「よ、戻ったぜ」
席を外していたエボルトが戻ってきた。
その手には、沢山のデイパックがあった。
その手には、沢山のデイパックがあった。
「デイパック、回収してきたぞ」
「すまないな、エボルト」
「すまないな、エボルト」
ルブランの屋根裏部屋で襲ってきたアーマージャックに対応するため、ミチルはデイパックを放置状態だった。
故に、エボルトに取ってもらってきたのだ。
これは後でミチルに返すとしよう。
故に、エボルトに取ってもらってきたのだ。
これは後でミチルに返すとしよう。
「そういやあの犬っころの首輪はどうした」
「しんのすけに渡した、一応家族の形見だしな」
「そうか、まあいい。…でだ、そっちの新顔、ミチルって言ったか」
「ああ、シロの身体の本来の持ち主だ」
「しんのすけに渡した、一応家族の形見だしな」
「そうか、まあいい。…でだ、そっちの新顔、ミチルって言ったか」
「ああ、シロの身体の本来の持ち主だ」
言いながら、蓮はチラリとしんのすけを見る。
「変な髪のお兄さん…」
しんのすけは、眠っているミチルを見ていた。
彼女の肉体はつい先ほど失われており、その原因は…しんのすけの飼い犬、つい先ほど太陽の光で消滅したシロにあるのだ。
少なからず、責任を感じているのかもしれない。
彼女の肉体はつい先ほど失われており、その原因は…しんのすけの飼い犬、つい先ほど太陽の光で消滅したシロにあるのだ。
少なからず、責任を感じているのかもしれない。
「蓮、話ときたいことがある。ちょっとこっちに来てくれ」
「ここじゃだめなのか?」
「ああ…ちょっとな」
「ここじゃだめなのか?」
「ああ…ちょっとな」
そういってエボルトは、ミチルの方に目をやった。
…どうやら、彼女に聞かせたくない話らしい。
…どうやら、彼女に聞かせたくない話らしい。
「分かった…じゃあしんのすけ、ミチルとここで待っててくれ」
「仲間外れなんてずるいぞ!オラも行く!」
「仲間外れなんてずるいぞ!オラも行く!」
ついてこようとするしんのすけに、蓮はフッと笑みを浮かべると、言った。
「それは違うぞ、しんのすけ。仲間として信頼してるからこそ、お前にミチルを任せるんだ」
「お、おう…?オラが変な髪のお兄さんをお助けするってこと?」
「そうだ、今のしんのすけなら、任せることができるって思ってる」
「い、いやあ、それほどでもあるぞ」
「お、おう…?オラが変な髪のお兄さんをお助けするってこと?」
「そうだ、今のしんのすけなら、任せることができるって思ってる」
「い、いやあ、それほどでもあるぞ」
顔を伏せた特有の笑みを見せながら、しんのすけは照れる。
蓮が語った言葉は、まぎれもない本心だ。
少し前までは、しんのすけのことは保護対象という印象がどうしても強かった。
しかし、アーマージャックとの戦いを経て、蓮は彼を共に戦う戦友として、認めたのだ。
蓮はしんのすけに手を差し出す。
意図を察したしんのすけが、その手を握る。
蓮が語った言葉は、まぎれもない本心だ。
少し前までは、しんのすけのことは保護対象という印象がどうしても強かった。
しかし、アーマージャックとの戦いを経て、蓮は彼を共に戦う戦友として、認めたのだ。
蓮はしんのすけに手を差し出す。
意図を察したしんのすけが、その手を握る。
「任せたぞ、しんのすけ」
「うー、ラジャー!」
「うー、ラジャー!」
―――我は汝……汝は我……
―――汝、ここに新たなる契りを得たり
―――契りは即ち、 囚われを破らんとする反逆の翼なり
―――我、「太陽」のペルソナの生誕に祝福の風を得たり
―――自由へと至る、更なる力とならん……
太陽のペルソナ「ケツアルカトル」を獲得しました。
(『ケツ』アルカトル…いや、そんな理由でこのペルソナが発現したわけではないと思うが)
ケツアルカトル…疾風属性の技を多く備えたペルソナだ。
―嵐を呼ぶ園児
