鵡幻白装エーデルヴァイス
鵡幻白装エーデルヴァイス(むげんびゃくそう-)は、かざね氏制作の黒歴史SFロボットアニメ、および同一の世界観を持つ一連の作品群の総称。キャッチコピーは「命は、分かり合えない。」。
本項目では、それら作品群全体を通しての説明を交えながら本編(鵡幻白装~)の解説を行う。
鵡幻白装エーデルヴァイス(むげんびゃくそう-)は、かざね氏制作の黒歴史SFロボットアニメ、および同一の世界観を持つ一連の作品群の総称。キャッチコピーは「命は、分かり合えない。」。
本項目では、それら作品群全体を通しての説明を交えながら本編(鵡幻白装~)の解説を行う。
鵡…鸚鵡(オウム)。人真似をする鳥、引いてはその行為自体を指す言葉。転じて、人を惑わすものの意。
1 ストーリー
1-1 あらすじ
この世の森羅万象を解明する「万物理論」により科学技術が飛躍的に進歩した近未来の地球。世界が一丸となって進める積極的な宇宙開発は、第三次世界大戦の傷跡を癒し人々に希望を与えていた。
そんな中、地球で生まれ育った人間(テラノイド)と宇宙生まれの人間(アステリアン)の間に生まれた軋轢はいつしか取り返しがつかぬほどに大きくなり、結果として五十年の平和な時を打ち破る大戦争が幕を開けた。
そんな中、地球で生まれ育った人間(テラノイド)と宇宙生まれの人間(アステリアン)の間に生まれた軋轢はいつしか取り返しがつかぬほどに大きくなり、結果として五十年の平和な時を打ち破る大戦争が幕を開けた。
しかし、ほとんどの者は気付いていなかった――本当の脅威がすぐそこまで近付きつつあることに。
1-2 『鵡幻白装エーデルヴァイス』本編開始までの歴史
西暦2082年。五十年前に地球にて締結された世界永世平和宣言(DWP)以来、宇宙開発の速度は飛躍的に促進され、今や冥王星を拠点とした最前線開発団がエッジワース・カイパーベルトにおける新たな資源惑星を探索する段階まで到達していた。既知の天体の終端。宇宙開発の始まりから約百年、人類はとうとう終焉にその手を伸ばしたのだ。
外宇宙の調査にも乗り出した現代。人類は皆、オールトの雲を抜け新たなる産声を上げる時が近付いているのだと確信していた。誰もが新時代の到来を待ち望んでいたのだ。
外宇宙の調査にも乗り出した現代。人類は皆、オールトの雲を抜け新たなる産声を上げる時が近付いているのだと確信していた。誰もが新時代の到来を待ち望んでいたのだ。
――火種。
開拓者精神を燃やし、無限の夢と希望が眠る新世界・宇宙へと次々版図を広げる地球人(テラノイド)。それに対し、宇宙にて生まれ育った者たち……宇宙人(アステリアン)はその精神的な拠り所を持たぬ、生まれながらの孤児だった。
地球人には理解できぬ、「故郷が無い」という苦悩。切っ掛けはきっと些細なことだったのだろう。しかし、その軋轢はいつしか取り返しのつかないものへと広がっていった。
地球人には理解できぬ、「故郷が無い」という苦悩。切っ掛けはきっと些細なことだったのだろう。しかし、その軋轢はいつしか取り返しのつかないものへと広がっていった。
そして、その事件は起きるべくして起きた。
月面都市ルブラン・マージュで発生した大規模テロ。首都ランブランを制圧したテロリスト一派は、月機能の全てを掌握し、地球に宣戦布告した。
「イクリプス」。彼らはそう名乗り、武装した五百機のテロメア・ドライブ(平均全長15m前後のロボット。人類の手足として宇宙開発に用いられてきた)を従え地球への降下作戦を開始した。
抵抗すれば、月面に設置された軌道エレベーター「キャリバーン」による質量弾の射出が行われる。目標は唯一つ、地球、新世界連合中枢「カテドラル」――。
この事態を打開するため、極秘に進められていたテロメア・ドライブ開発プラン「プロジェクト・ノアーズ・アーク」の最新鋭機、型式番号NX-3(ネクサス・スリー)・ガルーダが出撃した。
たった一騎での反抗作戦。地球側の抵抗と見なされれば質量弾攻撃が行われてしまうことを考慮し、一切の支援は行われない。戦史上はこう処理される。戦時下に起こされた、一人のテラノイドによる、反乱行為であると……。
