日本の山
- この項目では日本の山のトップ99の名前と高さ、山についての概要を記入する。
- 山の標高は国土地理院発行の日本の山岳標高一覧に準拠。
- ほぼwikiの丸写しだが、可能な限り見やすいよう調整する。
- 詳細なデータが無い場合は、標高や位置情報のみ記載する。
1位 富士山 3,776.12
- 富士山(ふじさん、英語: Mount Fuji)は、静岡県(富士宮市、裾野市、富士市、御殿場市、駿東郡小山町)と、山梨県(富士吉田市、南都留郡鳴沢村)に跨る活火山である。
- 標高3776.12 m、日本最高峰(剣ヶ峰)の独立峰で、その優美な風貌は日本国外でも日本の象徴として広く知られている。
- 数多くの芸術作品の題材とされ芸術面のみならず、気候や地層など地質学的にも社会的に大きな影響を与えている。懸垂曲線の山容を有した玄武岩質成層火山で構成され、その山体は駿河湾の海岸まで及ぶ。
- 古来霊峰とされ、特に山頂部は浅間大神が鎮座するとされたため、神聖視された。噴火を沈静化するため律令国家により浅間神社が祭祀され、浅間信仰が確立された。また、富士山修験道の開祖とされる富士上人により修験道の霊場としても認識されるようになり、登拝が行われるようになった。
- これら富士信仰は時代により多様化し、村山修験や富士講といった一派を形成するに至る。現在、富士山麓周辺には観光名所が多くある他、夏季シーズンには富士登山が盛んである。
- 日本三名山(三霊山)、日本百名山、日本の地質百選に選定されている。また、1936年(昭和11年)には富士箱根伊豆国立公園に指定されている。その後、1952年(昭和27年)に特別名勝、2011年(平成23年)に史跡、さらに2013年(平成25年)6月22日には関連する文化財群とともに「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の名で世界文化遺産に登録された。
2位 北岳 3,193.2
- 北岳(きただけ)は、山梨県南アルプス市にある標高3,193メートルの山。赤石山脈(南アルプス)北部に位置し、富士山に次ぐ日本第2位の高峰である。
- 火山でない山としては日本で最も高い。日本百名山、新・花の百名山及び山梨百名山に選定されており、同じく日本百名山の一峰の間ノ岳、日本二百名山の農鳥岳とともに白峰三山を構成する。
- 「南アルプスの盟主」とも呼ばれる名峰であり、登山者からも飛騨山脈(北アルプス)の槍ヶ岳、穂高岳、剱岳などに並んで人気を誇る。
- 野呂川 (早川の支流) の源流の山であり、山体は他の県と接しておらず山梨県内に含まれる。全山古生層の堆積岩から成る。山体の東側斜面は北岳バットレスと呼ばれる岩壁があり、登攀対象ともなっている。
3位 奥穂高岳 3,190
- 穂高岳(ほたかだけ)は、中部山岳国立公園の飛驒山脈にある標高3,190mの山。日本第3位の高峰。日本百名山、新日本百名山及び花の百名山に選定されている。
- 奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、前穂高岳、西穂高岳、明神岳などの峰々からなる穂高連峰の総称。前穂高岳以外は主に長野県松本市と岐阜県高山市の境界に位置している。
- 主峰は奥穂高岳であり、長野県 (信州) と岐阜県 (飛騨) の最高峰である。北は大キレットの峻険な登降を経て、南岳、大喰岳の先の槍ヶ岳に連なっている。南は奥穂高岳より西穂高岳に至る痩せ尾根を経て、焼岳へと連なる。奥穂高岳より吊り尾根を経て、前穂高岳に至り、カール (圏谷) を下れば、上高地河童橋に至る。また、岐阜県側に穂高岳山荘から白出沢を下るか、あるいは西穂高岳からロープウェーかその下の道を下れば、新穂高温泉である。
- 穂高岳は、剱岳、谷川岳と共に日本三大岩場に数えられている。特に、涸沢岳から南岳の稜線の飛驒側には、谷川岳一の倉沢と並ぶ有数の岩場滝谷を擁する。滝谷は急峻なだけでなく、崩れやすい岩も多く、岩の墓場と形容される。また、前穂高岳の東側、奥又白谷の上部も角度の高い岩壁となっている (前穂東壁と呼ばれる) 。
- 穂高岳登山の拠点となる涸沢は、奥穂高岳と前穂高岳に挟まれた吊り尾根よりU字型にえぐられた圏谷で、夏でも雪渓が残る
3位 間ノ岳 3,189.5
- 間ノ岳(あいのだけ)は赤石山脈(南アルプス)北部にある標高3,189.5 mの山。飛騨山脈の穂高岳と並んで、日本第3位の高峰である。深田久弥の日本百名山のひとつ。山頂は山梨県と静岡県にまたがる。
- 山名の由来は、白峰三山の真ん中の山であるためとされている。南アルプスの最高峰である北岳の南側約3.3 kmに位置し、さらに南の農鳥岳とあわせて白峰三山と呼ばれている。 2014年4月1日に、国土地理院が最新の衛星測位システム(GNSS測量)に基づき標高を改定し、奥穂高岳と並んで日本で3番目の高峰となった。
- 南アルプスでは北岳に次いで第2の標高を誇り、日本百名山、及び山梨百名山に選定されている。山頂の東側には細沢カール(圏谷)がある。
- 白峰三山を全体としてみると高山植物の豊富な山域で間ノ岳も同様だが、山頂近辺に限っては岩屑帯で、高山植物は少ない。
- なお、山頂付近には地すべりによってできたと考えられる線状凹地が発達しており、この地滑りが起こる前は現在より数十メートル程度標高が高かったのではないか、と考えられている。そのため、現在でこそ日本で3番目の高さの山だが、最終氷期には日本最高峰だったのではないか、とも推定されている。その当時、富士山はまだ現在の高さに達しておらず、また2位の北岳との現在の標高差がわずか4 m弱しかない為である。
- 行政区域としては山梨県と静岡県の境に位置しており、山頂の南側は静岡県の最北端となっている。
5位 槍ヶ岳 3,180
- 槍ヶ岳(やりがたけ)は、飛騨山脈南部にある標高3,180mの山である。山域は中部山岳国立公園に指定されており、日本で5番目に高い山である。長野県松本市・大町市・岐阜県高山市の境界にある。初登攀は中田又重郎と修行僧の播隆上人。日本百名山、新日本百名山及び花の百名山に選定されている。通称「槍」。
- 名前の如く天に槍を衝く形が特徴的な高山であり、登山者でにぎわい、穂高岳などと共に多くの登山者の憧れの的となっている。
- 深田久弥は、『日本百名山』の中で
- 富士山と槍ヶ岳は、日本の山を代表する2つのタイプである。(中略)一生に一度は富士山に登りたいというのが庶民の願いであるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。— 深田久弥、『日本百名山』
と述べている。
- 開山者は、播隆上人(1786年 - 1840年)である。開山と登山道整備の歴史は 当該項目 を参照されたい。宗教目的以外での初登頂は1878年のウィリアム・ゴーランドで、1892年のウォルター・ウェストンがそれに続いた。
- そのピラミダルな山容にふさわしく、槍ヶ岳は四方に尾根と沢を伸ばしている。尾根は東西南北に、東鎌・西鎌・槍穂高・北鎌の四稜、沢は東南に槍沢、南西に飛騨沢(槍平)、北西に千丈沢、北東に天上沢の四沢である。梓川源流部の槍沢上部標高2,500m付近の天狗原に、天狗池があり周辺は氷河公園と呼ばれている。周辺は圏谷(カール)地形となっている。
6位 悪沢岳(荒川東岳) 3,141
- 荒川岳(あらかわだけ)は南アルプス国立公園内の赤石山脈(南アルプス)中央部にある前岳、中岳、悪沢岳(東岳)の3つの山の総称である。
- 荒川岳は別名荒川三山とも呼ばれる、いくつかのピークの集合体である。「三山」と呼ぶ場合は以下の3つを指す(以下、西から東への位置順に記す)。
- 前岳(荒川前岳) 標高3,068 m
- 中岳(荒川中岳) 標高3,084 m
- 悪沢岳(別名東岳または荒川東岳)標高3,141 m 日本第6位の高さである。
- さらに、その東側に位置する以下の2つの小ピークも荒川岳の一部分である。
- 丸山 標高3,032 m
- 千枚岳 標高2,880 m
- 中岳と千枚岳には三角点があり、その最高峰は悪沢岳である。
- 三山のうち中岳と前岳は距離が300 mと近接し、最低鞍部との標高差も20から30 mほどしかない。この二山と悪沢岳は距離も1 kmほど離れ、最低鞍部との標高差も180から240 mほどあるが、三山全体と、南北に連なる赤石岳・小河内岳との間の標高差が小河内岳側で約700 m・赤石岳側で約380 mと大きいため、三山全体で一つのまとまりをなした山と見ることができる。
- 荒川岳一帯には氷河によって削られた地形であるカール(圏谷)が数多く見られる。上部は森林限界のハイマツ帯で、非常に多くの高山植物が自生しライチョウの生息地となっている。カールの中腹や底は、いずれも大規模な高山植物のお花畑となっており、特に中岳、前岳から荒川小屋に下る斜面では、規模の大きなお花畑の真ん中を登山道が通っているため、盛夏には花のじゅうたんに囲まれながらの登山を楽しむことができる。
7位 赤石岳 3,120.53
- 赤石岳(あかいしだけ)は赤石山脈の長野県と静岡県にまたがる標高3,121 mの山である。南アルプス国立公園内にあり、日本百名山及び新日本百名山に選定されている。
- 北岳・間ノ岳・悪沢岳に次いで、南アルプスで4番目の高さである。山頂には一等三角点(点名が「赤石岳」)が設置されており、一等三角点としては最高所のものとなっている。山頂直下の南に赤石岳避難小屋があり、約700 m北に小赤石岳のピークがある。
- 稜線の東側斜面にはいくつかの圏谷が見られ、これは日本国内では最南端の氷河の痕跡である。南西斜面には「ゴーロ帯」と呼ばれる岩石氷河の地形が見られる。山頂付近では線状凹地が見られる。山体は輝緑凝灰岩や火砕岩などから構成される。
- また、小赤石岳から赤石岳山頂にかけては森林限界のハイマツ帯で、多くの高山植物のお花畑が広がっていて、ライチョウの生息地となっている。山域にも分布する赤石山脈が和名の由来である「アカイシリンドウ」は、環境省レッドリストの絶滅危惧IB類(EN)の指定を受けている。
- 亜高山帯には、ダケカンバ、シラビソ、トウヒ、ツガなどの原生林が広がる。ニホンカモシカ、ツキノワグマ、ニホンジカなどの哺乳類が生息する。静岡県側の周辺の山域は、特種東海製紙の井川社有林となっている。
