御身へ――永久に咲く、薔薇の愛を

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  • 御身へ――永久に咲く、薔薇の愛を
    発言者:ジョージ・ゴードン・バイロン 対象者:《伯爵》 自分の筋書きを外れず、与えられたものを何ら疑わずに信じ、予想通り(・・・・)魂を喰らった果てに自滅した、醜い不肖の子。 残酷な真実を告げた《伯爵》は最後の憐れみとして、バイロンからカーマインとマジェンタを奪い返し、 カーマイン……否、始祖リリスの魔聖槍(脊柱)を取り込んで、更に強く美しい闇の支配者としての姿を現した。 己の使命に従い、粛々と生贄の魂を刈り取ろうとする《伯爵》の偉容に対し―― 執着に狂った相貌から解き放たれた彼女(・・)は、この永き旅路の終わりを受け入れた。 「ああ───私は、間違ってなど……いなかった」 「あなたこそが……吸血鬼(ヴァンパイア)。古びた始祖など塗り替える……現世に降臨した、夜の王」 頬を雫が伝う。死の恐怖ではなく、感動の証が月光を反射した。...
  • 台詞/Vermilion
    ...ったァァッ!!」 「御身へ――永久に咲く、薔薇の愛を」 ケイトリン 「飛べるって意識。それが大事なんじゃん? 自分が空に行けて当然っていう意識がさ」 「だって子供の頃にさ、他のガキの積み木を崩したくなる気持ちってなかった? あれって理屈抜きだと思うのよね」 「やりたいようにやるッ! それが吸血鬼ってモンでしょうが!」 「……あたしの夢って、なんだろうね?」 モーガン 「おまえの汚れた欲望と俺の純愛を、一緒にするんじゃねえ!」 「おいクソ探偵。てめえは、自分がまだあったかい人間様のつもりででもいやがるのか?」 「ならッ……行っちまえ────ッ!」 「 いつもみたいに、俺の事なんか眼中にないってクールな顔でキメててくれよ。俺は、君っていう突っ走る影を夢中で追いかけてただけの……ただのバカ野郎さ」 「ったく、面倒くせぇ忠犬だなてめぇは……」 「オラ、来いよ腐れクソ死体。腐り...
  • 私がみんなを連れていくわ───愛で満たされた、新しい世界に
    発言者:『魔女』 『ああ、痛いわ───私(あなた)の生み出す絶望で、今にも胸が張り裂けそう』 ノーマルルート、無名の魔女(ヤルダバオト)が宿願を叶え、この上ない喜悦と共に告げた言葉。 そして同時に、十字架にて刑死した救世主の理に代わり、彼女の信じた「愛」の理が世界に流れ出し、塗り潰したという勝利宣言である。 至門の命を狙った彰護は遂に目的を果たせぬまま斃れたが、人として大切なものを取り戻せた事に安らぎを覚えながら、その生涯を終えた。 標的だった至門もキャロルにトドメをさされ死にゆく中、「報われた」少女と虚しく取り残された我が身を比べ、哀しさとも妬みとも判別し難い想いを抱いて死んでいった。 そして……彰護の命を賭けた献身により命を救われたキャロルは、ただ喪失の事実に震えていた。 自らを道具として扱ってきたはずの男が残した、死の間際の一片...
  • 永遠の愛をあなたに
    発言者:アヤ・キリガクレ 対象者:アシュレイ・ホライゾン キリガクレの血は例外なく、一途で重い愛情へ魂ごと殉ずるという公式のキャラ紹介で書かれた通りのアヤ・キリガクレの愛する男への誓い。 ただしこれを誓った場所は墓前である。故人に向けて想いを淡々と語っていくのが逆に物悲しさを掻き立てるシーンである。 寿命はすでに半年を切っているなど不吉なことが示唆され、EDを聞き終わり映ったのは花束が捧げられた墓の一枚絵。 そうしてヒロインであるアヤ・キリガクレがその後どうなったかを語っていく。世界がどのような情勢になったのか、レインやグレイ、ミステルと言った親しい人達がどうしているか等と 戦火の耐えぬ今の状況と優しき過去の思い出が引き裂かれたあの日を重ねた無常さと共に。だが、それでも決して変わらぬものがあるとアッシュへの想いを告げていく 「けれど、あなたと過ごした思い...
  • カーマイン
    CV:桜坂かい 『Vermilion -Bind of blood-』の登場人物。 始祖リリスが造り上げたとされる三体の人形、その一体。 “最も美しい死者” として縛血者社会で美術品として永く愛でられるが、その正体はリリスによって創られた人造の縛血者。 彼女の目論見を成すための存在であり、眷属の天敵たる裁定者(テスタメント)を生み出す存在である。 顔や体型は共通の三つ子であり、髪型が異なる。 『さあ、集まりなさい……薔薇の眷属(ともがら)たちよ……』 『幻の愛を求めて鬼となり錯乱するその姿、女として実に醜い』 名前 ...
  • しばしお待ちを、我が愛しの君よ。あなたに相応しき片翼となりて、その御許へと参りましょうぞ
    発言者:ジョージ・ゴードン・バイロン グランドルート、《伯爵》が語った、“縛血者とは伯爵自身も含めた全てが、始祖……母たるリリスの回帰のため、生かされてきた存在である”という「真実」。 それに動揺しながらも、定められた終焉を認めず伯爵の元から姿を消したバイロン。 そしてニナが種族の生き残りを賭け、真実を街の同胞たちに伝え、多くの縛血者がその内に持つ始祖の魂の欠片から 終焉が真実であると感じ取り……その多くは僅かでも長く生の時間を延ばすため、逃亡していくことを選んだ。 だが、そんな彼らに心底軽蔑する眼差しを向けて、バイロンは1人、目的を果たすために地下下水道を力強く進んでいた。 自己の変革を望まず、心焦がすような理想に燃えず、現状に満足するだけの凡俗共など知らぬ。 「私は違う、不夜が血族──吸血鬼(ヴァンパイア)」 「幻ではなく、確かに存在...
