あの大学者が最後に研究していた幾つかの学はもう断片しか覚えていない。今日の視覚訓練の後で見たのだが、殆どは夢の象徴性とわたしの不勉強のせいで注意を怠ったために取り逃がしてしまった。
確か1つは離れたものを近くに引き寄せて秩序化する術だった。学にはすべて奇妙な名前がついていたが、それももはや定かではない。確かそれは確認集合学だとか、なにやら示唆的な名前だったが。
中世の記憶術を自分に適用してみること。
補足:それはトロワの技法と呼ばれる。
例えば、今、来年のドイツの経済を推定する場合、考えられる可能性がドイア、ドイイ……ドインまであるとしてみよう。
次にアの為の不可欠の要素はa,b,c,d,のどれかである。同様にイについてもe,f,g,h,……
それで、aのための不可欠の要素が1,2,3,4,のどれかである。同様にbについても5,6,7,8,……
以上より、来年のドイツの経済をある程度知ることが出来る(過程3を繰り返しても変わらない)。すなわち、
①来年のドイツの経済を完全に示す命題が存在する。それは(例えば)ドイアである。なぜなら、不可欠の要素aが見られるから。なぜなら、不可欠の要素1が見られるから。[単純な数学的命題]
②来年のドイツの経済を完全に示す命題が存在する。けれども命題の要素a,b,c,d,および1,2,3,4,は単純な数学的命題ではなく、相互に交渉している。このため、来年のドイツの経済を完全に示す命題は全ての要素の関係上にある。[物理的――共和制命題]
③来年のドイツの経済を完全に示す命題が存在する。けれども命題の要素1,2,3,4,が物理的命題であり、a,b,c,d,がこれらの要素の交互の律動によって垣間見える類のものであるならば、来年のドイツの経済を完全に示す命題はa,b,c,d,の原型、核となるものに違いない。[植物的――神聖命題]
あとは忘れてしまった。しかしもし、トロワがギリシアのトロイアとも、アメリカに10ある都市トロイとも、フランスの都市トロワとも、イタリアの都市トローイアとも、謎多い詩人クレティアン・ド・トロワとも、貴金属や宝石の原石の計量に用いられるヤード・ポンド法の質量の単位トロイオンスとも、ケルト語の「川」「戦士」を表わすトロイとも関係なく、単に3を表わすものだとすれば、これでよいのかもしれない。
おいおい
最終更新:2008年12月24日 08:55