魔塵戦記ガニメデ
魔塵戦記ガニメデ(まじんせんき-)は、かざね氏原案の黒歴史戦記群。
初めは小説を媒体としてシリーズを重ねていたが、後にTVアニメやゲームなどにメディアミックスされていき、次第にその世界観を広げていった。
初めは小説を媒体としてシリーズを重ねていたが、後にTVアニメやゲームなどにメディアミックスされていき、次第にその世界観を広げていった。
1 あらすじ
「千年大戦」。
“神話の時代”と呼ばれるその千年を通して、数多の神と魔王が命を散らし、欠片となって大地に降り注いだという。
“神話の時代”と呼ばれるその千年を通して、数多の神と魔王が命を散らし、欠片となって大地に降り注いだという。
それから幾星霜もの月日が流れ、現代。
神話の時代の残滓が生んだ生物たちは、それぞれに独自の文化を築き、繁栄と戦乱の歴史を繰り広げていた。
最大の勢力図を持つピュア・ヒューマンを頂点とし、数え切れないほどのデミ・ヒューマン族が続き、神話の時代の忘れ物であるモンスターたちが忌み嫌われる世界。
かつての最高神と同じ「ガニメデ」の名を冠するこの世界は、今なお平穏とは程遠い時代を重ねている。
神話の時代の残滓が生んだ生物たちは、それぞれに独自の文化を築き、繁栄と戦乱の歴史を繰り広げていた。
最大の勢力図を持つピュア・ヒューマンを頂点とし、数え切れないほどのデミ・ヒューマン族が続き、神話の時代の忘れ物であるモンスターたちが忌み嫌われる世界。
かつての最高神と同じ「ガニメデ」の名を冠するこの世界は、今なお平穏とは程遠い時代を重ねている。
時は大陸暦600年。
運命の輪は回る。……当人たちですら知らぬうちに。
運命の輪は回る。……当人たちですら知らぬうちに。
2 ガニメデ・ワールドガイド
「冒険者諸君、ガニメデへようこそ!」
この項では、ガニメデの世界観を説明する。
この項では、ガニメデの世界観を説明する。
2-1 中央大陸「ガダン」
ガニメデの中央に位置する大陸。ガニメデで最も巨大なこの大陸は、大地神ガダンの骸から誕生したとされることから「ガダン大陸」と呼ばれている。
人間族の一大勢力が幅を利かせるこの大陸だが、亜人への偏見は薄く、「争いは多いが過ごしやすい大陸」としても有名。
ガダンに古くから住まう者の間では大地神ガダンを信仰するラーガダン教、および彼らが広める宗教思想・ガダニズムの存在が深く根付く。同宗教が掲げる思想「神話の時代との迎合」を声高に主張しモンスター保護に熱心な一部ラーガダン信者はガダニストと呼ばれ、反ラーガダン信仰の者からの弾圧を受けている。
人間族の一大勢力が幅を利かせるこの大陸だが、亜人への偏見は薄く、「争いは多いが過ごしやすい大陸」としても有名。
ガダンに古くから住まう者の間では大地神ガダンを信仰するラーガダン教、および彼らが広める宗教思想・ガダニズムの存在が深く根付く。同宗教が掲げる思想「神話の時代との迎合」を声高に主張しモンスター保護に熱心な一部ラーガダン信者はガダニストと呼ばれ、反ラーガダン信仰の者からの弾圧を受けている。
2-1-1 進撃国家「ラックダナン」
現代ガニメデにおいてガダン大陸だけでなく全世界の覇権を握ると言っても過言ではない、人間族を中心とした最大勢力国家。
その歴史はまだ浅く、大陸暦483年に“覇王”ダナン一世によって建国されたラックダナンは歴代国王の人並み外れた手腕により驚くべき速度でその勢力を拡大していった。
ある時は政治的駆け引きを用いてスマートに、またある時には大胆かつ電撃的な戦争を仕掛け……恐るべきは覇王の血脈か、ラックダナンはいつしか「進撃国家」の二つ名を賜り、世界最大の国家とまで言われるようになっていったのだった。
「力のある者は誰であろうと起用する」というのが代々の方針で、亜人が要職に就いていることも珍しくない。その為、「人間至上主義」を掲げる隣国アルズフェイムをはじめとした「純人間連合」とは武力を交えた衝突が度々起こっている。
最強の魔術師部隊「レメゲトン」を擁する。即事即応の姿勢でガダン大陸全土に派遣されるレメゲトン隊は、敵対国家にとっての恐怖の象徴でもある。
その歴史はまだ浅く、大陸暦483年に“覇王”ダナン一世によって建国されたラックダナンは歴代国王の人並み外れた手腕により驚くべき速度でその勢力を拡大していった。
ある時は政治的駆け引きを用いてスマートに、またある時には大胆かつ電撃的な戦争を仕掛け……恐るべきは覇王の血脈か、ラックダナンはいつしか「進撃国家」の二つ名を賜り、世界最大の国家とまで言われるようになっていったのだった。
「力のある者は誰であろうと起用する」というのが代々の方針で、亜人が要職に就いていることも珍しくない。その為、「人間至上主義」を掲げる隣国アルズフェイムをはじめとした「純人間連合」とは武力を交えた衝突が度々起こっている。
