私もまた……ずっと、そう思い続けていたことなのですから

昏式・高濱作品 @ ウィキ内検索 / 「私もまた……ずっと、そう思い続けていたことなのですから」で検索した結果

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  • 私もまた……ずっと、そう思い続けていたことなのですから
    ...志郎様』 『私もまた……ずっと、そう思い続けていたことなのですから』 ―――己もまた羨んでいた。そんな、トシローにとって、在り得ない肯定の言葉であった。 「───嘘だ」 馬鹿な、信じられない。そんなことは。 『嘘などではありません。……いいえ、これは誰でも思うことではありませんか』 『家事の手際から、殿方への作法まで。無い物ねだりをして、いつも堂々とした方に憧れて…… ふふ。もう少し、ふっくらとした肉付きが欲しいと、そんなことを思ってもおりました』 ───彼女は……何を、言っているのだろう? 語っている言葉が理解できない。理解することができない。そんな想いを、美影が言うとは思えないから。 だが、美影は杜志郎の言葉を静かに否定する。 『杜志郎様、しかと見てください。 これが美影です。あなた様の寵愛した女...
  • 台詞/Vermilion
    ...の心を、捉えて」 「私もまた……ずっと、そう思い続けていたことなのですから」 「あなた様と共に、生きたかった。だから――私の想いなど、気にしないで」 シェリル 「だから、このままがいいんだ……きっと。あたしとあんたは、ずっとこのままが……」 「ルーシー、ステージの用意をしてよ。今夜は凄く歌いたい気分でさ」 「どうしてよ。あたしは大それた望みなんか持っちゃいなかった。ただ一番小さな幸せだけでいい……ずっと、そう思っていたのに」 「運命って奴に、あたしはやっと1勝1敗……ようやく星を取り返したばかりなのに、いきなり負け越す訳にはいかないのよ」 「 いい事を教えてあげるわ。トシローはね、胸のおっきくて脚の長~い女が好きなの。あんたみたいな発育不全のやせっぽちじゃエレクトしないんだって。おわかり?」 「あたしの愛じゃダメなんだ! 忠誠じゃなきゃ、あいつ……一歩も進めないんだよ!」 「...
  • どうしてよ。あたしは大それた望みなんか持っちゃいなかった。ただ一番小さな幸せだけでいい……ずっと、そう思っていたのに
    発言者:シェリル・マクレガー とある事件をきっかけに、相棒・トシローが忌呪により死ぬ運命にあることを知ってしまったシェリル。 その事実を前に、しかしシェリルは迷いながらも、40年の間ずっと……自分達二人の間にあった『一線』を越えることを決意。 トシローへ向けて、精一杯の歌声に乗せずっと形にできなかった“愛”を伝えるのだった。 ――その肝心の告白相手である朴念仁は、何も返事を寄こさぬまま、ふらり、と。夜の闇に消えてしまい……。 二人の棲家であるK&M探偵社のオフィスに一人、シェリルはやり場のない思いを抱えていた。 そんな彼女の前に現れたのは、意中の相手……などではなく、 かつて自分達を妨害し、トシローに謎の執着を見せていた、“三本指(トライフィンガー)”を名乗る謎の包帯男。 トシローの不在と、彼を狙う危険人物の到来に不吉な予感を感じつつも、 相棒の現...
  • そうか。僕は――ずっと、僕に成りたがっていたのか
    発言者:緋文字礼 己の記憶に関する一切を喪失した空虚な男・緋文字礼。 彼が纏う儚げな空気が気にかかり、声をかけた一学生・秋月凌駕。 彼らの刻んでいく「友情の物語」・・・その始点にして、 Zero Infinity -Devil of Maxwell-における運命の二人、その関係性を決定づけた瞬間。 ……―――― 急遽空いてしまった放課後の時間……街の散策の後、ふらっと立ち寄ってみた公園。 子供たちがそれぞれ集団をつくって、メンコ遊びやドロケイに興じる姿に、 凌駕は彼らと同じ頃、自分もメンコに熱中していた事を思い返し、郷愁を感じていた。 そして、彼が視点を変えたその先で…………一人、ぽつんと。 ベンチで、どこか違和感を感じさせる雰囲気を纏い、彼よりも幾つか年上であろう男性が、目に留まった。 男は凌駕の存在に気付かぬまま、哀しげに一人呟く……。 ...
  • 大切だから、黙っていたこと。それが……私の罪です
    発言者:ルーシー・ミルドレッド 対象者:トシロー・カシマ 『AFTER THE RAIN』より、いつも笑顔を絶やさず客達を迎えるルーシーが唯一抱えていた暗い秘密……その懺悔。 ――トシローは店主の少女に招かれ……一人『ノーマ・ジーン』の見かけ年季の入った扉を開ける。 『カサノヴァ』が焼き尽くされてから一月、『ノーマ・ジーン』は新たな主の意向により、 失われたカサノヴァ、その雰囲気を可能な限り似せるよう作られていたが、懐かしいはずのその風景には……どうしても埋まらない存在(もの)があった。 「アイザック……」 トシローが呟く、カサノヴァの店主であり、紛れもなく親友と呼べた男の名。 軽薄な笑みを絶やさないバーテンダーの姿は、炎に焼かれもう見る事は叶わない。 「信じられませんよね。私もです、トシロー様。 またここで待っていれば、ひょっこりご主人...
  • 答えは最初から決まっていた――あの吸血鬼(かいぶつ)を斃す。やるべきことなど、それ以外になかった。
    発言者:アリヤ・タカジョウ 対象者:トシロー・カシマ 銀の呪いにより、死の涯てに追い込まれ、最愛の人の影に縋り無念と共に果てるはずが、 死を齎す原因を抜かれ、その救いの手を差し伸べた張本人――覚醒したはずのアリヤが、絞り取り弱った獲物(己)を前に、静かに語りかけてくる状況に、トシローは困惑する。 弱弱しく、「判らなくなった」と口にする少女は、違和感に硬直するトシローに、その答えを告げる。 「私は見ました、本当の怪物を。この街に現れた、あの怖気が走る非現実性の塊を」 「その怪物は言いました。『白木の杭よ、血族に滅びを齎せ』と」 語られた事実に、しかしトシローはあの絶対者ならば……と納得し、 そして自分達“血に縛られた人間(ブラインド)”はその怪物が強大となるための生贄に過ぎないという事を…… 同時に、信念を得たアリヤ――“狩人”も、同じカラクリに組...
