でも、まあ……女との約束を忘れるほどには、不義理な男でもないだろうしね。ここは一つ古風に、待つ女って奴を気取ってみますか

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でも、まあ……女との約束を忘れるほどには、不義理な男でもないだろうしね。ここは一つ古風に、待つ女って奴を気取ってみますか - (2017/07/12 (水) 06:30:22) のソース

発言者:[[草笛 切]]


それぞれが想いを寄せる男、親友同士である[[彼>秋月 凌駕]][[ら>緋文字礼]]の[[避けられぬ激突>僕こそが、君にとっての運命だよ。凌駕]]を予感した二人の[[女>万里也 ジュン]][[性>草笛 切]]。
その内の一方、大切な者の傍に赴き、彼らの行く末を見届けるという選択をした無垢な少女の背中を見届け、
もう一方の古傷を背負った女が、自身と同じように傷を負った灰色の男を想いながら呟いた言葉。

全てに決着を着けるべく自宅を後にした凌駕と[[マレーネ>マレーネ・フランケンシュタイン]]。
そして、因縁に区切りをつけたジュンは、ぶつかり合った[[美汐>青砥 美汐]]や他の刻鋼人機達と共に、
彼らの帰ってくるべき場所に留まり、傷ついた身体を休めていた。

だが、彼女は突如、途轍もない不安に襲われる――
&bold(){誰よりも理解し合い、お互いがお互いを掛け替えのない親友と思っているであろう男達が、きっとこの先、命を懸けて闘うことになる}、と。
夢の中で、己が内の[[カレン>カレン・キリシマ]]の意識と対話した彼女は、
&bold(){彼らは、貫かねばならない、命よりも大事な“何か”のために闘うのだろう}
そう理解し、目覚めてすぐに凌駕達の元へと向かおうとする。
&color(red){&bold(){じっとしていられない、たとえ何も出来なくともせめて二人の闘いの意味を見届けたい……}}ジュンの胸中を占めるのはその思いだった。

美汐が彼女なりの気遣いを見せ、ジュンもまたそれに感謝しながらも固く意志を示す中、
礼の離脱以来、しばらく姿を見せていなかった切が、いきなり秋月家を訪れる。
当然、その間の二人の変化を知らぬ美汐は、
礼が傍にいないことに対し、凌駕の援護に行ったのだろうと解釈したが……
&bold(){違う男に対し、同じように不吉な予感を感じ取っていたジュンと切は、暗示的な言葉を交わす。}


&color(red){&sizex(4){&bold(){「……&ruby(・・・・・・・){行ったんですね}? 礼さんは」}}}

&color(limegreen){&sizex(4){&bold(){「……うん」}}}
&color(limegreen){&sizex(4){&bold(){「やる事を見つけたら、&ruby(ワタシ){女}なんて置いてさっさとね。まったく、男って奴はいつもこれだから」}}}


そして、それを知った上でジュンは、二人の元へと向かうという意志は変わらず――


&color(red){&sizex(4){&bold(){「――草笛先生は、どうしますか?」}}}


その問いに、

&color(limegreen){&sizex(4){&bold(){「ふふ、若者だねぇ……。}}}
 &color(limegreen){&sizex(4){&bold(){思い切り泣ける分だけ、痛みに対して強くあれる。齢を食うと駄目だね、そこんところが。}}}
 &color(limegreen){&sizex(4){&bold(){思うようにも泣けなくなるから、受けた痛みがいつまでも滲み出るんだ。}}}
 &color(limegreen){&sizex(4){&bold(){傷を負うのは沢山だと思うようにもなる」}}}

&color(limegreen){&sizex(5){&bold(){「だからまぁ……&ruby(・・){結末}の見届け役は、若者に任せたよ」}}}


切は己に対する苦笑を浮かべながら、“留まる”という意志を示した。
&bold(){この二人の女性の間にあるのは運命を前にしての“前進”か“停止”か、その歩む道の違いだけ……。}

二人の間の不可思議なやり取りを理解することは諦めた美汐はしかし、
“後は任せろ”とジュンの選択を尊重し、休息のために意識を落として行く。


そうしてジュンは秋月家を後にし……
しばらくして、切は今更ながらに&bold(){ジュンの&ruby(・・){理由}}に気づいて――


&color(limegreen){&sizex(4){&bold(){「あ、そうか……あの子って実は、まだ凌駕くんの事を……ふぅん。}}}
 &color(limegreen){&sizex(4){&bold(){ふふ。恋する女の直感は、年代問わずに鋭いって訳だね」}}}


“似た者同士”の男に想いを寄せた少女と自分の身とを可笑しく思い、呟く。


&color(limegreen){&sizex(5){&bold(){「それにしてもお互い、難儀な男に&ruby(いか){惚}れたもんだよねえ。}}}
 &color(limegreen){&sizex(5){&bold(){そう易々と女の胸に甘えてくれない、やせ我慢の大好きな意地っ張り……」}}}


そして、彼女の思惟は、自分の焦がれた&bold(){より傷だらけの男}の方へと向けられる――

&color(limegreen){&sizex(5){&bold(){「でも、まあ……女との約束を忘れるほどには、不義理な男でもないだろうしね。}}}
 &color(limegreen){&sizex(5){&bold(){ここは一つ古風に、待つ女って奴を気取ってみますか」}}}


そのまま、切は静かに星空を見上げるのであった……。

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- あなたの男、ルートによっては親友と友情合体してさらば現世しだすからな  -- 名無しさん  (2017-06-26 16:23:19)
- そうだそうだ、大切な彼女との約束を忘れるなんて不義理だってアッシュくんだってそう言うぞ  -- 名無しさん  (2017-06-26 16:32:26)
- まあ、マレーネ√後でも凌駕に遅れて後日帰還したみたいだし良しとしよう  -- 名無しさん  (2017-06-26 19:04:41)
- 昏式さんは礼さんが帰ってきたのは不満だったらしいね  -- 名無しさん  (2017-06-27 00:17:40)
- 礼さん帰還後の凌駕さんはパーソナルアタラクシアになりたくなったらその度に礼さんとフュージョンするのかな?  -- 名無しさん  (2017-06-27 01:37:58)
- ↑2高濱ァはやることなすことがアレだけど、割りと最後には大団円というか、ハッピーエンドにしようとするよね  -- 名無しさん  (2017-06-27 07:00:03)
- ↑2 最終決戦後の地の文からすると、あの一戦、礼さんが同化しきるまでの一回限りだった……と思う  -- 名無しさん  (2017-06-27 07:02:26)
- 一方、すっかり忘れてたガニュさん・・・・  -- 名無しさん  (2017-06-27 11:42:52)
- 最終的に仲良くホモソーシャルアタラクシアしただけで凌駕さんも礼さんも自らのヒロインのことは忘れてないからな。やっぱりガニュメデスさんって別格だわ  -- 名無しさん  (2017-06-27 11:49:35)
- 至高腐界の住人はやっぱり、なんか違うというかなんというか・・・・(汗)  -- 名無しさん  (2017-06-27 11:55:47)
- まぁその後の彼女の暴走と絶望を知ったら絶対後悔すると思うけどね。彼女のこと嫌いになった訳じゃないし。  -- 名無しさん  (2017-06-28 17:18:25)
- むしろその後の彼女の行動を知って嫌いになりそうな可能性があるのが...  -- 名無しさん  (2017-06-29 01:00:21)
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