何故だか、そんな言葉が頭に浮かんだ。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「…というわけで、オラが変な髪のお兄さんをお守りしてたんだぞ!」
「そうだったんですね、ありがとうございます」
「そうだったんですね、ありがとうございます」
蓮とエボルトが席を外したすぐ後、犬飼ミチルは目を覚ましていた。
そして、蓮がいない理由をしんのすけがミチルに説明をしていた。
そして、蓮がいない理由をしんのすけがミチルに説明をしていた。
「…しんのすけしゃん、ごめんなさい。私がちゃんと止められなかったから…シロちゃんは…」
拘束を解き、しんのすけのもとへ向かうシロを、ミチルは止められなかった。
その結果、シロは太陽にさらされ、死んだ。
その結果、シロは太陽にさらされ、死んだ。
「謝るのはオラの方だぞ。だって、お兄さんの身体…シロが消えちゃったから…」
「…そうですね、私の身体なくなっちゃったんですよね」
「…ごめん」
「しんのすけしゃんが謝ることじゃないです。それに、身体がなくなったとしても、私はここにいます。ここにまだ、生きてるんですから。希望は捨てたくないです」
「変な髪のお兄さん…」
「…あの、その呼び方、この身体の持ち主があまり好きじゃないみたいなので、できれば名前で呼んでほしいです」
「…そうですね、私の身体なくなっちゃったんですよね」
「…ごめん」
「しんのすけしゃんが謝ることじゃないです。それに、身体がなくなったとしても、私はここにいます。ここにまだ、生きてるんですから。希望は捨てたくないです」
「変な髪のお兄さん…」
「…あの、その呼び方、この身体の持ち主があまり好きじゃないみたいなので、できれば名前で呼んでほしいです」
プロフィールによれば、この肉体の東方仗助は髪をけなされると激しく怒るらしく。
実は、先ほど気絶した時にその記憶をミチルは見ていた。…かなり怖かった。
だから、仗助への配慮もあり、呼び方を変えてほしい所だった。
実は、先ほど気絶した時にその記憶をミチルは見ていた。…かなり怖かった。
だから、仗助への配慮もあり、呼び方を変えてほしい所だった。
「じゃあ…ミチルちゃん?」
「はい、それでお願いします」
「はい、それでお願いします」
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「それで、話ってなんだ、エボルト」
「俺はあの犬っころの荷物を預かってた、そしてその中身も当然見てる」
「俺はあの犬っころの荷物を預かってた、そしてその中身も当然見てる」
そういうとエボルトは取り出した。
犬飼ミチルの肉体プロフィールを。
犬飼ミチルの肉体プロフィールを。
「そいつを読んでみな」
「女の子のプロフィールを読むってのはあまり気乗りがしないな…」
「女の子のプロフィールを読むってのはあまり気乗りがしないな…」
多少躊躇しつつ、受け取ったミチルの肉体プロフィールを読む。
「なっ!?推定殺害人数15万人!?」
出てきた情報に驚きつつ、プロフィールをじっくりと読む。
やがて、蓮はしっかり読み終えるとエボルトに返す。
やがて、蓮はしっかり読み終えるとエボルトに返す。
「それで、お前はこれを読んでどう思った?」
「推定殺害人数以外に、気になったことがある。…このプロフィール、性格に関する記述が不自然なほどにない」
「推定殺害人数以外に、気になったことがある。…このプロフィール、性格に関する記述が不自然なほどにない」
蓮が持つ左翔太郎のプロフィールには、彼がどういう人格の持ち主なのかについて記述があった。
しかし…犬飼ミチルのプロフィールにはそれがなかった。
しかし…犬飼ミチルのプロフィールにはそれがなかった。
「ちなみにエボルト、お前の肉体のプロフィールはどうだ?」
「そうだな、俺のにも桑山千雪がどういう性格なのかって記述はしっかりとあったな」
「おそらく性格の記述はほとんどの参加者にあるものなんだろうな。しかしミチルのプロフィールにはそれがない」
「ふむ…それについてお前はどういう考えだ?」
