「俺のオトコってなぁ、すべて自分の『策』の為だけに動くヤツなんだ。俺のいる四国に近付いたのもテメェの為。俺を抱いたのも、そのドサクサに同盟組ませたのも、ぜーんぶテメェの為!」
「元親…?」
杯に注ぐのももどかしくなったのか、元親は一升瓶ごと口に含むと、勢いがつき過ぎて口元が濡れるのも構わず、一気に酒を流し入れた。
「そうでなきゃ、『手当たり次第にオトコ咥え込む、鬼の淫乱女』なんか、抱く訳ねーじゃねぇかよ!だけど、いざ抱いてみたら、その『淫乱女』は初物で!それでちっとは罪悪感でも沸いたのか、とっとと捨てればいいのに、他国への面子の為だけに俺との関係を続けてるって訳さ!笑っちまうだろ!?」
「え…」
「俺、犯されたんだよ。アイツは俺の事、好きでも何でもないだ…」
「な…そんなヤツ、お前の方から捨ててやれよ!何だったらソイツの所へ連れて行け!俺がボコボコにしてやるから!」
いきり立つ政宗とは対照的に、元親は眉根を下げると切なそうに首を振る。
「でも…俺、判んないんだ……本当にアイツの事が憎くてイヤなら、いつでも関係を切れる筈なのに。アイツに抱かれてる時…俺、心の何処かでアイツの『温もり』を求めちまってる……」
空になった一升瓶を握り締める元親の手の上に、大粒の涙が幾度も落ちていく。
「だって…だって、何だかんだ言って、俺を『女』として扱ってくれるのは、アイツだけなんだ。アイツに捨てられたら、もう二度と俺を『女』扱いしてくれる男なんて、絶対に現れない…!」
「元親…」
「何で、悪戯半分に俺を抱いたりしたんだよ!?同盟の為にそういうフリを続けてくれって言われれば、俺だって納得したよ!こんな想いするくらいなら……女扱いされなかった頃の方が、ずっとずっとマシだったのに……!」
「元親…?」
杯に注ぐのももどかしくなったのか、元親は一升瓶ごと口に含むと、勢いがつき過ぎて口元が濡れるのも構わず、一気に酒を流し入れた。
「そうでなきゃ、『手当たり次第にオトコ咥え込む、鬼の淫乱女』なんか、抱く訳ねーじゃねぇかよ!だけど、いざ抱いてみたら、その『淫乱女』は初物で!それでちっとは罪悪感でも沸いたのか、とっとと捨てればいいのに、他国への面子の為だけに俺との関係を続けてるって訳さ!笑っちまうだろ!?」
「え…」
「俺、犯されたんだよ。アイツは俺の事、好きでも何でもないだ…」
「な…そんなヤツ、お前の方から捨ててやれよ!何だったらソイツの所へ連れて行け!俺がボコボコにしてやるから!」
いきり立つ政宗とは対照的に、元親は眉根を下げると切なそうに首を振る。
「でも…俺、判んないんだ……本当にアイツの事が憎くてイヤなら、いつでも関係を切れる筈なのに。アイツに抱かれてる時…俺、心の何処かでアイツの『温もり』を求めちまってる……」
空になった一升瓶を握り締める元親の手の上に、大粒の涙が幾度も落ちていく。
「だって…だって、何だかんだ言って、俺を『女』として扱ってくれるのは、アイツだけなんだ。アイツに捨てられたら、もう二度と俺を『女』扱いしてくれる男なんて、絶対に現れない…!」
「元親…」
「何で、悪戯半分に俺を抱いたりしたんだよ!?同盟の為にそういうフリを続けてくれって言われれば、俺だって納得したよ!こんな想いするくらいなら……女扱いされなかった頃の方が、ずっとずっとマシだったのに……!」
そう言って泣き崩れる元親を一瞥した政宗は、戸棚から明らかに日本の物とは異なる酒
の瓶を取り出した。
それは、かつて南蛮人との交易で手に入れた、政宗秘蔵のワインであった。
「元親。飲むぞ」
「政宗…それ、俺が昔飲んだモノより、ずっと高級なヤツじゃねぇの…?」
「いいから、飲め。さっきも言ったけど、酒なんてのは飲む為にあるんだ。お前の鬱憤
もムカつくオトコも、ぜーんぶ飲み干しちまえよ」
