まる子「関西創価学園の社会の先生で、剣道部の顧問を務める、中山彰さん。
未来部時代、剣道にかけた彼の青春は、全国にその名を轟かせました。
片腕のハンディを乗り越え、左腕だけで竹刀を握る彼の姿は、何があっても絶対に負けない!という強い心を表していました。」
まる子「すっごい気迫と迫力ですねー。」
中山「そうですね。」
まる子「びっくりして息するのも忘れてしまいました。」
中山「はい。」
まる子「ね、今日はいろんなお話をお聞きしたいと思うんですが。」
中山「はい。」
まる子「よろしくお願いしますー。」
まる子「中山さんって小さい頃はどんな子供だったんですか?」
中山「えっとですねー、えー生まれた時からですねー、えー右肘から先がない体で生まれてきたんです。」
まる子「えー。」
中山「はい。で、まぁあのー、どんな子だったかというと、まぁ、とにかく腕白な子でした。」
まる子「中山さんは宮崎県の小さな町(新富町)に生まれました。母・京子さんは『片腕がなくても、私がしっかり育てる!』、そう誓ったそうです。」
まる子「お母さんは創価学会の婦人部でした。そして、何があっても負けない強い心の持ち主でした。」
京子「最初から、あのー、物事に対してもできないじゃなくて、やっぱり、その何回やってもできないのならしょうがないと思うんですけど、
あの、最初からね、"できない"とかは、い、絶対言いなさんな、ご本尊様は前で約束しようねとか言いながら育てた・・・ですね。」
まる子「母の厳しい思いやりから負けるのが大嫌いな少年に育っていきました。そして、小学校一年生の時、"剣道"に出会います。」
中村「友達は両手があるわけじゃないですか?」
まる子「はぁい。」
中山「で、僕は左腕しかないので、とにかく誰にも負けたくなかったぁ。っていうのが一番強かったですね。」
まる子「"負けじ魂"で努力を重ね、中学三年生の時には、宮崎県で優勝するまで成長しました。
その後、大阪の関西創価学園へ、旅立ちます。」
まる子「学園での新しい生活がスタートしました。でも、寮での生活にどうしても馴染めません。
彼の強気の剣道は先輩たちと衝突してばかり、さすがの九州男児も故郷が懐かしくなってしまいます・・・。」
当時の寮
中山「大阪に来る時はすごい不安をいっぱい抱えてまして、」
まる子「う~ん・・・。」
中山「でー、ひとつはやっぱり、自分が片腕だったっていうことと、ましては誰も友達もいないところに、寮生活で入るっていうことで、すごい不安を抱えてたんですけれども・・・。」
まる子「『宮崎に帰りたい・・・』、中山さんは何度もお母さんに電話しようと悩み続けていました。
そんな時、寮の先輩から池田先生のスピーチ集を読むよう、渡されます。」
中山「はじめ信心のことも何も分からなくて、池田先生のことも、詳しいこと、まぁなんも知らなくて、
あのー不安を抱きながら生活をしてたんですけれども、池田先生の指導を読んでいくうちにね、ホントにこの自分の心に響くようなたくさん書いてあって・・・。」
まる子「そして、自分の生涯の指針と出会います。『勝つとは 深き祈りと 人の三倍 努力することだ』。」
まる子「中山さんの剣道に変化が現れます。それまで個人戦にばかり力を集中してきた中山さんは、剣道部の仲間と団体戦で全国大会を目指すように変わっていきました。」
まる子「インターハイの予選を、間近に控えたある日、思いがけない出会いが。」
インターハイ大阪選の直前
中山「池田先生がこう、手を差しのべてこられたので、『あ、握手していただけるんだー』と思いまして、
僕右手ありませんね、そしたら池田先生が迷わずこっちの右袖をバッと掴まれまして、
『中山君、すべてわかってるよ、全部わかってるからねー、しっかりがんばるんだよー』っていう風にね、言っていただいたんです。
今まで、えー右袖を握られて握手されたことがなかったので、」
まる子「えぇ。」
中山「ホントに、体に電流が走るっていうような思いっていうのを初めて体験して、
池田先生ってすごい方なんだなー、ホントに暖かい方なんだなー、その時に決意したのが、この池田先生に絶対、勝利のご報告をするんだと!」
まる子「そして、誓いのしるし『三倍努力』の文字を袴に刻んで、最後の戦いに挑みます。」
まる子「関西創価は決勝戦まで勝ち進みました。」
インターハイ大阪予選/決勝戦
まる子「1勝リードで大将戦へ。中山さんが勝てば優勝、負ければ延長戦です。」
まる子「不覚の一本負け・・・、延長戦です。」
延長戦
まる子「鮮やかな飛び込み面が決まりました。念願のインターハイ出場決定です。」
中山「すごい嬉しかったですね・・・、努力してきてよかったなって・・・、ホントに乗り越えてきてよかったなって、最後はやっぱり努力は嘘をつかなかったんだなってね、思いましたね、はい。」
まる子「中山さんが関西創価学園を旅立つ日、池田先生から再び右手の握手が、この時、中山さんは教師になろうと、新たな夢を描きます。
そして、東京の創価大学に進学、持ち前の『三倍努力』で、文武両道を貫き、晴れて母校の教員となりました。」
中山「じゃあ、マヤ文明の特徴といえば? はい、ヤマオカ。」
生徒「(笑う」
まる子「夢を実現した教師の『三倍努力』は、今も続いています。授業を充実させるためその努力は深夜に及びます。
中山さんの袴には今は何も書かれていませんが、『三倍努力』は彼の心にずっと刻まれています。」
まる子「こんな見えないところにしっかりとありました。『三倍努力 中山彰』。」
中山「剣道部気合入れていくぞー!!」
剣道部員「おー!!」
最終更新:2024年12月20日 19:05