  • 白霜咬手
    フロスト・バイト 「愚かな……やはり、貴様は木偶か」 本能が警告を鳴らす。避けろ、まずい受けるな(・・・・)。――あれに当たれば止まってしまう(・・・・・・・)! 「失せよ───三本指(トライフィンガー)。せめてその屍、薔薇に捧げる死肉となれ」 掟の執行者がついにその力(・)を解放する。 彷徨う夜霧を凍結させ、エルンスト・ゴドフリの氷の手刀(やいば)が鋭く放たれた。 鉄の家令――エルンスト・ゴドフリの賜力(ギフト)。 血液に干渉する凍結能力。触れたものを生物・非生物問わずに発生させた絶対零度の冷気で凍てつかせる強力な賜力。 ゴドフリ自身が長い歳月を生きた藍血貴(ブルーブラッド)でもあるため、単純なパワーやスピードにおいてもかなりの次元にあり、接近戦での対処は極めて困難。 縛血者(ブラインド)の力の源である血液そのものを氷結させて...
  • それが諦められねえんだから、しょうがねえだろうがッ!
    発言者:至門(蛆虫) 対象者:無名の魔女 人が人を救うことなど許しはしない――救うのはこの私(・・・)でなければならないのだから。 超越者たる真の魔女の怒りに触れてしまい、圧倒的な絶望を浴びせられるキャロルーーにして己の真実を取り戻し遂行した歌音邑瞳子。 「な―――お、おまえッ!?」 膨大な負の圧力を前に彼女の魂が焼き切られる……寸前。ここまで姿を見せなかった道化が、ついに王の急所を捉えたのである。 深淵に姿を見せ、無名の魔女の魂に縋り付いたのは……肉体を脱ぎ捨て“魔女”達同様魂魄となった至門。 ヴァレンティノスとの対決で、呆気なく斃されたかに見えた彼は、はじめから己が目的の為に準備を整えていたに過ぎなかった。 ――そう、最後の魔女とこの高次空間にて融合を果たすために。 全てを見通すと豪語し続けた魔女は、キャロルという奇貨を前にして、そちらに...
  • 醜い――貴様に薔薇の心臓は不似合いだ
    発言者:《伯爵》 対象者:“三本指”の「贋作」の「偽物(デッドコピー)」 フォギィボトムに「再来」した三本指(トライフィンガー)。 その犯行を知った、反逆も、掟に従うことも何ら行動を起こさず、 ただ不平不満を述べ立てていた卑小な性根の縛血者は、ただ目立ちたいという理由で、彼の犯行の空白をついて模倣犯となった。 さらにその人間相手の犯行が大きく街を賑わしたことに気をよくした男は、忘却されることを恐れ、 さらなる犠牲者(じゃくしゃ)を求め裕福そうな人間の家に押し入り……一人の少女の家族を惨殺、放火した。 街では再び、大々的に自分の行ったことを取り上げ、人間も縛血者も無視できぬ騒ぎとなっている…… 夜の闇の中、男はその自尊心が大いに満たされるのを感じ、 “模倣した三本指と比しても、自分の方ががより凄まじいことをやったのだ”という驕りさえ抱き始めていた。 ...
  • いいのだ……これで俺は、お前を生涯離さずにいられるのだから
    発言者:トシロー・カシマ 対象者:美影 『NOSTALGIA』にて……逃亡者として人の社会から追われる身となり、 それでも新天地を求めた果てに、未知なる獣───死人の王とその眷属に遭遇し…… 一歩も動けず、何らなす術なく愛する女を縛血者(ブラインド)に変えられてしまった男が、“永遠”を求め洗礼を伴侶に願った言葉。 ―――この時点でのトシローには、何ら縛血者に関する知識はなく美影が人間の温かな生き血によってのみ生き永らえるようになった事、年月を重ねようとも老いる身体ではなくなった事、そして同じ存在となる為には“同族”に咬まれる事が必要……程度の事柄しか分かってはいなかった。 だが、どれほど伴侶の身体が変貌しようとも、彼にとってはさして支障を感じる事はなかった。 二人だけの閉じた楽園、自分達が自分達として生きていける場所を求め流離い続けたのは、唯一つの理由から。...
  • おまえの汚れた欲望と俺の純愛を、一緒にするんじゃねえ!
    発言者:モーガン・クインシー 対象者:ルーシー・ミルドレッド “成り立て”の縛血者――ケイトリンについての調査結果を受け取るため、待ち合わせ場所である『カサノヴァ』を訪れたトシローとシェリル。 シェリルが酒場のドアを開くと、そこには壁があった。 「お、おぉ……」 壁……ではなく、モーガンの手には薔薇の花束があった。 その上にある黒檀色の額には、深い縦皺が刻み込まれている。 厳しい胃痛か便秘を堪えているようにも見えるが、恐らくはこの上もなく真剣な表情を作っているのだろう。 「ハ、ハイ、モーガン。ネクタイ、そんなびっちり締めちゃって。窮屈そうだね……」 彼の異様な佇まいに明らかに気後れしながらも、シェリルは右手を挙げて声を掛ける。 「今宵も君はクソ美しい────」 舞台役者のように陶然と、モーガンは呟く。 「そ…...
  • これぞ運命、などと決め付けるには早計すぎるぞ幼子よ、立ち向かってみるがいい。見出してみよ、己が意義を。
    発言者:《伯爵》 対象者:トシロー・カシマ アンヌの家族含め、通常の人間の命を奪い続けた“掟破り”の「三本指」を断罪すべく、 磨き上げられた同田貫の一振りを携え夜の街を進むトシロー。 そんな彼が目撃したのは、一撃で心臓を貫かれた犯人の骸と……殺害を実行した圧倒的な威圧感を放つ謎の縛血者(ブラインド)の姿であった。 一度も顔を合わせた記憶などないにもかかわらず、その巨大な存在感を、姿を、《伯爵》という名をなぜか知っていたトシロー。 こちらを観察するような視線を向ける《伯爵》に対し、近づかれるだけで隔絶した力の差を思い知らされながら…… それでもトシローは、己は“夜警”にして、公子に仕える一振りの剣であると宣言し、法に背くおまえを裁くと確たる意思を示す。 ―――自身でも驚くほど強い熱情が、死への恐怖、不信や葛藤をねじ伏せて、これこそ己の理想だと言葉を紡がせるのだった。 ...
