「うーぁー…」
「ほら旦那しっかりしてよ!だから風呂ではしゃぐなって言ったのに、この人は全くよぉ…」
佐助の呆れ声が響く中、全身を赤く染め、熱で力の入らない身体を岩に添う事で冷ましているのは幸村と元親。
先の乳揉み大会の後、妙に精神的な緊張が高まってしまったこの二人。
幸村は我慢の限界を超えてしまったらしく、ついに佐助の制止を振り切り元気良く風呂内を泳ぎ始め、
元親は酔わない程度に飲んでいた熱燗が、幸村と一緒に風呂を泳いだ事で一気に全身に回り、
二人は共にのぼせ上がってしまい、現在に至るのだった。
「元親…大丈夫か?」
心配そうに見つめ、てぬぐいで扇ぎ風を作って送ってくれる政宗に感謝し、元親は苦しい中笑みを返す。
「ありがとよ…ちょっと羽目外し過ぎちまった…へへっ。俺より幸村の嬢ちゃんは?」
ふらりふらりと身体を揺らしながら、何とか後ろを振り返れば、宿へ戻る入り口階段付近に、
既に意識を失って眠っている幸村を背負った佐助が居た。
「旦那は俺が部屋まで運ぶから大丈夫。こっちは任せといて」
「おぅ…俺はちょくら此処で休んでくわ」
「じゃあ、俺も」
会話が終わると、佐助は湯で濡れている所為で滑り落ちそうになる幸村の身体を、
慌ててを抱え直し、元親と政宗を残してゆっくり石階段を上って行った。
「ほら旦那しっかりしてよ!だから風呂ではしゃぐなって言ったのに、この人は全くよぉ…」
佐助の呆れ声が響く中、全身を赤く染め、熱で力の入らない身体を岩に添う事で冷ましているのは幸村と元親。
先の乳揉み大会の後、妙に精神的な緊張が高まってしまったこの二人。
幸村は我慢の限界を超えてしまったらしく、ついに佐助の制止を振り切り元気良く風呂内を泳ぎ始め、
元親は酔わない程度に飲んでいた熱燗が、幸村と一緒に風呂を泳いだ事で一気に全身に回り、
二人は共にのぼせ上がってしまい、現在に至るのだった。
「元親…大丈夫か?」
心配そうに見つめ、てぬぐいで扇ぎ風を作って送ってくれる政宗に感謝し、元親は苦しい中笑みを返す。
「ありがとよ…ちょっと羽目外し過ぎちまった…へへっ。俺より幸村の嬢ちゃんは?」
ふらりふらりと身体を揺らしながら、何とか後ろを振り返れば、宿へ戻る入り口階段付近に、
既に意識を失って眠っている幸村を背負った佐助が居た。
「旦那は俺が部屋まで運ぶから大丈夫。こっちは任せといて」
「おぅ…俺はちょくら此処で休んでくわ」
「じゃあ、俺も」
会話が終わると、佐助は湯で濡れている所為で滑り落ちそうになる幸村の身体を、
慌ててを抱え直し、元親と政宗を残してゆっくり石階段を上って行った。
「………あー駄目だ…頭、クラクラしやがる」
元親は頭に乗せていたてぬぐいを取ると、熱さから流れ出る汗を拭き取る。
風呂に入ってのぼせた等と元就に知られれば、また低脳だの阿呆だの罵られるのは目に見えている為、
何としてでも此処で体調を回復して置きたかったのは、秘密である。
「悪ぃ…俺が柄にも無く、はしゃいじまった所為で…」
決して政宗の所為ではないのだが、多分彼女は己が発端の乳揉み大会の事を指しているのだろうと、
元親は理解し、安心させる為に笑って返した。
「何言ってんだよ。政宗の所為じゃねぇって」
「……でもよ」
それでも床の上に座り込んだまま、何か思い詰めるように険しい顔をする政宗を、
元親は不思議に思い暫く見つめ、やがて静かに声を掛けた。
「……らしくねぇな。どした?」
出来るだけ優しい声色で問えば、ゆっくり顔を上げた政宗の隻眼と目が合い、
お互い暫く見詰め合っていると、政宗が言い難そうに、それでもゆっくり少しずつ桃色の唇を開いた。
「……毛利とは、上手くやってんのか」
「へ?」
思いも寄らなかった質問に、元親の声は思わず上擦ってしまう。
