吸血鬼だと……化物だと…………許さん、許さんぞぉォ――――ッ!!

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  • 吸血鬼だと……化物だと…………許さん、許さんぞぉォ――――ッ!!
    発言者:トシロー・カシマ 対象者:ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス シェリル√――朽ち果てるのを待つだけだった恋人達を待ち受けていた、破滅の瞬間―――そして。 黝き水底より、狂気の同族殺しが生み出された始まりである。 朽ちて滅びよ───吸血鬼 戦後間もない日本に潜入した若き日の白い杭は、混乱する状況を密かに監視しながら、 直接排除すべき、特に危険である縛血者(えもの)を、冷徹に見定めていた。 そして、巨大で無骨な白木の杭がその命を吸ったのは――― 「美影……美影──ッ!!」 降りしきる雨の中、トシローは必死に胸を貫かれた彼女に、血を吸わせようと試みる。 その心は、彼女の命が失われる事と……自分を今日まで生かしてきた「夢」の灯火が消し去られる事への恐怖に染め上げられた。 しかし、愛しい女性(ひと)の顔を見...
  • 台詞/Vermilion
    ...られるのだから」 「吸血鬼だと……化物だと…………許さん、許さんぞぉォ――――ッ!!」 「この三本指に賭けて誓おう……この世の全ての吸血鬼を墓の下に埋め尽くすと……」 「……分かった。剣として今夜、君が眠れるまで側を離れずにいよう」 「教えてくれ……美影……」 「邪魔だ──其処を退け、小娘共。貴様らに構っている余裕など、今の俺にはない」 「ああ、そうだニナ────俺は、君のために、死んでいい。君のために、死にたいのだ」 「───斬る。貴女の命あらば」 「痛みとは───糧なのだから!」 「これが鴉、これが凶兆、これが処刑人────これが、これが三本指。俺は……帰って来たぞ」 「人違いだ。俺は、ただの弱者(にんげん)だよ、アイザック」 「違う。もはや俺は、そんな名前ではない」 「だから、これ以上───ヒトの想いを、弄ぶな吸血鬼ッ!」 「生憎、隙あらば俺を押し倒そうとする痴女がいてな。既に...
  • この三本指に賭けて誓おう……この世の全ての吸血鬼を墓の下に埋め尽くすと……
    発言者:殲滅の鴉───三本指(トライフィンガー) 俺に死の安息を与えない、この浅ましい肉体が憎い。 俺と同じ肉体を持った奴もまた憎い。 怪物が憎い、不死者が憎い、超越者が憎い。 貪る者が憎い、奪う者が憎い、踏み躙る者が憎い。 「俺は……吸血鬼(・・・)を憎む……!」 昏く黝い海の底で、吸血鬼を狩る何者かが産声を上げた…… 白い杭と、恋人を殺された縛血者の死闘の後──── 高度経済成長の恩恵により、戦前とは比べ物にならぬ華やかさ、明るさを得た東京。 その眩い人造の光(ネオン)の下で、今宵も一人の縛血者(ブラインド)が女給相手に狩りを始めようとしていた。 男の口元に白い牙が覗いたその瞬間……駆け寄りざまに抜き放たれた刀が、容赦なく縛血者の上半身を斜めに切断する。 襲撃者は惨状への恐怖に身を竦ませた女を《魅了の眸》でその場から去ら...
  • それが君の素顔(つみ)なら……その全て――俺が受け止めてやるッ!
    発言者:秋月 凌駕 対象者:エリザベータ・イシュトヴァーン 初出はPV4。 どれだけ拒絶の悲鳴と雨(ナミダ)にさらされても、立ち上がることを止めなかった男、秋月凌駕。 そんな彼が、拳と共に初恋の女性に贈る愛の告白。 「……ねぇ、凌駕。さっき闘っている時、何と言って私を口説いたか憶えてる?」 「いや、本当にすみません……もう許してください、リーザさん……」 「忘れろと言っても無理な相談よ……? あの言葉は、一生の宝物にするつもりだから」 己は近付く全てを傷付ける女だと告白し、 それでも迫ってくる凌駕に諦めと怯えが入り混じった悲鳴を上げながら、徹底的に彼を遠ざけるエリザベータ。 だが……… 彼女だけに夢中なその男の想いは、最早両腕を奪われたぐらいの傷で消えるものではなかった。 「心装!!」 かくして、自己の無意識の歪みの理解などより...
  • ―――なんだ……これ?
    発言者:神代直 『終章・ひとり』より……あまりにも理不尽で受け入れがたい世界の変貌について神代直が漏らした言葉。 夕暮れの屋上で、真っ直ぐな幸の告白を直は受け入れ……… 荒んでいた彼の心には穏やかさが戻り、隣の大切な女性(ひと)に恥じないようにと、奮起して自分の生活を改め始めた。 身体も通わせ……生まれ変わった彼は、未だ見えない未来も、 彼女に名付けられたような幸福(サチ)を、この人と一緒に掴みたいと誓った。 出会いの夏が過ぎ、秋、冬、そして幸が卒業する春へ。 季節は流れても、二人のこの関係はずっと続いていく―――そう、直は信じて疑わなかった。 ――それは、十一月のことだった。 ――幸が、市営バスの火災事故に巻き込まれたと知らされ、直は彼女がいる病院へと駆けつけた。 ――彼女は大惨事の中でも、一命を取り留めていた…… その話を知った直は安...
  • 行か、ないで……ゼファー………
    発言者:チトセ・朧・アマツ 部隊も、自分さえも裏切り、戦火の中に消えていった男に対し、伝えることの叶わなかったチトセ・朧・アマツの、本当の想い。 軍人として、帝国改革の理想に遮二無二突き進む裏で大事な側近である“人狼”との間に、致命的な擦れ違いを生じてしまっていたチトセ。 そんな彼らの関係は帝都を襲った災禍の日、 部隊に壊滅的な打撃を与え、隊長である自分にさえ牙を剥いてでも脱走を図ろうとする狼との対決により、決定的な破局を迎えることとなった……。 チトセは、信じたくない現実に心を抉られたが、 祖父の命を奪って以降、縋ってきた“理想”や“正しさ”を否定することもできず、 行って欲しくないという内心を置き去りにして、身体と言葉は天秤隊長として裏切者を粛清すべく、 断罪であり、決別となる一言をついに放ってしまうのだった。 かつて同じ師の元で鍛えられ、...