  • わたしの初恋は……報われていたのですね……
    発言者:アンヌ・ポートマン 対象者:トシロー・カシマ 赫の眸が輝き……一人の女性の閉ざされていた記憶の蓋が開く。 両者が出会った霧の街で――50年、いや52年ぶりに、 人間(・・)アンヌ・ポートマンと、縛血者(・・・)トシロー・カシマは再会した。 出会った時とは違う、枯れ木のように朽ちゆく少女と、寸分変わらぬ姿のままの男として。 トシローは既に、アンヌが不治の病により余命幾ばくもない事を知っていたが…… 彼女は「病も含めての天寿だ」と、心穏やかに告げていた。 年月を重ね色褪せながら、深い慈しみを宿す瞳が、静かに佇む男を見上げる。 かつて夜の世界で知り合った者達が、今も変わりなく在る事を聞き満足げに頷くアンヌ……。 「これは老人の勝手な空想……黄昏の風が囁くものと思い、どうぞお聞き流し下さいまし……」 そうして、少女の頃を思わせる無邪気な笑み...
  • だから、このままがいいんだ……きっと。あたしとあんたは、ずっとこのままが……
    発言者:シェリル・マクレガー 対象者:トシロー・カシマ 暴君バイロンの口から、探し求めていた真相が明らかとなっていく。 ケイトリンとアンヌの血親が彼だという事、そして無意識下だったとは言え、アンヌは自ら縛血者の力(非日常)を求めていたという事。 両者激突かという寸前で、バイロンは謎めいた言葉を残し、動揺を隠せないトシローの前から去っていった。 ――探偵社への帰路、トシローの足取りは重かった。 アンヌの事もそうだったが、事務所を出る際のシェリルの只ならぬ様子が気がかりであったためである。 バイロンに対する、相棒の恐怖に満ちた表情。 そこには、シェリル・マクレガーの、恐らくは暗い過去(きず)が秘められているのだろうと。 苦い過去を抱える者として、そこに踏み入ることへの躊躇いが、彼の歩みを鈍くしていた。 僅かに差し込む街灯が照らす部屋で、シェリルは儚げな...
  • なんて精巧な姿見。等身大で、嫌になるほど似通っている。これが、同属嫌悪というものなのね……
    発言者:エリザベータ・イシュトヴァーン 対象者:青砥 美汐 互いが互いの在り方、言動を何故か認められず、それでいて相手を否定する言葉を吐く度に己の心も軋む。 そんな事を繰り返しながら戦う女二人の片方が、諦観とともに呟いた二人の事実。 ジュン√、天空のオルフィレウスが見降ろす中凌駕とジュンの二人が、ギアーズの指揮官・アレクサンドルと支配者の猟犬・ネイムレスに立ち向かう一方、美汐が対峙したのはエリザベータであった。 練度の差から美汐は一方的に傷を受けるも、対するエリザベータも“兵士”としての自意識の制御が乱れ、 決定的な手を打てずにいた。彼女の一向に高まらぬ兵士としての戦意、その原因がどこにあるのかといえば…… 「図星でしょう? 分からないなんて言わせない。期待されていないのよ、私達は…… 単刀直入に言うのなら、ええ、骨の髄から舐められている。 わ...
  • シズル様は答えをお持ちなのですか?
    発言者:アヤ・キリガクレ 対象者:シズル・潮・アマツ 失った恋人を復活させる器にふさわしい人物、アッシュを見出したシズル。 もうすぐ最愛の彼を生き返らせる事ができるのだと、己の前に立ちふさがったアヤを撃破しようとする。 そしてそれはあなたも同じでしょう?と同意を求める。 アヤもまた、失った想い人の復活を願う、愛重い族アマツの分家なのだろうと。 それに対し、確かに自分も同じだと、愛しい物を生へと留めたいという気持ちは抱いていると吐露したアヤ。 さらに、それは誰もが一度は頭によぎる考えだとも考えた。 けれど(、、、)―― けれど、と。彼女は肯定でも否定でもなく、ただ疑問(、、)を投げかけた。 「聞かせてください。記憶と人格(こころ)を再現して、それが成功したとして、あなたはそれの完全性を、どうやって証明するおつもりですか(、、、、、、、、、、、、、、、、)?」...
  • この瞬間が、ずっと欲しかった。ずっと、ずっと、求めていた……この時だけを、本物の三本指と出会う瞬間を求め、走ってきた
    発言者:三本指贋作・銘「Isaac Forest」 対象者:三本指真作・銘「鹿島 杜志郎」 ニナルート終盤における、三本指同士の闘争が開始される場面での発言であり…… 最狂純情グルーピーにして思い込み戦士、アイザック・フォレストの宿願叶った絶頂の瞬間である。 「……かくして、舞台は整った」 「過去から解き放たれた三本指(ダークヒーロー)、その前に立ちはだかるは───」 「己が影に他ならない……ってな。くく、痺れる演出だと思わないか? なあ、トシロー」 「使い古されている気はするがな……アイザック」 ニナ√、ホテル・カルパチア屋上の薔薇園、その決戦の舞台へと導かれ……トシローは『柩の娘』を滅ぼし、己の前に立ちはだかったかつての“親友”へ問を投げた。 自分との決着という状況(シチュエーション)、そのためだけに己の所業を模倣して同族...
  • 私の、自慢の兄さんですから
    発言者:秋月高嶺 対象者:草笛 切 マレーネ√、天頂において始まった最後の闘い。 地上に残った“普通”の人々がその星々の輝きに映し出された各々の心を見つめ、思いを明かしていく中、 一人の少女が今戦っている、たった一人の兄の未来を思い、不安も期待も込めた上で発した言葉。 強さも弱さも、輝きも醜さも、“在りのままの人間”を知り、受け止め、愛することを誓い―― 大切なことを教えてくれた運命の相手・礼と融合し、 二人であり一つである流星として覚醒、孤高の恒星と化したオルフィレウスに立ち向かっていく凌駕。 広大な宇宙(そら)で繰り広げられる、輝く二つの彗星のぶつかり合い。 それを地上から見上げる者達の胸中には様々な思いが去来する……。 激動する現実に適応するため、 厚い化粧や、歪な仮面を纏い続けた二人の女性は星々の輝きを眩しげに眺めながら、...
  • 負けないのですか? ……勝てるのですか?
    発言者:アリヤ・タカジョウ 対象者:ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス 狩人アリヤ・タカジョウ、彼女がそう生きることを自らに課した際の言葉。 ―――『杭』により、両親を物言わぬ肉塊に変えられた少女。 命乞いをしても、無惨に殺された親。 何事か愉し気に嗤っている、人間とは明らかに異なる怪物。 それらの光景に、彼女の瞳からは光が消え失せ、抵抗さえ無駄だと悟り…… 不可避であろう死という結果を、他人事であるかのように諦観しながら受け入れていた。 だが、アリヤという少女は、巨大な『白木の杭』を操る老人によって救い出される。 全てが終わった後――― 老人……クラウスは、未だ立ち上がれずにいるアリヤを、難しそうな顔で見つめ続け、遂にその重い口を開いた。 「生きたいか?」 少女は思う。どうなのだろう、だって今、自分が生きて...
