名も無い乱立

あにゃめ_日記

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aa-ranritsu

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記録01

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都会では、退魔師の仕事の中に、報告書を含める場合もあるという。
慣れるには良い機会と言われたので、先ずは日記の様な記録を取る事にする。
とは言え、この稼業、言う程付ける記録がある様な気はしないのだけれど。


辿り着いた、陽桜市。
随分な、都会の様だ。
他に都会を知る訳でも無いから、どの程度なのかもわからないけれど、二日くらい迷った。
いずれ、観光しても良いのかも知れないけれど、また迷う事になりそうなので、仕事の事を考えると、
おいそれと出歩くのも控えた方が良いだろうか。

一応、支援の要請で此処に来た事になっては居るが、言う程のものがあるのかは、今の所はわからない。
これから、と言う事なのかも知れないけれど。



慣れる為なのはわかってるけど、標準語で記録を付けるのは、時間がかかって大変。
なー。いつねんなはなさせん、よぉな?

記録02:やまゆり商店街

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都会の商店街だ。
本で読んだ様なお店が並んでいる。
人の往来も多く見受けられるけれど、駅や街中程では無いのは幸いかも知れない。
人込みは、迷いそうだし、転びそう。


▶0506 キャロル(犬の子)
そんな商店街でぼんやりとしていたら、女の子に声をかけられた。

何故だか、団子を一緒に食べる事になった。都会では、お互いに食べさせるのが流行ってるみたいだ。

都会って、よくわかんない。

小さな子だった。
小学生くらいだろうか。
迷わずうちに帰れただろうか。

記録03:都内某所

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雪丸
「――景太君、ともひなやしなー。ひぃらいたねぇ。」
景太
「なんて?」
雪丸
「久ぃし振りなー。大きくなったんなー。」
景太
「お前は相変わらず小さいな…。年上とは思えん。」
雪丸
「歳ぃな、関係無いぃんな、お師はん見てたらなー。」
景太
「あれは、人間じゃないから、比較になんないだろ…。って、そんな話は如何でも良いんだ。」
景太
「ほら、西藤。挨拶しろ。」
千代
「…こいつが退魔師なのか?ふつーの子供じゃないか。」
景太
「あ・い・さ・つ・し・ろ。」
千代
「…千代。」
雪丸
「常日雪丸、と申しぃます。たぬきさん、なー?」
千代
「オオカミだ! おい、こいつ節穴だぞ!」
景太
「人間に化けてんだから、見た目でわかんなくても仕方無いだろ。」
雪丸
「退魔師ぃなん、そのぐらいは化けてるうちに入らんよぉ。可愛らしぃ、お耳と尻尾なんなー。」
千代
「この耳と尻尾が見えてるなら、タヌキと間違える事は無いだろ!」
景太
「…間違える奴なんだよ。」
雪丸
「なー。千代さんはぁ、村に来たいんなー?」
景太
「こいつ、最近、そのオオカミの何かに目覚めたらしくてさ。桔梗院、だっけ? そういうのに縛られたくないんだってさ。」
千代
「なんで景太が答えてるんだよ!」
千代
「…まぁ、大体そのとおりだけどさ。なんか、コレに目覚めてから、そういうルールとか、イヤなんだよ。あたしは自由に生きたいんだ!」
雪丸
「気ぃ質も、影響されてるみたい、なー。」
景太
「落ち着くまでだけでも、村に置いてやれないかなってさ。」
雪丸
「ほーや、これ持っててぇ、なー。」
千代
「…お札か、これ?」
雪丸
「"怪異"ぃに括られるのぉは、それが無いと村にぃ入れないん、なー。」
景太
「通行許可証、って事か。」
雪丸
「若しくは、手に負えないて、宣言なー。後はお師はんで、如何にかして、なー。」
景太
「丸投げか?」
雪丸
「どの道ぃ、お師はんがダメって言いなー、ダメになるん、なー。」
千代
「その"お師はん"ってのが、村のボスって事か?」
雪丸
「なー。」
千代
「そうか。じゃあそいつと話を付ければ良いんだな。」
景太
「その通りなんだが、お前が言うと何をしでかすか不安になるな。」
千代
「お前、あたしの事を狂犬かなんかだと思ってんのか?」
景太
「その態度を見てれば、そうも思うだろ。」
雪丸
「なー。景太君はぁ、村の外でも、犬に好かれるん、なー。」
千代
「オオカミだ!」
景太
「犬を言い出したのはお前だろ…。まぁ、兎も角、態々有り難うな、雪丸。」
雪丸
「なー。丁度、ひー↑ざく↓らぁ→しぃ↑に、行くところやぁたら、なー。」
景太
「ひーざ……嗚呼、陽桜市か。」
景太
「お前が村から出るなんて、珍しいよな。何の用事だ?」
雪丸
「勿論、お仕事、なー。」