最強の魔術師部隊「レメゲトン」を擁する。即事即応の姿勢でガダン大陸全土に派遣されるレメゲトン隊は、敵対国家にとっての恐怖の象徴でもある。
2-1-2 集合国家「ヴィザンカール」
ヴィザンカールは元々一つの国家ではなかった。ガダン大陸の東、広大なヴィザンカール平原に自然発生した亜人族たちの集落がその起源で、集落同士で行われる生活品や食料の交易、度重なる衝突と歩み寄り、外敵への共同姿勢などを経て、いつしか国家として寄り添ったのが「集合国家」と呼ばれるヴィザンカールの成り立ちである。
このエピソードからも分かるとおり、現在のヴィザンカール国民の93%は亜人類で占められている。中でも多いのが犬人族、ヴルフェンの者たちだ。賢い種とそうでない種の差がはっきりと分かれていることから「ドッグヘッズ」の蔑称で呼ばれることもある彼らだが、仲間意識がとても強いのが特徴で、生き方のまるで違うヴィザンカールの亜人族たちを上手く取り纏め、人間族の最大勢力であるラックダナンとも交流を結びつけることに成功したというヴィザンカール発展の立役者である。
現国王はイウェルゥ(猫人族)のシャムル・クリーシュ。空間魔術を得意とするイウェルゥにあって百年に一度の逸材と呼ばれる存在で、身分的に軽視されがちなイウェルゥの、しかも平民の出でありながら実力で国王の座をもぎ取ったその経歴は国外でも有名。ちなみにメス、美人。
このエピソードからも分かるとおり、現在のヴィザンカール国民の93%は亜人類で占められている。中でも多いのが犬人族、ヴルフェンの者たちだ。賢い種とそうでない種の差がはっきりと分かれていることから「ドッグヘッズ」の蔑称で呼ばれることもある彼らだが、仲間意識がとても強いのが特徴で、生き方のまるで違うヴィザンカールの亜人族たちを上手く取り纏め、人間族の最大勢力であるラックダナンとも交流を結びつけることに成功したというヴィザンカール発展の立役者である。
現国王はイウェルゥ(猫人族)のシャムル・クリーシュ。空間魔術を得意とするイウェルゥにあって百年に一度の逸材と呼ばれる存在で、身分的に軽視されがちなイウェルゥの、しかも平民の出でありながら実力で国王の座をもぎ取ったその経歴は国外でも有名。ちなみにメス、美人。
2-1-3 龍王国家「クオン・ラー」
ドラカン(龍人族)を中心とした国家で、超が付くほどの実力至上主義。「弱き者は死ぬべし」を絶対のものとして定めているが、「力なき者は守るべし」という掟も同時に存在しており、決して冷血民族ではない。
モンスターハントを生業とするものがガダン一多く、クオン・ラーの9割の産業が狩猟文化に根付いている。そういった点でも力が無ければ生き残れない国であると言えよう。
また、ドラカンは亜人類種族の中でも特に個体差が大きく、ほとんどピュア・ヒューマンと変わらぬ背格好の者もいれば、伝承の中にあるようなドラゴンそのものの姿をした者もいる。しかしその見た目に反し総じて知能が高いのが特徴で、大陸暦600年の時点において挙げられる世界七大賢者のうち三人がドラカンで占められているというのも特筆すべき点と言えるだろう。
クオン・ラー龍騎士団「リントヴルム」は世界四大騎士団の一つに挙げられるほどの猛者の集まり。大型のドラカンを騎乗役とし、騎士と騎龍が一体となって繰り出される自由自在な空中魔術は集団戦で真価を発揮する(魔術という物は本来集団で操るには不向きであり、だからこそリンドヴルムの連携攻撃は強力なのである)。
モンスターハントを生業とするものがガダン一多く、クオン・ラーの9割の産業が狩猟文化に根付いている。そういった点でも力が無ければ生き残れない国であると言えよう。
また、ドラカンは亜人類種族の中でも特に個体差が大きく、ほとんどピュア・ヒューマンと変わらぬ背格好の者もいれば、伝承の中にあるようなドラゴンそのものの姿をした者もいる。しかしその見た目に反し総じて知能が高いのが特徴で、大陸暦600年の時点において挙げられる世界七大賢者のうち三人がドラカンで占められているというのも特筆すべき点と言えるだろう。
クオン・ラー龍騎士団「リントヴルム」は世界四大騎士団の一つに挙げられるほどの猛者の集まり。大型のドラカンを騎乗役とし、騎士と騎龍が一体となって繰り出される自由自在な空中魔術は集団戦で真価を発揮する(魔術という物は本来集団で操るには不向きであり、だからこそリンドヴルムの連携攻撃は強力なのである)。
2-1-4 絶対国家「アルズフェイム」
ガダン西部を支配する「純人間連合」の宗主国、それがアルズフェイムだ。