  • 何処かで……誰かを……知らぬ間に、私は救えていたのかもしれないのか……ただ、この手を伸ばそうと……無様に、駆けずり回るだけで……
    発言者:アレクサンドル・ラスコーリニコフ 対象者:秋月高嶺 あなたの事は何も知らない……けれど、勝手を言うのを許してください。 あなたの今までの人生で、失敗と感じる事も幾つかあったのかもしれません……けれど、だからと言って、ご自分が為し遂げた価値あるものまで一緒に否定はしないでください……! だいたい、そういうの卑怯だと思いますっ。自分を責めて、何かを呪って、それで無責任に希望だけを押し付けて消えるだなんて…… あなたを許していた人だって、きっといっぱい居るんです。救われなくても、そう思ってくれただけで心は凄く暖かくなるものだって。わたし、知ってるんですから…… 数多の嘆きにも、悲しみにも気づかず取りこぼし、それどころか歯車となることでそんな幾多の嘆きを自ら生み出した愚者だと己を断じて 結果的に、現実的に救うことが出来ていなければ何の意味...
  • だから、これからは俺がお前の傍にいる。俺が示すよ、美汐がずっと肯定してほしかった正しさを、この手で形にしてみせる
    発言者:秋月 凌駕 対象者:青砥 美汐 周囲を憎むだけ憎んで、大切な人の思いに気づけず喪っていく、 そんな己に対する深い絶望感に苦しみ、弱さと愚かさしかないと悲嘆し、理不尽への恐怖に震える美汐。 それらの想いを受け止め、未だ形の見えぬ心の闇を抱えながらも凌駕が伝えた、青砥美汐に対する生涯をかけた誓い。 《無名体》(ネイムレス)の暴走に始まった混戦により、 凌駕と美汐は、二人の仲間を奪い去られ、深い悲しみを刻みこまれた……。 哀しみに暮れる美汐に寄り添い、深く情を交わす凌駕。 そんな彼らの元に、何とか生き残っていたマレーネと切が連絡を取り――― 彼女達を前にして、逃げ隠れるのではなく、生き残る方策を見つけるべきだと。 自分達でギアーズの拠点と、実働部隊の最優先対象たるネイムレスを排除し、彼らを撤退させようと提案する。 そう……戦うしかないならば、これ以上...
  • 私は確かに哭いていた────哭いていたのだッ!!
    発言者:アレクサンドル・ラスコーリニコフ 対象者:名も知らぬ二人の少女 自分は人間ではなく無謬の歯車であると、少数の嘆きを轢殺してでも、全体幸福に尽くすことを己に課して 泣くべきなのは、泣いていいのはそうして己に磨り潰された者達や助けを求めた人達であり…… 自らは断じて泣いていいような人間ではないとし、己を救いようの無い愚物だとしていたアレクサンドルの 本当はそうして嘆く人々達をこそ自分が救いたかったこと、嘆く人々を救えぬことに涙していたただの人間にすぎなかった という己がイドへと向き合い、彼が真理の階へと至ったことを示す台詞。 アレクサンドルは、妹の涙を置き去りに暴れ狂うアポルオン(ハインケル)を静かに見つめる。 表情は依然変わらない。しかし、その昏い瞳の底では、荒れ狂う深海の潮流にも似た激情が渦巻いていた。 「守りたかった……のだな」 な...
  • どれだけ世界(まわり)が変わりゆこうと、俺だけはずっと彼女の不変になる―――それが、俺の選択だから!
    発言者:アシュレイ・ホライゾン 対象者:グレイ・ハートヴェイン 師匠が見守る中、全身全霊を懸けて「ケンカ」を続ける二人の男。 今も何も言わず、一人で困難を抱え込んでいるおまえを、取り戻すと吼える親友(グレイ)に伝える 「正しく」なくとも、誰かを傷つけても、大切な人達の思い出に涙してでも、 これからも、「彼女」に寄り添い、流れ留まらない現実を生きる(往く)――そんなアッシュの本音(けつい)。 時に厳しく、時に優しく、自分を見守ってくれたミステルと共に歩む彼にとっての答え(のぞみ)である。 「ああ、そうだな……まったくもっておまえの言う通りだよ、グレイ」 グレイの剛剣に押されながら、アッシュは今の自分の言が、 結局は決別した『光』の理屈を押し付けたに過ぎない事を思い知らされた。 親友の三人の仲間と共に過ごした日々のように、今己が彼女を想っているように...
  • ……頼む、みんな。もう、兄さんを解放してあげて───お願い、っ
    発言者:マレーネ・フランケンシュタイン 対象者:彼女が得た“仲間”たち ジュン√終盤、時計機構、ギアーズ、ロビンフッド、そして心装永久機関の存在理由を明らかにし、 凌駕やマレーネに対して正体を明かした支配者オルフィレウス。 彼は輝装を起動し、自身と接続した衛星砲の絶大な破壊力、信じがたい程の射程範囲を見せつけた上で、 今回投入分のギアーズを含めた、最大戦力を以てしての反抗勢力掃討を予告する。 地球上から逃げ場を失い、企てや細工の類も全て見透かされ、 生き延びたければ、オルフィレウスの筋書の通り戦うという行動しか無くなった凌駕達。 そんな状況を理解しながら彼は笑う。 超えてみろよ、達してくれ。 君達ならば出来るはずだ信じているとも。 さあ、さあ、さあ覚醒してくれ。 二人、いや三人の最重要観察対象へ 前進前進前進のみ、それ以外は認めぬという圧...
  • 毎日がずっと、優しい"めでたしめでたし"だ
    発言者:リチャード・ザンブレイブ 対象者:ラグナ・ニーズホッグ 神祖との決着をつけるべく中枢へ向かうラグナにふと抱いた疑問。光狂いである自身が抱える宿痾であり、神祖も抱える根深い欠点。 無くしたものに報いるべくより素晴らしい明日(いつか)を追い求めて、まだだと諦めず進み続ける大馬鹿者。 自分がやる、自分が頑張る、自分が成長して自分が形にするのだと。いつか実現すると誓いながら、そのいつかをいつまでも続けてしまうが……。 「――未来(これから)っていつなんだろうな?」 その未来(これから)を、明日(いつか)を定めず進み続けていたことに今になって気づいたのだ。 神祖と同じく見果てぬ理想を抱きながら滅びない永続性。その宿痾に対し、リチャードは自身の抱く答えを語る。 「だからきっと、明確な区切りが必要なんだろう。それも唯一無二なんて大仰なもの...