  • VERMILION
    歌手:凛 作詞:オリヒメヨゾラ 作曲:与猶啓至 “研ぎ澄ました紅く紅く 月の影は行き場のない繋ぐ空は脆く朽ちる硝子細工………” 《来てみろ──足掻き流離う縛られた現実(ブラインド)。夢幻の泡と消えるがいい》 “最後の薔薇咲く 終焉を辿って 籠の中で溶けていく 明日を感じて……!” 《散るのはおまえだ、見せ掛けの偶像(ヴァンパイア)。闇の心臓を晒すがいい───!》 ──暗闇に咲き誇る、人魔の薔薇が物語。その最終章は刀閃の煌きと共に幕を上げ、火花の花弁が咲き誇った。 『Vermilion -Bind of blood-』のOP主題歌。OPムービーと、グランド√の見所を紹介するPV3において使用されている。 人を越えようとしながら、同時に人らしさを捨てきれない縛血者(ブラインド)たち、 そんな彼らの棲む薔薇の夜に忍び寄る崩...
  • ―――なんだ……これ?
    発言者:神代直 『終章・ひとり』より……あまりにも理不尽で受け入れがたい世界の変貌について神代直が漏らした言葉。 夕暮れの屋上で、真っ直ぐな幸の告白を直は受け入れ……… 荒んでいた彼の心には穏やかさが戻り、隣の大切な女性(ひと)に恥じないようにと、奮起して自分の生活を改め始めた。 身体も通わせ……生まれ変わった彼は、未だ見えない未来も、 彼女に名付けられたような幸福(サチ)を、この人と一緒に掴みたいと誓った。 出会いの夏が過ぎ、秋、冬、そして幸が卒業する春へ。 季節は流れても、二人のこの関係はずっと続いていく―――そう、直は信じて疑わなかった。 ――それは、十一月のことだった。 ――幸が、市営バスの火災事故に巻き込まれたと知らされ、直は彼女がいる病院へと駆けつけた。 ――彼女は大惨事の中でも、一命を取り留めていた…… その話を知った直は安...
  • 縛血者(にんげん)――鹿島杜志郎
    発言者:縛血者(にんげん)――鹿島杜志郎 対象者:吸血鬼(かいぶつ)――《伯爵》 新生したトシローと覚醒した伯爵との相剋はトシローに軍配が上がった。 「ああ――無念だ。後一歩であったというのに」 「やはり、お前は素晴らしいな……宿敵(とも)よ。まさか私に敗北まで授けてくれるとは」 跡形もなく粉砕された心臓の痛みと、生涯を通じて最初で最後の失敗と辛酸を味わって・・・ 伯爵は苦笑しながら、勝者たるトシローに事切れんとする虫の息のまま語りかけた。 「口惜しい……たまらぬな、この痛苦。 成る程…誰もがこぞって私に敬服したわけだ。強い殻(よろい)を纏わねば軋む心に耐えられん……」 「全て、為すがまま――闇の寵愛が恋しくもなろう」 だから人間は吸血鬼になりたがる。別の何かに生まれ変わって解消してしまわなければ。 こんな激烈な痛み...
  • 朱銀幻燈・人魂帰譚
    ヴァーミリアン バインド・オブ・ブラッド ようやく、覚悟が出来た――自分自身と、付き合い続ける覚悟を。 「さよならだ、吸血鬼(ヴァンパイア)。妄執の彼方へ還るがいい」 「俺はこれからも、此処で足掻いては嘆き続ける。葛藤と煩悶に揺れ続けよう……」 「だから、傷つかぬまま賞賛される偶像は……もう終わりだ」 終焉よ来たれ、理想と幻想よ、夜の喜劇はもう終わりだ。 現実と幻想は、地続きの避難場所ではないのだから。 「この縛られた世界(げんじつ)に――貴様の居場所はない」 心を惹きつけてやまない、その美しい絵空事に幕を下ろそう。思い描くことはただ明日を歩む力となればいい。 「久遠の幻想(ユメ)へと、消えるがいい……! 塵となり、灰となりゆくが相応しいのだ!」 つまらぬと嘆く日常を、出来うる限り愛してみよう。 ...
  • 私は───己など要らなかった!
    発言者:ジョージ・ゴードン・バイロンだった怪物(もの) 対象者:《伯爵》 『ノーマ・ジーン』を突如として襲撃する『裁定者』の群れ。 客として集まっていた縛血者達が次々とその爪牙の餌食となる中、ルーシーは乱入してきたバイロンにより九死に一生を得たが…… 「違う……おまえたちではない……」 「マジェンタは……カーマインは……我が父……我が王…… 我が最愛の───貴方は何処だアアァ!!」 その顔を酷く歪めるのは狂気。瞳は、ここではない何処かだけを求めて彷徨う。 ルーシーはその狂態に怪物とは別種の恐怖を感じ怯え竦むのみ……… 今バイロンの頭蓋の内に宿る精神は、真正なる狂人の域へと達していた。 「こんなはずでは……なかった……」 数百年焦がれ続けた渇望(ゆめ)は、彼女(かれ)の求めた理想ではなかった。 辿り着いたそこは、虚ろだけが詰め込ま...
  • 第零式永久機関
    オリジナル・クロノ・サーキット 「それが、永久機関の完全な姿か……」 「そして始祖(オリジン)、文字通り時計機構(ホロロギウム)の心臓だとも。大情報集積機関(メイン・データベース)も兼ねている」 「物質文明を導く全ての叡智が、残らず此処へ詰まっているのだ。……その手で破壊したいかな?」 永久機関の創造主たるオルフィレウス専用の巨大永久機関。彼に従属し、その運命を守護する機械星。 通常は彼の居城たる天空の人工衛星クロノゲイザーの心臓部として機能しているが、 その真価はオルフィレウスという刻鋼人機(イマジネイター)と直結した時にこそ最大限に発揮される。 永久機関の何たるかを知り尽くした創造者に奉仕するその無限大の力は、まさに真の永久機関と呼ぶに相応しいものがある。 また、現代の遥か先を行く科学の叡智を詰め込んだ時計機構(ホロロギウム)のデータベースと...
  • ――私は、機構を滅ぼす強者(あく)に成りたい
    発言者:青砥 美汐 誠実さを信じ、両親から愛を注がれて生きてきた令嬢、青砥美汐が、 世の不条理に直面し、何もかもを喪失した末に、温かな思い出を封じ込め、新たに打ち立てた決意(エゴ)。 幼き頃から、両親の愛情を受け取って真っ直ぐに育ってきた美汐。 穏やかな光に包まれながら、彼女の胸には常に、親から学んできたある一つの言葉が存在していた。 それは、“誠実に生きろ”という言葉。 誰かを助ければ、自らもまたいつか助けてくれる。 誰かを傷つければ、自らもまたいつか傷つけられる。 因果は応報するのだ、という両親の教えは、美汐という少女の生きる上での標となっていった。 そして実際に、彼女の周囲の世界はそれで上手く回っており、皆が笑顔で微笑みかけてくれていたのである。 無条件な父母の愛情で他者の善性を信じ、その上で自らの行動が幸せを与えられるというこ...