人間至上主義を掲げるアルズフェイムは、「至高の神を祖先に持つピュア・ヒューマンこそガニメデの支配者たるべし」の主張を強固に繰り広げ、ガダン大陸から亜人を一掃すべく活動を続けてきた。
アルズフェイムを中心として純人間連合が結成されたのは大陸暦505年のことだ。当初は否定的だった周辺国家も、亜人の撃滅活動により生まれる富や利権といったものに釣られ次々と同連合へと加盟。純人間連合は、今や一大反亜人勢力としてガニメデ全域に渡ってその存在を認知されるまでになったのだった。
ますます勢いを増しつつあったアルズフェイムは、大陸暦522年、大規模な亜人討伐作戦を主軸とした「人獣戦争」を引き起こす。しかし、時を同じくして猛烈な勢いで勢力を拡大しつつあったラックダナンの前に敗戦を喫し、同戦争最大の目的であったヴィザンカールの打倒は果たせぬままその国力を弱める結果となった。
人間至上主義を掲げるアルズフェイムは、「至高の神を祖先に持つピュア・ヒューマンこそガニメデの支配者たるべし」の主張を強固に繰り広げ、ガダン大陸から亜人を一掃すべく活動を続けてきた。
アルズフェイムを中心として純人間連合が結成されたのは大陸暦505年のことだ。当初は否定的だった周辺国家も、亜人の撃滅活動により生まれる富や利権といったものに釣られ次々と同連合へと加盟。純人間連合は、今や一大反亜人勢力としてガニメデ全域に渡ってその存在を認知されるまでになったのだった。
ますます勢いを増しつつあったアルズフェイムは、大陸暦522年、大規模な亜人討伐作戦を主軸とした「人獣戦争」を引き起こす。しかし、時を同じくして猛烈な勢いで勢力を拡大しつつあったラックダナンの前に敗戦を喫し、同戦争最大の目的であったヴィザンカールの打倒は果たせぬままその国力を弱める結果となった。
2-2 東大陸「ヴェルト」
ガニメデの東に位置する大陸。光明神ヴェルトの骸から生まれたことから「ヴェルト大陸」と呼ばれている。
神話の時代、ヴェルトが信仰を司る神であったことから、現代のヴェルト大陸もまた宗教国家を多く生み出した。それぞれに厳しい戒律を持つヴェルトの国々は得てして閉鎖的であるのが特徴で、宗教がらみの戦争も絶えない。このことから「旅人には厳しく傭兵には優しい土地」などとも言われ、面白半分で渡航した若者がそのまま行方不明になったという事例も多数報告されている。
神話の時代、ヴェルトが信仰を司る神であったことから、現代のヴェルト大陸もまた宗教国家を多く生み出した。それぞれに厳しい戒律を持つヴェルトの国々は得てして閉鎖的であるのが特徴で、宗教がらみの戦争も絶えない。このことから「旅人には厳しく傭兵には優しい土地」などとも言われ、面白半分で渡航した若者がそのまま行方不明になったという事例も多数報告されている。
2-2-1 聖天国家「クレイクイン」
ヴェルト最大の宗教国家。最大神クイン・アーマゲトンを崇め、その下に集う自分たちこそがヴェルトの正統後継者であると主張する過激派。
クレイクインの民は皆クイン教の敬虔な信徒であり、「ヴェルトの後継者に恥じぬだけの力を持った魔術師となること」を絶対の目標としている。そのため、魔術師学校などの施設は全大陸の中でも抜きん出て整っており、他大陸の人間でもクレイクインの学校に留学することがままある。「クレイクイン帰り」は一種のステータスなのだ。
クイン・ナイトと呼ばれるお抱えの神殿騎士たちは大陸有数の高位魔術師の集まりで、全員が大陸破壊級魔術(カタストロフマテラ)を使いこなすことができるという。
クレイクインの民は皆クイン教の敬虔な信徒であり、「ヴェルトの後継者に恥じぬだけの力を持った魔術師となること」を絶対の目標としている。そのため、魔術師学校などの施設は全大陸の中でも抜きん出て整っており、他大陸の人間でもクレイクインの学校に留学することがままある。「クレイクイン帰り」は一種のステータスなのだ。
クイン・ナイトと呼ばれるお抱えの神殿騎士たちは大陸有数の高位魔術師の集まりで、全員が大陸破壊級魔術(カタストロフマテラ)を使いこなすことができるという。
2-3 北大陸「マグレヴ」
ガニメデの北に位置する大陸。魔王マグレヴの骸から生まれた、瘴気立ち込める魔性の土地である。
陸地のほとんどが不毛の土地という厳しい環境だが、そこに根付いた数少ない国家の住人たちは逞しく生き抜いているようだ。
陸地のほとんどが不毛の土地という厳しい環境だが、そこに根付いた数少ない国家の住人たちは逞しく生き抜いているようだ。
2-4 西大陸「ウェンティラ」
ガニメデの西に位置する大陸。偽神ウェンティラの骸から生まれた大陸で、機械文明が栄える唯一の土地。