  • 何処かで……誰かを……知らぬ間に、私は救えていたのかもしれないのか……ただ、この手を伸ばそうと……無様に、駆けずり回るだけで……
    発言者:アレクサンドル・ラスコーリニコフ 対象者:秋月高嶺 あなたの事は何も知らない……けれど、勝手を言うのを許してください。 あなたの今までの人生で、失敗と感じる事も幾つかあったのかもしれません……けれど、だからと言って、ご自分が為し遂げた価値あるものまで一緒に否定はしないでください……! だいたい、そういうの卑怯だと思いますっ。自分を責めて、何かを呪って、それで無責任に希望だけを押し付けて消えるだなんて…… あなたを許していた人だって、きっといっぱい居るんです。救われなくても、そう思ってくれただけで心は凄く暖かくなるものだって。わたし、知ってるんですから…… 数多の嘆きにも、悲しみにも気づかず取りこぼし、それどころか歯車となることでそんな幾多の嘆きを自ら生み出した愚者だと己を断じて 結果的に、現実的に救うことが出来ていなければ何の意味...
  • “生きろ” よ───トシ、ロー……
    発言者:アイザック・フォレスト 対象者:トシロー・カシマ 「ああ───本当に、おまえと言う奴は」 何よりもよく、俺という愚か者の事を判っている。 友の遺言を成就するために(・・・・・・・・・・・・)、真の幻想(ヴァンパイア)を斃し生きるのだと……今、俺の魂は猛り狂っているのだから。 本当によく言ったものだよ、アイザック。俺達は滑稽なまでに、“何か” のためにしか生きられないらしい。 美影のために、おまえのために……唯一の我侭は己自身の過去絡みぐらいか。嗤えてしまう、何だこれは。 断言してもいい、俺以上に縛血者(ブラインド)が向いていない人間はいない。 無限の生は、無限の過去を約束する。未来を見詰められない己にとって、永遠の時間は地獄の代名詞だったから。 どこまでも、揺らがぬ、無欠の生き方を求め続けた二人の迷い子(捻くれ者)…… その決着の果...
  • ――――容易い。お前はありふれている
    発言者:ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス 対象者:ケイトリン・ワインハウス 『―――てめぇぇぇェェエエエエエッ!!!』 「やはり容易い。想定通り(・・・・)だ」 アリヤ√、自分は人を超えた特別な存在(・・・・・)に成ったのだと信じるケイトリンへ、クラウスが言い放った侮蔑の言葉。 『自分だけは特別』だという妄想を真実としたいがために、吸血鬼たちの口にする文句はいつも決まって『超えたい』『人を超えた』というもの。 かつては自分たちも同じ人間であったというのに、己が人類よりも上だという認識が共通のものとして根付いている。 誰もが自分は人間ではないと言い、人を超えたと言い、自分は特別な枠にいると口にする。 誰もが同じ言葉を言い、同じ思想を持ち続ける。 つまりケイトリンたち吸血鬼は、似た者同士で溢れかえっているというのに自分だけが特別などとの...
  • こんなものに、憧れていたのか……俺達は……!
    発言者:トシロー・カシマ 対象者:《伯爵》 グランドルート……親友の死を踏み越えて、銀の呪いから解き放たれ、過去の残影を求めるトシローはついに。 滅びを生み出す元凶、真の吸血鬼(ヴァンパイア)――《伯爵》の元へと辿り着く。 始祖の回帰のために設えられた、現実とは隔たった異空間。 そこには郷愁を呼び起こすかのような、幻想的な風景が広がり、 眼前に立つ伯爵の偉容は問答無用で、縛血者としての魂に屈服を命じるも…… 殲滅の鴉を再び名乗り、煮え滾る憎悪と殺意に身を委ねると決めたトシローにとって、それらは最早どうでもよかった。 「────沈めよ“記号”、目障りだ」 ――忌むべき過去を噛み締めつつ、トシローは彼の強大さによって隠されてきた真実に踏み込んでいく。 「己を表現する称号は、やがて己自身を塗り潰す。亡霊を装うあまり亡霊と成り果てる」 ...
  • そうか……私は、おまえとも戦っていたのだな───イシュトヴァーン
    発言者:アレクサンドル・ラスコーリニコフ エリザベータ√終盤……己の全てを歯車の運行に捧げるアレクサンドルと、そんな彼の在り方に否を唱え立ち向かう凌駕。 「俺は勝つ!」 「おまえを斃す」 振動結界と熱相転移――触れれば一切を滅する破壊の力を両の拳に集中(・・・・・・)させて、 二人の男は最強の矛と矛をぶつけ合いながら――互いを滅するまで止まらない死闘円舞(超接近戦)へと突入する。 「まだ――ッ!」 「まだだ」 一撃一撃が交差する度、両者の足は一歩ずつ間合を詰めていく。 距離が縮まる――空間が消える。 空振りの許される空間が徐々に失われ、やがて最後は必ずどちらかの拳が命中する状況へ近づいていく。 そして、最後の一撃が互いを捉えた―――刹那。 「最後に地金を曝したな――ここで、死を恐れるか」 発動のタイミングも同時、乗せられ...
  • だからね―――終わらせて、神代くん
    発言者:古雅幸 対象者:神代直 病室のベッドからもう一歩も動くことも、他者に声を届ける事も叶わなくなった…… そんな変わり果てた姿の恋人の元へ、直はずっと通い続け、彼が一心に繰り返し続けたことで、 外界とほとんど接触を断たれた彼女に残っていた左手と、己の手を通して互いの想いを交わすようになっていた。 彼女の医療費を稼ぐため、遠方へと出るという彼女の父親を見送り…… 直は、彼女に自分が今見ている景色を、再び桜の花が咲いていると伝え、 それに対し、弱弱しくも彼の手に幸は“モウスグ”“イチネン”“ダネ”と「言葉」を返す。 付き合ってから一年――直は、彼女が告白してくれた風景を記憶から呼び起こし、 丁寧に字を綴る…… “ライネン”“モ”“イッショ”“ニ”“イル”“ヨ” “オレ”“サチ”“センパイ”“ガ”―― “ズット”“スキ”“ダ” ...
