十三夜 その2
子猫と一緒ルート
澪「おっ!いたいた。元気にしてたかー?おーそうかそうかそれは良かった」
何時ものミルクを子猫にあげる。
澪「こらこら、ゆいは少しみおに譲れって。全くこの子猫達の性格も私達にそっくりだな」
そうひっそり子猫達に喋りかけながら私は笑う。ただ問題は時刻が6時になろうとしていたので辺りが真っ暗だった事。
澪「唯のやつ遅いなぁ」
澪「あっお前じゃないぞ!ほら、よしよし」ナデナデ
それからもう20分くらいして唯は来た。
唯「お待たせ」ハァハァ
澪「遅い!ゆいとみおが待ってたぞ!」
唯「あーん。ゴメンね~ゆいにみおー」サスリサスリ
そう唯は慌て段ボールからゆいとみおを拾い上げる。
澪「・・・・」
予告した遅刻で遅れてきたとは言え唯はゆいとみおばっか構ってて理不尽だ。
ダキッ
唯「ふぇっ?澪ちゃん?」
澪「・・・///唯が来るまで寂しかったんだ///ちょっとはこうしていても良いだろ///」ギュー
もちろん顔は唯に向いてなく背中に踞っている。だって恥ずかしいから。でも唯は分かったように答えを導いた。
唯「・・・・」
唯「良いよ。今日は帰るときまで澪ちゃんとゆいとみおと一緒だから」
顔を見てないが反則な顔をしてたのは間違いない気がした。
時刻は8時半。あれから唯と子猫達と過ごした。意外とこんな過ごし方も悪くはない。ただ、唯は来た時何か荷物を持ってきていた。それが何かわからなかった。
澪「くしゅん!」
唯「大丈夫?」
澪「流石にこの時期だからなくしゅん!」
唯「あっあわわ!ゴメンね。こんな時間まで付き合わせちゃって」
澪「これが私と唯だけの秘密なら許す」
唯「もちろんだよ!もうそろそろ準備にかかろう」
そう唯は持ってきた荷物をあさり・・・それは三方(さんぽう)?
唯「はい問題!今日は何の日でしょう?」
澪「今日?えっと9月13日だろ?なんかあるのか?」
唯「ヒントは空です!」
澪「空?」
そう言われて私は空を見上げる。星が雲に覆われてよく見えない。月も微妙だし・・・そう言うことか。
澪「十三夜だな」
唯「正解!なので今日は私と澪ちゃんとゆいとみおの4人で月見をしましょう!」
澪「それは良いけどゆいとみおは人間扱いなのか?」
唯「気にしたら負けです!」
澪「まあ、そうだな」クス
そう言い唯はほいほい荷物を出す。とは言ってもそれから出てきたものは月見団子と里芋と確かに関係あるが食べるものばかりだった。
澪「おいおい、食べ物ばかりじゃないか」
唯「いえいえ、十三夜は薄は要らないのです」
そうなのだろうか。
唯「それより食べよ。お腹減ってるでしょ」
澪「私はそんな・・・」グー
澪「あ///」ササッ
無意識にお腹を隠してしまった。けど唯は判ってるようでした。
唯「一緒に食べよ!」ニコッ
澪「うっうん///」
月見だから最初に月見団子に手を伸ばそうとした。そしたら唯に阻止された。
唯「ほら見て!」
唯が空を指指した。ちょうどその時雲に隠れていた満月が姿を現した。
澪「・・・・・綺麗」
唯「・・・・・そうだね」
ただそれしか感想はなかったが凄かった。
唯「月見出来て良かった」
澪「私もだ。ありがとう唯」
唯「・・・・」
唯「どういたしまして♪」ニコッ
月の光でうっすらと唯の顔が見れた。やっぱり唯の笑顔は反則だった。
終わり。
おまけ
澪「・・・・ん?」
唯「すぅ・・すぅ・・・」
澪「あれ?ここは?」
ちょっとずつ身体が目を覚ましてきたので辺りを見回す。神社?
澪「うっ!」
ここで叫んでも良いのだが近所迷惑と唯を起こすかも知れないのでなんとか耐えた。
澪「えっえっと時刻は」パカッ
7時半。
澪「まずい唯!もう起き・・な・・い・って?」
唯「すぅすぅZZZ」
澪「たまにはいっか」
澪「唯と一緒に遅刻するのも」
そう呟いて私はもう一度唯に肩を預け、唯の持ってきた大きいタオルにくるまい、ゆいとみおを抱いて眠りに入った。
終わり。