幾度目かの絶頂を迎えてから、幸村は政宗の髪を撫ぜた。
振り返りながらとろりと潤んだ目で見つめられ、幸村は唇を重ねるだけの口付けを与えた。
体を返し、腕が背に回る。離すまいと強く抱いてくる腕を愛しいと思う。
「政宗殿。このまま……」
上田に来られませぬか。
喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。
国を傾けてでも求めたい。けれど父祖伝来の土地が荒れる姿は見たくない。
そして、奥州という厳しくも美しい土地を滅ぼしたくもない。
「ん?」
硬質な輝きを持つ髪が動く。どこか幼げな顔で見つめられ、幸村は彼女を抱き締めた。
「このまま、朝まで……」
「……いいぜ。お前が起きるまで傍にいるよ」
腕の中の温もりを抱き締めた。痛いと言って小さく笑う。
耳元で名前を囁けば、それはやめてくれと頼まれる。
綺麗な名前なのに、と拗ねてみても、政宗の方がいいと言われる。
「ではどのような名がよかったのですか?」
「んー、冨子とか政子とか」
「それは……よく、お似合いです」
だろ、と不敵に笑う表情が可愛くて、幸村はまた政宗に口付け、肩口に顔を埋めさせた。
腕に重みがかかる。呼吸が緩く穏やかになっていく。
時々、夢に見る。
政宗が上田の地にいる夢を。
それは決まって女の格好をしていて、楽しそうに笑っている事が多い。
けれど夢は夢でしかなく、朝、一人で褥に横たわっていることを思い知らされる。
だからせめて。
今は幸せな朝を迎えたかった。
振り返りながらとろりと潤んだ目で見つめられ、幸村は唇を重ねるだけの口付けを与えた。
体を返し、腕が背に回る。離すまいと強く抱いてくる腕を愛しいと思う。
「政宗殿。このまま……」
上田に来られませぬか。
喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。
国を傾けてでも求めたい。けれど父祖伝来の土地が荒れる姿は見たくない。
そして、奥州という厳しくも美しい土地を滅ぼしたくもない。
「ん?」
硬質な輝きを持つ髪が動く。どこか幼げな顔で見つめられ、幸村は彼女を抱き締めた。
「このまま、朝まで……」
「……いいぜ。お前が起きるまで傍にいるよ」
腕の中の温もりを抱き締めた。痛いと言って小さく笑う。
耳元で名前を囁けば、それはやめてくれと頼まれる。
綺麗な名前なのに、と拗ねてみても、政宗の方がいいと言われる。
「ではどのような名がよかったのですか?」
「んー、冨子とか政子とか」
「それは……よく、お似合いです」
だろ、と不敵に笑う表情が可愛くて、幸村はまた政宗に口付け、肩口に顔を埋めさせた。
腕に重みがかかる。呼吸が緩く穏やかになっていく。
時々、夢に見る。
政宗が上田の地にいる夢を。
それは決まって女の格好をしていて、楽しそうに笑っている事が多い。
けれど夢は夢でしかなく、朝、一人で褥に横たわっていることを思い知らされる。
だからせめて。
今は幸せな朝を迎えたかった。




