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戦国BASARA/エロパロ保管庫
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戦国BASARA/エロパロ保管庫

潮の花54

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匿名ユーザー

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真っ赤な目に、冷たい光が宿った。
「そうだ、我は毛利・・・少輔次郎元就、女ではないのだ。毛利の礎を確かなものにして、
もう二度と、かかさまのような人が泣かないように…いや、違う、大江の血を絶やさぬよう…」
俯いてぶつぶつ言う元就は目を見開いたままでいる。元親はそんな様子に鬼気迫るものを感じた。
「それを長曾我部、貴様…ぬけぬけと踏み込んで来おって…!」
どうせ置き去りにされるのだから。いつも、いつも、いつだって届かないのだから。
長曾我部もきっとすぐにどこかに行ってしまう。虹は消える。魔女が呼ぶから。
その前に――あなたが、こんな汚い女なんて…それなら。
初めから想わなければ。
今なら間に合う。見なかったことに出来る。
もう、触らないで。焼け付いて剥がれなくなれば…また寒くなる。
それとも。いっそ。
「殺して、くれるか?」
元就は握った元親の手を己の首に当てた。「無理だ」元親は拒否する。ほのかにでも熱い頚動脈を自ら停止させる事等出来はしない。
いつか自分が終わるときには共に黄泉に連れて行こうと思う。離さないと言った。
遠い祖先の住んでいた地の底に流れているという、ステュクス河の水にも誓おう。それでは駄目か。
「松寿なんか、死んでしまえばいいのに」
「こら、」
またそんなアホな事言うな、と元親がたしなめようとした時、元就が両手で自身の口を覆った。
見る間に顔が青ざめ、俯く。ひく、と背が揺れた。嘔吐く女は足に立ち上がろうとするが、足に力が入らないようだ。
「お前、ちょ、待て!今連れてくからよ!」
抱きかかえ縁側に痩躯を置き、雨戸を開け放つ。転げるように元就はうずくまり、地に首を突き出して口を開けた。
ゆるい雨音に混じり水の塊が落ちる音がした。元親は引っ掴んできた敷布を女の背に掛け、撫でさする。
そこまで無理をさせたか、と渋い悔恨が元親の胸中に広がる。(いや、つうか、だってよう?)
一通り吐き終わって落ち着いたか、元就は徐々に焦点の合う目で自らの吐瀉物を眺めた。雨が降っていて良かった。流されてゆく。
いつもこうだ。時折、理由もないのに胸が詰まり苦しくなる。胃の腑から腸、心臓まで吐き出してしまえれば、とその度に願った。
重い。まっさらに軽くなりたい。けれど吐き終った後には自己嫌悪しか湧き上がらない。汚い。なんて汚い。
「落ちんなよ」と言って元親は縁側を降り、庭にある井戸に向かった。広い背は剥き出しでいて、
「裸、」と元就が止めれば「気にすることじゃねぇ」と笑った。

前髪が雨に濡れそぼり、元就の額に張り付いた。雫と髪に邪魔された視界の中、元親が水飛沫を裸足で蹴立てて戻ってくる。
口内に残った汚物を唾液と雨ですすいだ。大粒の雨は冷たく、腫れた目元を癒してくれるかの如く落ちる。
縁側にかけた指先が寒さに痺れた。噫々、流れてしまえたら。それで『元就』だけ生きられたなら。
置かれた手桶から水をすくい、含んだ。男は気遣っているのか元就が口を洗っている間は顔を背けていた。
大きな手が背をさする。白布は湿って透けた肌が浮く。その下に更に真珠色の骨がある。
肉の薄い背には痛々しいほど張り出る肩甲骨。元親はそれを千切れた羽根の跡だと先程感じた。
真っ白な体に己が刻んだ赤い痣。花びらみたいだ、と評するにはあまりに感傷が過ぎて元親は自嘲する。
その、白い地にはらはらと赤い――薔薇がいい、異国の服の派手な編みに似た形の花なら、現実味も薄れる――花弁が、
咲き終えた薔薇の残骸が舞い、合間を縫ってほつれた羽根の蝶が飛ぶ。
同じ道しか辿れない蝶。糧と伴侶を求め、ただ生きて終わる時の為に、次へ残す為だけに同じ場所をぐるぐる。
違う違う。元就、いや、何と呼べばいい?どの名前ならお前は安心できる?お前は人だろう?
奪い尽くして名さえ剥ぎ取り、新しく殻を与え閉じ込め、孕んだ子を碇にして。
――だがそれでは、手に入れた事にはならない。どうすればいい。
潮の花55

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