8位 涸沢岳 3,110
- 涸沢岳は、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、前穂高岳、西穂高岳、明神岳などの峰々からなる穂高連峰の一つ。
- 白出のコル(穂高岳山荘)と北穂高岳の間の峰。奥穂高岳に次いで高い。涸沢方面から眺めると涸沢槍と呼ばれる鋭く尖ったピークが目立つ。9月後半頃に涸沢小屋周辺のナナカマドなどが真っ赤に紅葉し、涸沢槍とこの紅葉が撮影ポイントになり、多くの登山者が訪問する。
9位 北穂高岳 3,106
- 北穂高岳は、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、前穂高岳、西穂高岳、明神岳などの峰々からなる穂高連峰の一つ。
- 穂高連峰北端の山。日本有数の岩場である滝谷が西面にある。北峰と南峰の双耳峰で、北峰の山頂直下に北穂高小屋がある。
- 北側に伸びる南岳への稜線は大キレットと呼ばれ、飛騨泣きや長谷川ピークと呼ばれる難所がある。山頂から北東1km程の位置(標高2,500m地点)に、北穂池がある。
10位 大喰岳 3,101
- 大喰岳(おおばみだけ)は、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈南部に位置し、槍ヶ岳の南側に対峙する標高3,101 mの山。
- 山名は、群獣がこの付近に集まって山草を貪り食らったことにより、猟師の間で「大喰」と呼ばれたことに由来するとされる。山域は中部山岳国立公園に指定されている。
- 槍ヶ岳は東西南北に稜線を引き、北鎌尾根、東鎌尾根、西鎌尾根と呼ばれ、南側は鎌尾根とは呼ばないが3,000 m以上のピークが連続する稜線を引き、途中、大喰岳、中岳(3,084 m)、南岳(3,033 m)があり、穂高連峰へと続く。これらは氷食による圏谷地形と地盤の隆起の結果によるものである。
- 大喰岳は3,100 mを越え、日本で10位の高峰であるが、槍・穂高連峰の一峰で付属的な山とみなされ「…百名山」などに名を連ねることが無い。北側に間近に槍ヶ岳を望む。
11位 前穂高岳 3,090.2
- 前穂高岳は、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、前穂高岳、西穂高岳、明神岳などの峰々からなる穂高連峰の一つ。
- 奥穂高岳と吊り尾根でつながる峰。北東に北尾根が伸び、二峰・三峰・四峰・五峰・五六のコル・六峰・七峰・八峰・最低のコル・屏風のコル・屏風の耳・北尾根の突端の峰を屏風の頭(2,570m)へと鋸歯状の痩せ尾根が続き、その東北面が高度差1,000mの岩壁である屏風岩である。その西面には奥又白方面の岩場がある
12位 中岳 3,084
- 中岳(なかだけ/なかのだけ)は、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈南部に位置する標高3,084mの山である。山域は中部山岳国立公園に指定されている。
- 中岳は槍ヶ岳から南側に伸びる稜線上にあり大喰岳と南岳の間の一峰である。3,000メートルを越える高峰であるが槍・穂高連峰の一峰で付属的な山とみなされ「…百名山」などに名を連ねることが無い。1909年(明治42年)8月に、鵜殿正雄らのパーティーが上條嘉門次と同行し奥穂高岳から槍ヶ岳へ縦走する際に登頂した。槍ヶ岳と南岳との間にあることからこの時に中岳と命名したとされている。小島烏水は、中岳を「小槍ヶ岳」と記していた。
- 山頂直下の東面に巨大な「舞い姫」の雪形が見られることを山岳写真家の田淵行男が紹介した。中岳南東側斜面にある雪渓末端は「雲表のオアシス」と呼ばれ、夏季は水場となっている。
13位 中岳(荒川中岳) 3,083.68
- 中岳(荒川中岳) 標高3,084 mは、南アルプス国立公園内の赤石山脈(南アルプス)中央部にある荒川岳を構成する、前岳、中岳、悪沢岳(東岳)の3つの山の内の一つ。詳細は悪沢岳(6位)の項目を参照されたし。
14位 御嶽山 3,067
- 御嶽山(おんたけさん)は、長野県木曽郡木曽町・王滝村と岐阜県下呂市・高山市にまたがり、東日本火山帯の西端に位置する標高3,067 mの複合成層火山である。大きな裾野を広げる独立峰である。
- 2014年9月27日に7年ぶりに噴火。山頂付近にいた登山客が巻き込まれ、1991年雲仙普賢岳の火砕流による犠牲者数を上回る事態となった。 「2014年の御嶽山噴火」
- 木曽御嶽山、御嶽、王嶽、王御嶽とも称する。また嶽の字体を新字体で表記し御岳山や、単に御岳と表記されることもある。標高3,000mを超える山としては、日本国内で最も西に位置する。日本には同名の山(御嶽山・御岳山)が多数あり、その最高峰である。山頂には一等三角点(3,063.61 m、点名「御岳山」)と御嶽神社奥社がある。
- 古くから山岳信仰の対象の山として信者の畏敬を集めてきた巨峰で、いくつもの峰を連ねてそびえる活火山である。民謡の『木曽節』では「木曽の御嶽夏でも寒い袷やりたや足袋添えて」、『伊那節』では「わしが心と御嶽山の胸の氷は 胸の氷はいつとける」と歌われており、神聖な信仰の山であるとともに木曽を代表する山として親しまれている。
- 東海地方特に尾張地方ではほとんどの場所からその大きな山容を望めることから、「木曽のおんたけさん」として郷土富士のように親しまれている山である。日本百名山、新日本百名山、花の百名山、ぎふ百山のひとつに選定されている。旧開田村を代表する山として飛騨頂上、旧三岳村を代表する山として剣ヶ峰が「信州ふるさと120山」の一つに選定されている。1927年(昭和2年)に、大阪毎日新聞社と東京日日新聞社などにより日本二十五勝の一つに選定されている。
- 国立公園に指定されている飛騨山脈や赤石山脈と異なり、木曽山脈とともに国定公園にさえも指定されていない。長野県の御岳県立自然公園および岐阜県の御嶽山県立自然公園には指定されているものの、国立・国定公園に指定されなかったのは、木曽ヒノキを主とする林業の盛んな地域であるという事情がある。山腹は深い森で覆われ多くの滝があり、木曽川水系の源流部の山であり、その下流部である中京圏の水がめとなっている。
- 以前は死火山や休火山であると思われていた山であるが、1979年(昭和54年)10月28日に突如噴火した。気象庁は2008年(平成20年)3月31日に噴火警戒レベル1(平常)と噴火予報を発表した。 2014年(平成26年)9月27日に噴火、南側斜面を火砕流が流れ下り、噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられた。これに伴い、火口から概ね4kmの範囲が立入禁止区域に指定された。 2015年6月、火山性地震は続くものの2014年10月中旬以降噴火が観測されていないため、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引下げられた。これに伴い、立入禁止区域は火口から概ね1kmの範囲に変更された。 2017年8月、噴煙活動や山頂直下付近の地震活動は緩やかな低下が続いており、2014年10月中旬以降噴火の発生がないため、噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)に引下げられた。
- ただし現在も、火口から概ね1kmの範囲は立入禁止区域であり、「岐阜県北アルプス地区及び活火山地区における山岳遭難の防止に関する条例」により、御嶽山の火口から4km以内に立ち入る場合に登山届の提出が義務づけられている。
- また山頂付近には噴火に備えて、登山者向けの屋外スピーカー避難シェルターが設置されている。
15位 農鳥岳(西農鳥岳) 3,051
- 農鳥岳(のうとりだけ)は南アルプス国立公園内の赤石山脈(南アルプス)にある標高3,026 mの山である。山頂は山梨県と静岡県の県境にまたがる。日本二百名山、新日本百名山、及び山梨百名山に選定されている。
- 山頂は東西に分かれ、南東側の農鳥岳は標高3,026 m, 北西側の西農鳥岳が3,051 mである。名称の上からは農鳥岳が本峰扱いされ、三角点も農鳥岳にしかないが、標高は西農鳥岳の方が高い。北岳・間ノ岳とともに白峰三山の一つに数えられる。
- 名前の由来は、春に山頂東面に白鳥の形の残雪(雪形)が現れるためだとされている。しかし、似たような形の残雪は間ノ岳にも現れるため、明治時代までは現在の間ノ岳が農鳥岳と呼ばれる場合もあるなど、呼び方は一定していなかったようである。
- 山頂付近は森林限界のハイマツ帯で、高山植物が自生し、ライチョウ(雷鳥)の生息地となっている。深田久弥の「日本百名山」には含まれていないが、「間ノ岳」の項に農鳥岳の雪形についての記述がある。
16位 塩見岳 3,046.9
- 塩見岳(しおみだけ)は、長野県伊那市と静岡県静岡市葵区にまたがる標高3,052 mの山である。赤石山脈(南アルプス)中央部の南アルプス国立公園内にあり、山頂周辺はその特別保護地区に指定されている。頂上は長野県伊那市の最高点である。
- 山頂は100 m足らずの距離を隔てて西峰と東峰に分かれ、標高は西峰が3,047 m、東峰が3,052 mである。西峰には二等三角点(基準点名「塩見山」)が設置されている。塩見岳の標高は東峰の標高である。
- 仙丈ヶ岳から続く長大な仙塩尾根の南端に位置する。山頂南側の三伏峠と本谷山南斜面、北側の北荒川岳周辺と熊の平周辺は高山植物の群生地となっている。
- 鉄の兜(かぶと)にも似たドーム形の独特な山容で、遠方から眺めると独立峰のようなその山容が目立つ。日本百名山、新日本百名山、信州百名山の一つに選定されている。
17位 南岳 3,032.7
- 南岳(みなみだけ)は、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈南部に位置する標高3,033 mの山である。山域は中部山岳国立公園に指定されている。南岳と北穂高岳との間には大キレット(大切戸)と呼ばれる痩せ尾根の断崖絶壁が続く。
- 南岳は3,000メートルを越える高峰であるが槍ヶ岳および穂高岳に挟まれた稜線上の一峰に過ぎず、これらの付属的な山とみなされ「…百名山」などに名を連ねることが無い。