坂月 景太 (さかづき けいた)
村出身の一般人。
無害な怪異に懐かれ易いらしいが、異能や退魔の素質は全く無い。
西藤 千代 (にしふじ ちよ)
隔世遺伝かつ覚醒遺伝の、狼の気質を宿す少女。
最近まで一般人だった。
常日 雪丸 (つねび ゆきまる)
村の退魔師。
物心ついて以来、村から出るのは初めて。

記録04:練馬堂

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やまゆり商店街にある、所謂ところの駄菓子屋。
仄か、漂う煙草のにおいは、店の主からかと思ったが、煙草屋でもある様で…駄菓子と煙草、どちらが主副かは知らないけれど。


▶0006 榛 レイラ
店の主か、店子の丁稚か。
顔に見覚えがあった気がするけれど、気の所為かも知れないけれど。
一つ、駄菓子をお裾分け。お姉さんとは呼んだけれど、たぶん相手の方が年下。

きんよさのわらしゃら……なー、最近の子は、大きく育つんなー。

記録05:通話記録

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景太
「――おー。如何だ、そっちは。…そうか。上手くやってんのか。」
景太
「おー。久し振りに帰省したけど、相変わらずだな、村は。」
景太
「西藤か? まぁ、ぼちぼち上手くやってるみたいだな。毎日野山を駆け回ってるとさ。」
景太
「…それよりさ。姉ちゃん、こないだまで行方不明だったって、マジ?…マジなのか。」
景太
「いや良く在る事では無ぇだろうよ。……え、もしかして、良く在る事だったのか、退魔師的には?」
景太
「あ、止めろ、解説するな。深く知ると、桔梗院ってのにマークされるんだろ。」
景太
「俺は一般人で良いよ。退魔師にゃ、成れないんだし。」
景太
「記憶を弄られるのも嫌だしな。お前らの事、忘れたくも無ぇし。」
景太
「……止めろ。村の人間って時点で一般人じゃない、とか言うのは。」


坂月 景太 (さかづき けいた)
電話の主。
久々に帰省したら、スマホヨが圏外じゃ無くなっててびびる。
常日 雪丸 (つねび ゆきまる)
電話の相手。
スマホヨで電話を掛けるのに10分くらいかかる。
西藤 千代 (にしふじ ちよ)
電話には出て無い。
山を走り回るウルフガール。

