アットウィキロゴ

BBB 第19号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Bul Bous Bow BUNGEI[バルバスバウ ブンゲイ] No.019 発行:2010年5月4日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
BBBでは書き手を募集しています。 メール:[email protected]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ご愛読ありがとうございます。メルマガ版『バルバスバウ』第19号です。草木もえる5月
になりました。満開だった桜も青々とした葉で木陰をつくります。あらたな潮流に挑戦す
るオールジャンル文学、BBBブンゲイ、今月号も新たな成長をとげました。

▼今月号のラインナップ▼
1……『逆転のソネット!』 by 鏑矢 恵
2……『裏日本通信』 by 蛙
3……『最終電車は2人で』 by 葛野葉 直
4……『巷間奇談』 by 又異心士
5……『私立探偵おばあちゃんの知恵袋』 by 梨木湧水
6……『世界ナンバーワンの仕事術』 by マーク塚原
7……『脳内裸族』 by 電網ニート
8……『大江戸フェティシズム奇譚』 by ななみ
9……『BUNGAKU Mixer』 by BURROUGHS 広報課
10……『プロジェクト★スリー』 by 三木勉三
※『スーパービジネスマン養成セミナー』のOJTは、終了しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■【新連載】『逆転のソネット!』  by 鏑矢 恵
 ――中央競馬から「転落」した競走馬を地方競馬で輝かせる“再生”専門の調教師がいた!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【 第1R この小さな競馬場で 】

「ドゲゴルアアアアァァァーーー!」
「邪魔!邪魔ァ!イネヤァボケーッ!」
ジョッキーたちの怒号のなか無数の蹄がターフをたたく。轟音。
芝と土のカケラが飛んでくる。風を切る音。ここからまだ加速する。
アタマを沈めて駆ける。グンと躯がおいていかれるような感覚。

『残り200の標識ッ、ここで馬群をわってリトルソネット!リトルソネット伸びてくる!

さあ先頭は4頭広がった、しかしリトルソネットだ!ここでリトルソネット完全にかわした!
1馬身のリードでゴールインッ!勝ったのはリトルソネット!クラシックへ無傷の2連勝ー!』

小雨の中山競馬場。ウイナーズサークルでちいさな記念撮影があった。オーナーが見えて
いたらしい。
まだ春には遠くすこしこごえながらも、心から拍手を送ったのを荒尾雅美は覚えている。

馬連で92倍。万券には届かなかったものの、2点で仕留めたのはうれしかった。
(これで人気が出てしまわなきゃいいんだけど…。まぁいいわ今日はもうあがって買い物
にでもいこうかしら)

そう、その日だこのマニキュアを買ったのは。
この小さな競馬場の記者席でノートPCを踊る指先を見つめながらそんなことを思い出して
いた。
(そのとき6枠だったからこのマニキュアの色もなんとなく明るいグリーンをえらんじゃ
ったのよね。)
獲った時の記憶というのは妙に鮮明だ。
結局、それ以降リトルソネットは故障し、クラシック戦線に顔をだすことはなかった。
そしてさっきのレース、ここS県「みなと競馬」の中央競馬との交流戦、”なみうちぎわ
賞”の5着にその名前を見つけ、いきなりそんなことを思い出したのだ。中央でも2ケタ
着順がつづき、地方に活路を見出したのかもしれないが、地方競馬の5着といえば、交流
戦でかなり高く設定されているとはいえ、賞金は1万5千円だ。
(そうまでして走る意味なんてあるのかな?牝馬だから繁殖にあげればいいのに。)

「ある、だからオレはやってる」
水沢優は言う。その日の深夜、雅美は取材と称して祝勝会の終わった水沢に逢っていた。

なみうちぎわ賞の1着はマルチユースという。水沢厩舎の所属だ。この馬ももとは中央で
走っていた。まったく勝ちがなく中央では通用しないと思われてここへやってきた。水沢
のもとにはそういう馬しかいない。
中央で走らない馬を地方で走らせる。あたりまえのことのように思えるが難しい。それは
レベルの問題ではないからだ。
「2着と1着との間には天と地との開きがある。ぜんぜん違うんだ」
そんなことを信じられないくらいキレイな瞳で語る水沢に、雅美はひきこまれながらタッ
チタイプでメモを取った。
ふいに華奢な手で腰を抱き寄せられると雅美のハリのあるパンツスーツが捩れる。
(わ、ちょっと待ってまだ原稿途中な…んっ)