  • ――俺は一体、何者になればいい?
    発言者:アイザック・フォレスト 「……そろそろ、こいつともお別れの潮時か」 今ではすっかり板に着いた、このワイシャツに黒いベスト。 この服装がここまで己に馴染むとは……あの頃(・・・)の自分からすれば想像もつかない。 「滑稽なもんだ。そう思った途端、それなりに愛着を感じるなんて……な」 彼がバーテンダーの制服に袖を通し、酒場の営業を続ける事になった理由とは……ひとえに前店主に対する敬意故である。 己を圧倒し、魅了した存在になってみたかった(・・・・・・・・)のである。彼は、そういう(・・・・)男だったから。 トシローが死の呪いに蝕まれている事を知り……宿願の刻が近い事を確信して。 身につけてきたカサノヴァのバーテンダーの装いを脱ぎ捨て、また“誰でもない者”へと戻ろうとするアイザック。 そんな彼が過去を顧みて……心に浮かび上がった、己の人生に...
  • お教えしましょう――吸血鬼(ヴァンパイア)ならばここにいると
    発言者:ジョージ・ゴードン・バイロン 対象者:《伯爵》 「何故なのですか、《伯爵》。まだ足りませぬか……それほどまでに私も似非だと仰るか。 あなたと同じ怪物にあらじと、そう言われぬまでに成りました。これ以上を求めるというのなら、どれほど装いを新たにせよと?」 「おまえこそ、何を言っているのだ」 その問いに、心底不思議そうに《伯爵》は首を傾げた。 これは何を言っているのか?睥睨する眼光がそう語っている。 「吸血鬼(ヴァンパイア)とは、この世に始祖一人のみ。おまえはどこまで肥大しようと、血に縛られし縛血者(ブラインド)。 幻想の破片が、現実へと希釈されただけの劣化品(・・・)だ」 だから、なあ。何を言っているのだと。追いつこうと走る子の意思を前に、無表情で告げる。 「ならば……あなたはどうなのですか、《伯爵》!その姿と力を以て...
  • さよなら、オルフィレウス。さよなら、ヨハン・エルンスト・エリアス・ベスラー 。さよなら、もう一人の秋月凌駕
    発言者:秋月 凌駕 対象者:オルフィレウス かつてオルフィレウスと同属であった秋月凌駕が孤高なる強者へと告げた哀悼の意。 目の前の相手こそ、大切な誰かを慮り、合わせることもなく自分の中にある真理のみを抱いて突き進み続けた場合の在り得た自分のもう一つの未来だった それを思った彼が自らの合わせ鏡へと告げた別れの言葉である。 決着と共に自らの合わせ鏡に凌駕は別れの言葉を告げる 「さよなら、オルフィレウス」 「さよなら、ヨハン・エルンスト・エリアス・ベスラー」 「さよなら、もう一人の秋月凌駕」 そんな別れの言葉と自らの終りを前にして 「ああ、まだ。まだだ……」 「永遠に終わらない、車輪を、回し、て……」 「永久に続く、科学の探求を―――」 「あの日の時計を……ずっと、ずっと」 どこまでも見果てぬ明日と前進を夢見な...
  • 汝、希望の殉教者よ――我が心臓に牙を立て“神殺し”を完遂せよ
    発言者:葬想月華(ツクヨミ) 対象者:希望の殉教者 『シルヴァリオ ラグナロク』のディザームービーに登場した言葉であり、ミサキ・クジョウの星辰光(アステリズム)の起動詠唱(ランゲージ)の一節。 本編公開前は彼女を磔刑にして剣を心臓に突き立てる光景と相まって、いずれ彼女を犠牲にする状況が発生することを示唆している文面ではないかと予想されていた。 事実、本人のルート以外ではいずれも自身を犠牲にする結末が起きており、ミサキルートでも寿命と引き換えに眷属への力の譲渡を行うなど、同様の結末が起きるのではとプレイするユーザーを心配させたと思われる。 そして、明かされた真実から彼らは神殺しを成せば、どちらも生存することは不可能であり、いずれにしても二人の終焉は運命づけられており、希望などどこにもなかったが―――。 その運命は彼らと共に歩む大切な絆達によって大...
  • 百花繚乱・木花知流比売
    ひゃっかりょうらん・このはなちるひめ 鉱石の花吹雪が絢爛と舞う、石長(えいえん)の繁栄を象徴する霊的防御。 これに接触した禍津神は存在を反転され、陽の光へと変換される。 大地と縁は両儀揃いて太極の器と化している。そのため、今の彼らは属性の反転さえ可能としている。 稜威母、つまり伊邪那美の語源はその名の通り“いざなう”である。 此処ではない何処かへと他者を誘導することこそ本領であり、その本質は彼女の継嗣である彼らにも継承されている。 詠唱 千代に八千代に永久に、咲耶の如く二人を繋ぐ縁を想う 真の誓約を今ここに――百花繚乱・木花知流比売ッ! 名前 ...
  • ならば導きを与えてみよう。今の彼とかつての彼───その対決と相克。このオルフィレウス、観測したいと心の底から渇望する
    発言者:オルフィレウス マレーネルート、礼が過去からの呼び声に立ち上がっていた時から時間は遡る…… 天空の衛星、そこに坐する機械の神、オルフィレウスは四十七体の刻鋼人機達の戦闘映像を閲覧し――ある被検体の姿に目を奪われていた。 ――その名は、秋月凌駕。ずっと彼が待ち焦がれていた、科学の可能性を拡げる特異点となりうる生まれながらの覚者だった。 「やはり、私は間違ってはいなかった。人間こそが無限の可能性を秘めている」 心の底からの歓喜の声。この二百年で初めての希望の微笑が観測者の貌を彩る。 そして凌駕が闘う地方都市に視線を向けたオルフィレウスは、もう一つの星の輝きにも目を奪われていた。 ――もう一つの星、それは“緋文字礼”と名乗る記憶喪失の男。 「……そうか。彼(・)もいたか」 思わぬ拾い物を見つけたかのように、その唇が再び喜悦を描く。 ...