  • 俺の闘いは、終わった……終わりに、できた……
    発言者:角鹿 彰護 トゥルー√―――暴走の果て……キャロルを取り込み、聖遺物の弾丸に撃ち抜かれ生を終えたはずの角鹿は、不思議な感覚の中目覚めた。 そこは、あまりにも安らぎに満ちた場所。暖かさに抱擁されながら、彼はもう一人の存在を知覚する。 キャロル……相棒(どうぐ)としてここまで共に地獄を駆け抜けてきた“魔女”の少女。 彼女と一体化した今、角鹿には感じ取れることがあった。 ――この少女は、自らの前に現れるべくして現れたのではないか。 それに、自らの真実に辿り着いたキャロルも、穏やかに頷きを返す。 ――全ては偶然なんかじゃない。七年間、あなたがこの地に戻るのを、私はずっと待っていた(・・・・・)。 キャロルの裡の真実を問いかける角鹿に、キャロル──いや、あの日の少女(・・・・・・)は告げる。 「あなたはもう、それを知っているはず。ただ、思い出すだけでい...
  • あなたと巡り会えたことだけで、とうに私は救われていたのです
    発言者:アヤ・キリガクレ 対象者:アシュレイ・ホライゾン ―――愛する男に告げるアヤ・キリガクレの偽りなき本心。 激戦の末についにギルベルトを討ち果たしたアッシュは駆け寄ってきた愛しい恋人に問いかける 「俺は、君の英雄になれたかな?」 ずっと馬鹿みたいに繰り返してきた英雄になりたいという言葉、でも自分の真実を知って絶望して それでも支えてくれた愛する女性に応えたいと想い、彼女だけの英雄へとなることを誓ったアッシュの問いに、アヤもまた答える 「ええ、もちろん……あの日恋した男の子は、こうして強く逞しくなられました」 「けれど私は何度でも申しましょう。あなたと巡り会えたことだけで、とうに私は救われていたのです」 「愛しています。愛しています。あなたのことを、ああ永久に」 そう答えた言葉と表情には、嘘偽りなど微塵もなく、その瞳の中にはいつ...
  • おまえは―――この俺の、自慢の娘なのだから
    発言者:ヴィクトル・シュヴァンクマイエル・クラウス 対象者:アリヤ・タカジョウ “自分じゃない、強い……特別な……何かに成りたかった”――― ようやく、自分たちの始まり(よわさ)を認められた二人の少女は、 怪物の群れの中、夜に羽ばたく吸血鬼(げんそう)ではない、帰るべき日常(ゆめ)を想い抱き合っていた……。 「……あたしの夢って、なんだろうね?」 そんな彼女達を守るのは二人の“杭”を操る狩人。 しかしアリヤの胸中には、アンヌと共に行動し、彼女を護衛し続ける中で「今の自分」に対する違和感が生まれており――― 先程まで親友を守り、日常に帰る為に奮起したアンヌの勇気こそ、人間の真の素晴らしさであると。 その輝きを寿ぐクラウスに同意しながらも、最期の一瞬まで白い杭として戦い抜くという師のように成れるのか、という自問が頭から離れることはなかった。 ...
  • 僕には、君が必要だ……一緒に傷の痛みを耐えて、後ろめたさを抱えながら生きる、君のような相方が
    発言者:緋文字礼 対象者:草笛 切 親友や仲間との出会いにより空虚な生に誇りを抱き…… しかしその出会いも誇りも、過去の恥ずべき選択から生じたと突きつけられて絶望し…… そのまま苦悶の果てに朽ち果てるかに見えた傷だらけの男が、小さな救いを与えてくれた傷だらけの女へと告げた想い。 マレーネ√、自分の忌むべき過去を思い出し己の愚かさ、いやそれ以上に親友、仲間達への悔悟の念に苛まされる礼。 そんな彼の傍らで、切は自分もまた「裏切り者」───機構と反抗勢力の争い、それが機構側に仕組まれたものと知りながら、臆病さゆえに現状維持に甘んじた者なのだと告白する。 そんな彼女に、礼は同じ調整役(やくわり)を演じていた自分の正体も始めから知っていたのではないか?と問う。 それに切は肯定の頷きを返して…… 「知っていたよ。だから、ワタシはキミがずっと羨ましかったん...
  • ……あたしの夢って、なんだろうね?
    発言者:ケイトリン・ワインハウス 対象者:アンヌ・ポートマン かけがえのない親友を守るために、ちっぽけな人として勇気を振り絞り怪物達に立ち向かおうとしたアンヌ。 白い杭によって救われて、恐怖で震えへたり込む少女の身体をそっと抱き締めながら、ケイトリンは アンヌが知らぬ間に心惹かれるような「強さ」を身につけていた事を認めて…… 同時に、現実に抗ってきたつもりでいて、本当は一歩も進めていなかった自分自身に気づいてしまった。 そして彼女は、疲れ切った老女のように、手を伸ばして得たはずの特別な道でさえ望みとは違っていたと、 だが、それでも現実に止まり続けることだって辛くて息苦しかったと、静かに思いの丈を吐露し始める。 ――その中で、彼女は吸血鬼というものに己は本当になりたかったのか? そう、煌びやかな神秘に幻惑されて、ずっと見えなかった本音に近づいていった……...
  • 私の望みは、ずっと変わってないもん。ただ、照と一緒にいたいだけ。 照と同じものを見て、たまにズルやインチキもしながら普通に生きていきたい
    発言者:安宅 真魚 対象者:暮坂 照 真魚がずっと抱え続けていた気持ちを聞かされた照。 それを知った照も──「お前に否定されて……見捨てられてどうしたらいいかわからなくなった」「俺はなにかに失格(・・)しちまった」「どんなにキツくても人間として失くしちゃいけない宝みたいなものを落としちまったんだって」 ……そんな、自らが独り抱えていた想いを噛み締めながら語り続ける。 「もう俺は、真魚みたいに何も失くさず綺麗には生きられないんだ。そう思ったら、自分が辛くてさ……」 「傷ひとつないおまえが妬ましくて、憎くて、大嫌いになって… ……でも、意地でもそう思ってる自分を認めたくなかった」 「だからおまえみたいに真っ当で正しい奴を見下すようになった」 「大事なものを失くした自分自身を見たくないから、誰からも愛され肯定される存在に敵意を向けるしかなかったんだ……」 ...