  • わたしは、ただ――吸血鬼が、怖かった
    発言者:アリヤ・タカジョウ 対象者:トシロー・カシマ 獲物であるトシローを狩れず、彼の言葉に翻弄され続け、焦りと苛立ちが限界にまで達していた白木の杭・アリヤ。 平静を欠いた彼女が、憎悪のままに自らの「大事な」存在――― 主であるニナにまで害を及ぼす可能性に思い及んだ時、 夜警(ウォッチャー)トシローの心は冷たく研ぎ澄まされ、この狩人の少女の完全なる排除を決意した。 そして、迎えた決戦の時…… 師に鍛えられたアリヤの戦技は、確かに人類最高峰と評してよかったものだが、 かつて、その師本人と極限の死闘を繰り広げた経験のあるトシローには、今の彼女は真の『白木の杭』と呼ぶことはできなかった。 人類を「愛し」、滅私して人に害を成す一切を狩り尽くす究極の狂信者には、届かない。 アリヤ・タカジョウからは、あの男が謳った、その核心となる人間賛歌(・・・・)が出てこな...
  • なら、あたしは……進む為に、立ち止まる!
    発言者:万里也 ジュン 狂い叫ぶ仲間が……自分に対して感じてきた憎悪と苛立ちを込めた、拒絶の叫び。 自分の、未来を信じ前だけを向いてきたその信念が、今彼女を泣かせ、苦しめてしまっているという事実。 そうして……ジュンは、傷つき軋む心のままに、意識を手放そうとしていたが―― “声”が、いつも寄り添ってくれていたあの人の“声”が少女の胸に響く。 友を傷付けてしまったことへの悔い。 そして、それでも、と。 あの子の涙を止めたい、後悔を飛び越えたいと願う思いに向き合い、少女は内なる声に語りかける。 「あたしのやり方じゃ、駆け抜けた先にあるものだけしか見えないのかもしれない。 逸る気持ちに囚われて、何の為に走るのか、それすらいつか見失ってしまう本末転倒なのかもしれない…… でも、走る。走った先が正解なのかどうかは判らない……けど! 今走りださなきゃ、きっと...
  • 負けないのですか? ……勝てるのですか?
    発言者:アリヤ・タカジョウ 対象者:ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス 狩人アリヤ・タカジョウ、彼女がそう生きることを自らに課した際の言葉。 ―――『杭』により、両親を物言わぬ肉塊に変えられた少女。 命乞いをしても、無惨に殺された親。 何事か愉し気に嗤っている、人間とは明らかに異なる怪物。 それらの光景に、彼女の瞳からは光が消え失せ、抵抗さえ無駄だと悟り…… 不可避であろう死という結果を、他人事であるかのように諦観しながら受け入れていた。 だが、アリヤという少女は、巨大な『白木の杭』を操る老人によって救い出される。 全てが終わった後――― 老人……クラウスは、未だ立ち上がれずにいるアリヤを、難しそうな顔で見つめ続け、遂にその重い口を開いた。 「生きたいか?」 少女は思う。どうなのだろう、だって今、自分が生きて...
  • もう……もう十分で御座います……! もう、わたくしたちの旅を終わりに致しましょう……ッ
    発言者:美影 対象者:トシロー・カシマ 最愛の存在である美影との別れ……それを拒絶し、代償として武士としての誇りを全て失った杜志郎。 そんな彼にとって己の心を救う道は、彼女を慈しみ守り抜くという、かつての誓いを守ることのみであった。 他者との交わりを避け、人間社会の陰に隠れ潜む、厳しい生活の中でも、 そして美影が、老いることのない姿を持ち、人の生き血によってしか生を繋げない存在になっても、 杜志郎にとっては、絶対に違えることの許されぬ――傷ついてはいけない――誓いとして、心の芯に在り続けた。 …過ごした月日が刻んでゆく痛みを、杜志郎以上に悲しむ女性(ひと)の手を引きながら。 ―――杜志郎様……美影は苦しゅう御座います。 ―――ならば……その苦しみ、俺に預けるがいい。 その為に、俺達は二人なのだ。 ―――いいえ……私が苦しいのは、そ...
  • ――――なんだ、この男は
    発言者:カグツチ 対象者:クリストファー・ヴァルゼライド カグツチが、ヴァルゼライドという男を初めて目にした時に思わず発した言葉。 カグツチは四百年もの間、己の地上での代行者に相応しき存在を探し求め、星辰体(アストラル)を介し様々な人間の精神の形を観測し続けていた。 求めるべきは、紛うことなき傑物。 冥府魔道をそれこそ苦も無く踏破し得るような…… 不条理を一瞥と共に、軽々斬り伏せてしまえるような…… 清濁併せ呑みながら、暗闇に穢れず、煌めきを掲げ続けられる勇者がいい──── そして……… ついに見つけ出したその男は、今まで定めていた合格基準とは何だったのかと思ってしまうほどの破格の存在であった。 人として極限まで積み重ねた研鑽と、人を超えた不屈の意志で理不尽の壁(げんじつ)を突破する英雄、クリストファー・ヴァルゼライドとの出会いである。 ...
  • 私もまた……ずっと、そう思い続けていたことなのですから
    発言者:美影 対象者:鹿島杜志郎 最大の敗北の瀬戸際に追い込まれる中─── スカーレット、その内に在る美影の魂に誘われるようにトシローの意識は過去へと潜行していく…… 一世紀半にも及ぶ“縛り”と共にあった生涯。 そこにトシローは、敗北と喪失の無様な傷痕と、己は何処にも馴染めない“はぐれ者”でしかなかったという真実を視た。 幼少期は、自らの生が定められていることが誇りだった。 士道の心得に殉じ、生を全うする。それを至上と信じ疑いもせず、愛情と道は一致していたから。 規範という名の “称賛される型”……記号的な生をこそ、求めていた。 ならば、そのような道など……縛りなど、俺は要らぬ! 美影は美影、天にも地にも代わりなどおり申さぬ! ――まず、捨てたのは武士としての自分。 理想と現実が乖離する……その果てに、俺は苦悩に苛まれながらも ...
  • ――エリザベータ・イシュトヴァーンだなんていう、臆病者を好きだなんて、言わないでッ!
    発言者:エリザベータ・イシュトヴァーン 対象者:人間(ひと)に恋をし、恋を知りたいと願う超越者「中庸の怪物」 初出はPV4。 何度傷付けられようと自分への想いだけで立ち上がってくる男から、 素顔で生きることへの怯えと恐れを指摘された女が、悲鳴も同然に叫んだ拒絶の意思。血まみれの痴話喧嘩第2R 自分の本質が他者を傷付けるだけの冷たい武器に過ぎないと告げ、輝装段階に留まる凌駕を、鉄の礫弾の雨で徹底的に打ちすえるエリザベータ。 だが、その標的となっているはずの凌駕は、損傷のない場所が見当たらない身体にもかかわらず、彼女への前進を一向に止めようとはしなかった。 笑いながら、鈍色の豪雨に立ち向かう彼は、怪訝と悲痛の表情を隠しきれぬエリザベータに向かって語りかける。 「なんで笑ってるのかって顔だね……?  はは、当然だろ……だって、ようやく見せてくれたん...