  • いいことを思いつきました。四肢を落としたあなたの前で――彼に捧げてみるのもよさそうですね
    発言者:アリヤ・タカジョウ 対象者:シェリル・マクレガー 『EASTER DAY』より――覚醒した変態狩人、その本領発揮。 変化する鎖輪の状況。その中で多忙を極めるトシローに、強引にでも引っ付いてやろう…… そう決めたシェリルを扉の向こうで待ち構えていたのは、変態狩人の冷たい刃の切っ先であった。 「ああ、彼も、トシローも理解してくれるでしょうか? あなたのおかげだと見せてあげたい」 「そうでしょう? 不釣り合いな足枷さん。情をねだってしがみ付くのはやめたらどうですか、煩わしい」 「さあ……切除してあげましょう」 「お妾さん」と、シェリルを最早「敵」とすら見做していないアリヤの姿には、 ただ冷徹なだけの狩人という枠を超えた、身震いするほどの情念の焔が宿っており…… かつてならば、僅かも感じる事の無かった脅威…… しかし今のア...
  • 結局――結局これか、このザマか! 笑っちまうぜ、なんて道化だ!
    発言者:アイザック・フォレスト 「アイザック、シェリルを連れて下がれ。邪魔だ」 「こいつは、俺が滅ぼす」 アリヤ√、アイザックは白木の杭(ホワイトパイル)に対する“復讐”の念により憧れの過去(ヒーロー)に戻りつつあるトシローを前に、絶頂寸前にまで昂っていた。 「──そうだ、やれよトシロー。やるんだ、殺れ。おまえが敗北するはずがない」 おまえをずっと追い続けた俺だから(・・・・)判る。 想い傾けたものを喪失し、敵を求めたのだろう? 守りたがりのおまえにはそれが目覚めの鍵(キー)なんだ。 大義と個人に縛られ、自らの理性を遵守したがるトシロー・カシマを弾けさせる、絶対の過程(プロセス)。 この報復(ぞうお)の先に、殺意と共に流離う――真の三本指(トライフィンガー)が舞い戻る……! その時こそが、俺が望む決着の時。縛血者(ブラインド)の血で染...
  • 愛を忘れた方々へ下げる頭はございませんわ!
    発言者:パトリシア・フォン・クイーングラス 対象者:神祖 葬想月華(ツクヨミ)の加護を受け、神殺しの星を宿す絆たち。絶望的な状況にも拘らず神祖に牙を剥くに足る己が信念を各々が叫び、抗う中――。 「だからこそ、わたくし達は絶望(ヤミ)の中でも抗うのです。各々の胸に息づく、誰かを照らす大和(カミ)を信じて」 聖騎士の少女(パトリシア)は己が胸に息づく教義こそが主たる神祖(カミ)へ牙を剥くに足る想いだと告げる。 「人を許し、愛してその手を伸ばすこと。誰かを助ける喜びを、天津から見守り続けてくださること。その慈愛に溢れる教義こそ極東黄金教(エルドラド・ジパング)の誇りでしてよ」 たとえその教えが神祖が一国を影から操るために作った偽物であったとしても、始まりが欺瞞で固められた虚構であったとしても。 重要なのはそこではない。誰かに手を差し伸...
  • 貴様は自由だ。狂うなり滅ぶなり好きにするがいい
    発言者:『柩の娘』 対象者:ジョージ・ゴードン・バイロン アンヌルート……誰よりも早く、真実へとたどり着いたバイロンへと下される、王からの無情な宣告。 トシローを裏切りの牙で貫き……カーマインを確保したバイロン。 その目的は一つ、これまで血族として悪逆非道を重ね、それを罰するために現れる事を望みながら…… しかしこの6世紀もの間、一度も見える事の無かった裁きの王にして父―――《伯爵》、その手掛かりを、神秘の人型に求めていたからであった。 血に隠された情報を求めバイロンは、その首筋に咬みつく。 既に裡に蓄えられたマジェンタからの情報と融合し―――膨大な情報の波が今、大いなる真実の扉を開こうとしていた…… ……だが、その扉の向こうに垣間見えた秘密(もの)。 それ(・・)は、バイロンが望んでいたものなどではなく、致命の裏切りに等しいものだった。 見開か...
  • どうして───どうして私なんかのために!?
    発言者:キャロル・ザ・ウィッチ 「どうして……どうして、そんなことを───」 ノーマルルート……怨敵を前にして、“守るために”引鉄を引く事を躊躇った彰護は、 自分が失ったと思っていた、かけがえのないモノが心に生きていた事に安堵しながらその命を散らした。 「ありがとう……」最後の彼の言葉を耳にして、キャロルが感じたのは──ただ不条理な想いだった。 ……どうして? なぜ道具であるはずの私を“守った”の? 己は庇われたという揺るがぬ事実を認識した時、彼女の魂に埋めようのない傷が広がっていく。 「諦めて……いられたのに……」 道具、武器としての己。そしてそんな自分を一切の情なく使う男。 その関係性を逸脱する事無く、それ以外の生き方を遮断し続ける事で、強く在り続けられるとそう信じてきた。 だが、今キャロルは理解する。自分という存在はそう思い込...
  • 夢から覚めろよ。おまえの下には、血だまりの足跡がずっと続いていたんだ……なら、続きを始めようぜ。三本指
    発言者:アイザック・フォレスト 対象者:トシロー・カシマ シェリル√……ある決意を固め霧の街を歩むトシロー。 そんな彼を突如として裁定者(テスタメント)が襲い――銀の呪いに苦しみつつも怪物を撃破したものの、トシローは意識を失い倒れてしまう。 ……トシローが再び目覚めたのは、以前ニナを救うため叛徒と戦った『ツィミーシィ』。 そして、その身を助けたのは─── 「ヒーローってのは、死体が見つからない時は生きてるものと相場が決まってるのさ」 『カサノヴァ』と運命と共にしたはずの友、アイザックだった。 初めこそ、バーテンダーとして軽口を叩いていた頃と変わらぬ彼であったが、 やがて表情を引き締め、伝説の同族殺し(カニバリスト)・三本指(トライフィンガー)の正体が、トシローであることが暴かれたと告げる。 自分を助けることの危険を説くトシローに、アイ...
