基本情報



略歴

アディス国第三王子。
1737年、リオネティアの戦いに敗れたアディス国は、リヴォル帝国に従属を誓うこととなる。
それに伴い、リフィティは王族からの人質として1739年リヴォル帝国に送り込まれた。

リフィティの身柄は、四方将で唯一家族持ちだったボルド(実際はシャラダン)の元に預けられた。
人質とはいえ、客人として十分な扱いを受けていたリフィティは、ここでシャラダンの娘であるミリィと意気投合し、やがて互いを異性として意識するまでになる。
そんな若い二人を見ていたシャラダンは、将来二人の結婚をもって両国の絆を強くするのも悪くないと考え始めていた。

アディス国の実家からは定期的に果物が送られ、それをミリィが料理するといった幸福な日々を送り、最初か警戒されていた彼宛の荷物も、すでにろくな検査を受けることなく彼の手元に届けられる様になっていた。

だが、必要以上に届けられてくる荷物にリフィティは不安を感じ始め、箱を調べてみると、彼の元に届けられた箱は二重底になっていた。中には「これに気付いたら、同じ方法で返事を送れ」と密書が入っており、リフィティは言われた通りに返礼の品に同じ細工を実行する。
すると、次に彼の故郷から送られてきた土産の箱には、彼の目を疑う命令が同封されていた。
それは、「ボルドの愛娘ミリィを拉致して帰国せよ」というものであった。
厳密には「拉致が可能な要人またはその肉親」と書かれていた為、ミリィを名指ししたわけではないが、リフィティに拉致が可能な要人と言えば、彼女しかいなかった。
既にミリィと相思相愛となっていたリフィティは悩んだが、個人的な恋愛感情より、祖国のことを優先させるべきと決断し、この策を実行する。
既にリフィティに絶対の信頼をおいていたミリィは、彼の言葉に簡単に騙され拉致される。

アディス国は用意周到に何台もの馬車を商人に化けさせて待機させ、それを乗り継ぐことで常に最高速度を保ち、追撃部隊を振り切った一行はアディス国へ帰国。
これに対してシャラダンは、堂々と軍勢を派兵する。
威圧によってアディス国側からなんらかの使者を誘い出し、そこから交渉にもっていくための威圧であったが、父である王ハーグリブスと、兄ノーウェンは、シャラダンリヴォル帝国に関わる全てのものを憎悪の対象としていた為、派兵してきたのなら、もはやミリィに人質としての価値がないと、ミリィを激しい拷問の末に落命させた。

リフィティはミリィの亡骸をシャラダンに届けると、自身は首都に帰還、その後押し寄せるリヴォル帝国軍との最後の戦いとなるアディスの戦いにおいて、首都の陥落と同時に覚悟を決め自害しようとした。

だが、そこにリヴォル帝国軍兵士が乱入し、王族として身に着けていた数々の装飾品を狙われ、その五体を切り刻まれるという蛮行の末に落命する。

普段なら、軍規厳しいリヴォル帝国軍は、敵とはいえ、王族が自害しようとするのなら、敬意を表して見守るのが通例であった。
しかし、この戦いでは、娘を奪われたシャラダンの個人的感情により「動くものは全て斬れ」との命令が下され、兵士達も半狂乱となり、アディス国首都は略奪と蛮行の坩堝と化していた。


人物

  • 性格は温和で優しいが、温室育ちの為苦労知らずな面がある。
  • 人質であったが、リフィティは生来の人柄のよさもあり、シャラダン家の執事やメイドの信頼を受け、アディス国から季節の挨拶として送られてくる食物や服に関して、徐々に監視は緩んでいた。その為、箱に細工された密書が簡単にリフィティの元に届くこととなった。
  • リオネティアの戦いでの敗北から彼が人質として送られるまで、空白の二年間が存在する。もともとシャラダンはアディス国を小国と侮り警戒していなかった為、彼から人質を要求したのではなく、あくまでもアディス国が自主的に媚びを売るために送り込んだという説があるが、その場合リフィティは最初から任務を理解した上で送り込まれ、ミリィとの恋慕に悩む姿は後世の創作で、真実は最初から最も拉致が容易だった彼女に進んで近づいたという説もある。しかし、敵同士でありながら惹かれる男女の姿はどの時代でも好まれるため、この説には反論が絶えず付きまとう。


関連項目



最終更新:2024年08月22日 16:17