作戦を認可した政府の高官たちのほとんど全員が、この作戦に一抹の希望すら抱いていなかったと言われる。長らく平和という名の毒に漬かってきたテラノイドにとって、この戦争は既に負けたものとしか捉えられていなかったのだ。
だが……神鳥は羽ばたく。たった一つの地球を守るために。たった一つの月を奪い返すために。人類の希望を守り、そして野望を打ち砕くために――、孤立無援の戦いが幕を開けた。
月面都市ルブラン・マージュで発生した大規模テロ。首都ランブランを制圧したテロリスト一派は、月機能の全てを掌握し、地球に宣戦布告した。
「イクリプス」。彼らはそう名乗り、武装した五百機のテロメア・ドライブ(平均全長15m前後のロボット。人類の手足として宇宙開発に用いられてきた)を従え地球への降下作戦を開始した。
抵抗すれば、月面に設置された軌道エレベーター「キャリバーン」による質量弾の射出が行われる。目標は唯一つ、地球、新世界連合中枢「カテドラル」――。
この事態を打開するため、極秘に進められていたテロメア・ドライブ開発プラン「プロジェクト・ノアーズ・アーク」の最新鋭機、型式番号NX-3(ネクサス・スリー)・ガルーダが出撃した。
たった一騎での反抗作戦。地球側の抵抗と見なされれば質量弾攻撃が行われてしまうことを考慮し、一切の支援は行われない。戦史上はこう処理される。戦時下に起こされた、一人のテラノイドによる、反乱行為であると……。
作戦を認可した政府の高官たちのほとんど全員が、この作戦に一抹の希望すら抱いていなかったと言われる。長らく平和という名の毒に漬かってきたテラノイドにとって、この戦争は既に負けたものとしか捉えられていなかったのだ。
だが……神鳥は羽ばたく。たった一つの地球を守るために。たった一つの月を奪い返すために。人類の希望を守り、そして野望を打ち砕くために――、孤立無援の戦いが幕を開けた。
同じ頃、木星軌道上にて採掘基地が何者かの攻撃により壊滅したとの報告が舞い込んだ。
外宇宙から飛来せし者、ニューロフォビア。その別名を、虚無構造生命体。十年前に太陽系外縁部で観測された未知の生命体が、驚異的な速度で太陽系を侵攻しつつあったのだ。
人類同士が争いの歴史を繰り返さんとする中、新たなる脅威はすぐそこまで迫りつつあった……。
外宇宙から飛来せし者、ニューロフォビア。その別名を、虚無構造生命体。十年前に太陽系外縁部で観測された未知の生命体が、驚異的な速度で太陽系を侵攻しつつあったのだ。
人類同士が争いの歴史を繰り返さんとする中、新たなる脅威はすぐそこまで迫りつつあった……。
2 作中年表
以下は全て西暦の出来事である。
- 2031年
第三次世界大戦の終結。人類の三分の一が死に絶え、地球は疲弊した。
- 2032年
世界永世平和宣言(DWP)締結。新世界連合が発足し、人類史上稀に見る長期の平和が訪れる。
- 2034年
地球環境再生計画(三十ヶ年計画)の発動。それに合わせ、精神面から人類を立て直すことを目的とした大規模な宇宙開発計画が立案される。
- 2037年
宇宙開発用パワードスーツテロメア・ドライブの試作第一号機が完成。この頃のテロメアドライブは全長4m程の巨大な宇宙服のようなものだった。試運転も問題なく行われ、人類の間で宇宙開発への期待が一気に高まる。
- 2038年
太陽系踏破計画の発動。争いの傷も癒えつつあった人類にとってこのニュースは非常にセンセーショナルであり、新時代を象徴する出来事として全面的に支援された。
- 2039年
G.イーガン博士の提唱する万物理論を技術転用したジェネレーターが驚くべき成果を上げる。これにより、計算上は現行スペックよりも最大で77777倍もの航行速度を誇る艦船が製造可能になった(問題はその直径100kmにおよぶサイズぐらいのもの)。
同年、同理論を日常レベルに落とし込む過程で、人類の技術革新のスピードが急激に促進される。テロメアドライブ準正式採用機TD-04F・ハイロースターゼロが完成。
人類の宇宙開発熱がピークに。