  • 燦燦迦具土神・来迎焱
    さんさんかぐつち・らいごうえん 天地(あめつち)、神火で焼き祓わん 輝け、天式─── 白天狐・彌瑞璃の星招術。 詠唱 我が誓願。聞き届けたまえ、極晃よ 頸切り刃に散る焔。燃える血潮に咲く炎産霊。 産声満たすは十拳の軌跡。絢爛たる煌きに天照す日を拝みませ 幸え給え、言祝ぎ給え。高天原を仰ぐが如く。 天地(あめつち)、神火で焼き祓わん 輝け、天式──星招術 燦燦迦具土神(さんさんかぐつち)・来迎焱(らいごうえん)! 名前 コメント
  • なんて、綺麗な────朝陽
    発言者:シェリル・マクレガー 闇夜に潜んだ吸血鬼達の物語、その終焉を告げる言葉。 人間の少女達が、幻想の光を遠くにして……穏やかに現実に帰る道を選び。 破滅の結末に抗い続けたシェリル達の眼前で、裁定者の肉体は崩れ灰となり……流星のような光を放って消えてゆく。 その無数の光が、流星のように集うのはカルパチアの上空。 そして、その神秘的な変化が訪れたのは、異形の怪物に対してだけではなく…… 「いいえ、違うわシェリル。……どうやら、私達も(・・・)みたいよ」 共に肩を並べ戦った銀の髪の少女の言葉に、己の身体を目を向ければ─── 「………暖かい。何これ」 熱を持たないはずの縛血者(ブラインド)の肉体もまた、淡い輝きを放つ。 怪物に抵抗していた血族は皆、自らから生じる光の輝きに困惑の表情を浮かべる。 「抜け落ちて────ううん、離れて...
  • 八大龍王・白霜ノ血陣
    はちだいりゅうおう・びゃくそうのけつじん 「待たせたな、壬生の狼ども。存分に引き裂き、喰いちぎれ」 「我が墓碑銘をここに謳おう───八大龍王・白霜ノ血陣」 薩摩藩兵士たちを、極寒の風が運ぶ白い濃霧が覆い尽くしていく。 同時に、空気中を美しく涼やかな音が満たしていった。まるで空気が玻璃(ガラス)と化してひび割れるかのような響き。 次瞬――大規模な怪奇があちこちで発生する。凍てつく風と霧に包まれた者たちが、次々と白い霜柱と化して氷結していく……そしてそのまま血の一滴までも凍りつき、澄んだ音を立てて砕け散っていった。 クリストヴァン・フェレイラの《洗礼》を受け、血族と化した土方歳三が至った墓碑銘(エピタフ)。 武士としてどれだけ見事に散ってみせるかという“終焉”の実現に取り憑かれた土方が操るのは、風に乗り戦場を駆け巡る氷結の異能。極低温の死の霧に迂闊...
  • あなたの他に、求めるものなど無いと言ったァァッ!!
    発言者:ジョージ・ゴードン・バイロン 対象者:《伯爵》 それだけ宿せば、これからの回収も容易かろう。励めよ、バイロン。今のおまえは良き器となった。 回収を続けるがいい、さすれば、おまえという器はより満たされるだろう。 ……《伯爵》よ、あなたは今の私を見てそれだけ(・・・・)しか思わぬと? 幼いこの身を導いていた時間……思い出しませぬか?我らが二人であった時、あなたは事有るごとに私を褒めてくれたではありませんか……! ……ああ済まぬな、忘れていた。 よくやったバイロン(・・・・・・・・・)、おまえは私の自慢だよ(・・・・・・・・・・)。──これでよいか? では行くがいい、迅速な仕事を期待する。 やはり、判りませぬか……! 強欲だな、まだ求めるか? 欲しい言葉があるなら言え、満足ゆくまで囁こう。 いいえ……そのような言葉遊びに意味など...
  • マジェンタ
    CV:桜坂かい 『Vermilion -Bind of blood-』の登場人物。 始祖リリスが造り上げたとされる三体の人形、その一体。 “最も美しい死者”として縛血者社会で美術品として永く愛でられるが、その正体はリリスによって創られた人造の縛血者。 彼女の目論見を成すための存在であり、眷属の天敵たる裁定者(テスタメント)を生み出す存在である。 顔や体型は共通の三つ子であり、髪型が異なる。 『薔薇の心臓を与えられし我が(・・)眷属たちよ……その血、その魂を、我(・)に回帰せしめよ』 『破れた夢の残滓に縋り泣くその姿、男として実に醜い』 Hシーンがよかった -- 名無しさん (2017-06-22 22 17 49) 名...
  • けれど……その代わりに、得られたものがありますから。錆の浮いた化粧箱とは、ここでお別れしたいのです
    発言者:エリザベータ・イシュトヴァーン 対象者:アレクサンドル・ラスコーリニコフ 「これが、きっと……勇気」 自らにとって困難な選択を、行使しなければならない瞬間に心震わせて選び取ること。 勇敢な者にとっては逃げなくてはならない時に、逃亡を選択できるか。 臆病な者にとっては立ち向かうべき時に、涙をこらえて踏みしめられるか。 個々人によって違う課題。それを成し遂げるために、勇気はあると知ることができた。 初めて自分自身のために、愛する者との未来を勝ち取りたいと願い、 単身“元”司令官がいる電波塔へと赴いたエリザベータ。 そこではアレクサンドル・ラスコーリニコフが、 己と同じ機構の歯車――忠実なる兵士――の一つが滞りなく、任務を果たしたものとして彼女の帰還を迎えていた。 過去、繰り返されてきたように、鋼の男は無機質に今回も部下からの事実確認、...
  • それが君の素顔(つみ)なら……その全て――俺が受け止めてやるッ!
    発言者:秋月 凌駕 対象者:エリザベータ・イシュトヴァーン 初出はPV4。 どれだけ拒絶の悲鳴と雨(ナミダ)にさらされても、立ち上がることを止めなかった男、秋月凌駕。 そんな彼が、拳と共に初恋の女性に贈る愛の告白。 「……ねぇ、凌駕。さっき闘っている時、何と言って私を口説いたか憶えてる?」 「いや、本当にすみません……もう許してください、リーザさん……」 「忘れろと言っても無理な相談よ……? あの言葉は、一生の宝物にするつもりだから」 己は近付く全てを傷付ける女だと告白し、 それでも迫ってくる凌駕に諦めと怯えが入り混じった悲鳴を上げながら、徹底的に彼を遠ざけるエリザベータ。 だが……… 彼女だけに夢中なその男の想いは、最早両腕を奪われたぐらいの傷で消えるものではなかった。 「心装!!」 かくして、自己の無意識の歪みの理解などより...
