概要
戦闘に至るまでの背景
▲3328年前後の勢力図
アーズ国第4艦隊は本来防衛を専門とし、長い間国境に配備された為、戦闘に参加する回数自体がそれほど多くはなかった。
だが、この艦隊の指揮官であり
神器衆の一人
トミラスは、将来を見据えて自分の地盤を固める為、手柄を望んでいた。
隣国である
モルト国は
アトレティア国陣営ではあったが、大部隊も優秀な指揮官も存在せず、
アーズ国、
ビーストバリア国に関わる激戦区に存在しながら、これまで何もしないことで「見逃されていた」形でこの戦乱を生き延びていた。
トミラスは、この
モルト国を攻略し自身の地盤とするべく、独断で出陣を決意した。
トミラスは、指揮官としては
神器衆でも指折りの名将であり、同時に優れた戦士であった。
しかし、遠縁とはいえ王位の血を引き継いでいる為、実力ではなく家柄で現在の地位を得たと誤解している者は多かった。
留守部隊は、本来遠征軍と同じくらいの実力をもっているからこそ勤まる重要な任務であるが、同僚の
サウラ達が華々しい手柄を上げる中、彼が本来の実力をアピールする機会を失い続けた事も彼の不満として蓄積されていた。
そんな状況で、敵将とはいえ
ロザンドが王を名乗ったという情報は、彼を違う方向で奮い立たせていた。
両軍の戦力
戦闘経緯
トミラスは、自らの部隊のみで
モルト国へ攻め込むと、自身の実力を存分に発揮してこの戦いに勝利を収めた。
既に、戦闘開始前に寝返り工作等を行っていた為、
トミラスの威嚇のみで次々と道は開き、首都防衛の地上部隊も、
トウリョの攻撃と、
トミラスが巧みに敵軍を誘導することで、
モルト国軍は分断され遊軍を作ってしまい、各個撃破され勝敗は決した。
戦いの結末
トミラスは自ら王を名乗ることはせず、王である
ルタを辺境に左遷させ、彼がかつて暗殺した兄
ベルシクの娘である
フィーネを亡命先の
ヴィッツ国から帰還させて王位に就かせる。
元々「暴君である
ルタから国を解放する」という旗印を掲げていたため、形式上のことであり、実験は
トミラスが握る傀儡政権であった。
だが、彼の独断での派兵に対して、
アーズ国王女である
アルスレーナとその側近達は怒り、
サウラ達
神器衆はそれをなだめるのに奔走させられることとなる。
本国への弁明もせず、
トミラスは自らの軍勢を強化させると、更に西へと向かい
鬼龍軍と対峙する形で駐屯した。
この時、彼の部隊の物資や食料は、本国からの輸送が途絶えてもいい様に
モルト国に負担させる準備もできていた。
だが、
アルスレーナの怒りは収まらず、翌年
トミラスは、
アルスレーナの手によって暗殺されることとなる。
最終更新:2024年07月31日 01:26