同年、同理論を日常レベルに落とし込む過程で、人類の技術革新のスピードが急激に促進される。テロメアドライブ準正式採用機TD-04F・ハイロースターゼロが完成。
人類の宇宙開発熱がピークに。
- 2045年
超長距離航宙艦タローマティの完成。万物理論ジェネレータ(DiG)を搭載したこの艦船は向こう百年の航海を見据えたメンテナンスフリーの仕様で、ペイロードの大半を占めるDiGの他、居住スペースを大きく取ったことにより移民船としての性質も持っていた。これを旗艦とし、太陽系踏破計画が本格的に始動する。
- 2047年
太陽系踏破計画の開始。タローマティを旗艦とした4隻の航宙艦、及び多数の作業要員からなる艦隊が第一波として宇宙へ飛び出した。
- 2064年
地球環境再生計画(三十ヶ年計画)のひとまずの完了。宇宙開発がもたらした多大な影響は地球にとって概ねプラスに働いた。地球は三十年前よりも遥かに栄えた星となり、なおも進歩を続けている。
- 2070年代初頭まで
順調な宇宙開発が行われる。その中で徐々に地球人(テラノイド)と宇宙人(アステリアン)の対立関係が生まれる。
- 2072年
調査団の最前線が逗留する冥王星調査基地が正体不明の生物の攻撃により壊滅、作業人員は全員死亡。これが外宇宙に生息する未知の生命体とのファーストコンタクトだった。
この一件から、彼らと好意的な関係を築くのは至難と判断。ごく少数の政府技術者とテロメアドライブ開発業者ティンクエディア・コーポレーションらを中心に対外宇宙生命体戦闘用テロメアドライブ開発プラン「ノアの箱舟」(プロジェクト・ノアーズ・アーク)が始動する。
この一件から、彼らと好意的な関係を築くのは至難と判断。ごく少数の政府技術者とテロメアドライブ開発業者ティンクエディア・コーポレーションらを中心に対外宇宙生命体戦闘用テロメアドライブ開発プラン「ノアの箱舟」(プロジェクト・ノアーズ・アーク)が始動する。
- 2073年
迫り来るニューロフォビアに対抗すべく、現行兵器の寄せ集めで「宇宙軍」が結成。これの撃退にあたる。
この時はまだ宇宙開拓用ロボットに過ぎなかったテロメア・ドライブを武装させ、急ごしらえの戦力として同軍に多数配備。当初こそ押していたかに見えた宇宙軍だったが、すぐに通常兵器による攻撃の効果が一時的なものであると判明、戦局は一転。彼らに対する切り札の準備が急務であるとされ、次世代兵器開発が一斉にスタートした。
エーテル兵器の開発もこの時に始まっているが、初めてのエーテル砲搭載機体であるNX-2の登場までにはまだ数年の時間を必要とする。
この時はまだ宇宙開拓用ロボットに過ぎなかったテロメア・ドライブを武装させ、急ごしらえの戦力として同軍に多数配備。当初こそ押していたかに見えた宇宙軍だったが、すぐに通常兵器による攻撃の効果が一時的なものであると判明、戦局は一転。彼らに対する切り札の準備が急務であるとされ、次世代兵器開発が一斉にスタートした。
エーテル兵器の開発もこの時に始まっているが、初めてのエーテル砲搭載機体であるNX-2の登場までにはまだ数年の時間を必要とする。
- 2079年
人類初のニューロフォビア撃退作戦である「バスター作戦」(OPERATION:BUSTER)の決行。
作戦中、被弾したNX-2が消息を絶つ。この失態を取り返すため、NX-3は開発プロジェクトの全面見直しの上、同じ轍を踏まぬための検討が重ねられた。
作戦中、被弾したNX-2が消息を絶つ。この失態を取り返すため、NX-3は開発プロジェクトの全面見直しの上、同じ轍を踏まぬための検討が重ねられた。
- 2082年
月にて反連合組織イクリプスによるテロが発生(第一次月蝕戦争)。「ノアの箱舟」計画により生み出された戦闘用テロメアドライブ・NX-3(ネクサス・スリー)ガルーダによる反撃作戦が行われ、これを鎮圧。
首謀者はアステリアンのフェヴナン・ヴァネット元月面防衛隊大尉で、その生死は不明。人類史上初のテロメアドライブ同士の戦闘が行われた事件である。
(OPERATION PHOENIX)