  • おまえは―――この俺の、自慢の娘なのだから
    発言者:ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス 対象者:アリヤ・タカジョウ “自分じゃない、強い……特別な……何かに成りたかった”――― ようやく、自分たちの始まり(よわさ)を認められた二人の少女は、 怪物の群れの中、夜に羽ばたく吸血鬼(げんそう)ではない、帰るべき日常(ゆめ)を想い抱き合っていた……。 「……あたしの夢って、なんだろうね?」 そんな彼女達を守るのは二人の“杭”を操る狩人。 しかしアリヤの胸中には、アンヌと共に行動し、彼女を護衛し続ける中で「今の自分」に対する違和感が生まれており――― 先程まで親友を守り、日常に帰る為に奮起したアンヌの勇気こそ、人間の真の素晴らしさであると。 その輝きを寿ぐクラウスに同意しながらも、最期の一瞬まで白い杭として戦い抜くという師のように成れるのか、という自問が頭から離れることはなかった。 ...
  • ひれ伏せ人間───血袋の分際で頭が高いぞ
    発言者:???? 対象者:アリヤ・タカジョウ 命の炎が今にも消えかけた、その絶望と焦燥……よく理解できるぞ。あの時の(・・・・)俺もそうだった。 だがそれこそが……真の不死者として覚醒する瞬間だったのだ。ただの吸血者(ブラッドサッカー)から吸血鬼(ヴァンパイア)へと聖別された瞬間だ…… 鎖を引き千切り、魂を開放しろ!闇夜に吼え猛る吸血鬼(ヴァンパイア)となれ! 発言者の代名詞にして決め台詞、そして自分を上回る達人級の戦闘者達を前にしても退かない、彼にとっての矜持、吸血鬼像が現れた台詞。 共通ルートにおいては、三本指(トライフィンガー)を名乗る謎の包帯男が窮地にあるにもかかわらず、 闘いの技術において明らかに格上である白い杭(ホワイトパイル)の少女に対し、圧倒的な気魄と共に言い放った。 特殊な打撃を打ち込み再生を鈍らせ、無数の小型爆薬を仕...
  • どれだけ世界(まわり)が変わりゆこうと、俺だけはずっと彼女の不変になる―――それが、俺の選択だから!
    発言者:アシュレイ・ホライゾン 対象者:グレイ・ハートヴェイン 師匠が見守る中、全身全霊を懸けて「ケンカ」を続ける二人の男。 今も何も言わず、一人で困難を抱え込んでいるおまえを、取り戻すと吼える親友(グレイ)に伝える 「正しく」なくとも、誰かを傷つけても、大切な人達の思い出に涙してでも、 これからも、「彼女」に寄り添い、流れ留まらない現実を生きる(往く)――そんなアッシュの本音(けつい)。 時に厳しく、時に優しく、自分を見守ってくれたミステルと共に歩む彼にとっての答え(のぞみ)である。 「ああ、そうだな……まったくもっておまえの言う通りだよ、グレイ」 グレイの剛剣に押されながら、アッシュは今の自分の言が、 結局は決別した『光』の理屈を押し付けたに過ぎない事を思い知らされた。 親友の三人の仲間と共に過ごした日々のように、今己が彼女を想っているように...
  • だから――好きにすればいい。
    発言者:美影、アイザック・フォレスト 対象者:トシロー・カシマ 惑い揺れ、傷だらけの己の軌跡を振り返り、 相対的な現実の中、唯一の解を得る事も、我侭を可能とする力もないと……もう、己はどうすれば判らぬと嘆く男。 そんな不器用な男に、彼にとっての安らぎ(愛)と修羅(憧憬)が贈る、身勝手で、そして思い遣りに満ちた、言葉。 内面世界での魂の対話…… 憧れに揺れ続けていたと、無い物ねだりをしていたと、その“普通”の事実をトシローへと伝える美影。 そして、微苦笑を口元に浮かべながら、彼女の言葉を、 自分達が厭いしかし捨てきれなかった“人間”の在り方だと言葉を継ぐのは、願いを託したアイザック。 そのまま……… 今も感じる、トシローという人間に対しての「真実の想い」を語り出す――― 『共に杜志郎様の事を想っていながら、かける言葉も、願いも……...
  • 私ね………あなたが、好き
    発言者:古雅 幸 対象者:神代 直 「今日の放課後……屋上に来てくれる?」 「神代くんに干渉するのは、もうこれっきりにするから。 最後に、私の話を一度だけ聞いてほしいの」 そう告げて、「空気の読めない」“お節介焼き”の先輩である彼女は、直の教室から去っていった。 ………夕陽が美しく照らす約束の場所で、古雅幸は彼がやって来る瞬間を待つ。 その姿は、「学校の皆」が個々に抱く先入観や風聞に彩られた、完璧な存在(アイドル)ではなく…… 先程自覚した衝動のままに先走ってしまったことに不安がり、 この先の己の行いで“彼”から自己自身を否定されるかもしれないことへの恐怖を抱えた、儚げな一人の少女のそれだった。 ―――好きになった年下の男の子に、告白する…… 始まりはいつからだったのか──── 怪我を負い、短距離走者として再起は困難だ...
  • グゥゥゥッ!離れろ……!俺の左腕が火を噴きやがる………ッ!!!
    発言者:イヴァン・ストリゴイ 『Zero Infinity -Devil of Maxwell-』発売5日前、「男の」「男による」「男だらけのカウントダウン」。 ギアーズの男性メンバー(乱丸、怒張おっさん、少佐)が集結し、カウントダウンを担当していた回。 「THE・余り物」「オイラとおっさんと少佐とか、需要あるわけ~~?」と開幕からげんなりしていた乱丸。あったよ!男に!! そんな彼がいつもの調子で、本編のように戦場に出ていない状態のイヴァンを 「見かけ単なる中二病」 「いい年こいて全身包帯してるあたり、封印された血族とか、魔族の生まれ変わりとか、別世界の侵略者とか~~?」 ……と、からかった事に対し、 本人曰く「(恥ずかしさとかは)全然」「(本編でも)素でこういうことやってる」という、心装永久機関も絶好調な様子で放った発言。 この男ノリノリである(part1) ...