雅美が雅臣として目覚めたとき、もう水沢の気配はなかった。
「ふぅ」
野太い声でため息をついたあと、熱いシャワーをあびてから、鏡台にすわり念入りに剃刀
をあてた。ウイッグをつけて簡単にメイクをすました。
鏡越しに、このホテルに似つかわしくもない大きな窓からは小さくみなと競馬のトラック
と海が見えた。

《次回予告!》
「ソネットはとっても繊細なんだ」自称馬と話せる園田いわく彼女が走れない原因は能力
以外にあるという。
ひょんなことからリトルソネットはみなと競馬の水沢厩舎へ転厩してくることになったのだ。
そしてジョッキーはルーキー川崎ケイゴにのりかわることに。しかしリトルソネットはカ
イバも食べようとせず、走ろうともしない。
ついに出走間近、水沢の戦略とは?

【 第2R 海の砂を走って 】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 『裏日本通信』  by 蛙
 ――厭世的な、あまりに厭世的な……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【 第12回 山の蔵 】

 新緑の若葉。
 これほど使い古されても、なお新しく我々に喜びと新鮮さを持って迎えられる言葉はな
いだろう。
 ――山は新緑の若葉で包まれ、降り注ぐ陽光は柔らかな葉にまぶしく、軽やかに跳ね返
される。
 樹間は軽い熱気を帯び鳥の声を通し、もろもろの花は初々しくそっと花弁を開く。
 この晴れ姿の下にはなにがあるのだろう。
 ふと気になった私は足元に敷き詰められた淡い焦げ茶の枯葉をかき分けた。山の土が見
たかったのである。
 ざっとかき分ける。染み入るような黒い腐葉土が見える。思いのほか手応えがある。ぐ
っと力を込めなおもかき分け、手を突っ込む。ダニが二、三匹驚いて飛び出す。冷たい。

 5月の熱が嘘のようである。香ばしい湿った匂いがふんわりとする。冬をこえ眠ってい
た腐葉土は枯葉の下、地下の蔵でひんやりと熟成されていたのだ。
 春を迎えた植物の根はそれを固く地下にとらえている。夏の山の緑の祝祭のために土は
蔵出しを待ちわびている。
 私は、早出しの土の匂いに心地よく酔った。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 『最終電車は2人で』  by 葛野葉 直
 ――リアル・ワーキング・ラブストーリー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【フラグメント;05 人間らしい生活】

システムの大規模改修が始まった。この手のプロジェクトは無茶なスケジュールで組まれ
るのが当たり前になっている。今回会社が提示した計画を人数から計算すると、1人1日
15時間勤務、土日のうち休めるのは1ヶ月で1日だけ。恐らく今回も中盤あたりから入
院者が出るのだろう。
僕自身、こういうプロジェクトは入社以来2回目だが、実は1回目の時は中盤で入院して
いる。入社した年だったこともあり、何が何でもやらないとという思いに駆られていたの
だろう。結果、ついに倒れてしまったのだ。病院では医者から「このままじゃ死ぬよ」と
も言われた。退院して会社に戻ると仕事は溜まりに溜まっていた。上司に相談すると「自
己責任だ」と言われ、どうすることも出来ず入院前よりも働いて何とか終わらせたのだった。

そういえば、前の彼女とぎくしゃくし出したのもこの頃だ。土日も仕事で会う時間が作れ
ず、やっと取れた休みに会う約束をしていたのに、普段の睡眠不足がたたって夕方まで起
きれず、大遅刻してしまったこともあった。電話をしても些細なことで喧嘩をすることが
増えてしまっていた。

