「うっ」
口腔にほとばしったものを受けて、濃姫は小さく声を漏らした。
「けほっ……」
両手を顔の前で椀のかたちにし、喉に絡む咳をしながらおもむろに口を開けた。
白い液体が手のひらの上に注がれるさまを、信玄は呆然と見つめていた。
精液が濃姫の唇を淫靡に見せる。
半透明の白に唇の赤が透けて見え、ひどく美しいと思った。濃姫の唇は、蛇のぬめるように光る鱗と
同じ美しさだった。
反吐を吐くように手のひらの器に吐き出したものを濃姫は見、それから信玄の顔を見て笑う。肩を
ゆらゆらと揺らして、手のひらを胸のあたりに掲げたまま、ゆっくりとにじり寄った。
「なに……」
乾いた口中に貼りついていたためか、舌がもつれた。
「……何を、何をする気なのじゃ……」
覇気のない声で問えば、女の顔と手はさらに眼前まで迫った。
「あ、あ……」
濃姫の意図が分かり、信玄は身を引こうとした。
しかし体は動かない。
目を閉じた信玄の頬に、濃姫の両手が静かに触れた。
粘っこい感触と、手のひらの温かさ、頬をつたい落ちる精液の動き、臭い。
「う、うぅ……」
信玄は低く唸った。
濃姫の言う辱めとは、土や粥を顔面に叩きつけるだけの安いものではなかった。彼女は、あらゆる
屈辱、あらゆる汚辱を上塗りした後に残る、信玄の顔をこそ見たいのだろう。
吐き気がこみ上げてきたが、信玄はそれを無理矢理に飲み下した。
吐瀉したならば、濃姫はそれさえも信玄の顔に塗りたくって笑うに違いなかった。今、精液を
顔に塗布しているのと同じように。
「うふふ、ふふふっ」
ぺちゃぺちゃと音を鳴らしながら執拗に塗りたくる濃姫の声は、興奮のためか熱っぽく、
艶を帯びていた。
口腔にほとばしったものを受けて、濃姫は小さく声を漏らした。
「けほっ……」
両手を顔の前で椀のかたちにし、喉に絡む咳をしながらおもむろに口を開けた。
白い液体が手のひらの上に注がれるさまを、信玄は呆然と見つめていた。
精液が濃姫の唇を淫靡に見せる。
半透明の白に唇の赤が透けて見え、ひどく美しいと思った。濃姫の唇は、蛇のぬめるように光る鱗と
同じ美しさだった。
反吐を吐くように手のひらの器に吐き出したものを濃姫は見、それから信玄の顔を見て笑う。肩を
ゆらゆらと揺らして、手のひらを胸のあたりに掲げたまま、ゆっくりとにじり寄った。
「なに……」
乾いた口中に貼りついていたためか、舌がもつれた。
「……何を、何をする気なのじゃ……」
覇気のない声で問えば、女の顔と手はさらに眼前まで迫った。
「あ、あ……」
濃姫の意図が分かり、信玄は身を引こうとした。
しかし体は動かない。
目を閉じた信玄の頬に、濃姫の両手が静かに触れた。
粘っこい感触と、手のひらの温かさ、頬をつたい落ちる精液の動き、臭い。
「う、うぅ……」
信玄は低く唸った。
濃姫の言う辱めとは、土や粥を顔面に叩きつけるだけの安いものではなかった。彼女は、あらゆる
屈辱、あらゆる汚辱を上塗りした後に残る、信玄の顔をこそ見たいのだろう。
吐き気がこみ上げてきたが、信玄はそれを無理矢理に飲み下した。
吐瀉したならば、濃姫はそれさえも信玄の顔に塗りたくって笑うに違いなかった。今、精液を
顔に塗布しているのと同じように。
「うふふ、ふふふっ」
ぺちゃぺちゃと音を鳴らしながら執拗に塗りたくる濃姫の声は、興奮のためか熱っぽく、
艶を帯びていた。