  • 俺の闘いは、終わった……終わりに、できた……
    発言者:角鹿 彰護 トゥルー√―――暴走の果て……キャロルを取り込み、聖遺物の弾丸に撃ち抜かれ生を終えたはずの角鹿は、不思議な感覚の中目覚めた。 そこは、あまりにも安らぎに満ちた場所。暖かさに抱擁されながら、彼はもう一人の存在を知覚する。 キャロル……相棒(どうぐ)としてここまで共に地獄を駆け抜けてきた“魔女”の少女。 彼女と一体化した今、角鹿には感じ取れることがあった。 ――この少女は、自らの前に現れるべくして現れたのではないか。 それに、自らの真実に辿り着いたキャロルも、穏やかに頷きを返す。 ――全ては偶然なんかじゃない。七年間、あなたがこの地に戻るのを、私はずっと待っていた(・・・・・)。 キャロルの裡の真実を問いかける角鹿に、キャロル──いや、あの日の少女(・・・・・・)は告げる。 「あなたはもう、それを知っているはず。ただ、思い出すだけでい...
  • 何を、言ってるか、ですって……? そりゃあ私が正直になってるだけよ、うふ、ふふふふ………
    発言者:エリザベータ・イシュトヴァーン 対象者:秋月 凌駕 「その心へ、道を示すために――その無骨な鋼鉄をぶち破るッ!!」 「―――ええ、存分にぶち破って……!!」 「いや……エリザベータ、さん? 武器を捨てるのはよろしいん、ですが、 どうして俺にそんなに艶めかしく密着してくるのです、か……? ……ウワーッ!! そんなところ、女の子が見せちゃいけません! ていうか、その目……完全に獲物を狙う肉食獣だぞオイ!!」 「オーホッホッホ……! 人間、素直が一番ということよね!」 仮面と衣装で着飾らなければ人前に立てない恥ずかしがり屋とは、一体何だったのか…… 「(恍惚としながら)天国への道は、此処にあったのね………」 特典ドラマCD『凛々しい彼女の裏表 クール? いいえデレデレです』で、 度重なる闘いの中で自分好みの...
  • ……判らないの? 今のあなたは使い物にならないと、私はさっきからそう言っているのよ
    発言者:ニナ・オルロック 対象者:トシロー・カシマ 人間社会にまでその魔手を伸ばした三本指(トライフィンガー)の模倣犯――その討伐の報告を受け取ったニナ。 だが彼女の心は、問題の一つが片付いたことへの安堵ではなく、憔悴しきったトシローへの心配に傾いていた。 今にも消えそうな虚ろの幽鬼。老衰しているようにさえ見えるその姿。 参っている――かつてないほどに。 打ちのめされている――築き上げてきたその信条ごと。 ニナの目には、公務の関係で先程まで顔を合わせていた人間(ヒト)が常識を砕かれ、 縛血者(ブラインド)という存在を知り動揺する姿と、今目の前にいる部下の姿がひどく重なって見えた。 いつもの無表情で隠していても、彼女にはその裡に秘めた心の揺れが伝わっていた。 ――私がどれだけこの朴訥な男を見てきたと思っているのか。 そして、一応は気...
  • それじゃあ、また未来(あした)………美汐
    発言者:万里也 ジュン 対象者:青砥 美汐 「やだ……もう、やだよぉっ………」 「ジュンと一緒にいるの……傍にいるのっ……まだ、謝れてないからぁ………」 「ダメっ、離して秋月っ……ジュンを置いていくなんて、嫌ぁっ………!」 強がってばかりで、でもそれがとても辛そうだった、放っておけない仲間であり友達の少女。 そんな少女がようやく伝えてくれた本心に応え、 その命を捨てても守りきった、どこまでも明るく前向きだった少女が最後の瞬間友達に伝えた、“彼女らしい”別れの言葉。 強制的に覚醒させられた己の影装に振り回され、一人の弱い少女へと戻った美汐は、自分に迫る暴威に対し、両親を亡くして以来初めて「助けて」、そう声に出した。 果たしてその願いは、彼女を思い駆けだしたジュンによって聞き届けられたが……その代償に捧げられたのは、ジュン自身の命であった...
  • 掟(しばり)など、強者の轍の後にのみ存在を許される脆弱な概念に過ぎん
    発言者:ジョージ・ゴードン・バイロン 対象者:トシロー・カシマ K M探偵社に突如として現れた藍血貴(ブルーブラッド)・バイロン。 怯えるシェリルを探偵社に残しトシローは、二人の娘に洗礼(バプテスマ)を施したことを仄めかす彼に、その行動の理由を問う。 バイロンはその問いかけに対し、理由とは所詮“従属するもの”に過ぎぬとつまらなげに言い、 表面的なそれがあるとすれば、最初の少女には乞われ、その姿に偶々興が乗ったからだとする。 夜警としてトシローは、血親として仔を増やしながら導くことをしない、《夜会の掟》を破る行為だと非難するも、 バイロンは、自分にとっては鎖輪(ディアスポラ)も《夜会の掟》も、弱者の群れが求める安寧でしかなく、故に一顧だにせず蹂躙するのみだと告げる。 それでもと、トシローは自分自身の主張を、 ――おまえもまた縛血者(ブライント...
  • 縛血者(にんげん)――鹿島杜志郎
    発言者:縛血者(にんげん)――鹿島杜志郎 対象者:吸血鬼(かいぶつ)――《伯爵》 新生したトシローと覚醒した伯爵との相剋はトシローに軍配が上がった。 「ああ――無念だ。後一歩であったというのに」 「やはり、お前は素晴らしいな……宿敵(とも)よ。まさか私に敗北まで授けてくれるとは」 跡形もなく粉砕された心臓の痛みと、生涯を通じて最初で最後の失敗と辛酸を味わって・・・ 伯爵は苦笑しながら、勝者たるトシローに事切れんとする虫の息のまま語りかけた。 「口惜しい……たまらぬな、この痛苦。 成る程…誰もがこぞって私に敬服したわけだ。強い殻(よろい)を纏わねば軋む心に耐えられん……」 「全て、為すがまま――闇の寵愛が恋しくもなろう」 だから人間は吸血鬼になりたがる。別の何かに生まれ変わって解消してしまわなければ。 こんな激烈な痛み...