- 山頂には点名が「北穂高」の三等三角点(所在地は、岐阜県高山市大字神坂字保高岳715番)が設置されている。
- 槍ヶ岳から穂高岳に延びる尾根の南端にあることから、1909年(明治42年)に鵜殿正雄により南岳と命名された。
18位 仙丈ヶ岳 3,032.6
- 仙丈ヶ岳または仙丈岳(せんじょうがたけ・せんじょうだけ)は、長野県伊那市と山梨県南アルプス市にまたがる南アルプス国立公園内の赤石山脈の北部にある標高3,033 mの山である。
- 北東に小仙丈岳、南西に大仙丈岳の小ピークを従え、さらに大仙丈岳の南側には、南アルプス中部の塩見岳に至る長大な仙塩尾根が連なっている。
- また、尾根の間には、東側に小仙丈沢カール、北側に藪沢カール、南東側に大仙丈沢カールと三つのカール(圏谷)を擁し、山容は比較的穏やかであるが、西面は急峻で岳沢が沢登りや冬季の氷瀑登攀の対象となっている。
- 高山植物の非常に豊富な山として知られている。男性的な山容の甲斐駒ヶ岳に比べて女性的ななだらかな山容から「南アルプスの女王」とも称されることがある。日本百名山、新日本百名山、花の百名山、新・花の百名山、山梨百名山、信州百名山に選定されている。山体は赤石層群の硬砂岩・粘板岩・チャートで構成されている。
19位 乗鞍岳 3,026
- 乗鞍岳(のりくらだけ)は、飛騨山脈南部の長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる剣ヶ峰(標高3,026m)を主峰とする山々の総称。
- 山頂部のカルデラを構成する最高峰の剣ヶ峰、朝日岳などの8峰を含め、摩利支天岳、富士見岳など23の峰があり、広大な裾野が広がる。飛騨側の高山市街地などから大きな山容を望むことができ、親しまれてきた山である。剣ヶ峰は、本州を太平洋側と日本海側に分ける分水界上の最高峰でもある。
- 山体は岐阜県と長野県に跨がる活火山で日本で19番目に高い山。活火山ランクC。気象庁による常時観測対象の47火山に含まれるが山頂部に噴気地帯は存在しない。比較的新しい火山であることから穏やかな山容が特徴で、最新の噴火は2000年前の恵比寿岳での噴火とされている。
- 乗鞍岳を含む飛騨山脈の主な山域は1934年(昭和9年)12月4日に中部山岳国立公園の指定を受けた。長野県側の麓には溶岩流で形成された乗鞍高原が広がる。1949年に岐阜県道の観光道路で標高2,702 mの畳平までバスが運行されるようになると、大衆化し「雲上銀座」と呼ばれ観光地として賑わった。
- 長野県側からも畳平まで乗鞍エコーラインが開通し山麓にはスキー場が建設され周辺には温泉地があり、四季を通じて美しい景観に恵まれ、乗鞍岳の山域は観光地、保養地として発展している。日本百名山、新日本百名山、信州百名山、ぎふ百山、一等三角点百名山に選定されている。
20位 立山(大汝山) 3,015
- 立山(たてやま)は日本の飛騨山脈(北アルプス)北部、立山連峰の主峰で、中部山岳国立公園を代表する山の一つである。
- 雄山(おやま、標高3,003 m)、大汝山(おおなんじやま、標高3,015 m)、富士ノ折立(ふじのおりたて、標高2,999 m)の3つの峰の総称である。雄山のみを指して立山ということもあるが、厳密には立山連峰に立山と称する単独峰は存在しない。剱岳、鹿島槍ヶ岳、唐松岳とならび、日本では数少ない、氷河の現存する山である。
- 「立山」は単なる地理的な名称ではなく、室堂や地獄谷、弥陀ヶ原、立山カルデラという立山一帯を含んだ地理的な広がりと、立山信仰や遥拝登山など精神的な広がりを含んだ複合的な意味を持っている。
- かつて山体は立山カルデラにあり、元の立山火山の山頂部は侵食で喪失している。弥陀ヶ原と五色ヶ原はこの火山の火砕流堆積物や溶岩の台地である。ミクリガ池、ミドリガ池は火口湖であり、現在の立山火山の主な火山活動は地獄谷周辺の火山性ガスの噴出と温泉噴出である。
- 日本三名山、日本百名山、新日本百名山及び花の百名山に選定され、富山県のシンボルの一つとされている。
- 雄山の山頂には、雄山神社本宮がある。峰本社神殿右端の前には、測量の基準である大きな黒御影石の標石(標高点3,003 m)があり、その約70 m南南西に一等三角点(標高2,991.59 m、点名は立山)の標石が設置されている。
- 立山について万葉集には「多知夜麻」と記された。
21位 聖岳 3,013
- 聖岳(ひじりだけ)は、赤石山脈(南アルプス)南部の静岡市葵区と長野県飯田市の境界に位置する標高3,013 mの山である。日本百名山に選定されている。
- 南アルプス国立公園内にあり、主峰は標高3,013 mの聖岳(前聖岳と表記される場合がある)で、その東側約500 m の地点に奥聖岳、南側約800mの地点に小聖岳を従えている。
- 全国で21座ある3,000 m峰の中では最も標高が低い。南アルプス中で最南端の3,000 m峰である(日本最南端の3,000 m峰は富士山)。山頂周辺とその南側の標高2,300 m ほどに位置する聖平に、大規模な高山植物の群生地がある。
- 山名は、南東を流れる聖沢が肘(ひじ)を曲げたような形で、その「ひじ折る」や「へずり」が転化したのとされている。別名が「日知ヶ岳」(ひじりがたけ)。
- 南面にはカール地形がある。南西斜面には大規模な崩落地があり、赤色チャート(ラジオラリア盤岩)の露出地がある。
22位 剱岳 2,998.6
- 剱岳(つるぎだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)北部の立山連峰にある標高2,999 mの山。富山県の上市町と立山町にまたがる。中部山岳国立公園内にあり、山域はその特別保護地区になっている。日本百名山および新日本百名山に選定されている。立山、鹿島槍ヶ岳、唐松岳とならび、日本では数少ない氷河の現存する山である。
- 日本国内で「一般登山者が登る山のうちでは危険度の最も高い山」とされる。これは、その一般ルートが、一服剱 - 前剱 - 本峰の間で、岩稜伝いの鎖場やハシゴのルートになることによる。難所としてカニのヨコバイ・カニのタテバイと呼ばれる鎖場があるが、実際には、より容易な稜線で滑落事故などが発生している。また、クライマーと呼ばれる多くの一流登山家も、その岩場や雪山で、命を落としている。
- 最終氷期に発達した氷河に削り取られた氷食尖峰で、その峻険な山容は訪れる者を圧倒し、登山家からは「岩の殿堂」とも「岩と雪の殿堂」とも呼ばれている。
- 北から東の方角には、大窓をはじめとする「窓」と呼ばれる懸垂氷食谷が発達し、うち、「三ノ窓」と「小窓」の両谷には、日本では数少ない現存氷河である三ノ窓氷河と小窓氷河を擁する。南東の方角には日本三大雪渓の1つとして知られる剱沢雪渓があるが、こちらは氷体を伴わず、氷河ではない。
- 飛騨系の閃緑岩と斑れい岩の硬い岩から構成され、それを輝緑岩が貫いている。山の上部は森林限界のハイマツ帯で、ライチョウの生息地であり、アオノツガザクラやハクサンイチゲなどの高山植物が自生している。
23位 水晶岳(黒岳) 2,986
- 水晶岳(すいしょうだけ)は富山市南東部に位置する標高2,986mの飛騨山脈(北アルプス)の山である。山域は中部山岳国立公園に指定され、日本百名山に選定されている。 別名は、黒岳。
- 黒部川源流部での最高峰及び富山市の最高地点である。標高3,000m未満の山としては、2,999mの剱岳に次ぐ高さの山である。
- 山頂は切り立った岩の双耳峰で、三等三角点(点名は水晶山、所在地は富山県富山市大字有峰字黒部谷割10)のある北峰は2,977.7m 測定点である南峰は2,986mである。東斜面にはすり鉢状の圏谷地形(カール)がある。
- 山の上部は森林限界のハイマツ帯で、山頂の岩場からは飛騨山脈の大部分の山を見渡すことができる。南西に黒部五郎岳の圏谷地形を正面から望むことができ、北側に赤牛岳の赤い岩肌を望むことができる。
24位 甲斐駒ヶ岳 2,967
- 甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)は、南アルプス国立公園内の赤石山脈(南アルプス)北端の山梨県北杜市と長野県伊那市にまたがる標高2,967 mの山である。峻険な山容をもち、半ば独立峰のような姿勢で屹立する日本アルプス屈指の名峰で、日本百名山、新日本百名山、新・花の百名山、山梨百名山、信州百名山、日本百景に選定されている。
- 「駒ヶ岳」の名を冠する独立した山は全国に18山あるが、その中ではこの甲斐駒ヶ岳が最高峰であり、木曽駒ヶ岳が2,956 mでこれに続く。ただし、富士山の火口を取り巻く火口縁(いわゆるお鉢めぐり)の南側には、駒ヶ岳もしくは浅間岳と呼ばれる小突起があり、その標高は3,715 mである。
- 長野県側(特に甲斐駒ヶ岳と木曽駒ヶ岳に挟まれる伊那谷周辺)では、甲斐駒ヶ岳を東駒ヶ岳(ひがしこまがたけ)、木曽駒ヶ岳を西駒ヶ岳と呼ぶ。
- 南アルプスの山々は、高い標高と大きな山容を持ってはいるが、全般になだらかな稜線を連ねており、鋭角的な姿をした山は多くない。しかも、仙丈ヶ岳など南アルプスの他の多くの山は、前山に阻まれて人里からは間近に見えないことも多い。
- これに対して、甲斐駒ケ岳は、山梨県側の山麓から一気に2,500 mほどの標高差をもって立ち上がっており、中央本線沿線からもその全貌が望まれる。また、「日本百名山」を記した深田久弥も甲斐駒ヶ岳の項の中で、「甲斐駒ケ岳は名峰である。もし日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落とさないだろう」と述べており、その山容を絶賛している。
- さらに、水成岩の山が多い南アルプスの中で、例外的に火成岩である花崗岩から成るため、山肌が夏でも白く望まれることも、駒ヶ岳の個性を際立たせている。このため、甲斐駒ヶ岳は古くから多くの人々に名山として称えられ、詩歌に歌われてきた。
- 作家の宇野浩二はこの山を「山の団十郎」と評し、江戸時代の僧侶海量は、「甲峡に連綿として丘壑(きゅうがく)重なる 雲間に独り秀づ鉄驪(てつり)の峰」とその姿を漢詩に歌っている。
