唯澪@ ウィキ

無題(25)

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yuimio

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無題(25)


唯「ん・・・うぅん」

唯「眠れないよぉ・・・」

せっかくみんなと一緒の修学旅行、できるだけ楽しんでいたかったんだけど。
みんなは明日辛いからって一通りおしゃべりしたら寝ちゃった。
りっちゃんだけは信じていたのに!
……なんて愚痴を零しても眠気が訪れるわけもなくて。

唯「はぁ・・・。ちょっとお散歩にでも行こうかな」

澪「・・・・・」

修学旅行には監視が付きものだけど、うちは女子校だからなのか、その辺大らかなんだよね。
外に遊びに行こうなんて人はずっといなかったみたい。
あと夜更かしはお肌の敵!ってことなのかな?
それは私にも当てはまるけど、眠くないんだから仕方ないよね。
今は女子校なことに感謝して、館内をあちこち歩き回ることにした。

唯「誰もいない夜の廊下・・・澪ちゃんは恐くて歩けないね、こりゃ」

唯「りっちゃんとムギちゃんなら喜んでくれそうだけど」

薄暗い廊下を歩きながら独り言を漏らすと、背中から声がした。

澪「私がどうしたって?」

唯「ひえぇ!み、澪ちゃん!?」

澪「こんな夜中に部屋を抜け出すなんて・・・一体どうしたんだ?」

唯「いやー、それが全然眠れなくてですね・・・」

澪「まったく・・・それでも横になってた方がマシだろうに」

唯「そんなの私のキャラじゃないよ!っていうか澪ちゃん」

澪「ん?」

唯「こんな暗くて人気のない廊下で恐くなかった?」

部屋から近いとはいえ、そこそこの距離はあったはず。
恐がりの澪ちゃんが平気な顔して追いかけてきたことが不思議だった。

澪「恐いよ」

唯「でも平気そう・・・あ」

近づいてわかった。表情は普通だけど、手が小刻みに震えてる。
これは一昨年私が喉を壊した時と同じ――

唯「・・・ごめんね澪ちゃん、私のせいで」

澪「いいんだ。唯には私が付いてなきゃな」

唯「もう、澪ちゃん!私子供じゃ・・・」

澪「いや、逆だな。私に唯が必要なんだ」

唯「澪、ちゃん・・・?」

今の澪ちゃんからは普段の凛々しいイメージと違って、とても弱々しい印象を受ける。
やっぱり恐かったのかな。心細かったのかな?

唯「ほら、もう大丈夫」

澪ちゃんを勇気づけるように、一人じゃないって教えるために。
震える体をぎゅっと抱きしめた。

澪「ありがとう唯・・・」

唯「ううん、私にも澪ちゃんは必要だもん」

唯「ひょっとしたら一人で帰れなくなってたかも知れないし」

テヘヘと笑うと澪ちゃんも笑みを返してくれる。
仕方ないやつだなぁ、なんて言いながら。

澪「でも、実は恐かったのはそれなんだよ」

唯「え?」

澪「もちろん暗いのも恐かったんだけど・・・」

澪「朝起きたら唯が隣にいない、そんな状況の方がもっと恐いんだ」

唯「澪ちゃん・・・」

澪「だから、私を置いていなくなったりしないでくれ・・・」

起こさないように出てきたのが失敗だったんだ。
逆に心配かけちゃったみたい。

唯「ごめんね澪ちゃん・・・」

澪「いいんだ、わかってくれれば」

澪「そろそろ部屋に戻るか?」

唯「うん!でも澪ちゃん」

澪「なんだ?」

唯「寝るまで一緒にいてくれる?」

澪「!ああ、むしろ寝てからもずっと一緒だ!」

そして部屋に戻った私たちは、一緒の布団で眠りにつくのでした。


朝起きると、澪ちゃんの隣にちゃんと私はいたけれど、代わりにムギちゃんがいなかった。
さわちゃんに聞くと、貧血で倒れたらしいことがわかった。
りっちゃんに聞いても寝ててよかったな、と言われただけで何も教えてくれない。
でも二人でお見舞いに行こうとすると、逆効果だからと止められた。
私と澪ちゃんはただ首を傾げるばかり。
そういえばムギちゃんのお布団には赤い染みがあったけど、何か関係あるのかなぁ?

おしまい

初出:2->>314

  • ムwギwちwゃwんw -- (名無しさん) 2011-09-01 18:31:43
  • ムギはぶれないな -- (名無しさん) 2011-09-10 12:23:15
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