戦国BASARA/エロパロ保管庫

ケヒト

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bsr_e

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  • 設定としては「いずれ~」を流用。
  • けど、その後二度と出会うことのなかった人たちが出会っちゃったりしてるのでIFストーリー。
  • その後の話なので幸村は既に故人。
  • 人死にが出ますのでご注意。あと言うほどでもないけどほんのり破廉恥。
  • ハッピーエンドじゃないけどバッドエンドでもない感じ。





女は、月明かりのない夜、一人で立っていた。
男はそんな女を見過ごせず声をかけてみた。

「ありがとう。でも人を待っているので……」

鈴が鳴るような女の声に、男はたちまち夢中になった。
思いが命ずるままに抱きしめても特に女は抵抗せず。
男は、闇夜にまぎれるように女を抱いた。


「ぁ……」
ただ一言、呟くように女が喘げば、男はますます食らい付く狂暴さを増す。
しなやかに絡みつく四肢は白く、もれる声は蜜より甘い。
これほどの女はほかにいないだろう。などと男に思わせる、そんな女だった。
「ねえ、もっと」
足りないよ。と囁かれてしまっては、理性のひとかけらも残りはしない。
飢えた獣のように、男は女を求めた。


もしも。理性のひとかけらでも残っていれば。
あるいは男は女の、少しも感じていない目に気がついたかも知れない。
けれども、全てが終わってしまえば、それは何もかもがあとの祭りだ。


「足りないんだよ。あんた、下手だね」
くすくすと笑う女に対して、先ほどまであれほど狂暴であった男は一言も発しない。
何故ならば、背中に深々と苦無を突き立てられ、女に夢中になったまま絶命したのだから。
「よいしょ、っと」
ずるり、と引き抜き、女は男から身を離す。
のしかかる体重を邪魔そうに転がし、ぱたぱたと着物についた土をはたいた。
「悪いね、あんたに恨みはないんだけど。あんたを恨んでる人がいるんだよ」
オシゴトだから。と女はまた鈴を鳴らすように笑い。

物言わぬ骸と成り果てた男を置き去りに、朔の夜に消えた。



女は、かつて猿飛佐助という名を持っていた。
この人以上の主はいないだろうと女に唯一思わせた、血気盛んな姫君がつけたものである。
けれども、女の主は大坂で逝った。蒼き竜への、ほのかな恋心をいだいたまま。
以来、女に名はない。里では、名を持つ必要性すらなかった。

名を持たなくなってからの女の仕事は、主に暗殺だった。
里から命じられた相手を、ただ無機質に切り捨てる。
くノ一として働くのは久し振りだったが、元より才能のある女にとっては、苦ではなかった。
あの伝説の忍、風魔とそう変わらないことをしている、と自嘲したのも遠い昔の話だ。


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