って、またそんなことを思い出してしまっている。だめだだめだ。いい加減で忘れないと。
とにかく今回は頑張るつもりは毛頭ない。必死で働いても会社は何もしてくれないのだ。
もっと自分を大事にしないと。もっと自分の気持ちに素直に生きていかないと。
―「素直に」・・・か。(続)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 『巷間奇談』  by 又異心士
 ――「それ」はいつもあなたのそばにいる……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【 第三談 逆ナイキ 】

『そういえば、最近、恵美んちに幽霊でたらしいよ!』
「えー、マジで、どんなよ?」
『なんか、よくわからない幽霊なんだよ。
その日恵美、お風呂に入ってたんだって。
で、髪洗ってるときに後ろでなんかいる感じがして、振り向いてみたらしいの。』
『そしたらいたんだって、スーツのオジサン!四角いめがねかけた!
「これじゃない、これも違う、全部俺のじゃない・・・。」っていいながら、お風呂の床に
落ちてた恵美の髪の毛を拾ってたんだって。
でね、恵美が見てるのに気づいたら「あ、すいません」っていいながらふっと消えちゃっ
たんだって!!』
「えー!なにそれ、何しに出てきたの。」
『わかんない。』
「どんな顔だったのよ?」
『それがね、髪の毛はほとんど無いらしいんだけど、額の辺りだけ、ナイキ?のマークを
逆さにしたような形に髪の毛が張り付いてたんだって。その髪が印象的過ぎて顔覚えてな
いって。』
「嘘なんじゃないの~?あ、ごめん、ちょっとトイレ。」

 そういって、私はケータイを置いて椅子から立ち上り、
-どんな幽霊だよ、逆ナイキおじさん?
 とつぶやきながら、ドアの方に向き直った。

 そこには、額に逆ナイキのマークをつけたオジサンが床に這うようなポーズで私を見上
げていた。
 私と目が合うと、オジサンは一瞬申し訳なさそうな顔をして、消えた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 『私立探偵おばあちゃんの知恵袋』  by 梨木湧水
 ――事件の解決に必要なものは、知能、勇気、そしてあなたのメールだ!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【 回答受付中の事件5 花と毒 】

 それを聞いたとたん、自称探偵さんの指がものすごい速さでケータイのボタンを打ち始
めた。
「キョウチクトウ、毒……。」

――【キョウチクトウ】――
 キョウチクトウは優れた園芸植物ではあるが経口毒性があり、野外活動の際に調理に用
いたり、家畜が食べたりしないよう注意が必要である。花、葉、枝、根、果実すべての部
分に毒性がある。
 オレアンドリン(oleandrin C32H48O9)とはキョウチクトウに含まれる強心配糖体。
(中略)ヒトの場合、オレアンドリンの致死量は0.30mg/kgで青酸カリをも上回る。――出
典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』――

「な、なんだって…青酸カリを上回る毒性…!?なんでそんなものが生えてるんですか!
危ないじゃないですか!?」
「そりゃ花が綺麗だからやろ。」
「…いや、子どもが食べたりしたらどうするんですか!?なぜ駆除しないんです!?」
「毒があることはみんな知っとるでな、いちいち刈る必用ないわ。それにおまはん、山ん
中にはたくさんの危ない草やら木やらが生えとるが、ぜんぶ刈らんとかんのか?」
「それは…。」
「ホトケさん二人も、アンタと同じで最近越してきたばっかりやったからなぁ。もしかし
て夾竹桃のこと、知らんかったんかな。軟弱者やのー。」
「ということは…。」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 『世界ナンバーワンの仕事術』  by マーク塚原
 ――マーク塚原。後に世界を救う「特異点のビジネスパーソン」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【 第13回 経営分析をする 】

