わがまま
澪「・・・む」
澪「ここ・・・バレちゃったかな?」
澪!早く帰って来てくれよ!どこにいるんだよ!
早く帰ってきてくれないと・・・
場所は近いわもう少しで発見できるわよ!!
早く帰ってきてくれないと・・・
場所は近いわもう少しで発見できるわよ!!
澪「・・・・・」
澪「・・・・またか」
澪「やっぱりバレたよな」
澪「・・・・帰りたくないけど・・・」
「いたいた!もう探したよ~」
澪「ん?・・・唯」
唯「急に居なくなったから心配したよ~」
澪「それはごめんだけど、抱き付くのは昔から好きだなぁ」
唯「最近よく星見てるね」
澪「うん。星と言うより夜空なんだけどな。・・・・唯は・・・・・聞こえてる?」
唯「何が?」
澪「・・・あっちから・・・・私を呼んでる人達の声が・・・聞こえる?」
唯「・・・・」
唯「ぜーんぜん!」
澪「この頃・・・・毎日聞こえるんだ」
澪「耳を強く塞いだり・・・水の中に潜っていても・・寝ている時も・・もう胸や耳に焼き付いちゃってさ」
唯「・・・・私の小さい頃から一緒にいたのに・・・なんでいきなりなのかな・・・・」
澪「・・・もしさ」
唯「?・・何?」
澪「・・・・もし・・・私が唯の知らない・・・・・遠い・・遠い・国のお姫様だったら・・・・唯は私をどうする?」
唯「・・・んー・・じゃあちょっと質問」
澪「どうぞ」
唯「澪ちゃんがお姫様ならどうして私の所に来たの?まだ此処に居るの?すぐ帰らないで・・・」
澪「・・・わがままかな?・・・・唯が可愛いから」
唯「えへへ・・・ありがと///」
澪「それで・・・唯はどう思う?」
唯「・・・・難しいね・・わかんないや。澪ちゃんがこれで良い!って思って決めたら、それで良いんじゃないかな?」
澪「・・・・そっか」
唯「澪ちゃんはどう考えてるの?」
澪「・・・私は・・・・このままずっと唯と一緒に居たいなぁ~って」
唯「ずっと一緒だなんて照れますな~」
澪「・・・・唯の世話は結構大変だったからなぁ~。贖罪は出来たかな?ってな」
唯「え~そんなに大変だった?」
澪「ずっと私は唯に振り回されてたんだぞ!あっち行ったりこっち行ったり・・・・ちょっと目を離したらすぐ何処か行っちゃうから、捜すのに一苦労だったよ」
唯「全然覚えてないや」
澪「まあ、唯が本当に小さい頃だったからな」
唯「・・・・全然だよぉ。それより澪ちゃんって今何歳?小さい頃からずっと外見が変わってない気がするけど」
澪「こらこら。女性に年齢を聞いちゃダメだぞ。・・・ふぅ。ちょっとそこに座るか。立ってるの疲れたし・・」
唯「え~草の上に~」
澪「草の上は気持ちいいんだぞ。こう寝転んでもな・・・・ただ、まだ冬だから雪で湿ってて冷たいけど」
唯「じゃあ真似してみる」
澪「・・・・どう?」
唯「結構良いかも」
澪「そっか。良かった」
唯「でも冷たい」
澪「慣れ慣れ」
唯「・・・・あっ!流れ星!お願い事しなきゃ!」
唯「・・・」
澪「・・・・唯は何をお願いしたんだ?」
唯「もちろん。美味しいものたくさん食べれますようにって」
澪「相変わらず食べる事ばっかだな」
唯「良いじゃん!そういう澪ちゃんはどうなのさ?」
澪「私は・・・・唯とこのまま一緒に居られますようにって・・・昔からずっとこのお願い事を願って来たんだよ。誰にも言わないでな」
唯「私に言ってるじゃん。それに澪ちゃんとはずっと一緒だよ!」
澪「そうだよな。でも、やっぱり唯には知っといて欲しかったんだ」
唯「・・・・あっ!月だよ!なんかゆらゆら霞んでるようだけど」
澪「何の月か解るか?ぼうっと霞んでみえる月の事を」
唯「・・・・かすみつき」
澪「ハズレ。朧月だよ。四季では春に見れるんだっけ?」
唯「朧月かぁ・・・あの月でも兎さんはお餅付いてるのかな?」
澪「本当に食べる事ばかりだな。・・・・多分寝てるんじゃないか?満月の時が頑張り時だしさ」
唯「ふーん」
澪「逆に朧月の明かりに照らされてる兎は眠ってるんじゃないかな?影も寝てたりね」
唯「たま~に難しい事言うね」
澪「唯の保護者みたいなものだからな」
そろそろ迎えに行って連れて来させるぞ!もう我慢出来ない!
