天窓に描かれたステンドグラスを介して、七色の光が室内に差し込む。
その只中で元就…否、常闇色の法衣を身に纏ったサンデーはザビーと対峙していた。
その只中で元就…否、常闇色の法衣を身に纏ったサンデーはザビーと対峙していた。
「おぉ、サンデー…アナタは愛を理解して、今最っ高に輝いてマ~スっ!!」
「いえ、愛とは奥へ奥へと歩みを進めるほど迷い込む難攻不落の山城のような物。
我はまだ愛を理解しているとは、とても…」
我はまだ愛を理解しているとは、とても…」
サンデーが自嘲気味に俯く。
だがザビーはそんなサンデーの顔を、小首を傾げるようにして覗き込んだ。
だがザビーはそんなサンデーの顔を、小首を傾げるようにして覗き込んだ。
「あっれ~? でもサンデー、アニキの事大好きでしょー?」
「そっ…それは……」
顔を紅潮させながらも小さく頷いたサンデーを見て、ザビーは高揚したようにクルクルと回る。
「それだヨ、サンデー!!!
健やかなル時も病めル時も愛おしい人を愛おしむ気持チ…
それこそがまさしく愛で~すゾ~っ!!??」
健やかなル時も病めル時も愛おしい人を愛おしむ気持チ…
それこそがまさしく愛で~すゾ~っ!!??」
「愛…?」
「そーだヨ、オーメデトーゥ!!!ヒューヒュー!!!」
そんな福音と共にザビーの両手に持ったバズーカーから大きな爆発音がこだまして、
あまりの轟音に両手で耳を塞いだサンデーを包むように、頭上から大量の紙ふぶきが舞い降りた。
銀色のそれが室内に差す光の加減で七色に変化するのを見て、サンデーは眩しそうに目を細める。
そして紙ふぶきを見上げたまま両手を重ね胸に当て、歓びを噛み締めるようにただ一言呟いた。
あまりの轟音に両手で耳を塞いだサンデーを包むように、頭上から大量の紙ふぶきが舞い降りた。
銀色のそれが室内に差す光の加減で七色に変化するのを見て、サンデーは眩しそうに目を細める。
そして紙ふぶきを見上げたまま両手を重ね胸に当て、歓びを噛み締めるようにただ一言呟いた。
「愛…」
「デモ…『愛とは奥へ奥へと歩みを進めるほど迷い込む難攻不落の山城のような物』と言ウ、
サンデーの持論も一理有るヨ~?
どーせなら、もっともーっとアニキを悦ばせてあげたいのデショウ??」
サンデーの持論も一理有るヨ~?
どーせなら、もっともーっとアニキを悦ばせてあげたいのデショウ??」
「はっ…はいっ!」
「心~配~無いヨ~??
愛に目覚めタ信者だけが手にスル事の出来ルこの桃色表紙のザビー教経典にハ、
サンデーの知らない策がいっぱい詰まってマ~ス!!!」
愛に目覚めタ信者だけが手にスル事の出来ルこの桃色表紙のザビー教経典にハ、
サンデーの知らない策がいっぱい詰まってマ~ス!!!」
ザビーから差し出された桃色表紙のザビー教経典を手に取り、そして何気なく開いた頁を見て
サンデーは大きく目を見開いた。
サンデーは大きく目を見開いた。
「こっ………こ、これは………っ!!!」
あまりの羞恥に顔を赤らめつつも、探究心には勝てずサンデーは食い入るように次々頁をめくる。
そして終いまで内容を確認して経典を閉じると…感嘆の眼差しをザビーに向けた。
そして終いまで内容を確認して経典を閉じると…感嘆の眼差しをザビーに向けた。
「…我の知らぬ秘策が、四十八手も……」
「そうだヨ!これでアニキがますますサンデーに夢中になること、間違いないネ~!!
しかも~?この桃色表紙のザビー教経典に書かれている教えに従っテ毎晩励めバ、
なーんと、すぐに子宝にだって恵まれちゃうのデ~スwwwww」
しかも~?この桃色表紙のザビー教経典に書かれている教えに従っテ毎晩励めバ、
なーんと、すぐに子宝にだって恵まれちゃうのデ~スwwwww」
「こっ、子宝にまで…………」
「これと縁結びのザビー教人形をセットにして、たったの二万両…
デモー?今回は特別出血大サービスでサンデーにさしあーげちゃーいマース!!!
愛に目覚めたサンデーへ、ザビーからのプレゼントだヨ~?
…この秘策をいっぱい使って、アニキをメロンメロンにしちゃいなヨォ!!!」
デモー?今回は特別出血大サービスでサンデーにさしあーげちゃーいマース!!!
愛に目覚めたサンデーへ、ザビーからのプレゼントだヨ~?
…この秘策をいっぱい使って、アニキをメロンメロンにしちゃいなヨォ!!!」
「めっ…めろん…」
サンデーは感極まり、片手で桃色表紙のザビー教経典をしっかり抱きしめながら、
もう片方の手をザビーへと伸ばす。
もう片方の手をザビーへと伸ばす。
「おぉ…ザビー様……」
だがその手がザビーの法衣に触れる寸前の所で、
ザビーは突然もの凄い勢いで五尺以上後方へと後ずさった。
そして崩れ落ちるかのように床に両膝をつくと、何事かと軽く目を見張ったサンデーに向かって、
オイオイ泣きながら訴えかける。
ザビーは突然もの凄い勢いで五尺以上後方へと後ずさった。
そして崩れ落ちるかのように床に両膝をつくと、何事かと軽く目を見張ったサンデーに向かって、
オイオイ泣きながら訴えかける。
「おぉサンデー…実はザビー、
『サンデーに指一本でも触れたラ悪い鬼に地獄の果てまで追っ掛けられテぶっ殺されちまウ病』
に、侵されてしまったのヨー!!」
『サンデーに指一本でも触れたラ悪い鬼に地獄の果てまで追っ掛けられテぶっ殺されちまウ病』
に、侵されてしまったのヨー!!」
「かような奇病に…!?? 何ともおいたわしや…」
「でも良いノ!! ザビーはサンデーが幸せだったラ、それで良いノ…ヨヨヨ…」
…ザビー様…ご自身が奇病に侵され、苦難に耐え忍ばれている今この時ですら我の事を…。
その尊い御心を布教する為なら手段は選ばぬと、改めて心に誓い…
サンデーは法衣の両裾を摘むと、敬愛の意を込めて遠方のザビーに向かって優雅にお辞儀をした。
サンデーは法衣の両裾を摘むと、敬愛の意を込めて遠方のザビーに向かって優雅にお辞儀をした。