首謀者はアステリアンのフェヴナン・ヴァネット元月面防衛隊大尉で、その生死は不明。人類史上初のテロメアドライブ同士の戦闘が行われた事件である。
(OPERATION PHOENIX)
- 2083年
指定惑星探索法の成立。連合が指定した惑星(探索指定惑星、クロールプラネット)であれば個々人の裁量下において自由に調査発掘を行ってよいとする法律で、これは銀河中に新たなビジネスチャンスをもたらした。
これは「ノアの箱舟」の開発促進に繋がる新技術の発見を目的としたもので、前年の第一次月蝕戦争の戦果により同プロジェクトの予算が4倍になったことも無関係ではないとまことしやかに噂された。
これは「ノアの箱舟」の開発促進に繋がる新技術の発見を目的としたもので、前年の第一次月蝕戦争の戦果により同プロジェクトの予算が4倍になったことも無関係ではないとまことしやかに噂された。
- 2084年
アンバーライト条約の締結。「テロメアドライブは戦争のためではなく、あくまで治安維持のために用いられなければならない」の一文から始まる条約で、「規定量以上の放出量を持つエーテル兵器の搭載禁止」「その他、条約が定めた特定兵器の搭載禁止」など、テロメアドライブの平和的利用を目的とした条文が続く。
- 2085年
地球圏にて大規模な内乱が勃発。かつて東側諸国と呼ばれた国々が相次いで新世界連合を脱退し、新国家を作り上げた。極秘に開発を進めていた戦闘用テロメアドライブの軍隊を抱え、月を根城に武装蜂起した彼らはアルマリオン帝国を名乗り、アステリアンの権利拡大、および月を中心としたアルマリオンの自治権を要求した。
新世界連合はこれを到底容認できないものとし、アルマリオン帝国の駆逐を決定。第二次月蝕戦争の幕開けである。
第一次月食戦争の時とは規模が段違いだったものの、三年前に「ノアの箱舟」の驚異的な戦果を目の当たりにしていた連合側は事態をどこか楽観視しており、今回も最新鋭のテロメアドライブを投入することによる早期の鎮圧を見越していた。
新世界連合はこれを到底容認できないものとし、アルマリオン帝国の駆逐を決定。第二次月蝕戦争の幕開けである。
第一次月食戦争の時とは規模が段違いだったものの、三年前に「ノアの箱舟」の驚異的な戦果を目の当たりにしていた連合側は事態をどこか楽観視しており、今回も最新鋭のテロメアドライブを投入することによる早期の鎮圧を見越していた。
- 2086年
開戦当初は半年以内での終結が予想されていた戦争が泥沼化。原因はアルマリオン側が大量投入した戦闘用テロメアドライブの存在である。「ノアの箱舟」の最新鋭テロメアドライブは局地的には帝国軍を圧倒していたものの、その数は限定されていたため大局的な戦況の変化には繋がっていなかったのだ。
全体の戦力差でも3:1とリードしていた連合側がここまで苦戦するのには、テロメアドライブ開発のコンセプトがそもそも異なる連合がアルマリオン帝国に比べその地力に大きく水をあけられていたという理由が大きい。
全体の戦力差でも3:1とリードしていた連合側がここまで苦戦するのには、テロメアドライブ開発のコンセプトがそもそも異なる連合がアルマリオン帝国に比べその地力に大きく水をあけられていたという理由が大きい。
- 2088年
なおも戦争が続く中、「ノアの箱舟」の新型機NX-7R・エーデルヴァイスが完成。これの奪還を目論んだアルマリオン帝国軍が地球に潜入し、工場を襲撃。テストパイロットのクリマール・エンデ中佐が死亡する。その場に居合わせた彼の息子で予備テストパイロットでもあったサイオン・エンデ少尉がエーデルヴァイスを操縦、帝国軍を撃退した。
この一件で正式なテストパイロットとなったサイオン少尉とエーデルヴァイスを中心に、月面殴り込み艦隊ストライカーが結成される。
同年、地球にて建造中の新型機TD-08/が開発チームごと姿を消す。その後の消息は不明だが、ほぼ同時期に火星衛星軌道上にて反応を確認されていたニューロフォビアの尖兵一団が消失したとの報告があり、両者には何らかの関係があると考えられる。
(鵡幻白装エーデルヴァイス(本項目))
(ASLASH//?)
