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  • チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
  • Broken Sky -Dance With Me-

チェンジ・ロワイアル@ ウィキ

Broken Sky -Dance With Me-

最終更新:2022年04月07日 18:03

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「あっ!!」

突然大声を出した仲間に、しんのすけとゲンガーは揃って振り返る。
二人からの注目を集めたた当の本人、ミチルははしたなく叫んでしまい恥ずかし気に縮こまった。

「どしたのミチルちゃん、おトイレ~?」
「ち、違いますよ!」

幼稚園児特有のデリカシーを無視した問い掛けに顔を赤らめる。
そこで呆れを含んだゲンガーの視線に気付き、わざとらしく咳払いをし強引に話を戻す。

「あの、実はエルドルしゃんからコレを渡されていたんですけど…」

そう言ってミチルが取り出したのは、青い宝石が填め込まれた一枚の鏡。
変わったデザインのソレをしんのすけが好奇心から覗き込むと、途端に驚きの声を上げた。

「おぉ!?オラが映ってるゾ!?」
「そりゃ鏡なんだから映ってるに決まってるだろ」

何を当たり前の事をと思いながらゲンガーも鏡を覗き込む。
すると、彼もしんのすけと同じように驚く羽目になった。
映っているのは金髪の少年ではなく、ずんぐりした紫色の異形。
嫌と言う程見慣れてしまった、ゴーストタイプのポケモンであるゲンガー本来の姿がハッキリと映し出されている。
姿が違うのは隣のしんのすけも同じだ。
ガタイの良い胴着の男とは似ても似つかない、太い眉毛にジャガイモのような頭の幼子が鏡の中にいる。

「うんうん、我ながら惚れ惚れする板前っぷりだゾ」
「それを言うなら男前だろ。…こりゃどういう事だ?」

当然の疑問を寄越すゲンガーに、ミチルは元々鏡を支給された人物から聞いた説明を話す。

「えっと、ラーの鏡って言う名前らしくて。エルドルしゃん曰く本当の姿が映るらしいです」
「本当の…って事は体を変えられる前の俺らが映るのか?」
「多分そうだと思います」

そっと自分の顔を鏡の前にやると、数時間前に消滅した少女の顔が映る。
ふわふわとした癖っ毛も、パッチリとした瞳も紛れも無く自分のもの。
なのにもうこの世には存在しない。
受け入れた筈なのに、改めて心がジクリと痛むような感覚が襲い来る。
しかしそれを顔に出してしまえば、またもやしんのすけを落ち込ませてしまう。
だからすぐに鏡から顔を離し、自分の内心を気取られないようにした。

(ケケッ、こっちが本当の姿扱いかよ…)

別に今更良いけどよと、つい苦笑いを浮かべる。
サーナイトのパートナーであった頃の姿ではなく、ポケモンとしての自分が鏡に映った。
名簿にゲンガーと記載されていたのだから、当然の話ではあるが。
僅かに浮かんだ形容し難い想いはそれ以上考えず、ラーの鏡を今も意識を失っている仲間に向けてみた。

「…やっぱり女だったんだな」

しんのすけに背負われ眠り続ける青年と、鏡に映った金髪の少女を見比べながら呟く。
人間の美醜感覚にさして関心を持たないゲンガーから見ても、可愛らしい顔立ちだと思う。

承太郎達と別れた後、気絶したハルトマンを初めはゲンガーが運ぼうとした。
だがバトルロワイアル開始当初よりマシとはいえ、未だ人間の身体に不慣れな状態で男(の身体)一人を背負い移動はハッキリ言ってキツい。
だからこの中で最も体力のある悟空の身体を持つしんのすけが運ぶ事となったのだ。
そのしんのすけは鏡に映ったハルトマンを見た途端、だらしない笑みを浮かべる。

「いや~ん、こんな可愛いおねえさんがオラの背中に~♪」
「今は男の人の身体ですけどね…」
「エボルトおねえさんとホイミンおねえさんも素敵だけど~、エーリカちゃんも捨て難いですな~♥」
「どっちも中身は男じゃねえのか…?」

飄々とした態度の女と煽情的な衣服の女の姿が浮かび上がる。
女扱いされている事を本人達が知ったら、一体何と言うのやら。
別行動中の仲間へ、ゲンガーは同情の念を抱かずにはいられなかった。

そうこうしていている内に一行は目的地へと辿り着いた。
アドバーグとマゼンタ色の襲撃者…仮面ライダーディケイドをミチルが最後に目撃した場所だ。
当たり前だが二人の姿は見当たらない。
新八と共に消えたディケイドは元より、アドバーグもまた行方知れずのまま。
承太郎達がディケイドに襲われた時にも、アドバーグは見かけなかったとのこと。
もし既に殺されたのだとしても、死体すら無いのは少々おかしい。
鬼にされたシロのように死体すら残さず消滅した、という可能性もあるが。

ただアドバーグ以外の死体なら、一つだけ転がっている。

「おい、あれってよ…」
「はい……」

三人の中で、唯一生存していた時の彼と遭遇し、最期をハッキリと見たミチルが暗い顔で頷く。

「吉良吉影さん…、放送で発表された人です」

数時間前と変わらない二宮飛鳥の身体。
そこへ宿っていた殺人鬼の魂はとっくに消え去っており、ただの抜け殻として存在していた。

「吉良、かぁ……」

定時放送前に別れた仲間が強く警戒すべきと言っていた殺人鬼。
死者として発表された時には木曾の方に意識が向かった為深く考えていなかったが、こうして死んでいるなら康一も肩の荷が一つ下りたのだろうか。
巻き込まれた身体の持ち主の事を考えると、手放しでは喜べないが。