  • まだ、残っていた……残っていて、くれたのか……
    発言者:角鹿 彰護 “魔女”の真実を知り、自覚すらしていなかった、己が心の奥底で拠り所としていたもの─── かつての事件で犠牲になった少女達と仲間たちの敵討ちという正当なる復讐の理由を、完膚なきまでに打ち砕かれた彰護。 その果てに、彼は総てを見離し、誰一人として必要とせず万象との共感を絶ち透明な殺戮者と化した。 それにより怨敵である至門をあと一歩のところまで追い詰め、あとは最後の引き金を引くだけで終わりとなるその刹那…… 如何なる理由によってか今まで認識する事が出来なかった透明な殺戮者は、その銃口を至門へと向けたまま引き金を引く事無く硬直する。 そして無防備を晒した角鹿は苦し紛れで放った至門の銃撃を受けて冗談のようにあっさりと沈む。 消えゆく意識の中、角鹿は自分自身を襲った不可解の謎を想い続ける。 這いつくばりながら逃げ惑う至門がキャロルの身体を盾とした瞬間の...
  • さよなら、オルフィレウス。さよなら、ヨハン・エルンスト・エリアス・ベスラー 。さよなら、もう一人の秋月凌駕
    発言者:秋月 凌駕 対象者:オルフィレウス かつてオルフィレウスと同属であった秋月凌駕が孤高なる強者へと告げた哀悼の意。 目の前の相手こそ、大切な誰かを慮り、合わせることもなく自分の中にある真理のみを抱いて突き進み続けた場合の在り得た自分のもう一つの未来だった それを思った彼が自らの合わせ鏡へと告げた別れの言葉である。 決着と共に自らの合わせ鏡に凌駕は別れの言葉を告げる 「さよなら、オルフィレウス」 「さよなら、ヨハン・エルンスト・エリアス・ベスラー」 「さよなら、もう一人の秋月凌駕」 そんな別れの言葉と自らの終りを前にして 「ああ、まだ。まだだ……」 「永遠に終わらない、車輪を、回し、て……」 「永久に続く、科学の探求を―――」 「あの日の時計を……ずっと、ずっと」 どこまでも見果てぬ明日と前進を夢見な...
  • 凌駕が、いつかあいつの手で……本当にどこまでも、どこまでも、遠い場所まで駆け抜けてしまうんじゃないかって
    発言者:青砥 美汐 対象者:秋月 凌駕 美汐√、重い犠牲を払い、多くの謎を残しながらもギアーズを撤退に追いやった凌駕と美汐。 争いのない日常へと帰れると安堵する凌駕に対し、ただの人間に戻った美汐が吐露した、彼との未来に感じた少なからぬ不安。 一時はギアーズに確保されたネイムレスだったが、それが突如暴走したことをきっかけとしてマレーネ一派・ギアーズ両陣営は多くの犠牲を払った。 それでも、凌駕と美汐は互いに影装を纏い、死闘の末……ギアーズ側の拠点であり新兵器等の実験データが蓄積されているであろう空母、および彼らの第一目標であるネイムレスの撃破を成し遂げ、 脱出していたアレクサンドル、そして謎の存在・アポルオンと対面するも、彼らは交戦の意思を見せずに撤退していくのであった……。 沈んでゆく空母の甲板から、美汐を抱えながら脱出する凌駕。二人は機構とアポルオン、 ...
  • 本当はずっと────姉ちゃんのこと、怖かったよッ
    発言者:ゼファー・コールレイン 対象者:マイナ・コールレイン ゼファー・コールレイン自身が、本音を曝け出して自分が傷ついてしまうことへの臆病さゆえに、ずっと偽り隠し続けてきた姉マイナに対する本当の想い。 聖戦の只中、同調した精神世界に於いて、ヴェンデッタと姉マイナとの間に秘められた真実を知り、 彼女たちへ向けて、ずっと一緒にいて過去(きず)を贖いたいと告げたゼファー。 しかし、マイナとヴェンデッタは、ゼファーが夢の中に留まることを拒み、現在(いま)を生きる彼に対し偽りの想いを捨てて、 壊れゆく彼自身の日常を守るために、自分達死人を殺して目覚めてほしいと訴える。 今まで何度となく繰り返し、厭だと拒否し(わすれ)続けた悪夢に囚われながら、ゼファーは己の真実を偽り続けた。 だが、そんな真実(ほんね)を隠し続けるゼファーの前に、英雄との対決も厭わず、女神と...
  • 夢から覚めろよ。おまえの下には、血だまりの足跡がずっと続いていたんだ……なら、続きを始めようぜ。三本指
    発言者:アイザック・フォレスト 対象者:トシロー・カシマ シェリル√……ある決意を固め霧の街を歩むトシロー。 そんな彼を突如として裁定者(テスタメント)が襲い――銀の呪いに苦しみつつも怪物を撃破したものの、トシローは意識を失い倒れてしまう。 ……トシローが再び目覚めたのは、以前ニナを救うため叛徒と戦った『ツィミーシィ』。 そして、その身を助けたのは─── 「ヒーローってのは、死体が見つからない時は生きてるものと相場が決まってるのさ」 『カサノヴァ』と運命と共にしたはずの友、アイザックだった。 初めこそ、バーテンダーとして軽口を叩いていた頃と変わらぬ彼であったが、 やがて表情を引き締め、伝説の同族殺し(カニバリスト)・三本指(トライフィンガー)の正体が、トシローであることが暴かれたと告げる。 自分を助けることの危険を説くトシローに、アイ...
  • だからね―――終わらせて、神代くん
    発言者:古雅幸 対象者:神代直 病室のベッドからもう一歩も動くことも、他者に声を届ける事も叶わなくなった…… そんな変わり果てた姿の恋人の元へ、直はずっと通い続け、彼が一心に繰り返し続けたことで、 外界とほとんど接触を断たれた彼女に残っていた左手と、己の手を通して互いの想いを交わすようになっていた。 彼女の医療費を稼ぐため、遠方へと出るという彼女の父親を見送り…… 直は、彼女に自分が今見ている景色を、再び桜の花が咲いていると伝え、 それに対し、弱弱しくも彼の手に幸は“モウスグ”“イチネン”“ダネ”と「言葉」を返す。 付き合ってから一年――直は、彼女が告白してくれた風景を記憶から呼び起こし、 丁寧に字を綴る…… “ライネン”“モ”“イッショ”“ニ”“イル”“ヨ” “オレ”“サチ”“センパイ”“ガ”―― “ズット”“スキ”“ダ” ...