「俺がミチル本人と話をして感じた彼女の性格と照らし合わせると…おそらくだが、性格の記述をしてしまうことで、この推定殺害人数の記述と齟齬が生じると感じたんじゃないかって思う。だから意図的に性格の記述を隠した」
「そうだな、俺のにも桑山千雪がどういう性格なのかって記述はしっかりとあったな」
「おそらく性格の記述はほとんどの参加者にあるものなんだろうな。しかしミチルのプロフィールにはそれがない」
「ふむ…それについてお前はどういう考えだ?」
「俺がミチル本人と話をして感じた彼女の性格と照らし合わせると…おそらくだが、性格の記述をしてしまうことで、この推定殺害人数の記述と齟齬が生じると感じたんじゃないかって思う。だから意図的に性格の記述を隠した」
蓮たちは知らないが、鬼になる前のシロはミチルを殺人鬼と誤解していた。
しかし、もし性格に関して記述があったなら、そのような誤解はしなかっただろう。
しかし、もし性格に関して記述があったなら、そのような誤解はしなかっただろう。
「なるほどな。だがそうすると、逆に言えば、この推定殺害人数という記述が嘘ではないということになるんじゃないか」
エボルトの指摘に蓮は顔をしかめる。
そうなのだ。
この推定殺害人数15万人という記述は、少なくともまるっきりの嘘ではない。
何故なら、プロフィールに嘘を仕込むことが可能ならば、性格の記述を削除せずとも、嘘の性格を記述すればいいからだ。
そうなると、この推定殺害人数の記述は…
そうなのだ。
この推定殺害人数15万人という記述は、少なくともまるっきりの嘘ではない。
何故なら、プロフィールに嘘を仕込むことが可能ならば、性格の記述を削除せずとも、嘘の性格を記述すればいいからだ。
そうなると、この推定殺害人数の記述は…
「冤罪、だろうな」
冤罪。
それは蓮自身も苦い思い出がある。
自分は、女性を助けるために男を殴った。
その結果…犯罪者の汚名を被った。
真実がどうであろうと…世間の人間にとって自分は暴力事件を起こした恐ろしい犯罪者であり、それが彼らにとっての真実なのだ。
そして彼らは、そんな犯罪者に恐ろしい想像を抱き、ありもしないレッテル、罪状を突きつけてくるのだ。
ミチルのこの記述は、少々極端ではあるものの、そういう類のものなのではないかというのが、蓮の見解だった。
それは蓮自身も苦い思い出がある。
自分は、女性を助けるために男を殴った。
その結果…犯罪者の汚名を被った。
真実がどうであろうと…世間の人間にとって自分は暴力事件を起こした恐ろしい犯罪者であり、それが彼らにとっての真実なのだ。
そして彼らは、そんな犯罪者に恐ろしい想像を抱き、ありもしないレッテル、罪状を突きつけてくるのだ。
ミチルのこの記述は、少々極端ではあるものの、そういう類のものなのではないかというのが、蓮の見解だった。
「あくまであいつの肩を持つってか。お人好しだねえ」
「そもそもミチルの能力からして、これだけの人数を殺しているのは非現実的だろう」
「そもそもミチルの能力からして、これだけの人数を殺しているのは非現実的だろう」
舐めた部位を治療し、代償として寿命が縮む。
回復能力でどう殺すのか…というのは先ほど見たクレイジーダイヤモンドの戦闘への応用方からまるっきり不可能とはいえないが、それでも15万人も殺していたら寿命なんてとっくに足りなくなっているだろう。
フィジカルが異様に強いならともかく、そんな記述もないし。
回復能力でどう殺すのか…というのは先ほど見たクレイジーダイヤモンドの戦闘への応用方からまるっきり不可能とはいえないが、それでも15万人も殺していたら寿命なんてとっくに足りなくなっているだろう。
フィジカルが異様に強いならともかく、そんな記述もないし。
「実は吸血鬼で、人の生き血を吸って寿命を延ばしてるのかもしれねえぜ?」
「そんなとんでも設定あったら記述せず隠すのも無理があるし、そもそも殺人の理由の補強になるのに隠す理由がないだろ」
