概要
戦闘に至るまでの背景
今回の出兵は、威圧によって相手側から和睦、降伏の使者を送らせ、そこで
ミリィを奪還するつもりだった
シャラダンだったが、この報告に落胆し、
イズを伴って一旦遠征軍から離れて帰国する。
実際二人は、損害をものともせず首都まで攻め込む。
だが、すぐに陥落するかと思われていた首都だが、追い詰められ「降伏しても皆殺しにされる」と信じ込んだ将兵、民衆が一丸となって徹底的に抵抗し、
リヴォル帝国軍の軍勢はこの地に足止めされることとなる。
そんな中、
スカルオーネの戦いにおいて
リヴォル帝国軍主力部隊が壊滅し、更に帝都にまで敵軍が迫っているとの連絡が遠征軍に届く。
包囲を続けての長期戦をする時間はない、包囲を解いて撤退すれば追撃戦を受ける、和議を結ぶにも、送り込んだ使者すら斬られるほど憎悪が渦巻いている。
進退窮まった
アスタルは、1741年8月、最も避けていた「損害度外視の力攻め」を決行する。
両軍の戦力
戦闘経緯
一秒でもはやく本国へ帰国したい
アスタルは完全に焦っていた。
総指揮をとる立場にも関わらず、自ら剣をふるって最前線に立つが、それは
四方将の本来の姿でもあり、兵を鼓舞する効果もあった。
だが、既に「
リヴォル帝国軍に慈悲はなく、皆殺しにされる」と信じていた
アディス首都の人々は、兵士だけではなく民衆までもが逆らった為、斬られずに済んだ人々まで次々と屍と化していた。
「敵兵を打ち破れっ!!城下町は焼き払えっ!!動く者は女子供から犬に至るまで全て斬れっ!!」
敵も味方も復讐の坩堝の中で戦い、作戦も何もなくただ憎悪の感情だけをぶつけ合い、全てを吐き出した者から散っていくという掃討戦が展開されていた。
そして、本来なら決してこんな結末を迎える筈ではなかった将である
アスタルが、必要以上に前に出すぎた為、城壁を乗り越えたところで待ち伏せていた弓隊の総攻撃を受け戦死する。
しかし、
アスタルの作り出した突破口から兵は次々と城内に入り込み、まずは
ノーウェンを討ち取る。
更に、この戦いの中、唯一冷静さを持っていた、
ミリィの恋人になる筈だった
リフィティも、いままさに自害しようとしていたところを無理やり引きずりだされ、王族として身につけていた装飾品目当てに兵士達にその五体を切り刻まれた。
普段の軍規厳しい
リヴォル帝国軍なら決してなかった略奪だったが、怒りと憎悪、そして徹底的に反抗されたことへの逆上から、この時ばかりは首都の各地で平然とこういった蛮行が行われた。
戦いの結末
リヴォル帝国軍は、城攻めで最も避けるべき力攻めを強行した為、勝利と引き換えに6割に近い損害を出し、そして総指揮官
アスタルまでも戦死させた。
対する
アディス国は、王族は全滅し、
アディス国は完全に滅亡した。
本来なら軍勢を残留させ、戦後処理に入る筈だが、
ベルンハルトは首都をそのまま放置、急ぎ本国への撤退を開始した。
こうして
アディス国跡地には、
リヴォル帝国に対する憎悪だけが根強く染み付いていくこととなる。
最終更新:2024年07月13日 02:29