【詳細】
機動戦士ガンダム00を出典とする特殊システム。
GNドライヴ、太陽炉と呼ばれる特殊な動力炉を有するMS等が使用可能なシステムのことで、
GNドライヴはその異名の通り半永久的に稼働し、GN粒子と呼ばれる特殊粒子を生み出し続ける。
それを圧縮することでビーム兵器として運用したり、MSを動かすエネルギーとして利用するのが00に登場する「ガンダム」であるが、半永久機関故に四六時中GN粒子を発生させ続けるため、余剰粒子というのはどうしても発生してしまう。
その無駄を無くすために00の太陽炉搭載型MSは機体各部にコンデンサーと呼ばれる粒子をためておく場所を有しており、そこに非稼動時に発生した粒子を蓄積し、いざとなれば擬似的な動力源として使うことが可能となっている。
システムが起動すると各部コンデンサーに蓄積したGN粒子を全面解放することで通常の機体スペックの3倍にも及ぶ能力を発揮する。
その際機体が赤く発光しているように見えるのも特徴であり、全面展開したGN粒子が赤く変化することで機体自体も赤く見える(もうちょっと複雑なのだが本ウィキでは説明は割愛する)。
簡単に言えば、一時的にMPを爆発的に増やす、もしくはHPとMPの数値を合体させ戦えるようになる、ようなイメージ。
トランザムは発動するとコクピットのモニターに、「TRANS-AM」と表記される。
ガンプラを動かすビルドシリーズでも登場しており、初代のビルドファイターズは「プラフスキー粒子」と呼ばれる特殊粒子を使ってプラモデルを動かすという設定上相性が良かったのか、多くの機体にトランザムが組み込まれており、その多くが強敵として主人公たちに立ちふさがってきた。
HGの00シリーズのプラモでは太陽炉に相当するパーツは通常無いため、使おうとするならば太陽炉に相当する部分を自作する必要があったりする。
勘違いされがちだが、00に登場する太陽炉搭載型の機体に見られるコーン型のパーツはGNドライヴのカバーであり、粒子を放出するスラスターであってドライヴ本体ではない。
またRe:RISEでは
デュビアスアルケーガンダムがトランザムを初使用したガンプラであり、非情に長い時間に渡りトランザムを行っていたため、トランザムの限界時間が存在しない可能性も指摘されていたが、
第25話にてデュビアスアルケーガンダムのトランザムは一度使用すると中断が不可能なものだったことが判明し、あまりに長い時間トランザムを使い続けたことで太陽炉がオーバーロードを起こし自爆してしまっている。
ダイバーズシリーズにおいて純粋なトランザムを
パルのお兄さんシャフリヤールが操縦する
GN-1001N セラヴィーガンダムシェヘラザードくらいなもので逆に珍しい。
GP-羅刹の前にオーガが使っていた
GNX-803OG オーガ刃-Xはトランザムを使用すると「一ツ目モード」という特殊なロックオンシステムが起動するようになるため、ビルダーによっては自分が扱いやすいように特性をガンプラにもたせるのが半ば常識となっている可能性がある。
スペックの3倍、発動すると超高速で移動し始めるという特徴から、元ネタは初代ガンダムの赤い彗星だったりするんだろうか。
弱点、欠点としては上記の作り込みの問題と、機体に蓄えた粒子を消費する関係上、限界時間が存在し、時間が過ぎると粒子が枯渇して機体性能が極端に低下してしまうこと。
これはさすがに00の世界でも粒子を使い切る前にトランザムを終了させる、擬似太陽炉を取り替えるなどの手段で解決はしているが、無制限のトランザムはその原理上不可能だった。
上級ビルダーによってはそれを「セーフティ」を解釈する模様。
【余談】
ガンプラを戦わせるビルドシリーズだが、他にもガンダム作品には特殊システムが存在するにも関わらず、このトランザムシステムが圧倒的に採用率が高い傾向にある。
エグザムシステムや、
ナイトロシステム等決して使われていないわけではないのだが、トランザムシステムの採用例が多い理由としては、まず大きなものとして「システムの利点がはっきりしている」こと。
発動すると赤くなって早くなって強くなるという、視覚的に効果がわかりやすいシステムであり、見栄えの良い戦闘シーンが描かれるため高い人気を持つ。
そして「どうやって組み込んだんだ」と疑問に思う視聴者に対して「ガンプラに太陽炉がついてるよ」という簡単かつこれ以上ない説得力を持って主張できるというのも描きやすさとしては利点になりうる。
ニュータイプの能力をシステム的に再現するエグザムシステム、強化人間の能力をオールドタイプに付与し強制的に作りかえるナイトロシステムまでは、ファイターの操縦技量でどうにかなる(ガンプラでも再現できる)のだが、サイコ・ザクに搭載されたようなシステムや、オルフェンズの阿頼耶識システムはどうしたって再現のしようがない。
GBNが発展すればそれこそフルダイブを利用して思考制御によりガンプラを操ることで擬似的な阿頼耶識を再現できるかもしれないが、
現時点ではまず難しいだろう。
NT-D、ユニコーンガンダムのデストロイモードへの変形に至ってはオンリーワン過ぎてまずユニコーンガンダムを用意してそれをカスタムしたほうが早い。
「場面描写で視聴者にわかりやすくシステム発動がわかる」
「メリット、デメリットがはっきりしており、それを利用した敵機との駆け引き等を描きやすい」
「ガンプラに組み込むための敷居が(作り込みレベルによるとしても)比較的低い」
という要素から、アニメ作品では扱いやすいのだと思われる。
また「システムの力がパイロット(ガンプラを操縦するファイター)の技量に依存しない」というのも大きな利点か。
Re:RISEでは初めてガンドランザムを発動したパルがそのスピードを扱いきれず逃げるので精一杯だったが訓練を経て見事にコントロールしてみせるという成長を果たしており、
ビルドファイターズでもエクシアダークマターがトランザムを発動したが閉所だったため超スピードを制御できず壁に激突しかけるというシーンがある。
長々と書いたが、正直なところ管理者もコクピットで「トランザム!」と叫んでみたい。
……車の運転席とかでしたことないです?
最終更新:2024年02月16日 17:58