「まあ、言ってみただけだ。色々言ったが、俺もあいつはシロだと思うぜ。あ、犬っころのことじゃねえぞ?」
「…しかし、じゃあいったいこの推定殺害人数ってなんなんだろうな」
「それについては一つ仮説を思いついた。…戦争でどれだけ人を殺し得るかの、測定値なんじゃねえか」
「そんなとんでも設定あったら記述せず隠すのも無理があるし、そもそも殺人の理由の補強になるのに隠す理由がないだろ」
「まあ、言ってみただけだ。色々言ったが、俺もあいつはシロだと思うぜ。あ、犬っころのことじゃねえぞ?」
「…しかし、じゃあいったいこの推定殺害人数ってなんなんだろうな」
「それについては一つ仮説を思いついた。…戦争でどれだけ人を殺し得るかの、測定値なんじゃねえか」
プロフィールによれば、犬飼ミチルの通う学校は異能を持った者を集めた学校らしい。
つまり、彼女の世界では戦争が行われていて、異能者を軍事兵器として利用していた。
そして戦争においてどれだけ有用であるかというのを、推定殺害人数という形で表しているのではないか、というのがエボルトの見解だった。
つまり、彼女の世界では戦争が行われていて、異能者を軍事兵器として利用していた。
そして戦争においてどれだけ有用であるかというのを、推定殺害人数という形で表しているのではないか、というのがエボルトの見解だった。
「戦争…軍事兵器、か」
「まあ、高校生のガキにこんな物騒なこと伝えるかどうかは微妙なとこだ。本人はこれを知らねえかもしれねえがな」
「まあ、高校生のガキにこんな物騒なこと伝えるかどうかは微妙なとこだ。本人はこれを知らねえかもしれねえがな」
ともかく、これ以上は憶測でしか語れないということで、ここで話は打ち切りとなった。
蓮とエボルトは、しんのすけとミチルのもとへ戻った。
蓮とエボルトは、しんのすけとミチルのもとへ戻った。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
「レンタロウさん!?」
蓮・エボルト・しんのすけ・ミチルは、話し合った結果まずゲンガーと合流することになった。
ハードボイルダーと銀時のスクーターをそれぞれ二人乗りで移動し、ゲンガーのもとへ向かった。
そして、ゲンガーの姿を見た瞬間、ミチルは驚くことになった。
ハードボイルダーと銀時のスクーターをそれぞれ二人乗りで移動し、ゲンガーのもとへ向かった。
そして、ゲンガーの姿を見た瞬間、ミチルは驚くことになった。
「ケケッ、なんだ。この肉体のこと知ってんのか」
「私、犬飼ミチルって言います。レンタロウさんは、私の学校のクラスメイトなんです」
「!…犬飼、ミチル」
「私、犬飼ミチルって言います。レンタロウさんは、私の学校のクラスメイトなんです」
「!…犬飼、ミチル」
ミチルの名前に、ゲンガーは軽い驚きを漏らすとともに、顔を暗くした。
犬飼ミチルについては、レンタロウのプロフィールにも名前があった。
鶴見川レンタロウの殺人癖の犠牲者として、だ。
犬飼ミチルについては、レンタロウのプロフィールにも名前があった。
鶴見川レンタロウの殺人癖の犠牲者として、だ。
「…お前、俺のこの姿が怖くねえのか?」
「?…どうしてクラスメイトの姿を怖がるんですか?」
「いや、なんでもねえ」
「?…どうしてクラスメイトの姿を怖がるんですか?」
「いや、なんでもねえ」
どういうことだ。
プロフィールではミチルがレンタロウに襲われて死んだのかどうかまでは分からない。
しかし、殺されなかったとしても未遂ではあったはずで、この姿に恐怖を持っていてもおかしくはない。
襲われはしたが姿を確認してないからレンタロウが犯人だと知らないのか?
プロフィールではミチルがレンタロウに襲われて死んだのかどうかまでは分からない。
しかし、殺されなかったとしても未遂ではあったはずで、この姿に恐怖を持っていてもおかしくはない。
襲われはしたが姿を確認してないからレンタロウが犯人だと知らないのか?
