【イリアとリカルド 1】
リカルド
「………」
イリア
「ちょっとぉ、何あたしに
熱視線送ってるワケ?」
リカルド
「勘違いするな。
お前の銃を見ていた」
イリア
「あ、そーいう言い訳するの?
ヘェェェエ~、そお~」
リカルド
「銃の整備はしているか?」
イリア
「………
なーんだ。ホントにあたしの
足を見てたんじゃなかったのね。
んで銃の整備って何?」
リカルド
「お前の銃はダブルアクションだったな。
引き金と撃鉄が連動しているから、
その部分はよく整備しておけ
それに銃口の中も、よくブラシを
かけておくんだ。
分解なら簡単に出来る」
イリア
「ダブルアクションって何?」
リカルド
「…お前は銃の事も知らずに
命を預けているのか?」
イリア
「だって仕方ないじゃん!
いきなり親に持たされたんだもん」
リカルド
「その様子では整備なぞ
していないな…。
いいだろう、貸せ」
イリア
「ええ~?いいよ。
後で自分でやるってば~」
リカルド
「いや、俺にやらせてくれ」
リカルド
「というより、やりたいんだ
…その、なんだ、
銃を触るのが好きでな、俺」
イリア
「ふうん?
ま、それならお願いしよっかな」
リカルド
「任せろ
…ふむ、45口径か。
女の腕には少々重たいだろうが、
まあ、それも訓練次第か
前方照準に少しやすりを掛けておけば、
より早く抜けるだろう。
いや、それよりホルスターを換えれば…
ブツブツ…」
イリア
「あんな楽しそうなリカルド
初めて見た…」


【イリアとリカルド 2】
イリア
「う~ん…」
リカルド
「アニーミ、どうかしたのか?」
イリア
「拳銃を使った
新しい技が欲しいのよね。
戦術に幅が欲しいっていうか…」
リカルド
「ふむ、それじゃあ
こういうのはどうだ?
銃を貸せ」
イリア
「??
うん、はいコレ」
リカルド
「相手に降伏したフリをして
自分の拳銃を相手に差し出すのだ。
こう、グリップを相手に向けてな」
「銃を受け取る相手をやってみろ」
イリア
「ええっと~」
「「ウェーハッハッハ、とうとう
観念したかァ、死神リカルドめェ!
銃を取り上げてやるぜェ~」」
リカルド
「役には入らんでいい。
そして銃を取らせようとした瞬間、
手の中で回転させて…」
イリア
「アレ?銃口がこっち向いた!?」
リカルド
「間髪入れず撃つ」
「これが「カーリー・ビル・スピン」だ」
イリア
「うぇへぇ~!!カッチョいい!!」
「でも戦闘にはいまいち使えなさそう。
…ま、カッコいいからいいや!」
「あ、ルカ~!!
ちょっと来て~!!」
ルカ
「どうしたの?」
イリア
「あんたに降参する…。
はい、これ、銃よ」
ルカ
「全然意味わかんないんだけど…」
イリア
「いいから!あんたは悪党なの!
脅迫して、あたしから銃を奪って
無力化させようとしてんのよ!」
ルカ
「ええと…」
「「ぶひゃひゃ、観念したか~。
荒野の女豹イリアよ~。
どら、銃を寄こせ~」」
イリア
「えい!
カーリーなんとかスピン!」
ルカ
「あれ?銃口がこっち向いた…?」
「どひゃっ!!」
イリア
「あ、やっちゃった…」
リカルド
「馬鹿者!本当に撃つやつがあるか!」
「怪我はないか、ミルダ!」
ルカ
「だ、大丈夫…だけど」
イリア
「どうしたのよ?」
ルカ
「びっくりして、
おしっこがちょっと出ちゃった…」
イリア
「う~わぁ…、さ~いてぇ~…」
ルカ
「最低…って…、そんなぁ・・・」
リカルド
「ああ、今のはアニーミが悪い。
では、ささっと下着を替えて来い」
ルカ
「………」


【イリアとリカルド 3】
イリア
「ふぅ………………。
ハァ……………………………」
リカルド
「アニーミ。
いい事を教えてやろう」
リカルド
「お前に多少なりとも銃のコーチを
したのは、お前よりも俺の方が
銃を扱った経験が多かったからだ」
イリア
「…それで?」
リカルド
「経験者は未熟者に
的確なアドバイスを贈る事が出来る。
同じ悩みを経過して来たからな」
イリア
「つまり?」
リカルド
「悩みがあるなら聞いてやろう。
幸い俺は人生の先輩だ」
「その大きな溜息、ただ聞かされる
こっちの身になってみろ。
居たたまれんぞ?」
イリア
「ってか、その言葉を最初に
言えばいいじゃん!
…もう、変にお喋りなんだから」
リカルド
「それで、何を悩んでいる?」
イリア
「まあ、そのぉ…、あいつの事」
リカルド
「ミルダ…か。
フン、あいつ相手は苦労するだろうな。
だがそれも時間が解決してくれよう」
イリア
「なんでそう思うのよ?」
リカルド
「自分の殻を破りつつある」
「あのガキは自分の殻が壊れる事を
怖がっていた。
だが、近頃はそうではない」
イリア
「あたしは…、どうかな?
あいつみたいに変われるのかな?」
リカルド
「変わる。
なぜならお前もまだガキだからだ」
イリア
「そっか。
少し安心した」
リカルド
「わかりきった答えだ。
いちいち聞くまでもなかろう…」
「いや、聞かずにいられないのが
愚かなガキの証拠か。
まだ俺の手が必要なようだな…」

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最終更新:2009年12月16日 20:52