セム

【元ネタ】旧約聖書ほか
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】セム
【性別】男性
【身長・体重】181cm・75kg
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力D 耐久C 敏捷B 魔力A+ 幸運B 宝具A++
【クラス別スキル】
陣地作成:A+
 大神殿を建立する権利を持つ。
 最大規模はセム族の集大成たるソロモン神殿に匹敵するが、
 その作成には『契約の箱』クラスの祭器が必要ため、実上限は“神殿”よりワンランク上に留まる。

道具作成:B
 魔力を帯びた器具を作成できる。

【固有スキル】
原初の神権:EX
 ヘブライ語聖書に最初に登場する祭司(コーエン)としての祭祀権。
 唯一神(アブラハムの宗教)由来の秘跡・奇跡からダメージを負わない。
 また祭司の権威継承を受領するものとして、
 預言者を除いたあらゆるユダヤ系聖職の秘跡行使能力を否定し取り上げる権限を持つ。

神授の叡智:A+
 カバラの秘奥の所持。
 天使から人間に開示され、アダムより連綿と伝えられた究極知の一端。
 アブラハムの師でありノアの後継者としての秘技。

神性:A
 イエス・キリストの過去世たるロゴスとしての高い神霊適正。
 その神性の格はイエスの遠祖ダビデ王を凌ぎ、再臨のエリヤたるバプテスマのヨハネに並ぶ。

カリスマ:B
 王にして祭司という二重権威。
 カリスマは稀有な才能で、その器量は父ノアと同等のものを誇る。

【宝具】
『我が神は復讐を誓われる(カインチック・レタリエーション)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:一人
 神の祝福の一つ、四人の男を守るカウンターガード。
 ノアとその息子たちの血を流したものに対する種族を問わない報復措置の約束。
 アサシンにダメージを加えた対象は同値のダメージを負う。この効果は非生物を対象に取れない。

『天蓋玉座(エル・エリヨン)』
ランク:A++ 種別:対陣宝具 レンジ:99 最大捕捉:1000人
 空飛ぶ平和都市サレム。
 かつて自らの治めた国を改造した天使型空中浮遊都市。
 なぜサレムが空を飛ぶかというと、サレムには神の幕屋があり、またサレムはセムの天幕であるうえに
 「神の都」とは天から選民のもとに取り戻されるべきものだからである。
 黙示録の類と直接の関係はないが、見るものが見れば"新しいエルサレム"に見えるだろう都。
 “永遠の祭司”にして“王”たるものの支配する、古代の理想統治スカイコロニー。
 セムは神代の都市国家一つ分のバックアップを聖杯戦争に持ち込んでいるに等しく、
 おおよそ個人には抗いがたい権限を持つ。

 救世主のもたらす『天の国』にも似る都市だが、サレムは物質界に生まれたものであるため
 その格は本物の“天”と比べるとやはり見劣りしてしまうという。
【Weapon】
『義の王(メルキゼデク)』
 ノアの子セムが持つ祭祀王としての異名。
 また、その名を冠した華美にして典雅なる聖職者の装い。
 アダムに始まりセムに至ってエルサレムに根ざした“神を祀る”職能そのものの象徴であり、
 その権威は"神の独り子"アダムより長子継承された"ノアの長男"セムのものである。
 アブラハムが神に対してするように収入の10分の1を捧げたこの司祭王は
 後世さながらダビデの如く天に君臨するイメージを持たれた。

『輝ける杖』
 アロンの杖に並びイエスの牧杖と同質の力を持つ祭司の杖。
 柄には"Rex et Sacerdos(レックス・エト・サケルドス)"と刻み込まれている。

【解説】
 ノアの息子。
 ノアの長男で、箱舟に乗った8人の一人。
 箱舟で大洪水を乗り切った後、神にノアと兄弟らとともに祝福され、契約を交わした。
 また泥酔して裸を晒しているノアに衣をかぶせ父に祝福された。
 彼はこの親孝行でラビに讃えられ、ヤペテに先んじたことで彼に優越し、(ノアの子で最も)"偉大な息子"と呼ばれ、
 父から「アダムより受け継がれた祭司の服」(と、それに象徴される祭祀権)を引き継いだとされる。
 ヤペテを長男とする説もあるが、しかし祭祀権の長子継承を主張する立場にあっては、
 太祖アブラハム以下を輩出する血筋のためにセムが長男である必要があり、
 彼がメルキゼデクである必要があったのかもしれない。

 メルキゼデクをセムの伯父としたり、ノアと同一視したりする意見は置いておくとして、
 セムとメルキゼデクを同一視する解釈はユダヤで多くされた。
 これは[聖書に系図のない]メルキゼデクをキリストの前身と見做し、"神から授けられた"彼らの祭祀権を
 レビ的なそれに優越すると見る『ヘブル人への手紙』的な立場とは真っ向から対立する。
 メルキゼデクを天使とするのはクムラン文書やナグ・ハマディ文書を受けた
 グノーシスの変形的ニューエイジ思想、キリスト教系カルトなどの見方だが、
 そのような超人視の土壌はそもそもヘブライ聖書に正体不明の重要人物として登場するところにあるのだろう。

 セムは法院(ベト・ディン)を伴う律法研究院(ベト・ハ・ミドラシュ)の設立者でもあるという。
 イサクの子ヤコブやセムの曾孫エベルはその学校の生徒だったとされ、
 ヤコブはエサウから祝福を盗んだときはまず最初にサレムのセムの学院に逃げ込み、
 エサウはセムとエベルによる法廷での弾劾を考えてヤコブ殺害をためらったという。
 セムの法廷で出されたという判決は『タルムード』にも引かれており、判例として使われている。

 またセムにはアブラハムやイサクの割礼に立ち会い、イサクの試練を共に検討し、
 アブラハムの葬儀にはエベルと参列したという伝承もあるという。
 ちなみにノアは母の胎内で割礼を行った(!?)といわれ、セムは先天性無包皮だったとされる。
 割礼の契約を先取りしていただと……!?

なぜサレムを浮かせたのかは自分でもわからない。
最終更新:2016年10月06日 12:15