(レンタロウの能力ならありえなくはねえ、か)
レンタロウは幽体離脱の能力を持ち、幽体は姿が見えない。
レンタロウが殺人の際声を出さなかったならバレないのはありえる。
と、そんなことを考えていたら男と女―蓮とエボルトが近づいてきた。
蓮がゲンガーに声をかける。
レンタロウが殺人の際声を出さなかったならバレないのはありえる。
と、そんなことを考えていたら男と女―蓮とエボルトが近づいてきた。
蓮がゲンガーに声をかける。
「肉体のプロフィールを見せてくれないか」
「構わねえが…ミチルには見せるなよ。あいつは知らねえみたいだが、こいつやべえやつだからよ」
「構わねえが…ミチルには見せるなよ。あいつは知らねえみたいだが、こいつやべえやつだからよ」
蓮とエボルトは鶴見川レンタロウのプロフィールを見る。
(…推定殺害人数の記述はねえ、な。さっきの俺の仮説は外れだったか?)
(その代わり性格の記述はある。…だいぶたちの悪い性格だったらしいな)
(その代わり性格の記述はある。…だいぶたちの悪い性格だったらしいな)
綺麗なものほど汚したくなる。
そんな動機で、石井リュウジを殺害し、犬飼ミチルを襲った。
そんな動機で、石井リュウジを殺害し、犬飼ミチルを襲った。
(綺麗なものとしてミチルが狙われたのを見ると…やはりミチルは無害なのかもな)
(そうだな…推定殺害人数がなんなのかってのがふりだしに戻っちまったが)
(…ミチルの性格のように、推定殺害人数の記述が隠されてるのかもしれないぞ)
(隠す理由がねえだろ)
(…案外、調べがついてないだけだったりしてな)
(そうだな…推定殺害人数がなんなのかってのがふりだしに戻っちまったが)
(…ミチルの性格のように、推定殺害人数の記述が隠されてるのかもしれないぞ)
(隠す理由がねえだろ)
(…案外、調べがついてないだけだったりしてな)
とりあえず蓮たちは、ゲンガーにプロフィールを返す。
そして、彼の隣で眠っている青年に目をやった。
エボルトが呟く。
そして、彼の隣で眠っている青年に目をやった。
エボルトが呟く。
「そいつ…ハルトマンだったか。まだ起きてねえのか」
「ああ…あれだけのことがあったしな」
「ああ…あれだけのことがあったしな」
ゲンガーは俯く。
正直、目を覚まさなくてホッとしている部分があった。
暴走し、結果的に仲間の死を招いたハルトマン。
そんな彼女に、なんと声をかけてやればいいのか…ゲンガーには分からない。
イジワルズとして人に嫌がらせは沢山してきたが、こういうことには慣れていないのだ。
正直、目を覚まさなくてホッとしている部分があった。
暴走し、結果的に仲間の死を招いたハルトマン。
そんな彼女に、なんと声をかけてやればいいのか…ゲンガーには分からない。
イジワルズとして人に嫌がらせは沢山してきたが、こういうことには慣れていないのだ。
「ケケッ、アンタたちがレンタロウのプロフィールを見てる間に、ミチルたちから事情は聞いたぜ。エルドルって奴を探しに行くんだろ?」
「ああ、敵に襲われてるらしいし、急がないと」
「ああ、敵に襲われてるらしいし、急がないと」
とはいえ、バイク2台で6人、というのは厳しい。
どうするか考えた結果、スクーターを蓮が運転し、後ろに体格・身体能力が並みのゲンガー。
ハードボイルダーをエボルトが運転し、エボルトの後ろに気絶しているハルトマンを乗せて、しんのすけとミチルには申し訳ないが徒歩で並走してもらうことになった。
そして彼らは、エルドルを救出するため南西に進み、そして…
どうするか考えた結果、スクーターを蓮が運転し、後ろに体格・身体能力が並みのゲンガー。
ハードボイルダーをエボルトが運転し、エボルトの後ろに気絶しているハルトマンを乗せて、しんのすけとミチルには申し訳ないが徒歩で並走してもらうことになった。
そして彼らは、エルドルを救出するため南西に進み、そして…
「あ、承太郎さん、誰かいる!」
『かなりの大所帯ですよ』
「やれやれだぜ」
『かなりの大所帯ですよ』
「やれやれだぜ」
ホイミンと承太郎…彼らからもたらされた情報によりエルドルと戦闘をしていたJUDOが姿を消したことを一行は知る。
そして彼らは、情報をまとめるため話し合うこととなった。
そして彼らは、情報をまとめるため話し合うこととなった。