この一件で正式なテストパイロットとなったサイオン少尉とエーデルヴァイスを中心に、月面殴り込み艦隊ストライカーが結成される。
同年、地球にて建造中の新型機TD-08/が開発チームごと姿を消す。その後の消息は不明だが、ほぼ同時期に火星衛星軌道上にて反応を確認されていたニューロフォビアの尖兵一団が消失したとの報告があり、両者には何らかの関係があると考えられる。
(鵡幻白装エーデルヴァイス(本項目))
(ASLASH//?)
- 2089年
「ノアの箱舟」新型機NX-8・ベルセルクがロールアウト。アステロイドベルトを進撃中のニューロフォビアを迎撃するため、技術試験部隊・フォックスハウル隊が少数精鋭にてこの任にあたった。
「スーパーノヴァ作戦」(OPERATION:SUPER-NOVA)と銘打たれたこの作戦は、ニューロフォビアの巨大虚無獣ガンダルヴァの体内にてベルセルクのエーテル炉を暴走させることで擬似超新星を作り出し、味方もろとも敵軍を掃討するという当初の目的を完遂した。フォックスハウル隊の面々は最後の瞬間まで知りえぬことであったが、彼らが行ったのは実戦運用試験という名の捨て石に過ぎなかったのだ。
(小説版鵡幻白装エーデルヴァイス外伝 進軍、超新星部隊)
「スーパーノヴァ作戦」(OPERATION:SUPER-NOVA)と銘打たれたこの作戦は、ニューロフォビアの巨大虚無獣ガンダルヴァの体内にてベルセルクのエーテル炉を暴走させることで擬似超新星を作り出し、味方もろとも敵軍を掃討するという当初の目的を完遂した。フォックスハウル隊の面々は最後の瞬間まで知りえぬことであったが、彼らが行ったのは実戦運用試験という名の捨て石に過ぎなかったのだ。
(小説版鵡幻白装エーデルヴァイス外伝 進軍、超新星部隊)
- 2090年
第二次月蝕戦争の終結。アルマリオンは一応の独立を認められ、アステリアンの故郷として広く認知されるようになった。
同時期、ニューロフォビアが火星衛星軌道上で観測される。戦争の傷痕を癒す暇もないまま、「ノアの箱舟」の全戦力を導入する大規模迎撃戦、「ライトニング作戦」が決行された(OPERATION:LIGHTNING)。
なお、人類の天敵であるニューロフォビアの存在は混乱を招くものであるとして一般人には伏せられており、この作戦の決行も公にはされなかった。
(鵡幻白装エーデルヴァイス・本編完結)
同時期、ニューロフォビアが火星衛星軌道上で観測される。戦争の傷痕を癒す暇もないまま、「ノアの箱舟」の全戦力を導入する大規模迎撃戦、「ライトニング作戦」が決行された(OPERATION:LIGHTNING)。
なお、人類の天敵であるニューロフォビアの存在は混乱を招くものであるとして一般人には伏せられており、この作戦の決行も公にはされなかった。
(鵡幻白装エーデルヴァイス・本編完結)
- 2096年
度重なる討伐作戦もニューロフォビアの完全なる撃退・駆逐には至らず、戦争は激化の一途を辿るばかりである。いまやニューロフォビアの存在は一般市民にも周知のものとなり、地球人と宇宙人が協調しこれに立ち向かう日々が続いていた。共通の敵の存在が両者を結びつける橋となったのだった。
同年、新世界連合を構成するテラノイドたちとアルマリオン共和国を中心としたアステリアンたち、それら人類全てを結びつける銀河連邦が結成される。銀河系の人類が一つになった瞬間である。