- 甲斐駒ヶ岳はまた、古くから信仰の対象ともなってきた。山梨県側の山麓の横手・竹宇両集落には駒ヶ岳神社が鎮座しており、そこから山頂にいたる黒戸尾根には現在も不動岩(威力不動尊を祀る)等の信仰にまつわる多くの石碑や石仏が残る。
25位 木曽駒ヶ岳 2,956
- 木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)は長野県上松町・木曽町・宮田村の境界にそびえる標高2,956mの山で、木曽山脈(中央アルプス)の最高峰。日本百名山、新日本百名山、花の百名山に選定されている。木曾駒ヶ岳とも表記され、また略して木曽駒と呼ばれる事もある。
- 駒ヶ岳の名を冠する山は日本の全国に多数あり、その最高峰である南アルプスの甲斐駒ヶ岳とこの木曽駒ヶ岳に挟まれる伊那谷では、この山を西駒ヶ岳または西駒、甲斐駒ヶ岳を東駒ヶ岳または東駒と呼ぶこともある。木曽前岳 (2,826m)、中岳 (2,925m)、伊那前岳 (2,883m)、宝剣岳 (2,931m) を含めて木曽駒ヶ岳と総称する場合もある。
- 木曽駒ヶ岳には、雪解けの時期にはいくつかの雪形が見られ、昔から農業の目安にされてきた。中岳には山名の元にもなった駒(馬)、極楽平の南には島田娘と種蒔き爺などが現れる。
26位 白馬岳 2,932.2
- 白馬岳(しろうまだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)北部の後立山連峰にある標高2,932 mの山。長野県と富山県とにまたがり、中部山岳国立公園内にある。
- 南に続く後立山連峰の山々とともに、南北に伸びる稜線の両側の傾斜が著しく異なる非対称山稜が発達している特徴的な山容を持つ。山頂を含む南北700 mの地帯は県境が設定されていない。山頂には一等三角点があり、一等三角点百名山に選定されている。
- 東側の谷筋には冬季の膨大な積雪と周囲の山塊からの雪崩が集積した日本最大の雪渓である白馬大雪渓がある。雪渓の上部は夏期には日本有数の高山植物のお花畑が広がる。日本百名山、新日本百名山、花の百名山及び新・花の百名山に選定されている。
- 鑓ヶ岳中腹の標高2,100 m地点には、日本有数の高所にある温泉である白馬鑓温泉があり、白馬大池の北麓には蓮華温泉がある。雪渓、お花畑、岩場、山の温泉と様々に楽しめる要素があり、交通の便も比較的良いことから、夏季にはたくさんの登山者が訪れて混雑する。
- なお、山頂直下に位置する白馬山荘は日本最大の収容人員を誇る山小屋である。夏期の登山者の大半は大雪渓を経由して登るため、夏休みの時期には大雪渓上は長蛇の列となることが多い。しかし、雪渓上は数年ごとに落石事故によって死傷者が出ているので、注意が必要である。
27位 薬師岳 2,926.0
- 薬師岳(やくしだけ)は富山県富山市南東部に位置する標高2,926 mの山。剱岳・立山と並ぶ飛騨山脈(北アルプス)立山連峰の主要峰である。山域は中部山岳国立公園に指定されている。山頂には二等三角点が設定されている。点名は「薬師ヶ岳」。所在地は、富山県富山市大字有峰字直川谷割39・黒部谷割国有林。
- 駒ヶ岳同様、日本各地には薬師岳という名の山が多数ある。全国的に知名度が高く、その最高峰がこの薬師岳である。
- 北アルプスの山で有数の、非常に大きなどっしりとした気品のある山容である。東斜面には、大規模な氷河地形の薬師岳圏谷(カール)群があり、国の特別天然記念物に指定されている。
- 立山などと同様に、薬師岳も山岳信仰の対象であり、阿弥陀浄土としての立山(雄山)に対し、薬師岳はその名の通り薬師如来の浄土として信仰を集めた。山頂にはこの薬師如来を祀った小さな祠があり、銅剣など、数々の修験の宝具が見られる。
- 有峰ダム完成により水没したかつての有峰集落の住民らは、毎年6月15日に山頂へ登拝を行っていた。有峰が廃村となると有峰側の登山道が廃れ、登山ルートは立山方面からの縦走によるものが主流となったが、有峰林道が開通した後は再び有峰側の登山路は重用されるようになった。
28位 野口五郎岳 2,924.3
- 野口五郎岳(のぐちごろうだけ)は、飛騨山脈中部にある、標高2,924mの山。
- 山頂付近は大石が堆積していて、灰色で茫洋とした山容が特徴的な山である。
- 名前の「野口」は、この山が属する長野県大町市の集落「野口」に由来し、「五郎」とは大きな石が転がっている場所を表す「ゴーロ」の当て字である。
- 歌手の野口五郎(本名:佐藤靖)は岐阜県美濃市出身であるが、芸名はこの山に由来する。
- 西側斜面には明瞭な圏谷(カール)である野口五郎カールが見られ、カール底にはモレーン堆積で形成された氷河湖の五郎池がある。
29位 鷲羽岳 2,924.2
- 鷲羽岳(わしばだけ)は飛騨山脈の大町市と富山市にまたがる標高2,924 mの山である。1934年(昭和9年)12月4日に中部山岳国立公園に指定され、山域はその特別保護地区になっている。また日本百名山にも選定されている。
- 北アルプスのほぼ中央部、黒部川の源流に位置する。「裏銀座」と呼ばれる飛騨山脈主稜線の縦走路上にあり、山の奥深い位置にあるため、登山道を利用して複数日かけて登頂されることが多い。
- 山頂は森林限界のハイマツ帯で見晴らしが良く、飛騨山脈の大部分の山々を見渡すことができる。山の北側はデイサイト、南側は花崗閃緑岩から成る。
30位 大天井岳 2,921.9
- 大天井岳(おてんしょうだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)にある標高2,922 mの山。長野県の大町市・安曇野市・松本市にまたがる常念山脈の最高峰。
- 大糸線有明駅の西15.9 kmに位置し、中房温泉から合戦尾根を経て槍ヶ岳へ登る表銀座縦走コースと常念山脈との分岐点の山である。ただし、登山道は山頂を通らず巻道となっている。中部山岳国立公園内にあり、日本二百名山に選定されている。
- 山体は中生代の花崗岩からなり、山頂部には中生代の輝緑岩が混じる。山頂部は森林限界を越える高山帯で、砂礫地にはハイマツが分布し特別天然記念物のライチョウの生息地となっている。山腹では、イワヒゲ、コマクサ、クモマスミレなどの高山植物が自生している。
- 山頂には、点名が「天章山」の三等三角点が設置されている。麓の安曇野から眺めるとピラミッド形状の常念岳や安曇富士ともよばれる有明山と比べると、奥まった位置にあるため目立たない存在となっている。
31位 西穂高岳 2,908.6
- 西穂高岳(にしほたかだけ)は、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる標高2,909 mの飛騨山脈(北アルプス)南部の山である。山域は中部山岳国立公園に指定され、花の百名山に選定されている。
- 上高地や東西の方角から眺めると鋸歯状に岩稜が連なる山容が特徴である。無雪期の登山シーズン中に、新穂高ロープウェイの終点の西穂高口や上高地からの登山者で賑わう。
- 西穂独標までは、穂高岳の入門コースとなっているが、西穂独標から山頂までは熟達者向きのコース、山頂から奥穂高岳までの区間の岩稜は北アルプスの主稜線上では屈指の難コースとなっている。西穂高岳落雷遭難事故の現場でもあり、今でも慰霊碑が鎮座し、慰霊登山を含む関係者らを迎えている。
32位 白馬鑓ヶ岳 2,903.1
- 鑓ヶ岳(やりがたけ)は、飛騨山脈(北アルプス)の後立山連峰にある標高2903mの山。長野県と富山県の県境に位置する。
- 北アルプス南部の槍ヶ岳と区別するために、一般には白馬鑓ヶ岳(しろうまやりがたけ)またはこれを略して白馬鑓(しろうまやり)と呼ばれる。ただし、非公式の読みであるが「はくばやりがたけ」あるいは「はくばやり」と読まれることも多い。
- 白馬岳・杓子岳と併せて「白馬三山」と称される。なお、山頂直下には石灰岩の露頭が見られ、極稀に三葉虫などの化石が産出される。
33位 赤岳 2,899.2
- 赤岳(あかだけ)は、長野県南佐久郡南牧村、諏訪郡原村、茅野市、山梨県北杜市にまたがる標高2,899 mの山。八ヶ岳中信高原国定公園南部に位置し、八ヶ岳連峰の最高峰である。
- 山名は山肌が赤褐色であることに由来し、山頂は南峰と北峰に分かれており、南峰に一等三角点と神社がある。北峰には赤岳頂上山荘がある。南峰とその南の権現岳との間はキレット(鞍部)となっている。麓は冬はスキー客で、夏は避暑地として賑わう。
34位 笠ヶ岳 2,897.5
- 笠ヶ岳(かさがたけ)は、岐阜県高山市にある飛騨山脈の標高2,898 mの山である。中部山岳国立公園内にあり、日本百名山及び新・花の百名山に選定されている。
- 丸いお椀型の隆起がなだらかな稜線の上に、ポッカリと突き出た特徴的な姿で、北は立山連峰、南は御嶽山からでも、一目でそれと分かる山容をしている。山名もその笠を伏せたような姿に由来している。日本の各地に同名の山が複数あり、その最高峰である。
- 春になると、山頂直下を頭とする馬の雪形が現れ、高山盆地からも望むことができる。飛騨では、この雪形が現れる頃が田植えの時期と昔から言い伝えられている。
- 北は、槍ヶ岳西鎌尾根と双六岳を結ぶ東西の稜線上の樅沢岳に至り、南は岩峰で日本有数のロック・クライミングのルートを持つ錫杖岳に連なっている。また、高原川の支流の蒲田川の源流を挟んで、東の槍穂高連峰と対峙している。北西側は金木戸川(高原川の支流)の源流となっている。
35位 広河内岳 2,895
- 広河内岳(ひろごうちだけ)は、山梨県と静岡県とにまたがる赤石山脈にある山。標高は2,895m。
- 農鳥岳の南2kmほどのところにあり、この広河内岳より南の赤石山脈を白峰南嶺という。
36位 鹿島槍ヶ岳 2,889.1
- 鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)は、富山県黒部市、中新川郡立山町および長野県大町市にまたがる後立山連峰(飛騨山脈)の標高2,889 mの山。中部山岳国立公園内にある。後立山連峰の盟主とされる。
- 山頂は南峰(標高2,889 m)と北峰(標高2,842 m)からなる双耳峰で、吊尾根と呼ばれるなだらかな稜線で繋がっている。山頂部は森林限界を越える高山帯で、1922年(大正11年)10月12日に多くの高山植物が自生する白馬岳や五竜岳を含む周辺の西面は「白馬連山高山植物帯」の特別天然記念物に指定された。日本百名山、花の百名山、新・花の百名山の一つに選定されている。
