-でけぇ…南蛮渡来の公衆浴場ってのは皆、こんな感じなのか?
サンデーに案内されて入った浴場の内部を見渡し、元親はポカンと口を開けた。
ザビー城の浴場はとにかく広く、その重厚な天蓋を支えるため
周囲には南蛮製と思われる大理石の太い柱が何本もそびえ立つ。
そして何体ものメカザビーを模した彫刻が両手に持つバズーカーから出てくる湯で満たされた
大きな浴槽の中で、何十人もの男性信者がいっせいに湯浴みしていた。
だが元親はカラスの行水の如く二度三度肩口に湯をかけて軽く汗を流すと、
一分も湯に漬からぬ内に気もそぞろに浴室を出て、ようやく法衣ではないいつもの服に着替えた。
ザビー城の浴場はとにかく広く、その重厚な天蓋を支えるため
周囲には南蛮製と思われる大理石の太い柱が何本もそびえ立つ。
そして何体ものメカザビーを模した彫刻が両手に持つバズーカーから出てくる湯で満たされた
大きな浴槽の中で、何十人もの男性信者がいっせいに湯浴みしていた。
だが元親はカラスの行水の如く二度三度肩口に湯をかけて軽く汗を流すと、
一分も湯に漬からぬ内に気もそぞろに浴室を出て、ようやく法衣ではないいつもの服に着替えた。
こんな珍しい南蛮渡来の浴場、機会が有れば今度は是非ともゆっくり湯浴みしてぇが…
今はそんな事を言ってる場合じゃねぇ。
今はそんな事を言ってる場合じゃねぇ。
手短に身支度を整え終えると浴場を出て、元親は大きく息を吐きながらサンデーを待つ。
時折『女』と大きな白い字で書かれた赤いのれんの奥から明るい話し声が聞こえた後に、
数人の女性信者が出てくるが、サンデー本人が出てくる気配は無い。
刻々と時間だけが過ぎていく中で、元親はそっと視線を伏した。
時折『女』と大きな白い字で書かれた赤いのれんの奥から明るい話し声が聞こえた後に、
数人の女性信者が出てくるが、サンデー本人が出てくる気配は無い。
刻々と時間だけが過ぎていく中で、元親はそっと視線を伏した。
でも俺…本当にこのまま毛利と寝ちまって良いのか?
さっきから愛だの何だのと連呼しちゃいるが、
俺はまだ一世一代の告白の返事すら貰っちゃいねぇんだぞ。
とどのつまり毛利はただエセ教祖からの愛を得る手段として俺と寝ようとしてる訳で-
別に俺の事好きでも何でもねぇってのに。
さっきから愛だの何だのと連呼しちゃいるが、
俺はまだ一世一代の告白の返事すら貰っちゃいねぇんだぞ。
とどのつまり毛利はただエセ教祖からの愛を得る手段として俺と寝ようとしてる訳で-
別に俺の事好きでも何でもねぇってのに。
「…………」
もしかすると、俺はまた毛利を酷く傷つけちまうかもしれねぇ。
だが俺の気持ちを言葉で伝えようとしても、
まともに取り合ってすら貰えねぇって事が分かった今、
他に気持ちを伝えられるかもしれねぇすべが有るなら…
ほんの僅かな可能性だろうと、それに賭けるしかねぇじゃねぇか。
だが俺の気持ちを言葉で伝えようとしても、
まともに取り合ってすら貰えねぇって事が分かった今、
他に気持ちを伝えられるかもしれねぇすべが有るなら…
ほんの僅かな可能性だろうと、それに賭けるしかねぇじゃねぇか。
つか、アイツいつまで風呂に漬かってる気だよ。
もう時を刻むカラクリの長針が一回りしちまったぞ。
まさか…気が変わっちまったのか?
もう時を刻むカラクリの長針が一回りしちまったぞ。
まさか…気が変わっちまったのか?