だが、この段階ではまだ、人類にとっての問題は山積みであった。
同年、新世界連合を構成するテラノイドたちとアルマリオン共和国を中心としたアステリアンたち、それら人類全てを結びつける銀河連邦が結成される。銀河系の人類が一つになった瞬間である。
だが、この段階ではまだ、人類にとっての問題は山積みであった。
- 2098年
オーストラリア南部にニューロフォビアの巣が落着(地球衛星軌道上でデブリに紛れ繁殖していたと考えられるが、いつから潜んでいたのかなどの詳細は判明していない)。
地球政府は落着した巣を「ゼロ号目標」と呼称。これの殲滅のため、「ノアの箱舟」と共同で「エバーグリーン作戦」(OPERATION:EVERGREEN)を決行した。
地球政府は落着した巣を「ゼロ号目標」と呼称。これの殲滅のため、「ノアの箱舟」と共同で「エバーグリーン作戦」(OPERATION:EVERGREEN)を決行した。
- 2100年
試作段階であった数々の決戦兵器の実戦試験場と化しつつあったエバーグリーン作戦だったが、戦況は当初の見込みよりも遥かに不利なものとなり、オーストラリア全土がニューロフォビアに侵攻されるまでになってしまう。「ゼロ号目標」内部でのニューロフォビアの爆発的な繁殖や、「ノアの箱舟」の介入をよしとしないゼロ号目標対策部が行った多数の非方舟計画産テロメアドライブによる作戦展開など、様々な要因が重なったためだった。
最終的に本作戦はDE爆弾の投下によるゼロ号目標の破壊および「ノアの箱舟」の本格介入、通称「怒りの日」をもって収束に向かうこととなる。だがDE爆弾の破壊力はあまりに強大すぎ、オーストラリアの国土の3分の1が海の藻屑となり、また残留エーテルが南半球全域に対し悪影響を及ぼすという最悪の結果をもたらしてしまった。
この一件を通じ、少なくとも数十年のうちに太陽系はニューロフォビアによって完全に制圧されるとの試算が弾き出されたが、これについては「ノアの方舟」と一部の銀河連邦高官のみに知らされた。そのことが知らされずとも、ニューロフォビアの存在は人類すべてを絶望の底に叩き込むに足るだけの恐怖の象徴として映ることとなったが。
(Etherbound IV)
最終的に本作戦はDE爆弾の投下によるゼロ号目標の破壊および「ノアの箱舟」の本格介入、通称「怒りの日」をもって収束に向かうこととなる。だがDE爆弾の破壊力はあまりに強大すぎ、オーストラリアの国土の3分の1が海の藻屑となり、また残留エーテルが南半球全域に対し悪影響を及ぼすという最悪の結果をもたらしてしまった。
この一件を通じ、少なくとも数十年のうちに太陽系はニューロフォビアによって完全に制圧されるとの試算が弾き出されたが、これについては「ノアの方舟」と一部の銀河連邦高官のみに知らされた。そのことが知らされずとも、ニューロフォビアの存在は人類すべてを絶望の底に叩き込むに足るだけの恐怖の象徴として映ることとなったが。
(Etherbound IV)
- 2101年
火星の衛星・フォボス基地が強襲され、テスト運用中のNX-10が奪取される。犯人の正体・動機などは一切不明。
- 2102年