  • 交わした情けの分だけ、激しく……今度は殺し合いましょう、凌駕
    発言者:エリザベータ・イシュトヴァーン 対象者:秋月 凌駕 甘い、甘い、男女の睦み合いの時間――― だがそれは、ネイムレスの再起動と、機兵により閉ざされた地下に脱出口(・・・)が穿たれた事で終わりを告げた。 まるで、舞台装置の書割(はりぼて)が突然倒れ、劇に見入っていた観客が一瞬にして興醒めしてしまったかのように…… これまで閉ざされていた二人だけの理想郷は、現実の一穴により呆気なくも破壊されていた。 外へと出てしまえば、後は元の関係性に戻るしかない――殺し殺され合う敵同士という関係に。 「―――お別れね、凌駕」 切り開かれた夜空に、蒼く輝く月の光の下で、エリザベータは静かに少年へ別れを告げる。 彼女の表情は、ただ仕方がないのだと、そう物語っていた。 その突きつけられた現実(・・)に対し、凌駕は心地よかったあの時間が奪い去られることに、必死...
  • 女は強くないとやっていけないんでしょう? ねえ、置いて行かれた相棒さん
    発言者:ニナ・オルロック 対象者:シェリル・マクレガー グランド√、まるで目に見えない亡霊(ゴースト)によって導かれて(憑かれて)いるかのように、 不細工な怪物の群れを素通りして先に向かったとしか思えないトシロー。 彼を追いかけるニナとシェリルは、譲れぬ気概を胸に獣達の相手を繰り返していたが、次第に厳しい状況に立たされていた。 「―――どうよ、お嬢。まだイケる?」 「どうしたものかしらね……根性論も、だらしないものだわ」 ――そんな彼女達を救ったのは、ルーシーが連れてきた……地下社会(アンダーグラウンド)の覇者・アルフライラの率いる武装集団だった。 この策は、事前にニナが保険として考えていたものであり、確かに怪物達の危険は一時過ぎ去ったが…… 判りやすい砲火の嵐(ぼうりょく)をちらつかせて、アルフライラは泣き付いてきた公子(権力者)を...
  • だから、これ以上───ヒトの想いを、弄ぶな吸血鬼ッ!
    発言者:トシロー・カシマ、アリヤ・タカジョウ 対象者:《伯爵》 磨き上げた技も、燃やす闘志も、届かない。 そうして傷と泥に塗れ続ける二人の戦士の姿を前に、絶対者――《伯爵》は嗤いながら悦ぶ。 もっと輝いてみせろ、虚構を現実にできるやもしれぬ、おまえ達の必死な挑む姿がもっと見たいのだと。 ――その吸血鬼の姿に、トシローとアリヤは怒りを以って立ち上がる。 ……こいつの言葉が気に入らない。単純な、感情的極まりない理由が彼らを突き動かす。 そして――二人は人として吼える、人が生きるために欠く事のできない決意の意味を。 貴様の悪趣味な見世物で終わることなど認めない、負けてなるものかという反抗の意志を。 本編より 「必死なのだよ、こちらは。足りない物だらけだ、世は常にままならない……」 「困難ばかりが訪れて、毎度のこと準備不足……決意がなければ、やってられま...
  • 美影とは誰なのか────あとできっちり喋ってもらいますので
    発言者:???? 対象者:トシロー・カシマ アリヤ√、支配層が崩壊し混沌とする鎖輪の中、己の死が近いことを悟ったトシローは、かつて愛する者を奪い、今また守ろうとした少女の命を奪った仇として、 先代の白木の杭(ホワイトパイル)、クラウスを斃すことに自身の残りの命全てを費やそうと、密かに決意していた。 だが……現れたクラウスとの闘いがまさに始まらんとするその瞬間、『柩の娘』と共に消滅したはずの『裁定者』が再度出現。 シェリルは深手を負い、仇としたクラウスは冷静に一人脱出。 トシロー自身も銀の呪毒が急速に躯を蝕んだことで、裁定者によって狩り立てられ、 相棒とアイザックを取り残したまま、独り暗い水底に沈んだかに見えた。 それでも―――トシローは生き残っていた。 致命傷ではあったが、それにより銀に汚染された血が抜かれ、失血死寸前でかろうじてこの世に留まってい...
  • 全てに、意味があったのだ……!
    発言者:縛血者(にんげん)──鹿島杜志郎 対象者:吸血鬼(かいぶつ)──《伯爵》 「この痛みが、胸を掻き毟る後悔が……!」 「僅か一つでも、俺の生涯から欠けていたのならば────」 「戦えなかった。……戦えるわけがない、おまえに」 「全てに、意味があったのだ……!」 自らの内面世界でアイザックと美影と対面し、彼らの言葉をもってようやく自己を肯定し 『生きたい』という執着を持ったトシローの言葉。 現実に翻弄されながら取捨選択を積み重ねた自らの道。 “こんなはずではなかった、あの時こうしていれば”という未だ捨て切れぬ数多の未練と後悔。 《伯爵》の企みに気づいていれば。 美影が洗礼を受けなければ。俺がこの手で守り通していれば。 三本指(トライフィンガー)にならなければ。アイザックが悪鬼に焦がれなければ。 この...
  • 死なないで……くれ……
    発言者:角鹿 彰護 対象者:名も知らぬ少女 架上市市民ホールでの惨劇に、仲間達と共に立ち向かった警察官・角鹿。 こんな悪夢のような光景を認めてなるものか、たとえ一人でもここから救い出して見せると――積みあがる仲間の屍を越えて闘い続け…… ――数多の屍に埋め尽くされた中、目覚めた彼は何か肉の塊のようなものの傍にいた。 被害者達の命が失われゆく中でそれを、人間だったもの(・・・・・・・)を見つけそれを庇い続けていたのだった。 何も守れない、誰も助けられない。眼前で行われる卑しい獣欲に任せた悪しき蛮行を、信念の力で止められない。 自覚する無力感が絶望を加速させ、決意は錆びて腐食し、欠け落ちる。 故に、角鹿がそれを見つけた時、彼の目には最後の希望のように思えて。 一心不乱にそれを奪い取り、肉の盾となっても護り抜こうと彼の躰は動いていた。 だが、そう...
  • ――ああ。やべえ、コレ詰んだわ
    発言者:イヴァン・ストリゴイ 美汐ルートにおけるイヴァン死亡時の台詞。 ネイムレスに左胸を撃ち抜かれたその状況に、自分はハメられたのだと察する。 上官の上官には恵まれなかったかと最期まで不敵に苦笑を浮かべながら殺された、潔すぎる死に様。 ―――…… アレクサンドルの指示に従い、一人偵察任務を行うイヴァン・ストリゴイの胸には疑念が浮かんでいた。 昨夜の戦闘での影装使用の消耗が抜けきっておらず、コンディションに不安を抱えながらも、 首筋に突きつけられているような“死の気配”が彼の感覚を一層鋭敏なものにさせていた。 イヴァンにはギアーズと反抗勢力、それ以外の何者かの見えざる手が、今回の戦場には存在しており…… その鍵を握っているものこそ、あの不可解な行動を起こしてきたネイムレスではないのか――そんな疑問が浮かび上がっていた。 現状認識のおぼつか...
