基本情報
略歴
ロンドーナ大陸東部で広範に商売を行っていたケートス商会の
蜉蝣時代の商会長(代表)。
ただし、この商会が当時実際に存在していたのかは不明な部分があり、後述のように後世の創作物、それも、原本ではなく他国に渡ってから加筆されたものになってから頻繁に登場したため、異なる物語を一本の軸に合わせる為に登場させた存在ではないかと言われている。
なお、ケートスは商会の屋号であり、代表となった時点で名乗ることになっている。
他作品との関わり
- 赤い花束では悪役として扱われており、リディアニーグの命でスパイの手引きや仲介をしつつ、ロー・レアルス国にも繋ぎを取るなど、黒幕やトリックスター的な描かれ方をしている。
- 鳴鳳の海将では海上要塞エンパイアコスモスの建造を一手に引き受ける大商人として描かれている。実際にどの程度関わっていたのかは不明。直後のエンパイアコスモスの戦いの結末からあまりいい印象は持たれていない。
- 鳳龍伝ではケートス商会のみ名前だけ登場しているが、作中で重要な役割は果たしていない。
- ルディック城の人々では、小説版では城下町に商会本拠地があるために出番は多いが、それでも数いる商人の一人に過ぎない扱いである。しかし、戯曲版では、特に後世の作品になるにつれて、他の商人達の役割を吸収していき、一大商人として描かれるようになった。前述の物語のわかりやすさを優先した顕著な例である。
実在か架空かの論争
- アルディアの手記には、この商会に該当する可能性のある存在が所々登場しているが、明確に名前が残っているわけではないので証拠としては扱われていない。
- 当時、各地に多数存在していてそれぞれの思惑で動いていた商人達を、彼女に代表させることで物語のわかりやすさを確保するために存在させたという説が有力である。そのため、作中での行動や言動に矛盾が見られることも多い。
- ケートス商会の掟として「商売はしても政治には手を出すな」というものがあり、極力どの勢力からも中立を保つことで商会の安全を守っていた。バレーヌもこの掟を守っていたのならば創作物に散見されるような陰謀には無関係だったことになる。ただし、代々の商会長が必ずしもこの掟を遵守しているとは言えず、また、時として中立を守ること自体が為政者の怒りを買うこともあるために、はっきりと断言は出来ない。
人物
- 創作物では商会を一手に仕切っているように描かれているが、ケートス商会は内部の有力者による合議が重視されており、商会長といえども独断で出来ることには相当な制限があった。
- 代表交替の経緯及びその後の去就について記録が残っていないので、引退・死亡・幽閉・行方不明などの様々な説がある。その理由についても勇退から暗殺、事故死、内紛やお家騒動の末の蒸発など様々である。その後もケートス商会は無難な運営を続けているので、どんな形であれ穏便に移行が行われたとするのが通説だが、創作物では(特に悪役として描かれている場合は)因果応報的な最期を遂げさせられることが多い。一方で、悪役の中でひとりだけ「勝ち逃げ」する作品も存在する。
- 好事家として有名であり、埋蔵財宝の噂はいまだに後を絶たないが、それらの説は前提として実在、または明確な個人のモデルが存在していなければならない。
関連項目
最終更新:2024年08月22日 05:59