神装機(コフィンドライブ)と呼ばれる人型機械が生活・産業・軍事の主軸となっているが、この技術は門外不出のものであり、海を越えてウェンティラの外に持ち出されることは重大な禁忌とされている。
神装機(コフィンドライブ)と呼ばれる人型機械が生活・産業・軍事の主軸となっているが、この技術は門外不出のものであり、海を越えてウェンティラの外に持ち出されることは重大な禁忌とされている。
2-4-1 異民族共同体「トウキョウ」
大陸暦598年、セレストス王国の消失と引き替えにウェンティラの大地に現れた謎の国。独自に発展したテクノロジーを保有し、ウェンティラとはまったく異なる文化圏に属する。
当初は大規模な空間魔術による他国の攻撃を疑われたが、トウキョウの民が魔法の力を一切持たぬ民族であることがすぐに判明し、現在はグランセドラント皇国の庇護を受けている。グランセドラントの音皇(おんのう)ヴェールゼン・イデアクラッドは何らかの企みを抱いているというが……。
当初は大規模な空間魔術による他国の攻撃を疑われたが、トウキョウの民が魔法の力を一切持たぬ民族であることがすぐに判明し、現在はグランセドラント皇国の庇護を受けている。グランセドラントの音皇(おんのう)ヴェールゼン・イデアクラッドは何らかの企みを抱いているというが……。
2-4-2 絶音皇国「グランセドラント」
セレストス王国と対立関係にあった巨大国家。セレストスの消失と共にウェンティラ最大の国家となり、その版図を凄まじい速度で広げつつある。
2-5 南大陸群「クルツホーン」
ガニメデの南に位置する元・大陸。神話の時代を経てからしばらくはガダンを凌ぐ面積を持つ大陸であったが、現在は海面が上昇したことから中規模な島国の集合体となっている。
夢抱く冒険者が集うことで知られる、情熱の海域である。
夢抱く冒険者が集うことで知られる、情熱の海域である。
2-5-1 海洋国家「ウェイヴナー」
冒険者ギルド「クルツホーン冒険者協会」を取り仕切る国家。「偉大なる冒険家」ディアマント・ウェイヴによって作られた国で、クルツホーンが海に沈み始めるのと同時に貿易網を迅速に整備、莫大な富と地位を得たことから、その後のクルツホーンで最も大きな発言力を持つようになった。
海に沈み、失われたクルツホーンの街や遺跡を探索するには必ず冒険者協会の許可が必要となるので、ひと財産を夢見てクルツホーンに出かける際は注意が必要だろう。
海に沈み、失われたクルツホーンの街や遺跡を探索するには必ず冒険者協会の許可が必要となるので、ひと財産を夢見てクルツホーンに出かける際は注意が必要だろう。
3 ガニメデ魔法体系概説『魔法大全』
「力ある者よ、驕れ」 ――『魔法大全』冒頭より
ガニメデは「魔力」……つまり、生まれもった魔法の力が絶対的な影響力をもつ世界である。
高い魔力を持つ者に血筋や育ちなどといったものは関係ない。むしろ、魔力に富や権力が付随してくると言っていいだろう。
この項目ではガニメデに古くから伝わる全魔術師の教本『魔法大全』の中の記述を引用しながら、この世界における魔法の概念を解説していく。
ガニメデは「魔力」……つまり、生まれもった魔法の力が絶対的な影響力をもつ世界である。
高い魔力を持つ者に血筋や育ちなどといったものは関係ない。むしろ、魔力に富や権力が付随してくると言っていいだろう。
この項目ではガニメデに古くから伝わる全魔術師の教本『魔法大全』の中の記述を引用しながら、この世界における魔法の概念を解説していく。
3-1 「『魔法大全』について」(『魔法大全』3ページ)
私がこの書を記すに至った経緯は至極単純なものだ。
ガニメデのあらゆるルールの根幹にある「魔力」という存在に興味を惹かれ、その概念を説き明かしたくなった。それ以上でもそれ以下でもない。
この書が後の魔術師たちにとって有益な物になることを祈っている。
魔力とともにあれ。
ガニメデのあらゆるルールの根幹にある「魔力」という存在に興味を惹かれ、その概念を説き明かしたくなった。それ以上でもそれ以下でもない。
この書が後の魔術師たちにとって有益な物になることを祈っている。
魔力とともにあれ。
無名の魔術師 ヴィーア・エーテリオン著
3-2 「魔力とは」(『魔法大全』6ページ)
我々が当然のように行使する魔術。その魔術の発生を支える「魔力」の正体については今なお議論が続いているが、その答えを知るにはまだ暫くの時間を必要とするだろう。
言ってしまえば、人間が皆生まれ持ち、好きに生かすことができる超能力……身体能力と同じく、「ただ自然と身体に宿ったもの」に過ぎない。
だが、そう一言で片付けるには魔力には謎が多すぎる。「魔力がどう変換されて魔術となるのか」という流れは解明されつつあるが、肝心の魔力がどこから来て、どうして人間がそれを扱うことができるのか……といった根本的な疑問に対する絶対の解答は今なお用意されていないのだ。