- 旧北安曇郡にあった旧美麻村を代表する山として鹿島槍ヶ岳の眺望が『信州ふるさと120山』の一つに選定されている。剱岳・立山・唐松岳と並び、日本では数少ない氷河の現存する山である。
37位 別山 2,880
- 別山(べっさん)は、富山県・飛騨山脈(北アルプス)の立山連峰にある標高は2,880mの山。
- 立山から北方へ真砂岳を望み、その先の稜線上にある。かつて『今昔物語』において「帝釈山」と呼ばれた。別山に、雄山、浄土山を合わせて「立山三山」と呼ばれている。山頂部には、「硯ヶ池」がある。標高2880mで、日本でも高所の池である。
- 山頂から北方を望むと、剣沢越しにそそり立つ剱岳の雄姿が眼前に迫り、登山者の定番スポットとなっている。
38位 龍王岳 2,872
- 龍王岳(りゅうおうだけ)は、富山県中新川郡立山町にある飛騨山脈立山連峰の山。標高は2,872 m。日本で38番目の高さの山である。富山県登山連盟の富山の百山の一つ。
- 立山連峰に属する山で、室堂平からはその山容は見えないが、懺悔坂から龍王岳の岩峰が見える。山の東西はどちらも小規模なカールとなっている。龍王岳と鬼岳の間にあるU字状の谷(窓)は富山平野から見える氷河地形の一つである。
- 黒部川側のカール底では、龍王池という小さな氷河湖があり、かつて一ノ越山荘でその湖水を利用していたことから「山荘池」と言われていた。現在の一ノ越山荘の水源は龍王岳北側の雪渓である。
- 山頂は狭いが360度見える。立山カルデラの崩壊地と黒部川のV字谷などを見ることができる。
39位 旭岳 2,867
- 旭岳は(あさひだけ)は、富山県宇奈月町にある標高2,867mの山。
- 白馬岳のすぐ西方にあって、衛星峰といった存在だが、この山を北方の朝日岳―雪倉岳の稜線から眺めると、鋭い兜のような山容を見せて、一見白馬岳と錯覚するほどの存在感を放つ。
- 白馬岳から越中の祖母谷(ばばだに)温泉に下る道がこの山の南山腹を走っており、付近は高山植物で埋まっている。白馬岳との鞍部には例年大雪田が残り、その北側、柳又谷の源頭には氷河地形が見られる。
40位 蝙蝠岳 2,865
- 蝙蝠岳(こうもりだけ)は、静岡県静岡市葵区の赤石山脈(南アルプス)中部に位置する標高2,865 mの山。
- 南アルプス国立公園内の塩見岳から南東に延びる枝尾根上にある。以前は大井川東俣から山頂付近まで林道が延び、盛んに木材の伐採が行われていた。
- 「釜沢岳」の古称もあった。周辺の山域は特種東海製紙株式会社の井川社有林である。山頂部は森林限界のハイマツ帯の砂礫地である。
41位 赤牛岳 2,864.2
- 赤牛岳(あかうしだけ)は、飛騨山脈中部にある標高2,864mの山。山域は1934年(昭和9年)12月4日に中部山岳国立公園の特別保護地区に指定され、日本二百名山に選定されている山である。
- 赤茶けた山肌と、牛が寝そべっているような穏やかな山容が山名の由来とされている。牛の山の最高峰である。
42位 空木岳 2,863.7
- 空木岳(うつぎだけ)は長野県駒ヶ根市、飯島町、大桑村にまたがる標高2,864 mの山。木曽駒ヶ岳山群以外では木曽山脈(中央アルプス)で最も標高の高い山であり、日本百名山に選定されている。
- 1951年(昭和26年)に、中央アルプス県立自然公園(後の中央アルプス国定公園)に指定された。『日本百名山』の著者である深田久弥が同著を執筆する際、木曽山脈南半分から一つ選ぼうとして南駒ヶ岳と空木岳とで迷った結果、最終的にはわずかに背が高いこと、そして山名の美しさから空木を選んだという。
- また山頂には、二等三角点があり、花崗岩の大きな岩が乱立する。山頂直下の北東には空木駒峰ヒュッテがあり、その先の稜線上には「駒石」(写真)と呼ばれる巨石がある。東北東に広がる空木平カールには無人小屋の空木平避難小屋がある。
43位 真砂岳 2,861
- 真砂岳(まさごだけ)は、飛騨山脈北部の立山連峰の富山県中新川郡立山町にある標高2,861 mの山。
- 日本で43番目に高い山で、中部山岳国立公園内にあり山域はその特別保護地区の指定を受けている。山頂部の山容は台形に近く、北側の標高2,861 mと南側の2,860 mの小ピークからなる。
- 黒部川水系剱沢南股の支流の一つである真砂沢の源流となる山であり、真砂沢の上部の真砂沢カールでは夏の終わりにも雪渓が見られる。
- 山体は花崗岩からなり、東面の内蔵助川源頭部には内蔵助(くらのすけ)カールがある。各方面から登山道が開設されていて、山頂直下東北東0.4 kmの真砂尾根上に内蔵助山荘がある。
44位 双六岳 2,860.3
- 双六岳(すごろくだけ)は、長野県大町市と岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈の裏銀座の主稜線に位置する標高2,860 mの山である。
- 双六岳を含む飛騨山脈の主な山域は1934年(昭和9年)12月4日に中部山岳国立公園の指定を受けている。花の百名山、ぎふ百山、新高山市100景の一つに選定されている。
- 北側には飛騨山脈の主稜線が延び、三俣蓮華岳で立山連峰が後立山連峰へと延びる主稜線から分岐する。この山頂で稜線は東南東に向きを変えて槍ヶ岳、穂高岳へと主稜線が続き、東南東の隣のピークの樅沢岳から南西に分岐した稜線が弓折岳を経て笠ヶ岳へと続く。
- また、新穂高温泉からの1955年(昭和30年)に開設された小池新道の先には、双六岳と樅沢岳との鞍部がある。各方面からの登山道が交差する要所にあり、双六小屋がある。
- 双六岳は椀を伏せたような緩やかな高原状の山体で、山頂は砂礫の台地となっていて周氷河地形の線状構造土が見られ、その上に浮かぶ槍ヶ岳と穂高岳の展望地である。日本で44番目に高い山。山頂には二等三角点が設置されている。点名は「中俣岳」、所在地は岐阜県高山市大字金木戸字中俣岳695番地。
- 神通川水系最上流部の双六谷にすごろくの碁盤に似た盤の石があることが、山名の由来であるとする説がある。また「四五六谷」が転化して双六谷になったとする説もある。
45位 常念岳 2,857
- 常念岳(じょうねんだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)南部の常念山脈にある標高2,857 mの山である。山体すべてが長野県に属し、松本市と安曇野市にまたがる。常念山脈の主峰。日本百名山のひとつ。
- 安曇野からは全容が望め、ピラミッド型のその端正な山容は一目瞭然ですぐ見つけられる。常念岳のこの印象的な形状は東に隣接する前常念岳の峰が重なって見える安曇野市豊科以南から眺める場合で、安曇野市穂高以北になるとそれぞれの峰が独立して見えるためまた印象が違って見える。
- なお、安曇野から眺められる北アルプスは、常念山脈が主役で、穂高岳、槍ヶ岳といった山々は、常念岳、蝶ヶ岳、大滝山といった前衛の常念山脈に隠れ、場所によってその間から顔を出す程度である。
- 安曇野のシンボルであり、長野県立こども病院のマークにも使われている。常念岳の北側の山体は花崗岩質からなり、南側の不変成古生層と大きく異なる境界となっている。東側の山腹には常念岳断層が確認されている。高山帯の山頂部には花崗岩の岩塊が積み重なっている。
46位 三ノ沢岳 2,846
- 三ノ沢岳(三沢岳)(さんのさわだけ)は、木曽山脈(中央アルプス)の主稜線上にある宝剣岳から南西方向に延びた尾根上にある標高2,847 mの山。山体すべてが長野県に属し、木曽郡上松町と大桑村にまたがる。地形図では「三沢岳」と表記されているが、三ノ沢岳が用いられることが多い。
- 麓の木曽谷の上松町、木曽駒ヶ岳や宝剣岳などから、端正な三角錐のその美しい山容を眺めることができる。木曽川の支流の滑川及び伊奈川に挟まれた稜線上の山で、それぞれの川の支流の三ノ沢の源流となっている。この三ノ沢の源頭部の山であることが山名の由来である。
- 山頂には、三等三角点(点名「三ノ沢」[1])があり、大きな岩が乱立する展望台となっている。
47位 三ツ岳 2,845
- 三ツ岳(みつだけ)は富山県富山市と長野県大町市の境界線上ある山で、北アルプスの南部に位置する。標高2,845m。
48位 三俣蓮華岳 2,841.2
- 三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)は飛騨山脈にある標高2,841mの山。古くは立山七十二峰の1つに数えられてきた。山域は中部山岳国立公園に指定されている。日本三百名山に選定されている。
- 三俣蓮華岳はほぼ飛騨山脈の中央部に位置する。比較的なだらかな山容で東側に圏谷地形(カール)があり、高山植物が咲き乱れるお花畑の豊富な山として知られる。とりわけ双六岳との間の巻き道は花が豊富である。中生代の花崗閃緑岩から成る山である。
49位 南駒ヶ岳 2,841
- 南駒ヶ岳(みなみこまがたけ)は、長野県の木曽山脈にある標高2,841 mの山。日本二百名山に選定されている。
- 南駒ヶ岳は北の空木岳、南は越百山へと続く木曽山脈の主稜線上にある。山頂付近には花崗岩の岩が乱立しており、小さな神社の祠がある。
- 遮るもののない山頂からは360度の展望が得られる。山頂の東側には摺鉢窪カールがあり、摺鉢窪避難小屋が建っている。また、カール下部には山肌が大きく崩れ落ちた百間ナギと呼ばれる箇所があり、現在も崩壊を続けている。森林限界のハイマツ帯には高山植物のお花畑が広がっている。
- 伊那谷側の山麓の飯島町からは、春になるとカール上部に五人坊主の雪形を見ることができ、農作業の時期の目安として古くから利用されてきた。
- 深田久弥が日本百名山を選ぶ際、木曽駒ヶ岳に次ぐ木曽山脈の2つ目の山を南駒ヶ岳と空木岳のいずれにするか最後まで迷ったが、最終的にはわずかに背が高いこと、そして山名の美しさから空木岳を選んだ。
50位 観音ヶ岳(鳳凰山) 2,841
- 鳳凰山(ほうおうざん)は山梨県の南アルプス北東部にある3つの山の総称である。鳳凰山とはどの山を指すのか歴史的には諸説あったため、地蔵ヶ岳・観音ヶ岳・薬師ヶ岳の3山の総称として特に鳳凰三山とも呼ばれる。南アルプス国立公園内にあり、日本百名山、新日本百名山、新・花の百名山および山梨百名山に選定されている。
