<先後の戦略>
通常は、攻方(王手をかける側)はどう受けられても詰む手を選び、受方(王手を外す側)は手数が最も長くなる受けを選びます。
攻方は通常通り受方の王を詰めようとし、受方も自らの王を詰まそうとして応手を行います。
攻方も受方も、受方の王が詰まないように王手と応手を行うにもかかわらず、詰んでしまいます。
攻方はなるべく受方の玉が詰まないように王手し、受方はなるべく早く自玉が詰むように応じます。
<対象>
攻方の玉を詰めます。
「自殺詰」が単体で用いられることは通常ありません。
「目的」が「詰」以外の場合、例えば「自玉ステイルメイト」となります。
(単玉で自玉がなくても、攻方を「目的」の状態にできる場合は「自玉」と呼びます)
「ばか詰」と「自殺詰」の複合ルールです。
攻方と受方が双方協力した上で、攻方の王将を詰めます。
王手は常に攻方から受方からに行われるのにも拘わらず、最終手では攻方側の王将が詰みます。
<目的>
王手は掛かっていないが合法手のない状態にします。
「協力自玉ステイルメイト」が一般的です。
(単玉の自玉ステイルメイトの場合は、単に合法手のない状態です)
先後が協力して最短手数で初形局面に戻します。
「協力千日手」が一般的です。
<復活>
駒が取られると、その駒は駒台に行かずに、指し将棋における初期位置に戻ります。
取られた時点のマスの位置から最も近い所へと戻り、既にそのマスが別の駒でふさがっている場合には通常通り敵の持ち駒となります。
玉だけはその対象外です。
→キルケ将棋
取った方の駒が初期位置に戻ります。
戻れない場合には「そのまま」となります。
受方の王が駒を取った場合、5一に戻るため、あらかじめ5一に駒を配置するか利きを作っておく必要があります。
→アンチキルケ将棋
取られた駒は取った駒のあった位置に移動し、場所が入れ替わります。
玉だけは例外として普通に取れます。
→PWC将棋
<所属変更>
駒取りを行った駒(玉を除く)は、着手後にその場で相手の駒となります。
①取ると二歩になる場合は、相手の駒になりません。
②駒の向きの転換は成・不成の選択後に行われ、成・不成の選択権は駒を取った側にあります。
③駒取りの場合に限り、8段目への桂の不成、9段目への桂香歩の不成が可能です。
(不成で相手の駒に成った場合に、二歩となる場合は除きます)
- Anti-Andernach(アンチ・アンダーナッハ)
駒を取らない盤上の移動(駒取り及び持駒を打つ以外の着手)を行った駒(玉を除く)は、着手後にその場で相手の駒となります。
①移動すると二歩になる場合は、相手の駒になりません。
②駒の向きの転換は成・不成の選択後に行われ、成・不成の選択権は駒を動かした側にあります。
③駒取りでない場合に限り、8段目への桂の不成、9段目への桂香歩の不成が可能です。
(不成で相手の駒に成った場合に、二歩となる場合は除きます)
<取り方・成り方・千日手>
駒を取れる状況ならば必ず取らなければなりません。
→取る一手将棋
駒を取らない指し手が可能であるならば、必ず駒を取らない手を指さなければなりません。
王手の回避などの必要が生じた際には、駒を取ることもできます。
→取らぬ一手将棋
駒を取ることができません。
駒を取ることによってのみ詰みを回避できる場合は、特別に許可されます。
→取らず将棋
駒を取ることができません。
駒を取ることによってのみ詰みを回避できる場合にも、禁止のままです。
→完全取らず将棋
成れません。
→不成将棋
同一局面が4回現われる手を禁手とします。
将棋の実戦とは異なり、連続王手かどうかは無関係です。
持駒の駒数が無限の場合は、有限回の増減があっても同一とみなします。
(本来は、連続王手でない千日手は指し直しです)
<指し方・打ち方>
着手は周囲8マスに何らかの駒が存在するような地点のみ有効です。
王手にもこの条件は適用されます。
打歩詰以外の詰手を禁手とします。
打歩以外の詰を禁手とする場合は「完全打歩」、打歩以外の詰を単なる失敗とする場合は「単純打歩」です。
先後双方に再帰的に適用されます。
<性能変化(同種の敵の利きにより影響)>
攻方と受方の同種(生駒と成駒は区別)の駒が互いの利きに入り合うと、両方とも利きがなくなり、動けなくなります。
玉は互いの利きに入ることはできません。
玉も利きがなくなるため、玉と玉とが互いの利きに入ることが可能になります。
→マドラシ将棋
同種(生駒と成駒は区別)の敵駒の利きに入る手が禁止となります。
王手をかけた状態で、その玉を「実際に」取ると同種の敵駒の利きに入ってしまう場合、
これを有効と認めるか否かでタイプ(A)とタイプ(B)とに分類されます。
このような王手は王手ではない(無効)とされます。
このような王手も王手(有効)とされます。
<性能変化(玉のみ敵の利きを参照)>
