【スパーダとリカルド 1】
スパーダ
「あんた、なかなかの凄腕だな。
一体どれだけの修羅場をくぐったんだ?」
リカルド
「いちいち数えていられるほど
生易しい生き方をしちゃいない」
スパーダ
「へえ…、
よくいままで死ななかったものだ」
リカルド
「易々と死なせてもらえるほど
俺の業は軽くはない。
まだ人の死を看取らねばならんな」
スパーダ
「………」
リカルド
「どうした?」
スパーダ
「カッチョええ~!!
そういうセリフ回しってさぁ、
どうやって身に付けるんだ?」
リカルド
「………
こういう言葉は生き方が反映する。
ガキが真似た所で、軽佻浮薄な
臭いセリフでしかない」
スパーダ
「フン、年寄りのセリフは
分別臭くてまいるぜ…」
リカルド
「真似をしているつもりか?
フン…、二度と言わせるな。
所詮はガキの背伸びに過ぎんぞ」
スパーダ
「うぉぉ、やっぱカッコええ!
オレも低い声出す練習しとこっと」
リカルド
「………」


【スパーダとリカルド 2】
スパーダ
「リカルドの身のこなし…。
ただ者じゃねェよな」
リカルド
「当たり前だ。
白兵も格闘も並みの兵士以上だと
自負している」
スパーダ
「剣でもオレより強ェえってのか?」
リカルド
「安心しろ。
お前の方が上だ」
スパーダ
「へ、へへ…、安心したぜ」
リカルド
「フン、だがな。
戦場で生き残る確率は俺の方が
はるかに上だろう」
「剣の強さ、格闘の強さなど
限定した局面で強くとも意味はない」
スパーダ
「そ、それは…」
リカルド
「剣術大会で優勝したとしても、
戦場ではどうだ?
銃弾一発で倒されて終わりだ」
スパーダ
「オレは弱いのか?
クソ…」
リカルド
「フン…、俺の詭弁に乗せられるとは
お前もまだまだガキだな。
戦場に立たなければいいだけの話だろう」
スパーダ
「な、なんだよソレ!
オレをからかったってのか?」
リカルド
「怒るな。
俺はお前の剣の才能に嫉妬したのだ。
少し意地を張らせてもらった」
スパーダ
「…そ、そーかよ!」
リカルド
「フン、感情を気取られては
まだまだ真の兵(つわもの)とは
言えんぞ?」
「技よりも心を鍛えろ、ベルフォルマ。
だが、わざわざ忠告してやるほど、
俺は親切ではないがな…」


【スパーダとリカルド 3】
スパーダ
「ああ~、まだるっこしいぜ…」
リカルド
「アニーミとミルダの間柄、か?」
スパーダ
「よくわかったな!
いい勘してる」
リカルド
「フン…、お前の年齢なら
そんな事ばっかり考えているものだ。
それと考えを表情に出す癖がある」
スパーダ
「マジで?
全然気がつかなかった…」
リカルド
「鼻の下、伸ばしていたな」
スパーダ
「そ、それはともかく!」
「あいつら、ヤキモキするぜ…。
とっととコクってモノにしちまえよな」
リカルド
「フン、同感だな。
だがミルダの性格ではありえん。
問題はアニーミの方だが」
スパーダ
「イリアも
まんざらじゃ無さそうなんだけどな。
イリアからコクってもいいんじゃねェ?」
リカルド
「意地を張るあの娘の事だ。
それもありえまい」
スパーダ
「じゃ、どーすりゃいいんだよォ!」
リカルド
「放っておけ」
スパーダ
「ああ!?
なんでそーなるンだよォ!」
リカルド
「ああやってウジウジ悩むのも
ガキの様式というものだろう?
そうして大人の恋愛に近付いて行くのさ」
スパーダ
「そりゃそーかもしれねェけど…。
ってか大人の恋愛ってなんだよ?」
リカルド
「…そうだな。
お前が自分の稼ぎで食って行けるような
一人前になったら、連れて行ってやる」
スパーダ
「え? そ、ソレって…」
リカルド
「フン…、とりあえず静観しておけ。
お前の出番は、恋に破れたミルダを
なぐさめる時だ」
スパーダ
「ああ、そん時はオレが
連れて行ってやればいいのか?
そーいうトコによォ」
リカルド
「お前らにはまだ早いな」
スパーダ
「…かもな」
リカルド
「ああ、もっと健全な恋愛をしろ。
ガキらしくな」
スパーダ
「だいたい金が無ェっての」
リカルド
「………」

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最終更新:2007年12月24日 01:02