正体不明の敵勢力の手により、謎に包まれた試験用機体・NX-6が火星基地からエーテルコクーン漕の封印を破り強奪される。ただちに「ブラックゴースト作戦」(OPERATION:BLACK GHOST)が発令され、同機奪還の任を受けた技術試験部隊・ウルフノーツ隊が火星を出航。
同年、ウルフノーツ隊はこれがアルマリオンの残党が仕組んだ計画であったことを突き止め、残党軍正十字隊との数回の交戦を行う。公式記録ではウルフノーツ隊の全員がこの戦いで戦死したことになっており、NX-6のその後の消息は不明である。
(鵡幻白装エーデルヴァイス外伝 白き幻影、黒き死神)
同年、ウルフノーツ隊はこれがアルマリオンの残党が仕組んだ計画であったことを突き止め、残党軍正十字隊との数回の交戦を行う。公式記録ではウルフノーツ隊の全員がこの戦いで戦死したことになっており、NX-6のその後の消息は不明である。
(鵡幻白装エーデルヴァイス外伝 白き幻影、黒き死神)
- 2105年
辺境惑星を中心に自衛組織討伐府が設立される。ニューロフォビア戦役の開戦当初に結成され、形を変えつつ存続していた宇宙軍を母体としており、ようやく正式な組織としての実体を得た形となる。
討伐府は地球外惑星系企業連(ギャラクシアン・マーカンティラス)と利権を食い合う形で対立し、両者間に緊張が生まれることに。
討伐府は地球外惑星系企業連(ギャラクシアン・マーカンティラス)と利権を食い合う形で対立し、両者間に緊張が生まれることに。
- 2113年
銀河系の主要な惑星の周辺に無人操縦型テロメアドライブを用いた防衛ラインが敷設される。
ウェルギリウス社主導のもと開発・運用されることになったこの防衛線は「カロンシステム」と呼ばれ、強力無比なシステムコントロールによってニューロフォビアの侵攻を阻んだ。程なくして、一般市民の間にもウェルギリウス社=正義の味方のイメージが強く焼きつくことになる。
ウェルギリウス社主導のもと開発・運用されることになったこの防衛線は「カロンシステム」と呼ばれ、強力無比なシステムコントロールによってニューロフォビアの侵攻を阻んだ。程なくして、一般市民の間にもウェルギリウス社=正義の味方のイメージが強く焼きつくことになる。
- 2123年
突如として、軍事企業のウェルギリウス社とこれに追随する業界各社を中心に「人類武装戦線」が結成。現状の銀河連邦のニューロフォビア対策に反発し、武力による人類の掌握、および人類一丸となっての対ニューロフォビア戦線の形成を目指して立ち上がった。これにより、銀河連邦との間にヴァルクホルン戦役の火蓋が切られる。
人類の盾として信頼されていたカロンシステムも敵に回り、これに防衛を頼っていた各惑星は喉下に刃を突きつけられる形となった。
人類の盾として信頼されていたカロンシステムも敵に回り、これに防衛を頼っていた各惑星は喉下に刃を突きつけられる形となった。
- 2124年
これまでのイメージ戦略もあり、ウェルギリウス社に賛同する民間武装勢力が後を絶たない状況に陥る。カロンシステムの存在も大きく、戦争は泥沼化。これに乗じて利益を得ようとするハイエナ企業や連邦派軍事企業も相次ぎ、銀河系全土が混乱状態に。
「銀河一の死の商人」と称される豪商メルクリウス一家の全盛期。
(エーデルヴァイス異聞禄 大宇宙豪商伝メルクリウス・アケロン?)
「銀河一の死の商人」と称される豪商メルクリウス一家の全盛期。
(エーデルヴァイス異聞禄 大宇宙豪商伝メルクリウス・アケロン?)
