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ここから、一緒に、歩き始めてみよう…… - (2017/06/24 (土) 16:59:34) の編集履歴(バックアップ)
もっと早く出逢えていれば――
過去により良い選択が出来ていれば――
もしもこれから先二人が――
行為の中でも、自分達の過去や未知の未来に対する戸惑いや後悔は尽きなかったけれど
それでも、今こうして大切に想う人と、認め合い、補い合い、愛し合う道を彷徨の果てに見つけ出せた事を喜び、
緋文字礼と草笛切は、どこまでも刹那的な快楽に溺れ、素直な愛情をお互いに認め合えていた―――。
やがて、事が終り………
心地よい気だるさを感じながら、切は言葉を紡ぐ。
「良かったよ、本当に……」
「キミと、こうやって愛しあえて……これが無かったら少し、寂しいことになっていたかもしれないからね」
そんな自分と似たような不安の念を抱えている切に向かって、
礼は優しく、慈しむように語りかける。
「変なこと言わないで欲しいな。僕は、これからも切と一緒に歩くんだ。
僕の人生は、これからもっと大きな意味を持つ。それは間違いない」
「あなたと、凌駕のお陰で……僕の人生は、本当に素晴らしいものになったんだ」
そんな好いた男からの言葉に、切は一瞬、気遅れした顔をしながらも、すぐに微笑みを取り戻しこう告げるのであった。
「そうだったな。うん、そうだ……いや、キミに逢えて本当に良かった」
「道に迷っても良かったんだな。共に歩いてくれる仲間がいるなら。
本当にこの道でいいのか尋ねてもいいし、一緒に迷いながら歩いてくれてもいい」
「……忘れていたよ、ワタシは」
そうして、二人は静かに抱擁を交わす――
「ここから、一緒に、歩き始めてみよう……」
「……はい。僕もそうする。一緒に、歩こう」