デザインの対象



芸術品

デザインと聞いて真っ先に思い浮かぶものとして芸術品がある。色合いや形に特徴を持たせ、作り手の想いやアイデアを絵や造形物で表現する。それらが見る人々に伝わることで、芸術として捉えられる。

彫刻や造形などそれ自体が美術品を目的として作られほか、実用物に機能美を持たせることもある。日本に代表されるものとしては、日本刀や鉄橋、工場など見るものを感動させる色や形を作り出す。

もの

芸術性を表現するものや商品は世にたくさんある。洋服はデザイナーが芸術性をアピールし、個性を表現しあう。オーダーメイドの高級仕立て品であるオートクチュールや、個々の洋服をコーディネイトするなど、着る側がデザインを作り出すこともできる。

建築やインテリアも芸術性を発揮するものが多くある。建物全体設計のほか、部屋や家具、照明などを工夫する。多くの製品がデザイン性を競う時代となっている。

近年ではその対象が「もの」から「こと」へと変化してきており、プロダクトだけのデザインではなく、そのあり方や使い方などデザインの範囲が広がっている。時にはソフトウェアのプログラムなどでも、その美しさを競うことがある。

全体設計

デザインという言葉は一般ビジネスシーンでも多く使われる。グランドデザイン、デザイン思考といったように、全体設計をする場合に用いられる。コンサルティング業務はクライアント企業をデザインすることであり、様々な会社によるコラボレーションも関係性のデザインである。

デザインには付加価値をつける要素がある。ホワイトキャンパスに描く製作前の下絵作りだけでなく、プロセスや実行、そして形作ることまでもがデザインである。この様に広義でデザインの要素を組み入れる動きが広がっている。

集合体

社会をデザインする、それは新たな社会を創りだしていくことである。まちや組織がそこに属する人たちによってデザインされる。所属する人達自らが考え、個ではなく全体として実践し続けることが大切である。

コミュニティなど人が集う場においては、人が集まるときだけでなくその前後のデザインが重要である。あり方をデザインし、皆で共有しあう。フューチャーセンターなど、未来の普通を皆でデザインしていくような場もある。

生活

繋がりをデザインする上でコミュニケーションは大切な要素である。そこには言葉だけではない繋がりがあり、国境をも越えていく。生活をデザインすることは、一般社会において必要であるが、ビジネスシーンにおいても求められる。ペルソナなどで特徴的な人をデザインすることはその手法の一つである。

人生におけるデザインは、自分自身を創り上げることである。未来を考えることで自身のキャリアをデザインする。これは働く人だけでなく、すべての人に必要なライフデザインという概念である。

気持ち

デザインは形あるものだけではなく、無形物も対象となる。人間の欲求を考慮したデザイン。感性を共有したり、自分の考えや理屈をデザインする。

人との係わり合いにおいて大切な感謝や笑顔。デザインの対象としてこういった感情を思い浮かべながら、考えていくことは重要である。

時空

「今」という時間は過去から創り上げられたものであり、未来に繋がっていく。そういった時間の流れもデザインの対象である。時間が止まったものではなく、連続性を意識したデザインが大切である。

時間だけでなく空間もデザインの対象。それは建物や建造物のような特定のものだけではなく、広がる空間全体を考慮する。ときには時空を超えた想像性を発揮する考え方も必要である。












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最終更新:2011年11月07日 14:43