  • どうやって生きてこうが、私の勝手よ。だって、生きてるのはこっちなんだから。死んでく側が、あれこれ指図しないでよ
    発言者:安宅 真魚 対象者:暮坂 照 「嘘つき(・・・)」 「ほんと、自分で思ってるほど嘘が上手くないんだから……私を騙してくれるなら、そこで黙らないでよ。きっちり白を切り通してよ」 「私やだよ、そんなの。照がいなくなっちゃうなんて」 互いの想いを吐き出し、ようやく拗れすれ違った原因である過去に決着をつけた照と真魚。 だが、すでに照の躰は“死”を迎えており、いずれ個としての情報は喪われ、存在は消え去ってしまうという事実が突きつけられる。 それを理解した照は、真魚を悲しませまいと、会えなくなるわけじゃないと優しい“嘘”をつくも…… 少女はそれをあっさりと見抜いた上で、痛みも悲しみも含め大切な人を忘れてなんかやるものかと隠さずに告げるのだった。 本編より 『やっぱだめだな、俺……ほんとはさ、きっちり別れを言おうと思ったんだ。俺がいなく...
  • そうやって、いつも真っ直ぐ走っているジュンを見るのが――本当に好きだったよ。勇気や希望を貰ったような、そんな気がしていたんだ
    発言者:秋月 凌駕 対象者:万里也 ジュン いつも太陽のように明るく、前向きで笑顔を絶やさなかった少女。 そんな彼女が、速さ”の陰の、積み上げた努力を徒労に帰してしまうことへの恐れに苛まされ、 それを克服しようとしてまた傷を増やしていく姿を見つめた上で、 彼女を想う一人の男として少年が伝えた、少女の走ってきた姿への素直な思い。 ジュン√、アポルオンとの闘いで傷つき倒れた凌駕は、夢の中の屋上でカレンと再会を果たす。 凌駕は、彼女からアポルオンと闘っていたもう一人……ジュンの心は、これから 本来単独では到達できないはずの影装に辿り着いた反動に苦しむことになるという事を告げられる。 そしてカレンは、いつも通りで気遣わせてもくれない凌駕に軽口を叩きながらも、 もう、こうして彼と言葉を交わし合うことができなくなる事に、初めて寂しさ、切なさの宿った表情を見せ―― ...
  • 雛鳥でいる時間はおしまい。これから私が、迷う雛の導になる……!
    発言者:ニナ・オルロック ニナ√終盤、父に捨てられた事で狂乱し自らの継嗣も容赦なく邪魔者と縊り殺そうとするバイロン。 そこに颯爽と現れたシェリルは、アンヌを救い出し…… 再び立ち上がった公子ニナは、もう一人の自分―――あるいはこうなるかもしれなかった影と対峙するのだった。 既に正気を破壊され尽くし、捨てた親である《伯爵》に未だ縋り続ける痛々しい姿のバイロンを見ていられず、 永い歳月を重ね、圧倒的な力を以て夜の世界を統べてきたであろう王者としての誇りを取り戻してほしいと呼びかけるニナ。 しかし、その必死の呼びかけは今の彼にとっては耳障りな雑音でしかなく――― 「あの方の裾を掴む(・・・・)以外に価値などあるものか」 「偉大なあの方と並び立つ領域に、不夜の常闇に辿り着かねばならない」と、残骸と崩れさった憧れ(慕情)を叫び続ける。 異能の力の差は歴然。絞...
  • ったく、面倒くせぇ忠犬だなてめぇは……
    発言者:モーガン・クインシー 対象者:トシロー・カシマ カルパチアの一室、トシローとニナは活動を再開した“三本指”に関する報告をモーガンから受け取っていた。 通常の人間にまでその牙を伸ばし始めたその『連続殺人犯(シリアルキラー)』……その行動方針の以前との隔たりに深い疑念を抱きながらも、 現在のトシローは、権力闘争により目に見えて疲弊するニナの事が気がかりであった。 そこで“夜警としての”彼は、現在この地に滞在するバイロンに何らかの対処を成すべきではないか。 軽々しく放置していては、必ずやこの土地に害を成す毒蛇であろうと―――似合わぬ忠告を行う。 そのために、己という刃がいるという念を籠めながら。しかし、焦燥するニナは、彼のその言葉に強く反発してしまう。 「全てはこの街、ひいては鎖輪の秩序を守るためのこと。軽挙な行いなどした覚えはない。 口が過ぎるわよ...
  • ――助けて
    発言者:青砥 美汐 両親が壊れながら死んでいき、絶望の中で自分の命も失ったことで、彼らが教えた“正しさ”、“誠実さ”などは圧倒的な“力”の前には弱く蹂躙されるだけに過ぎないとして、他者を信用せず、己を強く在らしめんとした美汐。 そんな彼女が、支配者の手によって虚飾を剥ぎとられ、今なお己の本質は弱いままの少女であり、そんな自分は既に忌み嫌う力そのものに変わり果てていた、という事実を露とされ、悲嘆を叫びながら暴れ狂う。 そのまま疲れ果て、他のさらに強大な暴力に命を奪われんとした際、美汐が心から発した呟き。 突如、エリザベータの命を喰らい、他の刻鋼人機(イマジネイター)も破壊せんと暴れるネイムレス。 鹵獲し、友軍機となっていたはずのネイムレスの暴走に溢れんばかりの憎悪を向けながら、影装を展開しつつ全力でそれを潰そうと猛るイヴァン。 その二機が激突し合う戦場で、凌駕達は...
  • けれど……その代わりに、得られたものがありますから。錆の浮いた化粧箱とは、ここでお別れしたいのです
    発言者:エリザベータ・イシュトヴァーン 対象者:アレクサンドル・ラスコーリニコフ 「これが、きっと……勇気」 自らにとって困難な選択を、行使しなければならない瞬間に心震わせて選び取ること。 勇敢な者にとっては逃げなくてはならない時に、逃亡を選択できるか。 臆病な者にとっては立ち向かうべき時に、涙をこらえて踏みしめられるか。 個々人によって違う課題。それを成し遂げるために、勇気はあると知ることができた。 初めて自分自身のために、愛する者との未来を勝ち取りたいと願い、 単身“元”司令官がいる電波塔へと赴いたエリザベータ。 そこではアレクサンドル・ラスコーリニコフが、 己と同じ機構の歯車――忠実なる兵士――の一つが滞りなく、任務を果たしたものとして彼女の帰還を迎えていた。 過去、繰り返されてきたように、鋼の男は無機質に今回も部下からの事実確認、...