 そんな修行の日々で、強く記憶に残っている出来事があります。
 ある暑い夏の日のことです。ボクと中本(キース)、高橋(ポール)の3人は、翁の道
場に呼び出されました。数寄屋造りの12畳ほどの和室は、熱気に包まれ陽炎のように部屋
の中がぼやけて見えるほどでした。が、正座で背筋を伸ばして、翁の視線を受けていると、
まったく熱さは感じませんでした。
「おい、塚原くん」
「はい」
「これを3分で読んでくれや」
 翁は10センチ以上もある書類を懐から取り出して、ドサリと置きました。
 命令は絶対です。追いつめられた鼠のように書類をめくりだしたボクは、すぐにそれが
翁の会社、竹下電機の決算資料だとわかりました。そんなことを気に留める暇さえなく、
3分が過ぎます。
「この会社の……道、ひらいてみい」
 翁の目がギラリと光ります。
「2期連続の経常赤字の原因は、原材料費の高騰が主因です。ここは、いったん国内工場
の生産調整で在庫を……」
 そこまで言ったとき、翁の足袋がボクのみぞおちにめり込みました。苦痛の声を上げる
ことすら許されないボクは、必死に歯を食いしばって耐えます。
 翁は、ボクの両隣にいる中本と高橋もシワだらけの手でなぎ払うと、道場が張り裂ける
ような声で怒鳴りました。
「そんなんであくけ! そんなんで神州日の本の経営者がつとまるけぇ!! ぜんぜん『
道』ひらいとれへんやないけ!!」
 3人がようやく体勢を持ち直すと、彼は落ち着いた声で、語りはじめました。
「今日は、お前ら3人が本物の指導者になるための秘伝を授けたる。ただ、その前に、わ
しがどうやってそれを身につけたかから、話させてもらうで……」(続く)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 『脳内裸族』  by 電網ニート
 ――ニート+サブカルチャー=∞ ひそかに人気の新世代エッセイ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【 第12回 映画的なゲームとは何か?その二 】

 「TORTAL WAR」シリーズは、映画的なゲームの極北ともいえる。このゲーム
をプレイするユーザーは、大抵ロードオブザリングのような戦争シーンにあこがれて手に
とり、プレイする。操作に慣れさえすれば、元々難易度の高いゲームではない。慣れてく
ると、敵軍に勝利しながら劇的な名シーンを自分で味わうという、ゲーム遊びと映画鑑賞
を疑似的に兼ねるようなプレイが可能となる。動画サイトに投稿されている中で質の高い
ものは、この二つを両立させている。ゲームをしながら合戦映画を視ているような効用を
得ることができるのだ。
 スタッフは元々戦争映画を撮りたかったようだ。が、人間のエキストラを集めるだけの
資金力は無い。そこで、フルポリゴンで構成された疑似エキストラを用意した。映画「ト
ロイ」の制作陣などは、CG制作用のスーパーコンピュータを使い、撮影の合間に六万人
の兵隊が戦場で争う画面などを作り出して遊んでいるらしい。「TORTAL WAR」
シリーズはそういった流れを引き継いでいるのであろう。日本産のゲームでも、こういっ
た大規模合戦のゲームを大々的に販売する所があってもいいかもしれない。三国志対戦?
あれはカードゲームだし、合戦の演出が拙い。リドリースコットの戦争映画みたいに、大
量の軍旗が風でなびきまくるような演出とリズム感が欲しいところである。(続く)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 『大江戸フェティシズム奇譚』  by ななみ
 ――【fetishism】1. 物神崇拝 2.物に異常に愛着を示すこと。性的倒錯の一種
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【 第九話 家光の刀(七) 】