- 鳳凰三山を構成する山は、地蔵ヶ岳、観音ヶ岳、薬師ヶ岳である。地蔵ヶ岳の西に赤抜沢ノ頭、薬師ヶ岳の南に砂払岳の小ピークがある。(国土地理院地図では単に「砂払」と表記)
- 地蔵ヶ岳と赤抜沢ノ頭との鞍部は「賽ノ河原」と呼ばれ多くの石地蔵が安置されている。
- 鳳凰山は南アルプスの主脈からは離れており、山がある支脈は甲斐駒ヶ岳から始まり、アサヨ峰、高嶺、鳳凰山へと続いている。鳳凰山の山頂部は3山とも森林限界上のため眺めがよく、天気が良ければ、北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、富士山などが眺められる。
- 鳳凰山の東に視界を遮る山はなく甲府盆地が広がっているため、非常に開放感の高い山である。茶色っぽい山が多い南アルプスの中で、甲斐駒ヶ岳とともに例外的に花崗岩の白い山肌となっている。
51位 黒部五郎岳 2,839.6
- 黒部五郎岳(くろべごろうだけ)は、富山県富山市、岐阜県飛騨市及び高山市にまたがる飛騨山脈の標高2,840mの山である。別名、中ノ俣岳(なかのまただけ)、鍋岳。黒部五郎岳は富山県側、中ノ俣岳は岐阜県側の古来の名称。
- 日本百名山及び花の百名山に選定されている。山域は中部山岳国立公園に指定されている。
- 立山連峰が薬師岳より南下して、太郎兵衛平から北ノ俣岳を経て続くなだらかで広々とした稜線の先に、大きなな圏谷を抱く特異な山容を見せる。
- 花崗閃緑岩で構成され、山頂付近は岩が積み重なった砂礫地である。
52位 横岳 2,830
- 横岳(よこだけ)は南八ヶ岳連峰にある山。標高は2,830 mで、八ヶ岳連峰のなかでは、最高峰赤岳に次ぐ高さである。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
- 横岳の山頂は奥ノ院とも呼ばれる。山頂付近は、ギザギザと小ピークが連続しており、赤岳側から順に二十三夜峰、日ノ岳、鉾岳(ほこたけ)、石尊峰(せきそんほう)、三叉峰(さんしゃほう)、無名峰、奥ノ院と並んでいる。
- 奥ノ院の山頂には2,829 mの山頂標が立っている。国土地理院地図上では横岳の標高ならびに山頂の位置は2,829mの無名峰とされていたが、2019年に山頂の位置が奥ノ院に変更され、その標高は2,830mとなった。
- また稜線の西側に位置する大童心と小童心(国土地理院地図上の名称はそれぞれ大同心、小同心)は、岩登り・アイスクライミングの対象となっている。
53位 祖父岳 2,825
- 祖父岳(じいだけ)は、富山県富山市にある山である。飛騨山脈の雲ノ平の東に位置しており標高は2,825m。
- 溶岩台地である雲ノ平のピークで、安山岩とデイサイトから成り立っている。山頂部はなだらかで、悪天候時には道に迷いやすい。
54位 針ノ木岳 2,821
- 針ノ木岳(はりのきだけ)は、富山県中新川郡立山町と長野県大町市にまたがる標高2,821 mの山。中部山岳国立公園内にあり、後立山連峰の最南端の山である気がする。
- 大糸線信濃大町駅の西北西10.4 kmに位置し、針ノ木峠を挟んで蓮華岳と対峙している。大町側からは、大きな山容の蓮華岳が手前にあるため、針ノ木岳の方がやや標高が高いにもかかわらず、はっきりと見ることができない。
- ピラミッド型の端正な山容で、日本二百名山及び新・花の百名山に選定されている。東西の主稜線は同じような勾配であり、白馬岳のような後立山連峰の特長である非対称山稜は見られない。
- 高瀬川の支流である篭川の上流部に日本三大雪渓の一つ、針ノ木大雪渓がある。針ノ木岳の源流部の厩窪(マヤクボ)沢にはカール地形がみられる。山体は濃飛流紋岩型の溶結凝灰岩からなる。
55位 大沢岳 2,819.4
- 大沢岳(おおさわだけ)は、長野県飯田市と静岡県静岡市葵区にまたがる赤石山脈(南アルプス)南部の標高2,820 mの山。日本で55番目に高い山。
- 山域の上部は南アルプス国立公園の特別保護地区、西面などの中腹はその特別地域の指定を受けている。山名は天竜川水系遠山川の北又沢の支流「大沢」の源頭部の山であることに由来する。
- 上部は高山帯でハイマツが分布し、ライチョウが生息する。周辺の山域では、ニホンジカなどによる植物の食害が確認されている。
56位 兎岳 2,818
- 兎岳(うさぎだけ)は、赤石山脈(南アルプス)南部の長野県飯田市と静岡市葵区の境界に位置する標高2,818 mの山である。南アルプス国立公園内にあり、すぐ北側には小兎岳(標高2,738 m)がある。
- 赤石山脈の主稜線上、聖岳から西北西に伸びた尾根が、北北東に屈曲する点に位置する。兎岳の北には中盛丸山、大沢岳、そして赤石岳が連なる。兎岳の山頂は、静岡県側と長野県側にまたがっているが、県境稜線をやや西に外れた長野県側に、三等三角点(点名は兎岳、標高2799.33 m)がある。
- 西側の天竜川の支流の遠山川の谷間からは、雄大な兎岳の山容を望むことができる。
57位 五竜岳 2,814.1
- 五竜岳(ごりゅうだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)後立山連峰にある標高2,814 mの山。山体は富山県黒部市と長野県大町市にまたがり、山頂部は富山県側に位置する。男性的な山容で、日本百名山の一つ。「竜」のみを旧字体にして五龍岳と表記されることもある。旧字体による表記は「五龍嶽」。
- JR東日本大糸線神城駅の西8.4 kmに位置し、中部山岳国立公園内にある。鹿島槍ヶ岳と並んで、後立山連峰の主要峰の一つである。両山は丁度吊橋の支柱の様に日本三大キレットの一つである八峰キレットを挟む形で鎮座している。
- 両山はそれぞれ逆側(鹿島槍ヶ岳は南側から、五竜岳は北側から)からは登りやすいが、両山を縦走するためには、難所である八峰キレットを通過しなければならない。山頂部は濃飛流紋岩型の溶結凝灰岩、山腹は黒雲母花崗岩からなる。
- 山頂部は森林限界を越える高山帯で、1952年(昭和27年)に多くの高山植物が自生している南斜面は白馬岳周辺の山域と共に白馬連山高山植物帯の特別天然記念物に指定された。コケ植物のナンジャモンジャゴケが、1951年(昭和26年)初めて五竜岳で採取された。イワヒバリ、カヤクグリ、コマドリなどの亜高山帯の鳥が生息している。
- 山頂の北西2.0 kmの餓鬼谷上流部の左岸斜面には、1906年(明治39年)に発見され翌年から鉱山の操業が行われた「大黒銅山跡」がある。そこで精錬された銅は牛により唐松岳と八方尾根を経由して運ばれ1918年(大正7年)に閉鎖された。
58位 東天井岳 2,814
- 東天井岳(ひがしてんしょだけ)は、長野県安曇野市と松本市との境にある山である。標高は2,814mあり飛騨山脈(北アルプス)に属する。
- かつては二俣小屋という山小屋が建っていたが、現在は石垣が残るだけになっている。
- 呼び名は、正式名称ではなく「ひがしてんしょうだけ」と呼ばれることが多く、「ひがしてんじょうだけ」と呼ぶ人もある。
- 大天井岳「おてんしょだけ」も同様、「おてんしょうだけ」「おおてんじょうだけ」「だいてんじょうだけ」と呼ばれることが多い。 ちなみに、漢字では、東大天井岳とも表記される。
59位 抜戸岳 2,812.8
- 抜戸岳(ぬけどだけ)は、岐阜県高山市にある飛騨山脈南部の標高2,812.8 mの山。
- 槍ヶ岳と双六岳を結ぶ主稜線上の樅沢岳から南西方向に笠ヶ岳に続く稜線の途中にあり、中部山岳国立公園内にある。ぎふ百山の一つである。山頂の東斜面に大きな崩壊地がありこれが「ぬけ」と呼ばれ、山名の由来となっている。
60位 杓子岳 2,812
- 杓子岳(しゃくしだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)の後立山連峰にある標高2,812mの山。長野県と富山県にまたがる。
- 白馬岳・鑓ヶ岳と併せて「白馬三山」と呼ばれる。
- 後立山連峰の主稜線上にあり、登山道は西側の山腹を巻くトラバース道がメインとなっており、その途中に頂上へと至る道に分岐する。斜面は概ねガレている。
- 非対称山稜であり、長野県側は大きく落ちている。崖の下部には大きな杓子沢があり、積雪期には山スキーをするために訪れる者もいる。 また、山頂周辺はコマクサの群落地でもある。
61位 中盛丸山 2,807
- 中盛丸山(なかもりまるやま)は長野県と静岡県にまたがる山。標高は2,807m。赤石山脈(南アルプス)南部に属する。
62位 阿弥陀岳 2,805
- 阿弥陀岳(あみだだけ)は、八ヶ岳南部、赤岳の約1 km西に位置する標高2,805 mの山。八ヶ岳では赤岳、横岳に次いで3番目に高い山である。
63位 上河内岳 2,803.0
- 上河内岳(かみこうちだけ)は、静岡市葵区と長野県飯田市の境界に位置する標高2,803 mの山である。赤石山脈南部の南アルプス国立公園内にあり、日本二百名山に選定されている。
- 大井川の支流の上河内沢の源流部の山である。山頂の南西方向に周氷河地形の名残である窪地状の亀甲状土の地形が見られる。周辺は「御花畑」と称する高山植物の群生地となっている。北側の南岳との間にも高山植物の群生地がある。山頂部は森林限界を越えた岩場で、360度の展望が得られる。この周辺のハイマツ帯には雷鳥が生息している。
64位 小河内岳 2,801.6
- 小河内岳(おごうちだけ、こごうちだけ)は長野県下伊那郡大鹿村と静岡県静岡市葵区の境界に位置する赤石山脈(南アルプス)の標高 2,802 m の山である。
- 南アルプス国立公園内の塩見岳と荒川岳との間にあり、三伏峠の南東に位置する。赤石山脈の主稜線上では比較的里に近く、鳥倉林道を利用すると日帰り登山も可能である。
- 山頂からは荒川岳が南側に馬近くに望め、富士山、北アルプス、中央アルプスを望むことができる。山頂部は森林限界のハイマツ帯の砂礫地でライチョウの生息地となっている。山名は大鹿村側の小渋川の支流「小河内沢」の源流の山であることに由来する。「釜沢岳」の古称もあった。
- 静岡県側の東山腹は特種東海製紙株式会社の井川社有林で、明治から伐採・植林が行われていた。
65位 アサヨ峰 2,799.1