受方の玉の動きが、玉に王手をした駒の動きとなります。
王手をされていない時は通常の玉の動きになります。
<性能変化(敵を参照)>
攻方と受方の駒が向かい合わせになった時に、互いの利きが入れ替わります。
攻方と受方の駒が背中合わせになった時に、互いの利きが入れ替わります。
攻方と受方の駒が左右隣同士になった時に、互いの利きが入れ替わります。
異なる複数の敵駒がある場合は、それらを合成した利きになります。
八方桂の位置にある敵駒の利きに駒の利きが変わります。
異なる複数の敵駒がある場合は、それらを合成した利きになります。
<性能変化(味方を参照)>
味方の駒が縦に並んだ時に、上の駒が下の利きになります。
味方の駒が縦に並んだ時に、下の駒が上の利きになります。
味方の駒が横に並んだ時に、駒の利きが、左右にある味方駒の利きに変わります。
異なる複数の味方駒がある場合は、それらを合成した利きになります。
駒の利きが、八方桂の位置にある味方駒の利きに変わります。
異なる複数の味方駒がある場合は、それらを合成した利きになります。
味方の駒が縦に並んだ時に、上からn番目の駒が下からn番目の駒の利きになります。
→ネコネコ鮮詰(縦ネコネコ鮮詰):敵・味方を問わない
味方の駒が横に並んだ時に、右からn番目の駒が左からn番目の駒の利きになります。
→横ネコネコ鮮詰:敵・味方を問わない
<性能変化ルール>
①二歩について
性能変化ルールでは「玉を取った時、二歩になる手を有効とするか否か」でルール設定が分かれます。
有効とする場合は「利き二歩有効」、無効とする場合は「利き二歩無効」になります。
②行き所のない駒について
性能変化ルールでは、性能変化により利きが復活しうる位置であれば、一時的に行き所のない駒の存在も許されます。
安南:何も問題なし →何も禁止されない
安北:一段目の桂・香・歩は禁止 →一段目には打てない・不成では進めない
対面:一段目の桂・香・歩は禁止 →一段目には打てない・不成では進めない
背面:何も問題なし →何も禁止されない
<駒数>
通常の将棋に存在する駒数を越えて同じ駒が登場します。
指定駒を無限に持っています。
指定が特にない場合は、全種類の駒を無限に持っています。
使用駒の数や種類が通常と異なります。
<ルール変更>
受方から指し始めます。
手数の偶奇やルールから判別できる場合は省略されます。
最後に攻方に持駒が余ってもかまいません。
攻方に王手の義務がありません。
(王手をしてもかまいません)
複数の玉のどれかを詰ませます。
王手をどれかの玉に掛ければ良く、王手を外せなければ詰みとなります。
<出題形式>
解が複数あり、指定されたn個の解を求めます。
m手逆算してn手で詰む手順を求めます。
将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元します。
<玉の性能>
玉が指定駒の性能になります。
指定駒が成れる駒の場合、玉も成れます。
玉の性能が変わるだけであり、指定がない限り、使用できる駒種・駒数は通常通りです。
ルール名は、玉がどの駒になるか分かるよう「駒名+王」で表わします。
(例えば、玉が龍の性能の場合は「龍王詰」になります)
受方の玉が通常の玉とは異なる動き(
本将棋にない駒の動き)をします。
本来は玉が成ることはできませんが、
フェアリー駒では成れる場合があります。
成った状態の玉を「成玉」ではなく「宝」と呼びます。
- 駱駝(Camel)/縞馬(Zebra)/きりん(Giraffe)
フェアリー
チェスに登場する駒です。
いずれもナイトを拡張した動きです。
ナイトの進み方を1対2とした場合、「駱駝」は1対3、「縞馬」は2対3、「きりん」は1対4、となります。
- 伍(Five-Leaper)/梧(Root-50-Leaper)
フェアリー
チェスに登場する駒です。
いずれもナイトを拡張した動きです。
隣のマスへの移動を「距離1」とした場合、「伍」は直線で「距離5」のマス、「梧」は直線で「距離√50」のマスへ動きます。
「伍」は、縦横に5マスの地点、または斜めに3マス進み、元の地点から遠ざかるように縦横の隣にさらに1マスの地点に進みます。
「梧」は、斜め(√2)に5マス(5√2=√50)の地点、または縦横に7マス進み、進行方向と垂直方向に1マスの地点に進みます。
- G(Grasshopper):バッタ・イナゴ・キリギリス
フェアリー
チェスに登場する駒です。
クイーンの利き上にある駒を、1マス飛び越した先の地点に飛ぶことができます。
飛び越した先に敵駒があれば取ることもできます。
シャンチーの「包(炮・砲)」に少し似ています。
フェアリー
チェスに登場する駒です。
ナイトの利きの方向に(駒に阻まれない限り)何度でも連続飛びができます。
最終更新:2019年08月24日 23:09