記録06:何処かの喫茶店内

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雪丸
「なー。えないな、うえがらしぃな、ひぃらにねぇ。」
美鳥
「なんて?」
雪丸
「時間、遅ぅれて、ごめんねぇ。」
美鳥
「慣れない土地だもんね、仕方ないよ。」
雪丸
「なー? ふーな、迷ったって、わかったの?」
美鳥
「何でって、雪くん、道に迷いそうな感じするし…。他人のこと言えないけども…。」
雪丸
「美鳥ちゃんも、迷ってぇたもんねぇ。」
美鳥
「あれは、迷ってたって言うか……まぁそれは良いや。」
美鳥
「えっと…はい、これ。もしお仕事で手詰まりになったら使って、だって。」
雪丸
「なー。お師はんのー。未だ大丈夫だぁと、思うんけど。」
美鳥
「お仕事、順調?お仕事以外でも、困ってる事とか、ある?」
雪丸
「なぁんも。」
美鳥
「そう。それなら良いけどね。無理しないで、何時でも相談してね。」
雪丸
「なー。それよぉり。美鳥ちゃん、恋人できたぁって、ほんとーなー?」
美鳥
「ん゛っ。」
美鳥
「……誰、そんなこと言ったの。出来てないから。恋人…では、無い、から。」
雪丸
「ほんとー?」
美鳥
「……恋人では、無いもん。」
雪丸
「ほーや、なんなー?」
美鳥
「何って言われても…その…。わたしだって、わかんないよ…。」
雪丸
「ほーや、わかったら、教えぇてね。」
美鳥
「…まぁ、わかったら……?」
雪丸
「なー。美鳥ちゃん、眼鏡変えたんなー?」
美鳥
「…急に話題変わったね。雪くん、ほんとにマイペースだねぇ。」
雪丸
「なー?」


觥 美鳥 (つのさかづき みどり)
村唯一の神社、坂月神社の宮司兼巫女だが、一般人。
寒暖の差がちょっとしんどいなぁ、とぼやいている。
常日 雪丸 (つねび ゆきまる)
村唯一の退魔師。
道に迷うので、未だに陽桜市の観光が出来て居ない。

記録07:ぐりどる

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何時かの女の子に連れられて、お好み焼き屋さんに。
はなひなーのもにやきは、無いらしいのだが。

▶0506 キャロル(犬の子)
何時かの女の子は、キャロルさんと言う名前だそう。
お好み焼きは、初めての様だったけれど。上手に焼き上げて居たので、器用なのかも知れない。

幼く、元気に笑う様は、愛らしいと思う。


そう言えば。
丁度持って居たのだし、渡して置けば良かったかも。
また会う機会が在ったら、そうしようかな。

記録08:異界

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一段落と、胸を撫で下ろしていた退魔師も多い様に思うけれど。
実際の所、何か状況が良く成ったかと言えば、そんな気もしない。
無論、一般人が助かったのは、喜ぶべきかと思うけれど。
そう言えば、彼らの処遇は如何なるものなのだろう。
お師はんから聞いた所では、消されたりするらしいのだけれど。記憶を。
その辺は、桔梗院が考える事なので、知る由も無い。

さて、それはそれとしても。
調査は続くらしく、何か知らない組織を追い駆けるとか。
ちょっと困る。
調査が続く事は、構わないのだけれど。
その組織が、退魔師で。人間で、構成されるのだとすれば。
つまり、敵も人間なのだとすれば、それは困る。
だって、対人戦は教わっていない。


――懐から、札を取り出す。
美鳥ちゃんが持って来てくれた、お師はんの護符。
此処が、切り所か。
是ならまぁ、人間にも通じるだろう。
たぶん。きっと。そうだと良いな。

