
エリザベータは、思わず笑い出さずにはいられなかった。

「あっははは……あなたって人は、本当にもう……」
「まるで、好きな子に意地悪しすぎた子供みたい……必死になって、あたふたして、ふふ……本当に分かってるの? 私が、あなたを殺そうとしたってこと……」

「本当に、ずるいじゃない……正当防衛だって壊されても、戦利品扱いでも文句なんて言えないのに……」
「……本当に、敵わない」

そう告げるも、当の凌駕はなにが可笑しかったのか、よく分かっていないままであった……



  • あたふたする凌駕には驚いた。 -- 名無しさん (2017-05-24 21:34:47)
  • 本来、イドの理解が必要で他の人は発狂してた影装なのに、理解しながら「うるさい!そんなことよりリーザだ!」で即座にポイされる苦悩 -- 名無しさん (2017-05-24 23:05:48)
  • ↑超人だからね、仕方ないね。しかも凌駕さんは自分のイドを本編前から無自覚に自覚していたし -- 名無しさん (2017-05-24 23:21:32)
  • まあ、バグってたせいで力の一部しか使えなかったけどな -- 名無しさん (2017-05-24 23:48:13)
  • さらっと描写されてるけど殴って吹き飛ばした相手に追い付いて抱き止めるとか物理法則ガン無視過ぎて草 -- 名無しさん (2017-05-29 17:24:52)
  • ノッブ…ではないな -- 名無しさん (2017-05-29 18:58:58)
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