それでも質問の内容は今の元親にとって簡単なモノなので、直ぐに答えは導き出された。
「まぁ…その、何だ…おう。自分で言うのもなんだけど、上手くいってるぜ?」
「そっか…良かったな」
照れ臭そうに、それでいてとても幸せそうに笑う元親を見つめながら、政宗は寂しそうに笑う。
その笑みに元親は、ひょっとして政宗も恋仲の男が欲しいのかもしれない、という一つの仮説を思い浮かべた。
何せ自分が元就と恋仲になるまでの経緯、まるで自分の事の様に心配して、
共に悩んでくれたのは紛れも無い彼女であり、同時に恋に対して自分と同じように不器用なのも、彼女である。
もし自分の考えているように、政宗が漸く恋仲の男を求め始めたのだとすれば、
これは親友として、まだ不甲斐無いものの一応恋の先輩として、ここは手を貸してやらねばなるまい。
そう思考を張り巡らせている内、己の視界が揺れている事に不安を覚え、
元親は体を休める為に、ゆっくりと床にその身体を横たえる。
膝から下は温泉の湯の中に浸し、横たわった背中に触れる石の床が、
丁度良いくらいにひんやりとしていて、それがまた心地良い。
それに加え時折風呂から温かい湯が、押しては返す波の様にその床を適度に濡らしてくれるので、
必要以上に冷える事はない。
其れ故に身体を休めるのに、まさに理想的な環境だっだ。
元親は頭に乗せていたてぬぐいを取ると、熱さから流れ出る汗を拭き取る。
風呂に入ってのぼせた等と元就に知られれば、また低脳だの阿呆だの罵られるのは目に見えている為、
何としてでも此処で体調を回復して置きたかったのは、秘密である。
「悪ぃ…俺が柄にも無く、はしゃいじまった所為で…」
決して政宗の所為ではないのだが、多分彼女は己が発端の乳揉み大会の事を指しているのだろうと、
元親は理解し、安心させる為に笑って返した。
「何言ってんだよ。政宗の所為じゃねぇって」
「……でもよ」
それでも床の上に座り込んだまま、何か思い詰めるように険しい顔をする政宗を、
元親は不思議に思い暫く見つめ、やがて静かに声を掛けた。
「……らしくねぇな。どした?」
出来るだけ優しい声色で問えば、ゆっくり顔を上げた政宗の隻眼と目が合い、
お互い暫く見詰め合っていると、政宗が言い難そうに、それでもゆっくり少しずつ桃色の唇を開いた。
「……毛利とは、上手くやってんのか」
「へ?」
思いも寄らなかった質問に、元親の声は思わず上擦ってしまう。
それでも質問の内容は今の元親にとって簡単なモノなので、直ぐに答えは導き出された。
「まぁ…その、何だ…おう。自分で言うのもなんだけど、上手くいってるぜ?」
「そっか…良かったな」
照れ臭そうに、それでいてとても幸せそうに笑う元親を見つめながら、政宗は寂しそうに笑う。
その笑みに元親は、ひょっとして政宗も恋仲の男が欲しいのかもしれない、という一つの仮説を思い浮かべた。
何せ自分が元就と恋仲になるまでの経緯、まるで自分の事の様に心配して、
共に悩んでくれたのは紛れも無い彼女であり、同時に恋に対して自分と同じように不器用なのも、彼女である。
もし自分の考えているように、政宗が漸く恋仲の男を求め始めたのだとすれば、
これは親友として、まだ不甲斐無いものの一応恋の先輩として、ここは手を貸してやらねばなるまい。
そう思考を張り巡らせている内、己の視界が揺れている事に不安を覚え、
元親は体を休める為に、ゆっくりと床にその身体を横たえる。
膝から下は温泉の湯の中に浸し、横たわった背中に触れる石の床が、
丁度良いくらいにひんやりとしていて、それがまた心地良い。
それに加え時折風呂から温かい湯が、押しては返す波の様にその床を適度に濡らしてくれるので、
必要以上に冷える事はない。
其れ故に身体を休めるのに、まさに理想的な環境だっだ。