  • そうだ、そうだよ……やってしまったんだよ、俺……
    発言者:秋月 凌駕 凌駕さん的にはいつものこと もっともっと見ていいよ……さっきは、あたしがのしかかっちゃったから、 凌駕、何にも見れなかったよね。だから、全部見ていい……… だって、凌駕はあたしの初めての人だもの……… ジュン√序盤……何故か心の内に流れ込む、己がよく知る二人の女性の思い出の光景。 物質の働きだけでは説明できないような不思議な感覚に戸惑いつつも、それを穏やかに見つめる凌駕。 そして次第に……片方の、穏やかな風のような女性の像が薄れ、代わりにジュンの像がより鮮明に映し出されていき――― 目を覚ました少年は、背に伝わる柔らかなベッドの感触と――― 「にゃふぅぅ……ふへへへぇ、すぴぃ……」 今も自分の体に布団のように覆いかぶさっている、一糸纏わぬジュンの肢体だった。 ふやけたような笑みを浮かべて眠る彼...
  • 遅くなったなァ、騎兵隊の到着だッ!!
    発言者:緋文字礼 対象者:秋月 凌駕、万里也 ジュン、マレーネ・フランケンシュタイン ジュン√、明らかになったアポルオンの正体、そして残骸と成り果てた彼に唯一残された悲痛なまでの思いに、 肉親であるマレーネは打ちのめされ、彼から排除する障害としか見做されない凌駕とジュンは、その影装の力を前に鉄屑同然に変えられてしまう。 そんな窮地でも、諦めを抱きかけたマレーネに、大切な誰かによって守られた生、それを必死につなぐことの大事さをジュンは訴え、そこから勇気をもらったマレーネ、そして凌駕は再び足掻こうと試みる。 しかし、妹を守りたい、ただその一念で他を破壊しつくさんとするアポルオンは、凌駕、ジュンへ向け超重力偏重を乗せた鉄拳を振り下ろす。 逃げ場なき無慈悲な攻撃に彼らの命運は尽きたかに思えた……が 「――遅くなったなァ、騎兵隊の到着だッ!!」 次の瞬間...
  • 輝くのは、価値があるのは……そうじゃない人間が、力と勇気を示してのけた時こそだろうがッ!?
    発言者:秋月 凌駕 対象者:緋文字礼 憧れであり、始まりであり、偉大なる壁である揺るがぬ強さを抱く超人の親友に対して 迷って揺れて過去の傷を引きずって、傷だらけにならなければ生きていけない只人であると自分を蔑む緋文字礼。 そんな彼に対して告げた超人のその生き方こそ自分には決して出来ない素晴らしく尊いものなんだという尊敬の言葉。 只人が超人の揺るがぬ強さに憧れるように、超人も只人の自分には持てない輝きに憧れるという、 後の作品でも描かれた超人と只人の熱き友情が描かれたシーンである。 「礼……これは全部、あんたに勝ちたいと思う俺の執念が至らせた力だ!」 「見てくれ、どうだ凄いだろうって……餓鬼の頃、集めた宝物を友達に自慢したがるような、誇らしい気分で一杯だッ!」 「それは……君の正しさや強さを、僕を打倒して証明したいという事か?」 「いや、...
  • お教えしましょう――吸血鬼(ヴァンパイア)ならばここにいると
    発言者:ジョージ・ゴードン・バイロン 対象者:《伯爵》 「何故なのですか、《伯爵》。まだ足りませぬか……それほどまでに私も似非だと仰るか。 あなたと同じ怪物にあらじと、そう言われぬまでに成りました。これ以上を求めるというのなら、どれほど装いを新たにせよと?」 「おまえこそ、何を言っているのだ」 その問いに、心底不思議そうに《伯爵》は首を傾げた。 これは何を言っているのか?睥睨する眼光がそう語っている。 「吸血鬼(ヴァンパイア)とは、この世に始祖一人のみ。おまえはどこまで肥大しようと、血に縛られし縛血者(ブラインド)。 幻想の破片が、現実へと希釈されただけの劣化品(・・・)だ」 だから、なあ。何を言っているのだと。追いつこうと走る子の意思を前に、無表情で告げる。 「ならば……あなたはどうなのですか、《伯爵》!その姿と力を以て...
  • いいのだ……これで俺は、お前を生涯離さずにいられるのだから
    発言者:トシロー・カシマ 対象者:美影 『NOSTALGIA』にて……逃亡者として人の社会から追われる身となり、 それでも新天地を求めた果てに、未知なる獣───死人の王とその眷属に遭遇し…… 一歩も動けず、何らなす術なく愛する女を縛血者(ブラインド)に変えられてしまった男が、“永遠”を求め洗礼を伴侶に願った言葉。 ―――この時点でのトシローには、何ら縛血者に関する知識はなく美影が人間の温かな生き血によってのみ生き永らえるようになった事、年月を重ねようとも老いる身体ではなくなった事、そして同じ存在となる為には“同族”に咬まれる事が必要……程度の事柄しか分かってはいなかった。 だが、どれほど伴侶の身体が変貌しようとも、彼にとってはさして支障を感じる事はなかった。 二人だけの閉じた楽園、自分達が自分達として生きていける場所を求め流離い続けたのは、唯一つの理由から。...
  • 三本指
    トライフィンガー 《爪牙持ち貪る者。これ即ち我が怨敵なり》 《我、我が身を滅ぼすことをも欲する者なり》 《我が身への憎悪を同族に転嫁する愚者なり》《愚者ゆえに止まる術を知らず》 俺は、生ける亡者を喰らう一羽の鴉(カラス)……全ての吸血鬼(・・・)よ、震えるがいい。 『Vermilion -Bind of blood-』に登場する、理不尽を塗り固めし最悪の異端者。吸血鬼を狩る吸血鬼。自覚なき怪物。 約40年前、その所業によって縛血者社会(ディアスポラ)を震撼させた悪名高き「同族殺し」。 犯行現場に中指と薬指を欠いた血塗れの手形を残し、それが鳥の足を連想させることからこの名が付いた。 その行為の目的は今なお不明。僅か十年余りの活動期間でアジア、ヨーロッパ、アメリカなどで猛威を振るい、 特にロシア地域においては当時の支配者階級を全...