これから行くの?場所はわかったけど・・・
当たり前だ!待ってろよ澪!
これから行くの?場所はわかったけど・・・
当たり前だ!待ってろよ澪!
澪「・・・・結構近くまで来てる」
澪「・・・・・はぁ」
唯「あれ?また此処に来てたの?」
澪「唯・・・」
唯「最近、優れてないね」
澪「そんな事ないよ」
唯「そう?」
澪「唯こそ・・・この時間、此処は寒いよ」
唯「大丈夫!もうすぐ春だからね♪それに澪ちゃんもいるし♪」
澪「春・・・そう言えば朧月も見たし春か」
唯「此処だって広いからね。四季だってあるよ。夏はホタル見たじゃん」
澪「そう言えばそうだったな」
澪!迎えに来たぞ!
澪「!」
唯「~♪」
此処に居たって何も良いこと無いわよ!それに澪ちゃんはその子と違う!
澪「・・・唯」
唯「どうしたの?」
澪「ちょっと先に、家に帰ってて」
唯「え~。私は澪ちゃんを迎えに来たんだよ」
澪「・・・・・」
唯「・・・わっわかった。ちゃんと帰って来るんだよぅ」
澪「了解したよ」
澪「・・・」
澪「・・・・」
迎えに来た!澪には此処でつまらない過ごし方より帰って来て姫君の方が良いぞ!
澪「此処が気に入ってるんだ。帰りたくない」
澪ちゃん。今の立場わかってる?今帰らないとお姫様でも重罪を受けるのよ!
澪「だったら尚更帰りたくない!」
もし、その子が死んだら?
澪「!」
絶対澪より先に死ぬんだぞ!そしたら独りぼっちだぞ!
澪「・・・丁度良い」
澪「唯が死んだら私も死ぬ。死んでみせる!それで今までの罪を払えるだろ」
馬鹿な事言うなよ!
そうよ!みんな心配で心配で・・・
そうよ!みんな心配で心配で・・・
澪「もし、今帰ったら唯が独りぼっちになる」
そんな理由で帰らないなんて・・・・
澪「これが最後のわがままだよ」
- 澪は・・・・此処に帰って来るつもりは無いのか?
澪「・・・・無いよ」
わかった。じゃあな。私達が帰ったらこの通り道を壊してくれ。もう此処に来れないように・・・・
ちょっとそんな簡単に・・・
あくまでも澪は姫だ。位が上だ。嫌ならしかたねーよ
ただ、澪も帰ってこれないぞ!それでも良いのか!?
ちょっとそんな簡単に・・・
あくまでも澪は姫だ。位が上だ。嫌ならしかたねーよ
ただ、澪も帰ってこれないぞ!それでも良いのか!?
澪「・・・・・」
澪「もう別れの時間だ」
- そっか・・・じゃあな澪。
澪「ああ。サヨナラ・・・・」
澪「・・・・・」
澪「唯~」
唯「お帰り~」
澪「ちょっと外来なよ」
唯「え~。寒いよ~」
澪「まあまあ」
唯「わかったよぉ」
澪「あ・・・雲に隠れてるよ」
唯「また月見なの?」
澪「そうだよ。・・・おっ!見えた!」
唯「ホントだ!風が強いのかな?雲の動きが早いから光から出来た影の傾きもよく変わるね」
澪「・・・・・」
唯「また朧月かな?ゆらゆらしてる」
澪「・・・・」
唯「澪ちゃん?」
澪「・・・前に話した・・・・お姫様の話覚えてる?」
唯「ん~・・なんとな~く。それがどうかしたの?」
澪「・・・・私は最後までわがままだったけど良かったかな?」
唯「・・・澪ちゃんが良かったなら良かったって事だよ」
澪「・・・・そっか・・ありが・・と」
唯「あれ?澪ちゃん泣いてる?」
澪「ん?目にゴミが入ったんだ」
唯「帰って洗わないとね」
澪「そうだな。じゃあ帰ろう」
唯「この年で手を繋ぐの?」
澪「小さい頃は唯から繋いできたんだぞ」
唯「・・・・確かにそうだったよ」
澪「この先も私が居ないと唯は危なっかしいしな」
唯「そんな事ないよ~」
澪「ははは。これからもよろしくな」
唯「こちらこそよろしくね♪澪ちゃん♪」
終わり。
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- 何かいいなこういうの -- (名無しさん) 2014-08-30 02:54:04