言ってしまえば、人間が皆生まれ持ち、好きに生かすことができる超能力……身体能力と同じく、「ただ自然と身体に宿ったもの」に過ぎない。
だが、そう一言で片付けるには魔力には謎が多すぎる。「魔力がどう変換されて魔術となるのか」という流れは解明されつつあるが、肝心の魔力がどこから来て、どうして人間がそれを扱うことができるのか……といった根本的な疑問に対する絶対の解答は今なお用意されていないのだ。
※後年の魔術師による追記
一般に、『魔法大全』が執筆された大陸暦226年から今まで、“神話の時代”の神々から受け継がれた力の残滓がそれぞれの人間に宿り魔力として発現するのだという説明が最有力説とされている(神人一体説)。
一般に、『魔法大全』が執筆された大陸暦226年から今まで、“神話の時代”の神々から受け継がれた力の残滓がそれぞれの人間に宿り魔力として発現するのだという説明が最有力説とされている(神人一体説)。
3-3 「魔力と魔術師」(『魔法大全』12ページ)
この世界で「魔術師」といえば、それは読んで字の如く「魔力を振るう者」の総称である。
魔力はあらゆる人間に生まれもって備わっているものであり、その力は訓練や環境に左右されながら無限に変化していく。だが、魔力の向上には「絶対に超えられない一線」が必ずある。そのラインは往々にして、数年、いや数十年かけた鍛錬の末にようやく分かるものだ。
よぼよぼの老人になるまで魔力を鍛えつづけ、結果「凡人以下の才能しかない」ということを知り絶望した者のことはいくらでも知っている。
あらゆる才能の中で最も有益で、最も残酷な物……それが魔力というものなのだろう。
魔力はあらゆる人間に生まれもって備わっているものであり、その力は訓練や環境に左右されながら無限に変化していく。だが、魔力の向上には「絶対に超えられない一線」が必ずある。そのラインは往々にして、数年、いや数十年かけた鍛錬の末にようやく分かるものだ。
よぼよぼの老人になるまで魔力を鍛えつづけ、結果「凡人以下の才能しかない」ということを知り絶望した者のことはいくらでも知っている。
あらゆる才能の中で最も有益で、最も残酷な物……それが魔力というものなのだろう。
※後年の魔術師による追記
「魔術師」の定義については現代の公の場においてその限りではなく、王室や軍隊に仕える者を指して「(正式)魔術師」と呼び、特異的な魔力を秘めた民間人のことは「自由魔術師」と呼称することが多い。
「魔術師」の定義については現代の公の場においてその限りではなく、王室や軍隊に仕える者を指して「(正式)魔術師」と呼び、特異的な魔力を秘めた民間人のことは「自由魔術師」と呼称することが多い。
3-4 「魔術師の位階」(『魔法大全』22ページ)
魔術師の格の違いというものは絶対である。
戦場で一つ格上の魔術師を相手にした時は百倍の物量の魔術師を必要とするし、もしも二つ格上の魔術師を相手にしてしまった時には万に一つも勝てる見込みはないだろう。
以下に記述するのは魔術師としての位階の一覧である。誰によって定められたものではないが、皆がなんとなく(地域に様々な呼び方で)呼んでいるものを私なりにまとめた。参考程度に留めておくと、戦場で生き延びる確率が少しだけ上がるかもしれない。
戦場で一つ格上の魔術師を相手にした時は百倍の物量の魔術師を必要とするし、もしも二つ格上の魔術師を相手にしてしまった時には万に一つも勝てる見込みはないだろう。
以下に記述するのは魔術師としての位階の一覧である。誰によって定められたものではないが、皆がなんとなく(地域に様々な呼び方で)呼んでいるものを私なりにまとめた。参考程度に留めておくと、戦場で生き延びる確率が少しだけ上がるかもしれない。
- (初級・中級・上級)魔術師(ノービス)
魔術師としては駆け出しの者たち。階級内での実力差はほとんど無く、魔力操作の基礎を齧った人間ならば誰でもこの位階に属することとなる。
軍の入隊試験に合格できるような腕前があれば充分に上級魔術師を名乗れると思われる。
軍の入隊試験に合格できるような腕前があれば充分に上級魔術師を名乗れると思われる。
- 戦場魔術師(バトルメイジ)
俗称ではあるが、「戦場魔術師程度の腕」などという使われ方が世界的にされているのを耳にする以上、正式な位階と考えていいだろう。
「戦場によく(死んで)いる魔術師」という言葉が元になっているらしい。酷い話だ。
「戦場によく(死んで)いる魔術師」という言葉が元になっているらしい。酷い話だ。
- 熟練魔術師(ウィザード)