記録09:坂月神社

+ 展開
コタロー
「なんじゃ、思ったより早かったのう。」
美鳥
「ただいま…あれ、コタローちゃんがお留守番だったの?千代ちゃんは、今日はお休み?」
コタロー
「まぁそんな様なもんじゃな。それより、あれはちゃんと渡せたのかの。」
美鳥
「うん。雪くんには、ちゃんと会えたから。…あのお札? って、何なのか、聞いても大丈夫なやつ?」
コタロー
「ちと特殊な式…一般人には"式神"とか言った方が通じるかの?その顕現用の札じゃな。ファンタジー的には、召喚術みたいな見た目になるかのう。」
美鳥
「ファンタジー…な感じなんだ。雪くん、そういうの、使えるの?」
コタロー
「札術の基礎なら、一通り出来とる筈じゃぞ。まぁ、あれを使いこなせるかは知らんがの。」
美鳥
「え…大丈夫なの?」
コタロー
「如何にもならんなら、他の退魔師を頼れば良いだけじゃ。その為の合同事業なんじゃから。村の零細退魔師の尻拭い位、やって貰わんとな。」
美鳥
「…それって、政治のお話?」
コタロー
「そんなこんがらがったもんでも無いわい。人手は貸してやったんじゃから、それを上手く使うのは向こうの仕事じゃ。」
美鳥
「そういうもの…なのかな。退魔師の仕事っていうのも。」
コタロー
「なんじゃ、退魔仕事に興味でも湧いたのか?」
美鳥
「興味、って言うか…わたし、そういうの、何も知らないな、って。」
コタロー
「そりゃまぁ、美鳥は"一般人"じゃからのう。必要以上に知っとると、村の外で要らん苦労をするからの。」
コタロー
「嗚呼、今のは勿論、政治の話じゃ。」
美鳥
「…うん、それは、何と無くは知ってるけれど。」
美鳥
「でも、良いのかなぁって。わたし、一応、村の神社の主なんだけど。オカルト染みた事、全然で良いのかな…。」
コタロー
「ふむ? 雪丸の奴が仕事して居る素振りでも見て、何ぞ思うてかの?」
美鳥
「雪くんとは、お茶飲んで雑談して来ただけなんだけども…。いや、でも、そうなのかも知れないね。」
コタロー
「そうじゃのう…。古来、巫女とは、神と人との橋渡しじゃ。それ故、巫女とは、半歩程、神の側に踏み入れて居るものじゃな。」
コタロー
「じゃが、此処は妖の統べる村。橋渡すのならば、妖と人と、じゃろう。」
美鳥
「…それってやっぱり、半歩だけは妖の側に踏み入れないとダメなんじゃないの?」
コタロー
「神が坐しますは、遠き神の代。妖が統べるは、この村で隣に。距離が違うんじゃよ、最初からな。然すれば、この村の巫女に求められる事、即ち。」
コタロー
「誰よりも、"人の側"で在る事、じゃな。」
美鳥
「…"一般人"で在る事を、求められてる?」
コタロー
「今の儘、其の儘が一番、って事じゃな。」
美鳥
「そういうもの、なのかなぁ…。」
コタロー
「そういう事で、良かろうよ。」
コタロー
「大体、要らんもん知っとると、猶の事嫁に行き辛くなるじゃろが、お主。」
美鳥
「…何か言った?」


觥 美鳥 (つのさかづき みどり)
坂月神社の主、詰まりボス。
威厳も貫禄も霊能力も、何も無い。
九尾 狐太郎 (コタロー)
村の主、詰まりボス。
表も裏も取り仕切る、出来る妖狐。