差し出されたワインの瓶を、元親は暫し涙に濡れた瞳で見つめていたが、やがて口角を
綻ばせると、政宗の手からひったくる様にワインを受け取った。
の瓶を取り出した。
それは、かつて南蛮人との交易で手に入れた、政宗秘蔵のワインであった。
「元親。飲むぞ」
「政宗…それ、俺が昔飲んだモノより、ずっと高級なヤツじゃねぇの…?」
「いいから、飲め。さっきも言ったけど、酒なんてのは飲む為にあるんだ。お前の鬱憤
もムカつくオトコも、ぜーんぶ飲み干しちまえよ」
差し出されたワインの瓶を、元親は暫し涙に濡れた瞳で見つめていたが、やがて口角を
綻ばせると、政宗の手からひったくる様にワインを受け取った。
「ふざけんな、強姦魔ー!俺とロクに話をした事もなかったクセに、勝手に人の印象決
めつけやがって!」
「破廉恥、破廉恥言ってるヤツの方が、ずーっと破廉恥なんだよ、朴念仁ー!」
「お前の××なんて、干からびちまえ!このオクラ野郎!今度会ったら、そのすました
横っ面、ぶん殴ってやる!」
「俺は、いつまでもガキじゃねぇ!むしろ、テメェの小姑根性が、俺をいつまで経って
も親離れさせてくれねぇんだろうがーっ!」
めつけやがって!」
「破廉恥、破廉恥言ってるヤツの方が、ずーっと破廉恥なんだよ、朴念仁ー!」
「お前の××なんて、干からびちまえ!このオクラ野郎!今度会ったら、そのすました
横っ面、ぶん殴ってやる!」
「俺は、いつまでもガキじゃねぇ!むしろ、テメェの小姑根性が、俺をいつまで経って
も親離れさせてくれねぇんだろうがーっ!」
……以降、かなりのテンションで、東西姉貴同盟による大暴言大会が繰り広げられてい
たが、やがて酒もツマミも気力も尽きたふたりは、折り重なるようにして微睡(まどろ)んでいた。
「…なあ、元親」
「んー…?」
肌蹴られた夜着の隙間から覗く、元親の豊満な胸に頬を寄せながら、政宗は彼女に呼びかける。
「もし…もしも、さ。俺が奥州筆頭辞めて、伊達を飛び出したとしたら…その時は、お
前の船に乗せてくれねぇか?」
「歓迎するぜ。お前だったら即、副長待遇だ。一緒にあちこちの海を渡って、ふざけた
男どもを蹴散らしてやるか」
「ははっ。いいな、そいつはcoolだ」
嬉しそうに笑う政宗の頭を撫ぜながら、今度は元親が問い掛ける。
「じゃあさ。もしも俺が…あと5年経っても独り身だったら、そん時はいいオトコ紹介してくれないか?」
「ああ、いいぜ。海の男もそうだけど、奥州のオトコも、中々乙なもんだぞ?」
「…そっか。楽しみだな」
クスクス、とひとしきり笑った後で、ふたりは互いを見つめ合う。
たが、やがて酒もツマミも気力も尽きたふたりは、折り重なるようにして微睡(まどろ)んでいた。
「…なあ、元親」
「んー…?」
肌蹴られた夜着の隙間から覗く、元親の豊満な胸に頬を寄せながら、政宗は彼女に呼びかける。
「もし…もしも、さ。俺が奥州筆頭辞めて、伊達を飛び出したとしたら…その時は、お
前の船に乗せてくれねぇか?」
「歓迎するぜ。お前だったら即、副長待遇だ。一緒にあちこちの海を渡って、ふざけた
男どもを蹴散らしてやるか」
「ははっ。いいな、そいつはcoolだ」
嬉しそうに笑う政宗の頭を撫ぜながら、今度は元親が問い掛ける。
「じゃあさ。もしも俺が…あと5年経っても独り身だったら、そん時はいいオトコ紹介してくれないか?」
「ああ、いいぜ。海の男もそうだけど、奥州のオトコも、中々乙なもんだぞ?」
「…そっか。楽しみだな」
クスクス、とひとしきり笑った後で、ふたりは互いを見つめ合う。
「元親」
「…何だ?」
「俺…お前に会えて、本当に良かった」
「……奇遇だな。俺もだ」
「…何だ?」
「俺…お前に会えて、本当に良かった」
「……奇遇だな。俺もだ」
上体を起こした政宗と元親は、やがてどちらともなく顔を寄せると、コツリ、と互いの額を小突き合わせた。