この辺りから、下位の魔術師の軍勢を相手にかすり傷一つ負わぬだけの実力差が生まれる。魔力の差は絶対的な力の差なのだ。
小隊指揮官クラスの人間ならば最低でもこの程度の位階を要求されるだろう。
小隊指揮官クラスの人間ならば最低でもこの程度の位階を要求されるだろう。
- 高位魔術師(ハイ・ウィザード)
個人的な見解として、努力でどうにかなる次元でなくなるのがこの位階からである。
王室魔術師などは高位魔術師と呼ばれるだけの実力を持っていることがほとんどなので、もし賢明なる読者諸君が逆賊として王室に忍び込む計画を立てているのならばそれ相応の覚悟が必要だろう。
王室魔術師などは高位魔術師と呼ばれるだけの実力を持っていることがほとんどなので、もし賢明なる読者諸君が逆賊として王室に忍び込む計画を立てているのならばそれ相応の覚悟が必要だろう。
- 大魔術師(グランドマスター)
一国の王となるだけの素質を持った選ばれし人間。それが大魔術師と呼ばれる者達だ。
かの高名なヴィザンカール領のヴルフェン族、ウルルグ・ウルルネーズなどは最初期の大魔術師として知られており、生まれ持つ魔力量に人種は関係ないということを証明してみせた好例と言えるだろう。
かの高名なヴィザンカール領のヴルフェン族、ウルルグ・ウルルネーズなどは最初期の大魔術師として知られており、生まれ持つ魔力量に人種は関係ないということを証明してみせた好例と言えるだろう。
細かく区分けすればこれ以外にも沢山の魔術師を挙げることができるだろうが、この場は一旦ここで締めさせてもらう。
※後年の魔術師による追記
現代において、大魔術師を超えた位階に位置する人間は五人(一説には七人)存在するという。我らがダナン三世もその中の一人であり、アルズフェイムとの勢力の均衡を保っているのはレメゲトン隊でなく実はダナン三世その人であるとの説も存在するほどだ。
「神位魔術師」(オーバーロード)と呼ばれる彼らが全力を出して争った時、“神話の時代”が再来するとも言われている……。
現代において、大魔術師を超えた位階に位置する人間は五人(一説には七人)存在するという。我らがダナン三世もその中の一人であり、アルズフェイムとの勢力の均衡を保っているのはレメゲトン隊でなく実はダナン三世その人であるとの説も存在するほどだ。
「神位魔術師」(オーバーロード)と呼ばれる彼らが全力を出して争った時、“神話の時代”が再来するとも言われている……。
3-5 「魔法の種類」(『魔法大全』58ページ)
ここまでは魔力そのものの概念とそれを扱う魔術師達の説明に頁を割いてきたが、そろそろ魔法の分類についての解説を行なっていこうと思う。
むしろ、多くの術者にとってはこの項こそが求めていた内容かもしれない。自らの力をよく知り、正しく使うことが術者としての腕を上げる第一歩だからだ。
むしろ、多くの術者にとってはこの項こそが求めていた内容かもしれない。自らの力をよく知り、正しく使うことが術者としての腕を上げる第一歩だからだ。
3-5-1 純魔力魔法(エーテルマグス)
- 攻撃魔術(デストラクトマテラ)
- 念動魔術(サイコキノマテラ)
- 反魔術(カウンターマテラ)
- 大陸破壊級魔術(カタストロフマテラ)
魔力を魔術として発現させるのに重要なのは、何より「イメージ」である。「特定の対象に対し、魔力を槍状に結晶化させ打ち込む」のように、具体的なイメージを思い描くことで魔術はより強力になるのだ。
純魔力魔法というカテゴリはそのイメージが最も簡単であり、逆に極めるのは最も難しいといわれる分野である。自らの魔力をそのまま魔術として運用するのにはイメージが漠然とすることが多く、「相手を傷つける」という簡単なイメージを「相手を、どういった類の魔術で、どのように、どの程度傷つけるのか、またその理由はどうしてなのか」といった領域にまで高める(しかも、戦闘中ならば瞬時に)のは容易ではないのだ。
なお、この中でも大陸破壊級魔術は比較的新しい魔術の分類である。攻撃魔術とまったく異なるのは、特定の対象を取らないということ。自らの魔力を暴走させ、純粋な破壊の力を作り出すという危険な魔術であり、最悪の場合自分自身をも巻き込んでしまう。術者の魔力量によって大陸一つを消し飛ばすことも可能であることから
の名が付けられたというが、賢明な読者諸君ならば手を出さぬほうがいいだろう。
純魔力魔法というカテゴリはそのイメージが最も簡単であり、逆に極めるのは最も難しいといわれる分野である。自らの魔力をそのまま魔術として運用するのにはイメージが漠然とすることが多く、「相手を傷つける」という簡単なイメージを「相手を、どういった類の魔術で、どのように、どの程度傷つけるのか、またその理由はどうしてなのか」といった領域にまで高める(しかも、戦闘中ならば瞬時に)のは容易ではないのだ。