- アサヨ峰(アサヨみね)は、赤石山脈の甲斐駒ヶ岳と鳳凰山とを結ぶ早川尾根上にある山である。標高は2,799m。甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳といった南アルプス北部の山々を好位置で展望することができる。
- 山名の由来は、「朝早くから日が当たる山」という意味と言われている。
66位 蓮華岳 2,798.6
- 蓮華岳(れんげだけ)は、飛騨山脈北部、富山県中新川郡立山町と長野県大町市とにまたがる標高2,799 mの山。日本で66番目に高い山。針ノ木峠を挟んで針ノ木岳の東側に対峙している。
- 東西に長い頂稜は、濃飛流紋岩型の溶結凝灰岩からなる。山頂の西には若一王子神社の奥宮があり、山頂には二等三角点(点名が「蓮華岳」、標高2,798.73 m、1902年(明治35年)に選点)が設置されている。
- 山頂付近の砂礫地の斜面には、コマクサ、アオノツガザクラなどの高山植物が自生している。針ノ木峠までの後立山連峰の南側に位置し、麓の大町市から眺めると円錐形のどっしりとした山容である。
- 蓮華岳の山域を含む飛騨山脈の主要な山域は、1934年(昭和9年)12月4日に中部山岳国立公園の指定を受けた。日本山岳会により日本三百名山の一つに選定されている。
- 針ノ木岳と蓮華岳が大町市を代表する山として「信州ふるさと120山」の一つに選定されている。別称が、烏帽子岳と北針ノ木岳。周辺との山並みを蓮の花に見立てその中心の山であることが山名の由来であると見られている。
67位 薬師岳(鳳凰山) 2,780
- 薬師ヶ岳(やくしがたけ)は鳳凰山(ほうおうざん)の3つの山の内の一つ。詳細は50位の項目を参照されたし。
68位 高嶺 2,779
- 高嶺(たかみね)は山梨県の山で、南アルプスの北部に位置する。標高は2,779m。
69位 熊沢岳 2,778
- 熊沢岳(くまざわだけ)は長野県駒ヶ根市と木曽郡大桑村の境にある標高2,778mの山。木曽駒ヶ岳から空木岳への木曽山脈(中央アルプス)主稜線にある。
- 中央アルプス主稜線の登山道を縦走する際に通過する場合が多い。これを含む周囲の五つのピークを熊沢五峰と呼ぶことがある。
- 山頂には大きな花崗岩の尖った岩があるが、三角点はない。東側斜面は、天竜川の支流の太田切川の本谷源流となっていて、池の平カールがある。山頂付近は、森林限界のハイマツ帯で、高山植物が見られる。
70位 剣御前 2,776.6
- 剣御前(つるぎごぜん)は富山県の標高2,776.6mの山。飛騨山脈(北アルプス)の北部に位置する。
71位 赤岩岳 2,768.7
- 赤岩岳(あかいわだけ)は長野県にある標高2,768.7mの山。飛騨山脈(北アルプス)の南部に位置する。
72位 横通岳 2,767.0
- 横通岳(よことおしだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)南部に位置する常念山脈の長野県松本市と安曇野市にまたがる標高2,767.1 mの山。
- 日本で73番目に高い山で、山域は中部山岳国立公園内にある。常念岳から大天井岳への縦走路が西側の山腹を通ることが山名の由来である。
- 東山麓の安曇野一帯から望むと常念岳と寄り添うように、北側に並んで望める。その山容は常念岳と同様にピラミッド型。
- 地質は風化しやすい新期花崗岩で、岩稜と砂礫の明るい山稜。山頂付近の西斜面の高山帯では高山植物であるキバナシャクナゲやコマクサの群落が見られる。
73位 大籠岳 2,767.0
- 大籠岳(おおこもりだけ)は山梨県と静岡県にまたがる山で、標高は2,767.0m。赤石山脈(南アルプス)の中部に位置し、農鳥岳から稜線沿いに南側、約3kmの場所にある。
- あまり登られることはない山で、広河内岳からの縦走路は比較的歩かれているものの、不明瞭な箇所もある。
74位 小蓮華山 2,766
- 小蓮華山(これんげさん)は、飛騨山脈(北アルプス)後立山連峰にある標高2,766mの山。新潟県と長野県の県境にまたがる。大日岳(だいにちだけ)とも呼ぶ。
- 新潟県の最高峰である。頂上には鉄剣が立っている。以前は石仏を祀る祠も立っていたが、山頂部崩落により失われ、頭部が欠損した石仏のみが残る。
- 小蓮華山の標高は、以前は2,769mであったが、2007年(平成19年)夏に山頂部分が崩落しているのが発見された。三角点の標石も落下していたため、国土地理院は2008年(平成20年)秋になって新たに三角点を設置し、測量し直した。その結果、崩落後の最高地点の標高は2,766mであることが分かった。
- 2009年(平成21年)より、足掛け3年に渡り放送されたNHKスペシャルドラマ、坂の上の雲のスタッフロールの背景は、雷鳥坂から山頂に至る尾根で撮影された。
75位 地蔵岳(鳳凰山) 2,764
地蔵岳は鳳凰山(ほうおうざん)の3つの山の内の一つ。詳細は50位の項目を参照されたし。
- 地蔵ヶ岳の山頂部はオベリスク(地蔵仏)と呼ばれる巨大な尖塔があり、鳥のくちばしに見立てられることから鳳凰の山名由来になっていると考えられている。オベリスクはこの山域の象徴的存在で甲府盆地からも注意して観察するとその姿を見ることができる。
- 地蔵ヶ岳山頂の2個の巨石が相抱くように突き上がっていることから、古人がこれを大日如来に擬して崇拝し法王山の名が付いたことが山名の由来であるとする説もある。
76位 燕岳 2,762.9
- 燕岳(つばくろだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)にある標高2,763 mの山。山体すべてが長野県に属する。日本二百名山及び新日本百名山に選定されている。
- 常念山脈に属し、北アルプス三大急登の一つである合戦尾根を登り切った稜線上にある。1934年(昭和9年)12月4日に中部山岳国立公園に指定され、山頂付近は特別保護区域、その周辺は特別地区に指定されている。
- 中房温泉が登山口であり、大天井岳を経て槍ヶ岳へ向かう表銀座コースの始点でもある。花崗岩でできた独特の山体を持ち、高山植物の女王と言われるコマクサの群生がある。周辺のハイマツ帯には、ライチョウが生息している。
- 山名は、春の雪形がツバメに似ているためつけられた。1915年(大正4年)の長谷川如是閑の『日本アルプス縦走記』で燕岳が記され、この10年前からの期間内で命名されたとする説がある。
77位 硫黄岳 2,760
- 硫黄岳(いおうだけ)は、長野県の茅野市と南佐久郡南牧村にまたがる標高2,760 mの山。八ヶ岳連峰にあり、八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
- 山頂付近はなだらかだが、南北両側に巨大な爆裂火口跡があり、断崖絶壁となって鋭く切れ落ちている。
- 硫黄岳のみを目指して登山する者もいるが、アプローチが長い。多くの登山者は、硫黄岳とともに赤岳・横岳など南八ヶ岳の山々を巡る縦走をセットにして登っている。
- 登山道から数百 m外れた場所に国土地理院が設置した三角点があるほか、「御料局三角点」というものが、アメダスロボット雨量計跡付近にある。
78位 西岳 2,758
- 西岳(にしだけ)は長野県にある山。標高2,758m。飛騨山脈(北アルプス)の南部に位置する。
79位 樅沢岳 2,755
- 樅沢岳(もみさわだけ)は、岐阜県高山市と長野県大町市にまたがる飛騨山脈の標高2,755 mの山。山域は中部山岳国立公園の特別保護地区の指定を受けている。
- 北には双六岳、三俣蓮華岳へと、南は、槍ヶ岳、穂高岳へと国境尾根(西鎌尾根)が続き、西へは笠ヶ岳への稜線が延びている。また、新穂高温泉から小池新道を登って来ると、双六岳と樅沢岳との間に出る。このように、各方面への登山道が交差する位置にあり、双六小屋が建っている。
- 東方向は、高瀬川源流部を隔てて常念山脈の表銀座の峰々と対峙している。 山頂からは、槍ヶ岳までの西鎌尾根が一望でき、絶好のカメラスポットとして人気が高い。
- 樅沢岳は、裏銀座縦走コース途中の山であり通過者は多い。この山自体を登山目標にされることはあまりないが、新穂高温泉から双六岳とセットで登る登山者はある。
80位 スバリ岳 2,752
- スバリ岳(スバリだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)北部の後立山連峰にある標高2,752 mの山。長野県と富山県とにまたがり、中部山岳国立公園内にある。
- 黒部湖の東岸にあり、北の大スバリと南の小スバリの2峰からなる。東面には大スバリ沢と小スバリ沢がある。
- 「スバリ」は深い谷(すぼまる)を意味していて、その源流部の山となっていることが山名の由来とされている。またイワヒバリが巣を張るような岩壁が多いことから地元で「岩巣張り」と呼ばれたことに由来するとする説もある。針ノ木岳との間の鞍部は「厩窪(まやくぼ)のコル」と呼ばれている。
81位 駒津峰 2,752
- 駒津峰(こまつみね)は山梨県と長野県に属する山。標高2,752m。赤石山脈(南アルプス)の北部に位置する。
82位 仙涯嶺 2,734
- 仙涯嶺(せんがいれい)は、長野県上伊那郡飯島町と木曽郡大桑村にまたがる標高2,734 mの山。木曽山脈(中央アルプス)の主稜線上にある痩せた岩尾根のピークで、日本で82番目に高い山。
- 周辺の木曽山脈の山域は1951年(昭和26年)11月22日に長野県の中央アルプス県立自然公園(後の中央アルプス国定公園)に指定された。
- 南駒ヶ岳と越百山との間にあり、山の上部は高山帯であり、ハイマツやトウヤクリンドウなどの高山植物が分布している。周辺ではハイマツの種子を餌とするホシガラスが見られる。
- 山頂部は鋭い尖塔の岩場で風化しやすい伊奈川粗粒花崗閃緑岩で構成されている。西面は今朝沢谷に向かって切れ落ちた断崖絶壁である。山頂は見晴らしが良く、東に赤石山脈(南アルプス)とその稜線越しに富士山、周辺の中央アルプスの山々、西に糸瀬山その遠方に白山、御嶽山などを望むことができる。
- 山頂付近の稜線からは東に伊那谷を見下ろすこともできる。麓の飯島町役場からは、南駒ヶ岳の南側に山頂部を望むことができる。別称として「前岳」と呼ばれていた。