  • わかった……それが君たちの流儀ならば私も従おう!
    発言者:阿笠 忍 対象者:桐原 零示 幼馴染に代わり、朝食の支度を担おうと忍が約束した、その翌日の朝――― 「茄子の浅漬け、納豆のオクラ和えに焼海苔よし……と、銀鱈の照り焼き、出汁巻き玉子に大根おろし……と」 「ふむ、栄養バランス的に今一つ物足りない気も……青菜の類が欲しいところかな」 いつもとは違う味噌汁の匂いで、目覚めた零示。 ベッドの上からキッチンの様子を眺めると、そこには実に手慣れた様子で、ちょっとした旅館並みの献立を整えた忍先輩の姿があった。 昨日までの初心な様子から、からかう気持ちの方が先立っていた零示だったが、 可愛い後輩であるさつきとの約束ということもあってか、初日からかなりの気合の入れようで逆に負けたような気分に。 「零示、そろそろ起きてきたまえ。朝食の準備は万端だ」 そこで、彼は義務感に燃える先輩にちょっとした悪...
  • ――助けて
    発言者:青砥 美汐 両親が壊れながら死んでいき、絶望の中で自分の命も失ったことで、彼らが教えた“正しさ”、“誠実さ”などは圧倒的な“力”の前には弱く蹂躙されるだけに過ぎないとして、他者を信用せず、己を強く在らしめんとした美汐。 そんな彼女が、支配者の手によって虚飾を剥ぎとられ、今なお己の本質は弱いままの少女であり、そんな自分は既に忌み嫌う力そのものに変わり果てていた、という事実を露とされ、悲嘆を叫びながら暴れ狂う。 そのまま疲れ果て、他のさらに強大な暴力に命を奪われんとした際、美汐が心から発した呟き。 突如、エリザベータの命を喰らい、他の刻鋼人機(イマジネイター)も破壊せんと暴れるネイムレス。 鹵獲し、友軍機となっていたはずのネイムレスの暴走に溢れんばかりの憎悪を向けながら、影装を展開しつつ全力でそれを潰そうと猛るイヴァン。 その二機が激突し合う戦場で、凌駕達は...
  • 私は――その運命を受託する!
    発言者:《伯爵》 対象者:始祖リリス 「こう生きて(・・・・・)、そう死ぬしかない(・・・・・・・・)という無機物(マテリアル)。成る程な、道理だ母よ。 理想を叶え続けることなど生物には不可能、歯車にしか出来はしない!」 「生命は間違いを犯す。惑う、悩む、悔やむ、逸れる……この男に言わせれば、 自分自身すら判らぬらしい!そんな者には任せられぬな、納得だとも。理が通る───ッ」 「最初から完全で、間違えるべくもなく、己に疑問を持たぬ者が必要だ」 「……くく、くくくく。よって、私は遂に破綻した。 矛盾を見抜かれ、己が深淵を暴かれた。 かつての自動人形ではない。この身は今や、まさに────」 「嗚呼、素晴らしいぞッ! 私は今や、吸血鬼(ヒト)の心を得たようだ!」 アイザックとの会話で生まれた自分の起源への疑問。 そしてトシロ...
  • 俺は、ゼファー・コールレイン――銀の人狼でも吟遊詩人でもない、ただ抗い続ける……人間だ
    発言者:ゼファー・コールレイン ゼファーはちっぽけな男として、大切な少女への一途な想いを胸に、立ち塞がった鋼の障害を砕くのだと勇気をかざしてひたすらに疾走する。 ――そして蒼の魔星が怒りと苛立ちに震える中、、彼は遂に狙撃手へ残り1km……数秒で駆け抜けられる距離にまで接近を果たす。 彼が必殺の一撃の為、銀刃に星辰を籠めようとする中、 ウラヌスの総身から、過去最大規模と言える星辰体との感応量が迸る。 周囲一帯を巻き込み、余波だけで凍結させていくその光は暴虐そのもの。 小細工や修練など必要ない。 生まれ持った圧倒的な出力差で押し切ることこそ上位種の特権だと言わんばかりの力、力、力……。 「よかろう、認めたぞ。私の攻撃は当たらない。 ならば、空間ごと飲み込んでくれるまで――ッ」 その言葉と共に、鉄姫は狙撃の射線を僅かに下方に修正…… 両者の...
  • 俺は……そうしたい。キャロルを……俺の手に、取り戻したい
    発言者:角鹿 彰護 対象者:ブライアン・マックール 「……おまえの勝ちで、いい」 「だが……俺にはまだ、やることがある……ッ」 死闘の涯て、傷つき倒れ込んだ角鹿の躰はあと数時間の命。だが瞳は諦めず足掻き続ける事を望んでいた。 その傍らで傷を修復しつつあるブライアンは、宿敵のそんな姿を静かに見つめていたが…… 「そうか……このまま終われないんだったな、お互いに……」 何かを決心したかのような、静かな声。 枯れた瞳に浮かんだのは、遠くを見るような光。 「……もしその傷を癒し、再び立ち上がる力を俺がくれてやると言ったらどうする?」 ブライアンの声に、血走った目に渇望を滾らせる角鹿。 「……あの化け物の細胞を寄生させ、傷を修復させるのさ」 「ただし、今以上の地獄が待っているぞ……おまけに、至門から邪法の処置を施されて...
  • 教えておいてやる……吸血鬼の強さは、命が安いってことだ
    発言者:アルフライラ・ワ・ライラ 対象者:アリヤ・タカジョウ アンヌに標的を定め現れたアリヤに、襲い掛かる影が一つ。それは以前、地下で自らに屈辱を負わせたアンヌに報復を誓っていたアルフライラだった。 アリヤの脆さを見抜き、生身の人間を血奴隷(サーバント)として襲い掛からせるライラ。 その効果は大きく、ただの人間の命を殺めてしまった事が少女の優れた技量を鈍らせていく…… 「やっぱりなァ……てめえは紛い物だよ。それじゃ、吸血鬼(おれたち)には勝てはしねえ。少なくとも、本物(・・)にはな」 繰り返される面罵が、アリヤから自制心を剥ぎ取っていく。 それが自分を陥れるためのあからさまな挑発だとしても、耳を塞げない。 吸血鬼に家族を奪われた絶望から立ち上がり、駆け抜けてきた自らの生を無価値と否定する事は許せはしなかったから…… ――怒りを籠め、鋼鉄の杭を真...
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