なお、この中でも大陸破壊級魔術は比較的新しい魔術の分類である。攻撃魔術とまったく異なるのは、特定の対象を取らないということ。自らの魔力を暴走させ、純粋な破壊の力を作り出すという危険な魔術であり、最悪の場合自分自身をも巻き込んでしまう。術者の魔力量によって大陸一つを消し飛ばすことも可能であることから
の名が付けられたというが、賢明な読者諸君ならば手を出さぬほうがいいだろう。
※後年の魔術師による追記
現代では大陸破壊級魔術も研究が進み、高位魔術師ほどの者ならばある程度の制御が可能になった。
しかし危険なことに変わりは無く、駆け出しの魔術師には「魔力を暴走させないための訓練」を行なうことが義務付けられている。
現代では大陸破壊級魔術も研究が進み、高位魔術師ほどの者ならばある程度の制御が可能になった。
しかし危険なことに変わりは無く、駆け出しの魔術師には「魔力を暴走させないための訓練」を行なうことが義務付けられている。
3-5-2 精霊魔法(ゲヘナマグス)
- 元素魔術(エレメントマテラ)
- 精霊具現化魔術(サラバンドマテラ)
3-5-3 召喚魔法(アルケインマグス)
- 創生魔術(クリエイトマテラ)
- 還元魔術(ゼロマテラ)
4 ガニメデ戦史
ガニメデ世界の物語は七つの「本編」となるストーリーを主軸に綴られていく。
魔塵戦争と呼ばれる世界大戦が中心にあり、全ての物語は何かしらの形で同戦争に関係する。
魔塵戦争と呼ばれる世界大戦が中心にあり、全ての物語は何かしらの形で同戦争に関係する。
- 大陸暦590-606年「魔塵戦記ガニメデ」
ガニメデの全大陸を巻き込んだ魔塵戦争の勃発とその終戦までを描いた物語。
大陸暦590年、世界中の大地に刻まれた「刻印」。得体の知れない魔力を放つこの「刻印」を全て手に入れた国家こそが史上初の世界王となるという幻想が世界各国に蔓延した頃、ついに大陸間侵略戦争が起こってしまう。時は大陸暦600年……魔塵戦争の幕開けである。
“神話の時代”の再来かと思われたこの戦争だったが、「勇者」アンサラ・アディン、「無名の魔術師」アルティマ・エーテリオン、「聖刻の魔術師」アンメリィ・ロシュルゥ、「破壊の魔術師」ゴードン・メサら混成種族による調和と封印の旅の果て、ガニメデ初の世界大戦は終戦に至ることとなる。
大陸暦590年、世界中の大地に刻まれた「刻印」。得体の知れない魔力を放つこの「刻印」を全て手に入れた国家こそが史上初の世界王となるという幻想が世界各国に蔓延した頃、ついに大陸間侵略戦争が起こってしまう。時は大陸暦600年……魔塵戦争の幕開けである。
“神話の時代”の再来かと思われたこの戦争だったが、「勇者」アンサラ・アディン、「無名の魔術師」アルティマ・エーテリオン、「聖刻の魔術師」アンメリィ・ロシュルゥ、「破壊の魔術師」ゴードン・メサら混成種族による調和と封印の旅の果て、ガニメデ初の世界大戦は終戦に至ることとなる。
- 大陸暦588-606年「魔塵戦記ガニメデ 黄昏の魔術師」
魔塵戦争を引き起こした元凶「黄昏の魔術師」カルミナ・ルナエが狂気に陥るに至った道のりとその破滅を描いた物語。
元は善良な一魔術師であったカルミナの身に起こった悲劇を通じ、魔術師の存在意義を疑問として投げかける。
元は善良な一魔術師であったカルミナの身に起こった悲劇を通じ、魔術師の存在意義を疑問として投げかける。
北大陸を舞台として、歴史の闇に葬られた刻印を巡る暗黒の闘争を描いた物語。
「ならず者たちの王」アイル・ロア。数ある中小マフィアの一構成員でしかなかった彼が、短期間に混沌の北大陸を治める王となるまでの経緯を描く。
「ならず者たちの王」アイル・ロア。数ある中小マフィアの一構成員でしかなかった彼が、短期間に混沌の北大陸を治める王となるまでの経緯を描く。
西大陸を舞台として、マシン兵器・神装機を巡る戦争を描いた物語。
魔塵戦争の裏で巻き起こる西大陸の動乱の中、魔力を持たぬ少年少女たちが神音を奏でる。
魔塵戦争の裏で巻き起こる西大陸の動乱の中、魔力を持たぬ少年少女たちが神音を奏でる。
- 大陸暦600-607年「魔塵戦記ガニメデ ウォー・ゴッズ」
東大陸を舞台として、魔塵戦争によってついに表面化した宗教戦争を描いた物語。
神の子たる人類は、異なる神の下では決して手を取り合うことは出来ないのか……信仰と自立を経て、人々は“神話の時代”の支配から抜け出そうとする。
神の子たる人類は、異なる神の下では決して手を取り合うことは出来ないのか……信仰と自立を経て、人々は“神話の時代”の支配から抜け出そうとする。
- 大陸暦610-612年「魔塵戦記ガニメデ ウィザーズ・アポカリプス」