  • お待ちを、お待ちを、《伯爵》 どうか私を……あああ行かないで行かないで行かないでッ!
    発言者:ジョージ・ゴードン・バイロン ニナ√、主だった対立者は排除され、鉄の家令は真の三本指(トライフィンガー)に敗れ、傍らには《伯爵》からの贈り物と。 思いあがったあの小娘が守ろうと願うもの、この鎖輪(はこにわ)を穢し砕く企ては順調に進んでいる。 あとは、自分に刃向かうと告げた小娘とその騎士を滅ぼし、その後じっくり、父の手掛かりにして真なる絆の証(・・・)であるもう一体の柩の娘を手に入れればよい―― そう自身の成功を信じて疑わなかったバイロンは、自らの血で制御下に置いていたはずの『裁定者』の暴走に愕然とした。 それは、暴力により従えた配下の者達が滅ぼされることや、小娘より奪い取ったこの城が崩れ去ることに対してなどではなく─── マジェンタが、父からの贈り物が、己を捨てた(・・・・・)という受け入れがたい現実に対するものであった。 『やはり、お前はそちら...
  • だから、俺の薔薇を受け取ってくれ……俺を、全てを失くしたあの怪物にさせないでくれ
    発言者:アイザック・フォレスト 対象者:トシロー・カシマ アンヌ√終盤、『裁定者』(テスタメント)になり暴走するバイロン。 バイロンを倒すためにトシロー、アイザック、そしてケイトリンの三人は共同戦線を張る。 それぞれの賜力(ギフト)を活用し、ついにトシローはバイロンの心臓へと一太刀を入れる。 …が、しかしその再生能力により、あと一歩のところで心臓へと届かず、トシローは反撃を受け心臓を貫かれてしまう。 「ちょっと待てよ……冗談は止めろ。ついさっき約束を取り付けたばかりだろうがよ」 心臓を失ったことにより二度目にして永遠の死に至るトシロー。それを前に動揺するアイザック。 ────これで、何も無くなっちまったのか? 己の人生を支配してきた道標……それが喪失したことで、心は空虚(からっぽ)になる事への恐怖に埋め尽くされる。 自分もバイロンと同...
  • 煌煌迦具土神・日輪焱
    こうこうかぐつち ・ にちりんえん 煌煌迦具土神・日輪焱 天地(あめつち)、劫火で焼き祓わん 輝け、天式── 土御門羅睺が人式によって魔人と化し、神級マガツ魔塵龍・八岐大蛇を術の砲台とした放った、人の身では不可能とされた星招術。 バックログでは確認できないが、伝説の大天魔──神級マガツ、魔塵龍・八岐大蛇の召喚詠唱。 + ... 神慮拝聴・斯くやあらん 逢魔に吼えるは魔塵龍、八岐大蛇が御一首(おんひとく) いざ、おいでませ、おいでませい──! 詠唱 我が誓願。聞き届けたまえ、極晃よ 頸切り刃に散る焔。燃える血潮に咲く炎産霊。 産声満たすは十拳の軌跡。神裔たる御前(おんまえ)に御業御降(みわざ...
  • だから――好きにすればいい。
    発言者:美影、アイザック・フォレスト 対象者:トシロー・カシマ 惑い揺れ、傷だらけの己の軌跡を振り返り、 相対的な現実の中、唯一の解を得る事も、我侭を可能とする力もないと……もう、己はどうすれば判らぬと嘆く男。 そんな不器用な男に、彼にとっての安らぎ(愛)と修羅(憧憬)が贈る、身勝手で、そして思い遣りに満ちた、言葉。 内面世界での魂の対話…… 憧れに揺れ続けていたと、無い物ねだりをしていたと、その“普通”の事実をトシローへと伝える美影。 そして、微苦笑を口元に浮かべながら、彼女の言葉を、 自分達が厭いしかし捨てきれなかった“人間”の在り方だと言葉を継ぐのは、願いを託したアイザック。 そのまま……… 今も感じる、トシローという人間に対しての「真実の想い」を語り出す――― 『共に杜志郎様の事を想っていながら、かける言葉も、願いも……...
  • 結果――美醜だけが残る。美しい者には輝きが在る、白であろうと黒であろうと、その閃光は眼の裏へと焼きつくだろう
    発言者:《伯爵》 「よって────」 「私という他者にしか“善”を見出せないおまえは、ここへ何をしに来た?」 「我が裾を未だに掴む幼子……ジョージ・ゴードン・バイロンよ」 「答えなど、とうに知っておりましょう。 あなたに口付けられたいがため、私は舞い戻ってきたのです」 グランド√……摩天楼(カルパチア)の高層より、《伯爵》は薔薇の命が狩られていく様を観察し続ける。 二勢力に分かれた『裁定者』の群れはこれ以上ない速度で殲滅を進め、縛血者の九割以上が既に消滅していた。 そして――縛血者ではない人間も、その多くが霧の街を離れ始める。 歓楽街、賭博、荒事の元締め―――人間の「夜遊び」を取り仕切っていた縛血者の不在は、都市の経済に大きな打撃を齎す。 また、ブラインドと個人的な親交を持っていた者も、隣人の所在が知れない事に不安を抱く。...
  • 詠唱
    えいしょう・ランゲージ 祈りや呪文を唱えること。 昏式・高濱作品においては賜力(ギフト)の使用、殲機の展開、星辰光(アステリズム)の発動など、所謂異能の使用の際に唱えられる。 詠唱の必要性、詠唱破棄はありなのか、なぜ詠唱するのかは作品によってまちまちである。 基本的に各キャラの心情、境遇などと重ね合わせる文面になっており、その辺りを記憶に留めて聞いてみると興味深い発見もあるだろう。 特にシルヴァリオシリーズにおいてはその傾向が顕著であり、ギリシャ神話、ローマ神話などを筆頭とした様々な神話に合わせ、 各キャラ(特にアマツと光の奴隷たち)が各々の私情心情を綴っている。 吸血鬼幻想の最終章 縛血者(にんげん)「傷だらけでも良い、後悔が残っていても良い、こう生きてそう死ぬ事が出来なかったけど――俺のすべてには意味があった!」 自己紹介 平凡な学生のRさん「バラン...