- 2125年
「ノアの箱舟」の新型テロメアドライブらを中心とした鎮圧軍の活躍により、「ラグナロク作戦」(OPERATION:RAGNAROK)をもって人類武装戦線は完全に崩壊。
人類武装戦線のリーダーらは方舟計画の真の目的を察知していたと言われるが、彼らを含めたクーデター軍すべてが駆逐されたことから真相は闇の中となった。
(Ether-weiss V -OPERATION:RAGNAROK-)
人類武装戦線のリーダーらは方舟計画の真の目的を察知していたと言われるが、彼らを含めたクーデター軍すべてが駆逐されたことから真相は闇の中となった。
(Ether-weiss V -OPERATION:RAGNAROK-)
- 2127年
土星軌道上にて16番目の探索指定惑星カノッサが誕生。惑星内に展開される異世界など、これまでの指定惑星とはまったく異なるその様相に銀河中の探索者が色めき立つ。しかしその攻略難度も過去最高で、歴戦の探索者たちが次々と散っていった。
同年、カノッサ最奥部にて並行時空の存在が確認される。接触した探索者パーティの断片的な証言から「ノアの箱舟」になんらかの進展があったとされるが、詳細は不明。
(エーデルヴァイス異聞禄 螺旋迷宮カノッサ)
同年、カノッサ最奥部にて並行時空の存在が確認される。接触した探索者パーティの断片的な証言から「ノアの箱舟」になんらかの進展があったとされるが、詳細は不明。
(エーデルヴァイス異聞禄 螺旋迷宮カノッサ)
- 2128年
正体不明のテロメアドライブ(識別コード:UT)が地球圏の各地で破壊活動を行う。これに手を焼いた銀河連邦は大規模な討伐部隊を組織。UTの最終目標が地球であることを予測した連邦は地球衛星軌道上にて迎撃作戦を展開、これを撃墜せしめる。
その正体はこちら側のエーデルヴァイス世界とは別の次元からやってきた機体であった。
(NEXUS LINE?)
その正体はこちら側のエーデルヴァイス世界とは別の次元からやってきた機体であった。
(NEXUS LINE?)
- 2132年
「このまま戦闘を続けることは消耗を続けることを意味するだけである」と判断した銀河連邦は、ニューロフォビアに対する最終作戦を立案。敵中枢で高エネルギー反応を発し続ける未知の存在マザーカーネイジの撃破を目的としたこの任務は「裁きの日」(OPERATION:FINAL DIVIDE)と呼称され、「ノアの箱舟」の全戦力に加え連邦軍・地球軍・アルマリオン軍の通常戦力の多くも動員。まさに人類の全力を尽くす戦いとなった。
時はDWPの締結から丁度百年。歴史上初めて手を取り合った全人類が取り組む共同作業、その最後の戦いを始めるにはいい頃合だったと言えよう。
(FINAL DIVIDE / Ether-weiss CROSSWARS)
時はDWPの締結から丁度百年。歴史上初めて手を取り合った全人類が取り組む共同作業、その最後の戦いを始めるにはいい頃合だったと言えよう。
(FINAL DIVIDE / Ether-weiss CROSSWARS)
- 2137年
「裁きの日」によるニューロフォビア根絶から5年。銀河連邦中枢ネオカテドラルに建造されたモノリスを前に、ようやく手にした平和を祝して大々的な式典が開かれていた。ニューロフォビアの脅威は去り、改めて人類が大宇宙に漕ぎ出す日がやってきたのだ。
しかし、ほとんどの人々は知らなかったことだが、いまだ「ノアの箱舟」は解体していなかった。今なお開発の続く、最新鋭の戦闘用テロメアドライブ。それらが何に使われようとしているのか、人類は、軍部の人間ですらも、そのほとんどはいまだ知らない。
しかし、ほとんどの人々は知らなかったことだが、いまだ「ノアの箱舟」は解体していなかった。今なお開発の続く、最新鋭の戦闘用テロメアドライブ。それらが何に使われようとしているのか、人類は、軍部の人間ですらも、そのほとんどはいまだ知らない。
そして……。
(HEXTICA ~Ether-weiss tactics?)
(HEXTICA ~Ether-weiss tactics?)
3 メカニック
4 登場人物
5 用語解説
6 関連作品年表
タイトルの後の年号は作中で舞台となる時代である。
- OPERATION PHOENIX/2082年
- Etherboundシリーズ/2085-2100年
- 鵡幻白装エーデルヴァイス(本項目)/2088年
- ASLASH//?/2088年(本編の外伝にあたる同人作品)
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