基本情報



略歴

アトレティア国将軍、ロザンド軍の頭領。
ガザデルーと並ぶアトレティア国最高位の将軍であり、独立国に相当するほどの勢力を持ち、ダルスバード艦隊を伴って自由な行動を許され、常に本国から離れた場所に駐屯していた。
アトレティア国は、この頃ジルダーの支配下であったが、ジルダーは表立って名を出すことを嫌い、王座にもつかず、その存在すら一部の者しか知られていなかった。
そのため、ロザンドやガザデルーが、多くの者にとって実質上の支配者と見られていた。

ザールック3325年、ガザデルーマドリアル攻略を成功させたと聞くと、自身もそれまで攻略中であったロンダイア国に強襲を仕掛けて首都を落とし、完全に支配下とする。
この軍事行動は、互いに連携したものというより、ライバルであるガザデルーマドリアルを攻略した為、戦功で差をつけられることを恐れ、強引に侵攻戦を開始したというのが実状である。
こういった両者のライバル関係は、アトレティア国が勝利を重ねている間はいい方向に傾いていた。

3327年、アーズ国に奪われたリゼルバを奪還するべく出陣するが、その出陣がガザデルーの命令だったことに不満をもっていた彼は、サルファーの謀略でポルスが早々に撤退したこともあり、セロナバルス国が自分の留守の間に出陣してくるという口実で、戦わずして撤退した。

3328年8月、ガイラスマルラといった主力部隊を率いてセロナバルスへ進軍。
両軍はブライッチの戦いで激突し、この決戦に勝利を収めるとそのまま大国セロナバルスの首都を陥落させ、主力軍を四散させる。
だが、主力部隊を完全に壊滅できなかったことから、セロナバルス国軍は各地に潜伏し、ゲリラ活動でロザンド部隊の制圧軍を足止めすることとなる。
セロナバルス残党軍は確固たる統一意志と、高度な情報ネットワークを持ち、各地のゲリラは想像以上にロザンド部隊に損害と混乱を与えていくが、その裏にはアーズ国が差し向けたサウラアリンの暗躍もあった。
それでも兵力の差は圧倒的であり、セロナバルスは実質上ロザンドの支配下となったが、ロザンドはここで、「民衆を手懐ける為の方便」という建前によりセロナバルス王を名乗る。
戦力をもった部下が任務地で独立を宣言するというのは、事実上の反乱であったが、地位というものに興味のないジルダーはそれを許可する。
しかし、王を名乗ったことに対してガザデルーと部下たちの怒りは大きく、両者の対立はいよいよ本格化していくこととなる。

そして、ジルダー出奔により本格的な内部抗争であるアトレティア内乱が勃発。
来るべきガザデルーとの戦いを見据えて、セロナバルスフェイノアの二国を自分の領土とし、ポルスガザデルーが疲労するまで戦うのを待つことにしていた。
しかし、王を名乗ってから彼の性格は豹変し、それまではガイラスマルラといった部下と対等の立場で語り、彼らの長所を活用していたが、権力を志向する様になってからは傲慢になり、彼らの進言も疎ましく思い始め、自分に媚びを売ってくるセロナバルスの貴族や商人たちとの繋がりを優先した。

3330年、力を蓄えながらアトレティア内乱の推移を見届けるつもりだった彼の前に、突然想像もしていなかった方向からビーストバリア国の強襲を受ける。
当初はビーストバリア国の意図不明な進軍を嘲笑していたが、戦端が開いたグスティナの戦いにおいて、突如ガイラスマルラが裏切り、まさかの敗北を喫して戦死する。


人物

  • ガザデルーは、ロザンド戦死の報告を誰よりも早く聞きながら、「奴が自分以外の者に負ける筈がない」と、誰よりも遅くまで信じなかったといわれている。敵対する関係でありながら、実力だけは認めていたエピソードである。


関連項目





最終更新:2024年07月02日 14:22