  • なんて、綺麗な────朝陽
    発言者:シェリル・マクレガー 闇夜に潜んだ吸血鬼達の物語、その終焉を告げる言葉。 人間の少女達が、幻想の光を遠くにして……穏やかに現実に帰る道を選び。 破滅の結末に抗い続けたシェリル達の眼前で、裁定者の肉体は崩れ灰となり……流星のような光を放って消えてゆく。 その無数の光が、流星のように集うのはカルパチアの上空。 そして、その神秘的な変化が訪れたのは、異形の怪物に対してだけではなく…… 「いいえ、違うわシェリル。……どうやら、私達も(・・・)みたいよ」 共に肩を並べ戦った銀の髪の少女の言葉に、己の身体を目を向ければ─── 「………暖かい。何これ」 熱を持たないはずの縛血者(ブラインド)の肉体もまた、淡い輝きを放つ。 怪物に抵抗していた血族は皆、自らから生じる光の輝きに困惑の表情を浮かべる。 「抜け落ちて────ううん、離れて...
  • ごめんね……こんなことに、なって……こんなところ、見せてしまって……
    発言者:七海やちる 対象者:神代直 やちるルート、財団の影、謎の二人組の超能力者……自分達を取り巻く大人達の陰謀を感じながらも、やちると結ばれた直は、 華々しく活動する彼女の明るさに引っ張られるように、積極的に今の生活を受け入れようという思いを抱き始めたのだが…… ジグラット内のレジャー施設で恋人同士の時間を満喫し、直と別れたやちるは突然襲われ、気づけば密室に身柄を拘束されてしまっていた。 彼女を攫った犯人である虎一は、身動きのとれないやちるの姿を嘲笑し、「雇い主」の指示通りに姿を消す。 入れ替わりに部屋に現れたのは、欲望に目をギラつかせた数人の男達。 彼らも、虎一と同じ「雇い主」の実験を進行させるために新都の外から招かれた者達であり…… 神代直と七海やちるの「愛」の影響をより劇的に深めるための実験、そのエキストラなのだった。 ――バロックで何とかしな...
  • そう、もっと、もっとだ――全霊を賭して、我が矛盾を正すがいい!
    発言者:《伯爵》 対象者:トシロー・カシマ 「貴様ァァァアアアア───!」 愛する者を闇の世界へ墜とし、その死後の魂さえ貪っていた―― その元凶たる事実を淡々と語った《伯爵》を前に、かつてないほどにトシローは激昂する。 全力を取り戻した肉体の限界――その先へと彼はまさに立ち入ろうとしていた。 剣閃は秒刻みで鋭さを増し、一撃一撃を捨て身で放つトシローの意識は、《伯爵》の滅殺……その一事にのみ向けられる。 今この時、この瞬間、此処で吸血鬼を滅ぼせないなら――己が生に意義などない、と。 ……そんな一人の男の嚇怒を、まるで英雄譚を観劇する観客のような目線で《伯爵》は見つめる。 力量差は依然埋まらない。どれだけ友の託した力が、未知の可能性が、トシローを後押ししていても。 「羨ましいぞ、純粋にそう思う。それほどの敵意、殺意、狂える情動を私は感じ...
  • 全てに、意味があったのだ……!
    発言者:縛血者(にんげん)──鹿島杜志郎 対象者:吸血鬼(かいぶつ)──《伯爵》 「この痛みが、胸を掻き毟る後悔が……!」 「僅か一つでも、俺の生涯から欠けていたのならば────」 「戦えなかった。……戦えるわけがない、おまえに」 「全てに、意味があったのだ……!」 自らの内面世界でアイザックと美影と対面し、彼らの言葉をもってようやく自己を肯定し 『生きたい』という執着を持ったトシローの言葉。 現実に翻弄されながら取捨選択を積み重ねた自らの道。 “こんなはずではなかった、あの時こうしていれば”という未だ捨て切れぬ数多の未練と後悔。 《伯爵》の企みに気づいていれば。 美影が洗礼を受けなければ。俺がこの手で守り通していれば。 三本指(トライフィンガー)にならなければ。アイザックが悪鬼に焦がれなければ。 この...
  • 杜志郎様は……やはり意地悪で御座います……
    発言者:高遠美影 対象者:鹿島杜志郎 トシロー……鹿島杜志郎がまだ、純粋に明日の訪れを喜んでいることができた日々。 真っ直ぐに剣の腕を磨いて、“士”の道と人の“愛”が、乖離することなど微塵も疑っていなかった時間。 一振りの剣で大切な人を、理想を守れると無邪気に信じられた……美しく、そして心を縛り付ける思い出である。 ……… 「杜志郎様。今日は、父上と何を話されていたのですか?」 「さて……何だったかな?」 ――ある早春の日、鹿島の屋敷、その沈丁花に彩られた庭を共に歩く一組の男女の姿があった。 男の名は鹿島杜志郎。そして、その傍らを歩くのは彼の許嫁、美影。 藩の重役であり美影の父、高遠内膳丞と共に早朝から釣りに出かけていた杜志郎。 その帰りを待ち構えていたように、美影は屋敷を訪れていた。 「その……父上から、何か……」 ...
  • さあ、貴方のしたいようにして頂戴。私を可愛がって……ね?
    発言者:ニナ・オルロック 対象者:トシロー・カシマ そんな、優しく……いえ、もっと、強く、荒々しく……… 乱暴に犯しても……蹂躙しても構わないの……よ? ホテル・カルパチアから、“主”の求めに応じその身柄を奪い去ったトシロー。 ……やがて、『ノーマ・ジーン』で目覚めたニナは、 かつて知ることの出来なかったトシローという武士(サムライ)の過去、 そして、迷いを振り切った彼が今一度捧げると誓う“忠義”の重みを、確りと受け止めようとしていた。 そうして、決心を固めた彼女は、12年間踏み込めなかったあの一夜の“先”へと自ら踏み込む――― 「……判ったわ。主従。君臣。私たちが、そういう関係になったという事は」 「──では、それ以外(・・・・)は……?」 少女の面影を残す躯が男に触れ合い、細い腕が背中に回される。 見つめるその瞳の...
  • 私ね………あなたが、好き
    発言者:古雅 幸 対象者:神代 直 「今日の放課後……屋上に来てくれる?」 「神代くんに干渉するのは、もうこれっきりにするから。 最後に、私の話を一度だけ聞いてほしいの」 そう告げて、「空気の読めない」“お節介焼き”の先輩である彼女は、直の教室から去っていった。 ………夕陽が美しく照らす約束の場所で、古雅幸は彼がやって来る瞬間を待つ。 その姿は、「学校の皆」が個々に抱く先入観や風聞に彩られた、完璧な存在(アイドル)ではなく…… 先程自覚した衝動のままに先走ってしまったことに不安がり、 この先の己の行いで“彼”から自己自身を否定されるかもしれないことへの恐怖を抱えた、儚げな一人の少女のそれだった。 ―――好きになった年下の男の子に、告白する…… 始まりはいつからだったのか──── 怪我を負い、短距離走者として再起は困難だ...