「…待たせたな」
「…っ!??」
目前からの声に元親が慌てて顔を上げると、
そこにはジッと元親を見つめるサンデーの姿があった。
だが、よほど長く湯に漬かっていたのだろう…
普段は白いその顔は上気して、まるでけわいを施したかのようにほんのり色味を増していた。
そして薄く引かれた紅は、控えめな色ながらも光の加減で唇に艶を作り。
更に一度洗った後丁寧に乾かされたと思われる絹糸のように細く真っ直ぐな髪からは、
南蛮渡来のサボンの芳香が薫る。
胸の鼓動が急速に跳ね上がるのを感じ、元親は思わずほうぼうへ視線を泳がせた。
そこにはジッと元親を見つめるサンデーの姿があった。
だが、よほど長く湯に漬かっていたのだろう…
普段は白いその顔は上気して、まるでけわいを施したかのようにほんのり色味を増していた。
そして薄く引かれた紅は、控えめな色ながらも光の加減で唇に艶を作り。
更に一度洗った後丁寧に乾かされたと思われる絹糸のように細く真っ直ぐな髪からは、
南蛮渡来のサボンの芳香が薫る。
胸の鼓動が急速に跳ね上がるのを感じ、元親は思わずほうぼうへ視線を泳がせた。
「あっ、いや…別に待ったって程じゃねぇよ。
俺もたった今、出て来たばっかだし…」
俺もたった今、出て来たばっかだし…」
「貴様、なぜ法衣を着ておらぬ」
「あぁ、あの黒い服か…?
まぁ…やっぱいつもの服の方が、俺らしいじゃねぇか」
まぁ…やっぱいつもの服の方が、俺らしいじゃねぇか」
「……フン」
元親の頭の上からつま先までを一瞥し、サンデーは小さく鼻を鳴らす。
「さぁ、貴様の言う通りに身を清めたぞ…
早う貴様が理解した愛を、一つ残らず今ここで吐くが良い」
早う貴様が理解した愛を、一つ残らず今ここで吐くが良い」
「…っ、ここじゃ駄目だろ。
扉が勝手に開いて誰かが入ってきたりしねぇ寝床の有る部屋じゃねぇと、
俺の愛は伝えられねぇよ。」
扉が勝手に開いて誰かが入ってきたりしねぇ寝床の有る部屋じゃねぇと、
俺の愛は伝えられねぇよ。」
「ザビー様は愛を伝道される際に場所など選ばぬ」
「俺の愛じゃ場所も選ぶんだよ。
大体、こんな所で横たわったらみんなにジロジロ見られるし、
冷ぇし硬ぇからアンタの身体も辛ぇだろ」
大体、こんな所で横たわったらみんなにジロジロ見られるし、
冷ぇし硬ぇからアンタの身体も辛ぇだろ」
きっと、身に覚えがあるのだろう…サンデーの身体がふるりと震える。
だが動揺を悟られぬよう一つ咳払いを加えると、サンデーはスタスタと歩き出す。
だが動揺を悟られぬよう一つ咳払いを加えると、サンデーはスタスタと歩き出す。
「…どこまでも注文の多い男よ。 まぁよい、付いて来るが良い」
「どこ行くんだよ…」
「我の寝所ぞ」
毛利の寝所。
…やべぇ、聞いただけで滾ってきやがった…
…やべぇ、聞いただけで滾ってきやがった…
そのあまりにも甘美な言葉の響きに、元親は訪れた眩暈に身を委ねそうになった。
だがかろうじて踏みとどまると、元親はサンデーの背を臨みながら後に続く。
幾重にも階段を登った先に表れたドアのノブに、サンデーが小さな鍵を差し込む。
程なくしてゆっくり開いたそのドアの先に待つのは天国か、それとも地獄か…。
だがかろうじて踏みとどまると、元親はサンデーの背を臨みながら後に続く。
幾重にも階段を登った先に表れたドアのノブに、サンデーが小さな鍵を差し込む。
程なくしてゆっくり開いたそのドアの先に待つのは天国か、それとも地獄か…。