魔塵戦争の終結から四年、再び訪れる世界の危機。ようやく一つにまとまった世界と、その調和を乱すべく暗躍する闇の魔術師連合との戦いを描いた物語。
この世界にもう一度平穏を取り戻すため、かつての英雄たちが最後の地に集う。
この世界にもう一度平穏を取り戻すため、かつての英雄たちが最後の地に集う。
5 魔術師名鑑
5-1 「調和の旅」の仲間
- アンサラ・アディン
ヴルフェン(犬人族)の若者。ヴィザンカールのとある豪族の跡取りで、ガダンを巡る武者修行の最中に「刻印事件」に巻き込まれる。元々秘めていた高い魔術の才が「刻印」との接触により爆発的に開花し、同時に黄昏の魔術師を知った彼は、武者修行の一環として刻印を封ずる旅へと出ることを決心した。
正義感の強さが時に危うさとなることもあるが、「調和の旅」の仲間たちのリーダーとなって戦いを続けるうち、いつ如何なる時も冷静さを保つようになっていく。「勇者」の称号を得てからは性格の変化が特に顕著で、物事を達観したかのような言動が目立つ様になる。これは立場上そうあることが求められていたということは勿論だが、「刻印」の記憶が逆流を続け、“神話の時代”の記憶と現世の意識が混同していった結果でもあった。
最終決戦において、黄昏の魔術師カルミナに対し最終封印魔術(ペンタグラマテラ)を放った代償として全ての魔力を失った。
魔力量は6000→32000(旅の仲間集結時)→120000(最終決戦前)→0(魔塵戦争終戦時)。
正義感の強さが時に危うさとなることもあるが、「調和の旅」の仲間たちのリーダーとなって戦いを続けるうち、いつ如何なる時も冷静さを保つようになっていく。「勇者」の称号を得てからは性格の変化が特に顕著で、物事を達観したかのような言動が目立つ様になる。これは立場上そうあることが求められていたということは勿論だが、「刻印」の記憶が逆流を続け、“神話の時代”の記憶と現世の意識が混同していった結果でもあった。
最終決戦において、黄昏の魔術師カルミナに対し最終封印魔術(ペンタグラマテラ)を放った代償として全ての魔力を失った。
魔力量は6000→32000(旅の仲間集結時)→120000(最終決戦前)→0(魔塵戦争終戦時)。
- アルティマ・エーテリオン
ピュア・ヒューマンの若者。『魔法大全』の著者ヴィーア・エーテリオンの血筋にあたり、「無名の魔術師」の称号も伝統的に引き継いでいる。周囲からの過大な期待に耐えかねてクレイクインの魔術師学校を抜け出し、紛争地域で危機に陥っていた所をアンサラらに助けられた縁で「調和の旅」に同行することとなった。
旅の仲間の中では最も低い魔力がコンプレックスになった時期もあったが、魔力操作の腕前と魔法知識はずば抜けており、それらをフル活用した戦術により最終的な魔術師撃破数はトップであった。また、格上の魔術師を倒した数も物語中最も多い(その知識ゆえ、当初は「格上の魔術師を相手に戦うなんて愚の骨頂だろ」と言ってやまなかった)。
魔力量は1200→18000(旅の仲間集結時)→65000(最終決戦前)→99000(第二部開始時)。魔力の向上はここで頭打ちとなり、10万には届かなかった(一般的に魔力量10万からは大魔術師と呼ばれるようになる)。それでも対魔術師戦の戦果はトップで、最終的に世界最高の魔術師部隊「レメゲトン」のリーダーに就任した。
旅の仲間の中では最も低い魔力がコンプレックスになった時期もあったが、魔力操作の腕前と魔法知識はずば抜けており、それらをフル活用した戦術により最終的な魔術師撃破数はトップであった。また、格上の魔術師を倒した数も物語中最も多い(その知識ゆえ、当初は「格上の魔術師を相手に戦うなんて愚の骨頂だろ」と言ってやまなかった)。
魔力量は1200→18000(旅の仲間集結時)→65000(最終決戦前)→99000(第二部開始時)。魔力の向上はここで頭打ちとなり、10万には届かなかった(一般的に魔力量10万からは大魔術師と呼ばれるようになる)。それでも対魔術師戦の戦果はトップで、最終的に世界最高の魔術師部隊「レメゲトン」のリーダーに就任した。
今後の予定
- 人と亜人とモンスターが住まう剣と魔法の世界の戦争物。
- あくまで魔法メイン。魔法体系とかも黒歴史る。
- 魔王学級の設定をところどころ流用したい。繋がりとかは考えてない。
- 超科学的な技術を持つ国もいるけど基本は土臭いファンタジー。
- 国対国の話が根本にあって、そこで交わる政治的な思惑とか、それに巻き込まれる一般ピープルとかの話をすると思うけどわかんねえ
予定。
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