  • 一つ思ったんだが……つまり、その問題は……ただ君がその女性に夢中になっている、だけの話なんじゃないのか?
    発言者:緋文字礼 対象者:秋月 凌駕 ギアーズに囚われるも、その後の乱戦から生還を果たしてきた凌駕、そんな彼の様子が以前と変わった……それも面白い方向に。 そんな話を切から聞き、興味を抱いた礼は、ネイムレス探索行動のため出撃した彼を追いかけ直接話を聞くことにした。 属する集団の目的と方向が異にするであろう、 自分の個人的な悩みを礼に打ち明けてよいものかとためらう様子を見せる凌駕に対し、 「口外はしないと誓うし、何かあれば力になるよ。 何より、君という人間が何処へ向かおうとしているのか……それに興味を惹かれて仕方がないんだ」 「それに、こういうのもいいだろう? 男同士の腹を割った本音の相談……まあ僕には、まだ割って話すだけの溜め込める腹がないんだけどね」 礼はそう告げて、凌駕もまた礼さんならば大丈夫だろうという安心感から、 少しずつ、自分...
  • ニナ・オルロック
    “PRINCIPAL” CV:岩田由貴 『Vermilion -Bind of blood-』の登場人物。ヒロインの一人。妖怪白髪女orザ・シルバー。 霧に深く包まれた街・フォギィボトムを中心とする、北米西部の縛血者コミュニティ “鎖輪” を統率する年若い支配者。 外見、性格とも気位の高い素養を覗かせる少女だが、しかし縛血者社会の中ではまだまだ若輩者に過ぎないとも言える。 本来の彼女は縛血者になって日の浅い、先代から継いだ血統によりトップに立ってしまった未熟な少女でしかない。 それでも親たる先代からの大きな置き土産を背負い、今日もまた柔い心を威厳のベールで押し隠している。 トシローは直属の部下であるため、有事の際はニナの命令に従って行動することになる。 人間社会との共棲関係を維持するため、公子である彼女は時に表の世界の夜会に姿を見せ、そうした場では高層ホ...
  • いいのだ……これで俺は、お前を生涯離さずにいられるのだから
    発言者:トシロー・カシマ 対象者:美影 『NOSTALGIA』にて……逃亡者として人の社会から追われる身となり、 それでも新天地を求めた果てに、未知なる獣───死人の王とその眷属に遭遇し…… 一歩も動けず、何らなす術なく愛する女を縛血者(ブラインド)に変えられてしまった男が、“永遠”を求め洗礼を伴侶に願った言葉。 ―――この時点でのトシローには、何ら縛血者に関する知識はなく美影が人間の温かな生き血によってのみ生き永らえるようになった事、年月を重ねようとも老いる身体ではなくなった事、そして同じ存在となる為には“同族”に咬まれる事が必要……程度の事柄しか分かってはいなかった。 だが、どれほど伴侶の身体が変貌しようとも、彼にとってはさして支障を感じる事はなかった。 二人だけの閉じた楽園、自分達が自分達として生きていける場所を求め流離い続けたのは、唯一つの理由から。...
  • ありがとう、親友。君に会えて、みんなに会えて……本当に、よかった
    発言者:緋文字礼 対象者:秋月 凌駕 愛する少女の温かな鼓動を胸に、親友との合一を果たした凌駕は、 死闘の果て、もう一人の自分でもあった進歩を、科学を愛し続けた独りの男の最期を見届けた。 そして、鎮まりゆく宇宙において、彼らにはもう一つの別れの瞬間が近づいていたのだった。 命賭けで互いの真理(すべて)を見せ合い、光も闇も、喜びも悲しみも、希望も絶望も、 あらゆる想いを背負って最終決戦に臨んだ凌駕と礼。 奇跡のようなその在り方はしかし、礼の意識が凌駕へ完全に同化しきるまでの瞬間の輝きで…… 身体を捨てて自分達の勝利を掴もうとした選択は、避け得ぬ別れの道へと繋がっていたのである。 『悲しむことじゃない、そうだろう?』 だが、想い人の支えを得て、恥も誇りも何もかもを親友と共有し合えた礼の顔は安らかであった。 “真に自分は報われた。己が生涯に意味...
  • ……だって、こんなにも大切にマレーネは思われてるんだから。それはちゃんと、もっとジタバタして形にしないと
    発言者:万里也 ジュン 対象者:マレーネ・フランケンシュタイン ジュン√、死んだ後に歪に変貌させられ……… ひたすら「妹を守る」と痛ましい絶叫を上げて、自壊する事も構わず力を行使し、仲間を滅ぼそうとする兄。 それを涙しながらも小さな体で止めようとするマレーネは、しかし余りに強く、そして哀し過ぎるハインケルの愛情の残骸を前に――― 「私は――兄さんを止められない」 心に風穴を開けられ、立ち上がる理由を砕かれて、動くことができない。 凌駕もまた、大切な日常の象徴であり、守るべき家族である妹を持つ身として…… 少女に何ら言葉をかけてやることができずに、自分たちだけを狙う暗黒の拳を見ているしかなかったが。 「違うよ――マレーネ、それじゃ駄目だよッ」 そこに否を唱えたのは、凌駕と同じく満身創痍となって地に叩きつけられていた、ジュンであった。...
  • ───失わせねえよ、オレが
    発言者:桐原 零示 対象者:滝沢 さつき あたしだけだと思ってたよ、ずっと……大事に思ってるのも、好きだっていう気持ちもさ…… んなわけねえだろ、オレはそこまで薄情じゃねえ。 さつきの実家――その土地の買収を狙うIgel。その重要人物二名が零示、さつきそれぞれに接触を図ってきた。 それでも抗ってみせると、零示の力を借りて、新たな高額報酬の望めるクエストへ参加する事を決めたさつきだったが…… そんな二人が滝御庵に戻った時、さつきの父親は倒れてしまっていた。 多大な精神的負荷を抱えたまま、日々の経営を続けた結果の過労――という事で、一命はとりとめたのだが。 ……病院から戻り、零示の部屋を訪れたさつきはどこから見ても心も体も、ギリギリの状態だった。 今はとにかく休め、クエストの方も今回は不参加にするしかない、とボロボロの幼馴染を説得する零示に、 ...
  • @wiki全体から「私もまた……ずっと、そう思い続けていたことなのですから」で調べる

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