戦国BASARA/エロパロ保管庫

因果の墓場1

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この分岐は人死に激しく注意。



つかの間気絶していたらしい。
鳩尾が僅か痛んだ。当て身、か。
とっさに身構えたつもりだったが、女の装束は重苦しく動きにくい。
そもそも、戦場を離れてからこちら、気力を奮い立たせたことなど一度もない。
そんなもの抜けていくばかりだ。
伊達の姓を捨てただの女として輿入れし、幸村に一方的に貪られるだけのこの体。
手足に力など籠もりはしない。
慕うだの美しいだの、何の役にも立たない言葉が頭のどこかを滑っていく。
もうオレは部下を救えたからそれでいい。
似ても似つかぬ誰かが影武者として信玄公に侍ることに、腹も立たない。
貪られ吸い尽くされるだけの体で、何が悪い。
解りやすい拷問よりよほど効率的に、無為が政宗の力と意志を奪う。
できるなら、とっとと衰弱して死ぬか、幸村が飽き果てればいいと思う。
だが疱瘡をはねのけるほど頑健に生まれついた体が衰弱を遠ざける。
心が届かぬだけ幸村は狂おしく求めてくる。
その分だけ政宗の心は凍えていく。それだけの、どうしようもない日々だった。
今、目を開けるのもおっくうだ。

「政宗様!政宗様っ……!」
 体が震えた。弾かれるように目を開け体を起こした。
「……小十郎……?」
 ああ、目が眩む。光が強い。館の奥では感じ取れない、激しい熱い日差し。
覚束ない手を伸ばすと、ぐっと握りしめてきた手。
「誰、だ」
 瞬きを繰り返す。どこか慕わしいような、だが良くわからない手の感触。
「儂だ!忘れちまうとは情けねぇ!」
 懐かしい、子供子供した声。
「家康!?」
 目を閉じて目眩が治まるのを待った。背中を誰かが撫でさする。この仕草──
ああ、そうか小十郎、本当にお前だな。
「オレぁ……夢でも見てるのか?……ha,なんなんだよ?」
 ようやくおさまった目眩に、家康の輝くような笑顔が眩しかった。もたれるように抱きついた。
「夢や酔狂でこんな事はせん!ふふん、だがそれほど喜んで貰えるとはな!」
 家康がぽんぽんと政宗の肩を叩く。
「政宗、手荒な方法になったのは謝るが……状況を覚えているか?」
「オレは殆ど軟禁生活だ。……だがまあ、上田城が囲まれたとか騒いでる声は聞いたぜ」
 そして幸村が閨を出て行った。
政宗はくたびれ果てて、衣を整えると動く気も起きなくなった。
幸村は勝つだろう。そう思っていた。
上田城の虜40/因果の墓場2

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