いわき市潮学生寮(いわきしうしおがくせいりょう)は、神奈川県川崎市多摩区三田にある、公益財団法人いわき市潮学生寮が運営する男子学生寮である。福島県いわき市出身または在住の学生を主な対象とし、首都圏の大学・専門学校等に通学する男子学生の生活を支援するために設置されている。
概要
寮の歴史は古く、昭和34年(1959年)8月に鉄筋コンクリート造3階建ての建物として竣工した。当初はいわき市(旧平市など)から上京する学生の受け皿として、いわき市が設置・運営していたもので、名称の「潮」は福島県いわき市の旧町名「潮来(うしお)」に由来するとされる。長年にわたり福島県からの進学者を支え続け、令和5年(2023年)時点では全室個室対応に改修済みで、個室19室・元相部屋22室を基に収容人数63名規模となっている。舎監が常駐し、規則正しい共同生活を指導するスタイルを維持している。
現在は男子学生のみが入寮可能で、いわき市内在住・出身者(または保護者がいわき市在住)で、東京都およびその近郊の大学・短期大学・専門学校等に在学中または進学予定の者が対象となる。入寮選考は書類審査と面接により行われ、毎年12月頃から翌年1月頃にかけて募集が行われる。寮費は令和8年度時点で月額58,550円(賃借料10,300円、共益金22,000円、食材費23,750円、光熱費等込み)となっており、朝夕2食付きでこの価格は首都圏の学生寮としては非常に割安と評価されている。食事は栄養バランスの取れた温かい手作りメニューが提供され、寮生の健康管理に配慮されている。
施設は小田急小田原線生田駅南口から徒歩約5分とアクセスが良好で、新宿まで約20分と通学に便利な立地にある。周辺にはコンビニ、スーパー、飲食店などが徒歩5分圏内に揃い、生活利便性が高い。建物は築60年以上ながら維持管理が行き届いており、共用部には洗濯機・乾燥機が複数設置され、食事室や談話スペースなども整っている。寮生活を通じて郷土の仲間との交流が生まれ、故郷を離れた上京生活の心の支えとなっているケースも多い。
いわき市教育委員会が所管し、公益財団法人として運営されるこの寮は、地方から首都圏へ進学する若者のセーフティネットとしての役割を長年果たしており、いわき市の教育支援施策の一つとして位置づけられている。近年も入寮生募集が積極的に行われており、市長が直接訪れて懇談するなど、地元とのつながりを大切にした運営が続けられている。