ここではない、別世界の物語。 幾多の戦乱や厄災を乗り越えた人々が平和に暮らすアザルス大陸。 その南東に位置する「ディメント王国」で静かに異変は起き始めた。 「魔法の力が消失する」 それはこの世界の人々にとって、致命的な異変だった。 様々な生活の場面で「魔法」は一般的に利用されており、 それが失われると人々は傷の治癒もできず、 命を脅かす怪物たちから生活環境を守ることすらできなくなってしまうのだ。 魔法の力が失われる土地の範囲は徐々に拡大しており、 ディメント王国魔法局は「このままの状態を放置すればアザルス大陸の すべてから魔法が失われる」と危機を訴えた。 ディメント王国元老院は、ディメント騎士団から優秀な者たちを募り、 調査団を結成させたが、 ある遺跡を調査に出かけた騎士団がたった一人の騎士を残して全滅してしまう。 その遺跡では、神話の時代に封印されたはずの「異形の者ども」が現れた、 と生き残りの騎士は語った。 ディメント王国元老院は兵力消耗を恐れ、「冒険者」と呼ばれる流浪の者達を 呼び集め、異変の調査を依頼することにした。 「有益な働きをした者たちには、騎士として取り上げ褒美を与える」 この話は、またたく間に大陸中を駆け回り、 数々の冒険者がディメント王国の港町「イルファーロ」に集まった。