その時のことを、あまり覚えていない。とにかく、急に視界がせまくなったようだった。
目の前でせわしなく動く運搬スタッフの、青い背中だけがやけに鮮やかだった。彼がしゃ
がむと作業着の布地がひっぱられ、その向こうに確かに肉塊があることが感じられた。私
の眼はただ肉塊の量感と動きを必死で追いかけていた。一歩、二歩と歩み寄る。小さく息
を吸い込むと同時に両手を振り上げ…。
「はあぁ~、どっこいしょっと!」
――私を我に返らせたのは、聞きなれた坂崎さんの間抜け声だった。
「あー!刀だっ!!いつのそれ!?どこの誰の!?あ、新しくはいったやつかな、名前つ
いてるの!?」
「……は。あ。」
気が付くと、矢継ぎ早にたたみかける坂崎さんの顔が目の前にあった。
「あ。これは………。」
「どうしたの?顔色がものすごく悪いよ。」
「う…。」
強烈な悪寒を感じたのは直後だった。体じゅうから血の気が引いていくのが分かった。(続)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 『BUNGAKU Mixer』  by BURROUGHS 広報課
 ――テキストミキサーで有名なバロウズ社の製品を使用したデモプレイ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【 新製品4 BR-4500×HANAMAKI & ?esko-BUNGAKU 】

商品名「ロボット」。この商品は、当社が開発した人造人間であり、人間のあらゆる労働
を肩代わりしてくれる、万能労働者です。また、一台あたりの値段も大変安くなっており
まして、何かとお困りの人件費の削減にもお役に立つこと間違いありません。RUR、ロ
ッサム世界ロボット製作所の「ロボット」を、ぜひお買い求め下さい。……

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 『プロジェクト★スリー』  by 三木勉三
 ――少年少女大活劇!探鉱文学浪漫譚
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【 その2 大いなる使命  】

「オーウ、ジャパニーズボーイ。黒い瞳のリトルボーイ。ココでなにをしてるのですか。」
沼田少年は特にやましいことがあるわけではなかったが、突然の拍子抜けした声に、飛び
上がって振り返った。そこには初老の白人男性が立っていた。ヨレヨレのチェックのシャ
ツにポケットのたくさんついた釣り用のベスト。肩からはクーラーボックスのようなもの
を下げている。
「つ、釣りですか?」
「ノンノン、ここは山ですよ、おそらく、ユーと同じ目的です。ボーイも発掘に来たので
しょう?」
そうなのだ、沼田少年がわざわざここでスコップをふるっているのはこんな会話があった
のだ。
彼の父勝家氏が、普段はたれたれの眉毛をきりりと釣り上げて(といってもかろうじて平
行になっただけであったが)
「トシくん、これは大変な事態だよ。新しく荒谷台に住宅が建つ話があるだろう。あそこ
ね、ご先祖様が戦った場所なんだ。あれはねちゃんと僕たちが、先祖代々残していかなけ
ればならない場所なんだよ。でもどうやら市にはそのためのお金が無いらしいんだ。この
ままだと、どんどんトラックとかが入ってきてね。どんどん建物が上にちゃっちゃうわけ
なんだよ。」
そこで勝家氏は重々しくほうじ茶を持ち上げきゅっと飲み干すとこういった。
「そこでだ!トシくん。家がたっちゃう前に、僕らの手で調べなくちゃいけいけない!こ
れは沼田家の使命なんだ!」
「わかりました!とうさん!」
素直な沼田少年はかしこまって耳を傾け、かつてない使命感に燃え返事をした。
「あ、父さんは明日課長と釣りに行かなくちゃいけないから行けないけどスマンね、頼む
よ。」

━━「バルバスバウ」より━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●編集後記
▽お茶マニアになりそうです(宣)▽こんどはチャリキで北海道1周に挑戦したい(岩)
▽木の芽が鮮やかで山が近く見える(亜)▽ファミレスのコーヒーはなんであんなにまず
い(創)▽最近良いニュースの多いこと。御芽出度うございます(池)▽缶コーヒーに何
故需要があるのかよく分らん(野)結局今年もお花見できず(大)
●購読登録いただいた方にお送りしています。
購読キャンペーン実施中! 家族、友達、みんなで購読登録して『バルバスバウ』を読もう!
http://www.mag2.com/m/0000283714.html
●メルマガ版「バルバスバウ」
発行システム 『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000283714.html
●お問合せご感想は [email protected]
Copyright(C)2009 BulBous Bow 許可無く転載することを禁じます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最終更新:2010年05月21日 00:39
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。