記録10:村

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コタロー
「お主はそろそろ東京に戻るんじゃったかの?」
景太
「そうだな。予定より長居しちまった。」
コタロー
何の娯楽も無い田舎じゃが、お主の郷じゃ。何時でも来て、何時迄でも居れば良い。」
景太
「おー。その内、また帰って来るわ。」
景太
「別に俺が言う事でも無い気はするけどよ。西藤の事、よろしく頼むわ。」
コタロー
「あれも随分、村が馴染む様じゃ。何も心配する事は無かろうよ。」
コタロー
「お主こそ、妖の類に懐かれ易いのは変わらん様じゃ。何ぞ問題在れば、わしでも雪丸でも良いから、頼るんじゃぞ。桔梗院だのは止めて置け。」
景太
「わかってるよ、その辺は。だから今回も頼ったんじゃねーか。」
景太
「…しかし、雪丸の奴、ほんとに退魔師ってやつだったんだな。」
コタロー
「なんじゃ、美鳥と言いお主と言い。雪丸を無職か何かだと思っとったんか。」
景太
「そうは言わねぇけどさ。あんまり、その……退魔師って、要は化け物と戦うんだろ?そういうイメージと結び付かなくてさ。」
コタロー
「切った張ったばかりでも無いが、まぁそうじゃな。並の退魔師程度には、仕込んで置いたからの。」
景太
「やっぱコタローが師匠なのか?」
コタロー
「そりゃまぁのう。他に教えられそうな者も居らんかったし。」
景太
「村の外に出てまでの一仕事は初めてだ、って言ってたな。雪丸も一人前の退魔師、ってやつか?」
コタロー
「如何だかのう。……あれは、才覚が在るでも無し。伸びしろが余り無いと言う意味では、とっくに一人前かも知れんがの。」
景太
「随分厳しいな、おい。本人が訊いたら、内心はちょっとへこむんじゃないか?」
コタロー
「あれが気落ちするとこなんぞ、想像も出来んわ。」
景太
「…それはまぁ、確かに。」
景太
「まぁでも、今回の仕事が上手くこなせたら、褒めてやっても良いんじゃないか?師匠でもあるお前から褒められれば、雪丸も喜ぶだろ。」
コタロー
「…如何だかのう。」
コタロー
「あれが内心、わしを如何思ってるかなぞ、わしにもわからんよ。」
景太
「……はっ。コタローも、そう不安がる事も在るんだな。」
コタロー
「…不安がって等、居らんわい。」
景太
「だったら、素直に褒めてやれって。何考えてるかわかんない奴だけど、喜ぶに決まってんだから。」
コタロー
「…ふん。わしにアドバイスの心算か。百年でも足らん程、早いわ。」


九尾 狐太郎 (コタロー)
千変万化の妖狐。
元々の性別は、もう忘れた。
坂月 景太 (さかづき けいた)
坂月神社の分家筋。
周囲が妖だらけでも一般人で居られるのは、村の主の政治力のお陰。

記録00:昔日の冬

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境界が揺らぐ。
其れは、此の村では珍しい事では無い。
其の様に造り、其の様に施して居るのだから。
だから、其の日の来訪者も、ちゃんと迷い帰られる様にして、其れで終わりの筈だった。

妖狐
「…如何云う事だ?」

白く覆われた野林の端。
其れは、独り、其処に居た。
独りで、辿り着ける訳が無い其処に。

妖狐
「口減らしに捨て置いた…と云う訳でも在るまい。」

唯、迷い込んだので在れば、其れは独りの筈は無く。
だとすれば、其れは誰かの、願いだとか、祈りだとか、
そう呼ばれる事も在る、力無き人間の足掻きの結果か。

妖狐
「何を願うてかは、知る由も無いが。願い一つで、結界すらも踏み越えられては、立つ瀬も無いな。」

いや。或いは。
己が生命すらも、要らぬと。
其の魂魄すらも捧げて、誰かが願ったのならば。
抱き上げる、其の身体は、雪に奪われた熱を、取り戻せずに居る。
此の儘で在れば、願いは叶わずに、終わるのだろう。

妖狐
「…永らえてやる事は、出来様。だが、其れは。」

恨むだろうか。
人の在り様を、半歩外されて。
きっと、もう、唯の人間には、戻れ無いだろう。

妖狐
「――恨みも、辛みも、生きなければ、抱け無い。御主の預かり知らぬ所で、御主の生を決定付ける、此の我を。」
妖狐
「恨んでくれ様とも、憎んでくれ様とも。其の願いの通り。そう願われた通り。生きてくれ。」

其の生を、妖が侵す。
緩やかに、腕の中に熱を生み。
鼓動が、命を数える。


降り積もる雪選りも、静かに。


九尾 狐太郎 (コタロー)
かつてその妖狐は、人間と共に在る事を選び、村を興した。
ある雪の日に、村の住人が一人増えたという、唯それだけの出来事。
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