  • シズル様は答えをお持ちなのですか?
    発言者:アヤ・キリガクレ 対象者:シズル・潮・アマツ 失った恋人を復活させる器にふさわしい人物、アッシュを見出したシズル。 もうすぐ最愛の彼を生き返らせる事ができるのだと、己の前に立ちふさがったアヤを撃破しようとする。 そしてそれはあなたも同じでしょう?と同意を求める。 アヤもまた、失った想い人の復活を願う、愛重い族アマツの分家なのだろうと。 それに対し、確かに自分も同じだと、愛しい物を生へと留めたいという気持ちは抱いていると吐露したアヤ。 さらに、それは誰もが一度は頭によぎる考えだとも考えた。 けれど(、、、)―― けれど、と。彼女は肯定でも否定でもなく、ただ疑問(、、)を投げかけた。 「聞かせてください。記憶と人格(こころ)を再現して、それが成功したとして、あなたはそれの完全性を、どうやって証明するおつもりですか(、、、、、、、、、、、、、、、、)?」...
  • 刻鋼式心装永久機関三基、起動
    発言者:ネイムレス 蘇る恐怖。殺意無き暴虐。これ(・・)だ、これ(・・)こそがネイムレス───自我なき絶対の殺戮機兵。 俺達を翻弄し、命を貪る鋼の殲滅者は……一人の女を生贄に、再び戦場へと降臨した。 此処はもはや、奴に血肉を捧げる祭壇だ。一体、この怪物は何なのだ……? 美汐√の最大の転換点となる、ネイムレスによる刻鋼人機蹂躙劇の始まりの場面。 前夜の凌駕救出作戦の負傷が癒え切っていないロビンフッドの刻鋼人機4人は、 ギアーズの精鋭軍人達の仕掛けた罠に誘いこまれ、鹵獲されたネイムレスという戦力の増強もあり、 劣勢を覆す機会すら与えられず全員が地に叩き伏せられ拘束されてしまう。 戦場となった夜の学園の校庭、それでもこの絶対絶命の状況を覆そうと密かに闘志を燃やす凌駕。 その意図を容易く見抜きながら、イヴァンは個人的な好奇心から次なる段階へ至るヒント...
  • 世界の涯てはここにある
    発言者:ジョージ・ゴードン・バイロン 唯一の例外を除いて、他者を己の糧や愛玩物、従属物としか見なさず、その生を気の向くまま貪り蹂躙することを当然と疑わぬ魔性の公子バイロン。 そんな彼女(かれ)が好んで使う言葉であり、相手の全力を引き出す挑発や、下位の者に対する死の宣告の意思を示す際に用いられ…… 元は、伝説的な存在である《伯爵》が、名を隠しての旅の過程で残していった言葉でもある。 かつて人間であり、しかしその社会からは混じり合えぬ異形の肉体を持つ存在として 苛酷な環境に追いやられていたバイロンは、闇の巨人たる《伯爵》と出会い……彼の言葉に衝撃を受ける。 『己を愧じることはない……おまえは美しい』 『美しいか醜いか。私にとって、万象を断じる価値はそれだけの事でしかない』 『異端であると言う事は、それ自体が美を宿している…… “黒” である...
  • 私は――その運命を受託する!
    発言者:《伯爵》 対象者:始祖リリス 「こう生きて(・・・・・)、そう死ぬしかない(・・・・・・・・)という無機物(マテリアル)。成る程な、道理だ母よ。 理想を叶え続けることなど生物には不可能、歯車にしか出来はしない!」 「生命は間違いを犯す。惑う、悩む、悔やむ、逸れる……この男に言わせれば、 自分自身すら判らぬらしい!そんな者には任せられぬな、納得だとも。理が通る───ッ」 「最初から完全で、間違えるべくもなく、己に疑問を持たぬ者が必要だ」 「……くく、くくくく。よって、私は遂に破綻した。 矛盾を見抜かれ、己が深淵を暴かれた。 かつての自動人形ではない。この身は今や、まさに────」 「嗚呼、素晴らしいぞッ! 私は今や、吸血鬼(ヒト)の心を得たようだ!」 アイザックとの会話で生まれた自分の起源への疑問。 そしてトシロ...
  • だから、これからは俺がお前の傍にいる。俺が示すよ、美汐がずっと肯定してほしかった正しさを、この手で形にしてみせる
    発言者:秋月 凌駕 対象者:青砥 美汐 周囲を憎むだけ憎んで、大切な人の思いに気づけず喪っていく、 そんな己に対する深い絶望感に苦しみ、弱さと愚かさしかないと悲嘆し、理不尽への恐怖に震える美汐。 それらの想いを受け止め、未だ形の見えぬ心の闇を抱えながらも凌駕が伝えた、青砥美汐に対する生涯をかけた誓い。 《無名体》(ネイムレス)の暴走に始まった混戦により、 凌駕と美汐は、二人の仲間を奪い去られ、深い悲しみを刻みこまれた……。 哀しみに暮れる美汐に寄り添い、深く情を交わす凌駕。 そんな彼らの元に、何とか生き残っていたマレーネと切が連絡を取り――― 彼女達を前にして、逃げ隠れるのではなく、生き残る方策を見つけるべきだと。 自分達でギアーズの拠点と、実働部隊の最優先対象たるネイムレスを排除し、彼らを撤退させようと提案する。 そう……戦うしかないならば、これ以上...
  • 刻鋼式心装永久機関
    きこうしきしんそうえいきゅうきかん 「起動準備、完了」 廻れ、廻れ、永劫の時を刻む歯車よ───“永久機関” は此処に在る。 『Zero Infinity -Devil of Maxwell-』の物語の鍵となるアイテム。 科学の夢であり、到達点とも言うべき永久機関、その一種。 生身の心臓に対し、甲羅か鎧のように内部収納する形で装着される機械。故に外見上は、まるで機械の心臓に入れ替わったように見える。 左胸から伸びた人口神経が体内に張り巡らされており、それは脊髄から身体の末端にまで及び、永久機関の発動に応じてエネルギーラインが体表面へ出現する。 戦闘時には使用者の精神高揚に呼応して質量を持つ素粒子を生成し、闘う為の武装と装甲を展開する。この点が、この動力炉が持つ最も本質的な力である。 その名が示す通り、通常考えられている永久機関には見られない幾つかの...
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