83位 笹山 2,733
- 黒河内岳(くろごうちだけ)は、山梨県と静岡県とにまたがる赤石山脈白峰南嶺にある山。北峰(2,733m)と南峰(2,717.6m)からなる双耳峰で、三角点は低いほうの南峰に設置されている。
- 黒河内岳は赤石山脈の主稜線の、間ノ岳から農鳥岳方面へ派生する尾根(白峰南嶺)上にある。この枝尾根は南の太平洋近くまで延びている。別名を笹山(ささやま)と呼ばれるが、実際はハイマツ帯であるためササは生えていない。山梨百名山のひとつに選定されている。
84位 将棊頭山 2,730
- 将棊頭山(しょうぎかしらやま)は、木曽山脈(中央アルプス)にある標高2730mの山。木曽駒ヶ岳の北に位置し、山体すべてが長野県に属する。
- 山の姿が将棋の駒に似ているところから名前がついた。
- 日本の分水界が山頂の間近まで迫っているが、将棊頭山の山頂に降った雨は、東は天竜川、西は木曽川へと集まり、いずれも太平洋へ注いでいる。ちなみに、分水界は、山頂の北西約1kmの胸突ノ頭付近で、日本海に注ぐ信濃川水系の奈良井川の源流となっている。
- 山頂の南側には、1913年(大正2年)に発生した長野県中箕輪高等小学校(現在の箕輪町立箕輪中学校)の集団登山の遭難事故(木曽駒ヶ岳大量遭難事故)を記念する碑がある。この遭難事故をもとに、のちに作家新田次郎が小説『聖職の碑』を著している。
85位 檜尾岳 2,728
- 檜尾岳(ひのきおだけ)は長野県駒ヶ根市と木曽郡大桑村にまたがる標高2,728 mの山。木曽山脈(中央アルプス)木曽駒ヶ岳から空木岳への主稜線の中間に位置する。
- 木曽川の支流の伊奈川及び天竜川の支流の太田切川の源流となっている。山体は木曾駒花崗岩の中粒花崗閃緑岩で構成され、周辺では周氷河地形と南側では線状凹地の二重山稜の地形が見られる。
- 山頂付近は、森林限界のハイマツ帯で、高山植物が見られる。山頂には、三等三角点(点名が「梯子樽」)がある。
86位 烏帽子岳 2,726
- 烏帽子岳(えぼしだけ)は長野県下伊那郡大鹿村と静岡県静岡市葵区の境界に位置する赤石山脈(南アルプス)の標高2,726 mの山である。
- 南アルプス国立公園内の塩見岳と荒川岳との間にあり、三伏峠の東に位置する。赤石山脈の主稜線上では、比較的里に近く、鳥倉林道を利用すると、日帰り登山も可能である。
- 山頂からは塩見岳が間近に望め、富士山、北アルプス、中央アルプスなども望むことができる。三伏峠との間には高山植物の群生地がある。
87位 小太郎山 2,725
- 小太郎山(こたろうやま)は山梨県に属する山。標高は2,725m。
- 南アルプス・白峰山脈北端の山。縦走路から外れているために、訪れる人は少なく、隣の北岳が賑わう時でも静かな山旅が楽しめる。山頂からの北岳、仙丈ケ岳、鳳凰山等の展望は素晴らしい。
88位 権現岳 2,715
- 権現岳(ごんげんだけ)は、八ヶ岳連峰の南部に位置する山。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
- 標高 2,715 m 。江戸時代末期までは長野県富士見地域では「薬師ヶ嶽」とも呼ばれた。
- 北側の赤岳との間は、キレットとなっていて一気に落ち込んでいる。権現岳から南の八ヶ岳連峰には、自身より高い山はないため、山頂からは赤石山脈(南アルプス)を見渡すことができる。
89位 南真砂岳 2,713
- 南真砂岳(まさごだけ)は長野県の山。標高は2,713m。飛騨山脈(北アルプス)の南部に位置する。
90位 白山(大汝峰) 2,702
- 白山(はくさん)は、日本の北陸地方、白山国立公園内の石川県白山市と岐阜県大野郡白川村にまたがる標高2,702mの活火山である。
- 富士山、立山と共に日本三霊山の一つである。日本百名山、新日本百名山、花の百名山及び新・花の百名山に選定されている。最高点の御前峰(ごぜんがみね)には、一等三角点と白山比咩神社奥宮がある。
- 白山は、富山県、石川県、福井県、岐阜県の4県にまたがる両白山地の中央に位置し、その最高峰である。山頂周辺は、成層火山となっている。30万年から40万年前から火山活動を始め1659年(万治2年)の噴火が最も新しい。
- 白山とは、最高峰の御前峰(標高2,702m)・剣ヶ峰(2,677m)・大汝峰(2,684m)の「白山三峰」を中心とした周辺の山峰の総称である。よって厳密には単独峰ではないため、単に「白山」と称した場合は、その跨ぐ県境は石川・福井・岐阜・富山各県に及ぶ。また、別山・三ノ峰を加えて「白山五峰」という。「白山連峰」と呼ばれることもある。
- 北陸地方の中では標高の高い山であるため、他の山では残雪が消えた季節でも「白い山」として遠方からでも一目で判明する山である。また、白くなった白山は北陸に晩秋が訪れた象徴ともなる。
- かつては「越白嶺」と書いて「こしのしらね」と呼ばれ、その名残が現在の白山周辺の地名「白峰」として残っている。その後、「白山」と書いて「しらやま」と読む時期を経て、現在の呼称となっている。
91位 北荒川岳 2,697.6
- 北荒川岳(きたあらかわだけ)は標高2,697.6mの山。赤石山脈(南アルプス)に位置する。
92位 唐松岳 2,696.4
- 唐松岳(からまつだけ)は飛騨山脈(北アルプス)の後立山連峰にある長野県北安曇郡白馬村と富山県黒部市にまたがる標高2,695.9 mの山。別名が上犬ヶ嶽。剱岳・立山・鹿島槍ヶ岳と並び、日本では数少ない氷河の現存する山である。
- 日本で92番目に高い山で、日本山岳会による日本三百名山、岩崎元郎による新日本百名山、清水栄一による信州百名山に選定されている。
- 唐松岳北側の峻険な岩峰(「不帰嶮」)は、後立山連峰を縦走するうえでの難所として知られる。東側の「八方尾根」は1998年(平成10年)の長野オリンピックのアルペンスキー競技の会場である。
- 山域の大部分は中部山岳国立公園内にある。1964年(昭和39年)8月20日に「八方尾根高山植物帯」が、長野県による天然記念物の指定を受けている。1999年(平成11年)12月24日に八方尾根にある「鎌池湿原」が、白馬村による天然記念物の指定を受けている。
93位 安倍荒倉岳 2,692.6
- 安倍荒倉岳(あべあらくらだけ)は、静岡県静岡市と長野県伊那市にまたがる南アルプス国立公園内の赤石山脈にある標高2,693 mの山である。仙丈ヶ岳から塩見岳に続く仙塩尾根上にある。
94位 鋸岳 2,685
- 鋸岳(のこぎりだけ)は赤石山脈(南アルプス)北端に位置する標高2,685メートルの山。日本二百名山および山梨百名山に選定されている。山頂周辺は南アルプス国立公園の特別保護地区に指定されている。
- 甲斐駒ヶ岳の北西に隣接する山で、その名のごとく鋸状の急峻な山容をしている。三角点は北端に近いピーク(2,606.8メートル)にあるが、それより南側の第一高点(2,685メートル)・第三項点・第二高点(2,675メートル)の方が高い。その南東側に、烏帽子岳(2,594メートル)と三ツ頭(2,589メートル)が続く。
- 戸台口からの南アルプス林道バスの車窓からは、途中で鋸岳の全貌を見渡すことが可能である。
- 富士川(釜無川)および天竜川水系の戸台川の支流の源流の山である。
95位 赤沢岳 2,678
- 赤沢岳(あかさわだけ)は、富山県黒部市と長野県大町市にまたがる後立山連峰の山。標高は2,677.8 m。 富山県登山連盟の富山の百山の一つ。
- 後立山連峰上のピークで、針ノ木岳の北約2.5km地点にある。山頂は瓦礫帯で一部ハイマツが生え、眺めがよく周囲に立山連峰や後立山連峰の山々や五色ヶ原、黒部湖などが見える。
- 山頂の西尾根は黒部湖まで続く岩稜で、クライミングで頻繁に登られる。この尾根の途中の2533m地点には奇岩「猫ノ耳」がある。
96位 蝶ヶ岳 2,677
- 蝶ヶ岳(ちょうがたけ)は、飛騨山脈(北アルプス)にある標高2,677mの山。常念山脈の稜線上、常念岳の南にあり、山体すべてが長野県に属する。中部山岳国立公園内にある。
- 蝶槍の南に三等三角点(標高2,664.32m、点名は蝶ヶ岳)があり、長塀ノ頭が最高点(標高2,677m)である。1990年(平成2年)頃に、蝶ヶ岳の山頂は前者から後者と解釈するように変わったとされている。
- 山体はなだらかで、蝶ヶ池、妖精ノ池などの湖沼が点在する。稜線は、二重稜線となっている。この二重稜線が積雪に大きく関与するため、高山植物の分布に影響を与えている。山頂付近は、森林限界のハイマツ帯で、ライチョウの生息地となっている。
- 1640年代(正保)の絵図に蝶ヶ岳の山名の表記があった。5月下旬から6月上旬頃に、蝶ヶ岳山直下南側の稜線付近に白い羽根のチョウの雪形が現れる。安曇野(安曇野市豊科付近)から見えるこの雪形を農耕の目安としていた。山名の由来はこの雪形に由来している。
- また5月下旬頃に、蝶ヶ岳の三角点の付近の稜線付近に「黒い蝶」の雪形が見られる。山岳写真家の田淵行男は『山の紋章・雪形』で、この白い蝶をミヤマモンキチョウに例えた。
97位 東川岳 2,671
- 東川岳(ひがしかわだけ)は長野県にある山。標高2,671m。木曽山脈(中央アルプス)に属する。
98位 赤沢山 2,670.3
- 赤沢山(あかさわやま)は長野県にある山。標高は2,670.3m。飛騨山脈(北アルプス)に属する。
99位 爺ヶ岳 2,669.8
- 爺ヶ岳(じいがたけ)は、富山県中新川郡立山町と長野県大町市にまたがる、飛騨山脈(北アルプス)・後立山連峰南部の標高2,670 mの山。山名は長野県側では「じいがたけ」と頭高型アクセントで発音される。また栂山・栂谷ノ峯・後立山・五六ヶ岳・爺岳・爺子岳の別称を持つ。
- 北峰(標高2,630 m)・本峰(中央峰)・南峰(標高2,660 m)の3峰からなり、女性的な山容である。南下してきた稜線は、ここで西に向きを変えている。南峰と本峰の間の白沢の上部には、春に種蒔きをする老爺の雪形が見られ、農耕の目安に利用されてきた。この雪形が山名の由来である。
- 中部山岳国立公園内にあり、山頂部がその特別保護地区、東山腹の一部地域がその特別地域と普通地域に指定されている。さらに日本三百名山、新日本百名山、花の百名山の一つに選定されている。白沢天狗尾根の南東山腹には爺ヶ岳スキー場がある。