「……」
「しんのすけしゃん、大丈夫ですか…?」
「うん…オラは、へっちゃらだゾ」

言葉とは反対に表情は強張っている。
無理もないことだ。既に人が殺される光景を目撃して来たと言っても、しんのすけはまだ子ども。
死体に見慣れろというのは酷だろう。

これ以上しんのすけの精神に余計な負担を与えるのは、ミチルの望む所ではない。
何より今はアドバーグの捜索を優先すべきだ。
死体が無いならどうにか逃げ延びた可能性がある。問題はどこに逃げたかだが、周囲を観察し、あるものに気付いた。

「あっ……」

駆け寄ってみると道路に穴が、正確に言えば地面の下に通じる道が開いていた。
本来穴を塞いでいる筈の蓋は存在せず、サッと周囲を見渡せば瞳に映るのは砕け散った金属らしき物体。
マンホールの蓋の成れの果てだろう。
よく見ればマンホールの周囲のアスファルトも破壊され、穴が歪に広がり蓋以上の大きさと化している。
最後にアドバーグ達を目撃した場所にこんなものがあれば、自ずと答えは見えて来た。

「エルドルしゃんはここから逃げたんですか…?」

可能性は、ある。
他に目立った手掛かりも無い以上、下水道を調べる価値は十分にあると見て良いだろう。
では急ぎマンホールに飛び込むといきたい所ではあるが、ミチルには一つ懸念事項があった。

そもそもミチル達が街に残ったのはアドバーグの救出以外にも、しんのすけがシロを鬼にした男を探すという目的があってのこと。
名前は分からないが、彼としんのすけ、そしてシロの間に何があったのかは蓮から聞いている。
どうしてシロを鬼にしたのか、明確な理由は蓮達にも分からないそうだが恐らく本意ではないらしい。
シロを追ってルブランの前に現れた時、男は自らの行いを心底悔いているような素振りだったと言う。
事態が急変したのは、男がしんのすけに殴り飛ばされた直後だ。
殴った理由に関しては、正直ミチルからしても無理もないことだと思う。
家族を訳も分からず人喰いの怪物にされ、挙句の果てには殺そうとしたのだ。
話を聞いた限りでは男にとっても苦渋の決断だったらしいので、一概に責める気にはなれず、そもそも最初にシロを追いかけ回した自分にそんな資格があるとは思えない。
それはともかく、殴り飛ばされた男は突如人格が豹変したように襲い掛かり、エボルトと蓮が対処に回った。
最終的には戦闘で地面に空いた穴から地下へと逃げ、以降の消息は不明。

蓮の情報通りなら、男は今も下水道を移動しているのではないか。
鬼とは太陽の光が弱点らしい。
現に鬼となったシロは陽の光を浴び、自分達の目の前で消滅した。
日中は迂闊に外に出れない、なら日が沈むまでは地下に潜伏している可能性は非常に高い。
ならば、アドバーグを探しに下水道へ下りた先でシロを鬼にした男と遭遇してもおかしくはない。
危険人物の潜伏先へ自ら飛び込むのは、良い行動とは言えないだろう。

(でも、ここで考え込んでいる間にもエルドルしゃんは大変な目に遭っている…)

アドバーグはディケイドとの戦闘で深い傷を負い、不衛生な場所を逃げ続けているのだろうか。
下手をすればシロを鬼にした男と運悪く出くわしてしまっていないとも限らない。
自分を逃がす為にディケイドとの戦いを引き受けた彼が生きているなら、絶対に助けなくては。

「多分エルドルしゃんはここから逃げて行ったんだと思います」
「まぁ、ここが見るからに怪しいしな。じゃあ下りて探しに行くのか?」
「私はそうするつもりです。ただ…シロちゃんを鬼にした男の人と出くわすかもしれません」

チラリとしんのすけを見れば、険しい顔付きとなっていた。
家族を化け物に変えた相手がいる。思う所は多々あるだろう。

「…オラも一緒に行くゾ」
「しんのすけしゃん…」
「あのおじさんともっかいおはなししたいし、それに…ごめんなさいもしたいから……」

どうしてシロを鬼にしたのか、問い詰めたい気持ちは大いにある。
そしてもう一つ、怒りに身を任せ彼を殴った事への罪悪感がしんのすけにあった。
男がシロにやった事は簡単に許せるか分からない。
ただあの男は自分とシロに、苦しそうな表情で何度も謝り続けていた。
それがあるから、アーマージャックと同じ悪者とは断じられない。
だからもう一度話をしたい。

想いを吐露されれば、無下に扱う事はミチルには不可能。
彼女もまたシロの最期をこの目で見た一人だ。
故に心配は有れど、しんのすけの同行を断りはしない。
もしもの時は、自分が彼を守らねばという決意を密かに抱く。

地下の捜索がしんのすけとミチルに決まり、続いてゲンガーとハルトマンはどうするかだが、
二人にはしんのすけ達が戻るまで地上で待機してもらう事となった。
未だ目を覚まさないハルトマンを連れて行っては、言い方は悪いが足手纏いにしかならない。
かと言ってハルトマン一人を地上に放置する訳にもいかない。
気絶中の無防備な彼女が危険な参加者に見つかれば、一体何をされるか。
ゲンガーとしてもハルトマンを放り出して行くのは流石に抵抗があった為、ここは大人しく待っている事に同意した。
合流地点には地図に記載された施設、食酒亭とする。

話が終わり、しんのすけに代わってハルトマンを再び背負うゲンガー。
そこへミチルからデイパックが差し出される。

「何だ?くれんのか?」
「はい。吉良さんの支給品ですけど、何かの役に立てれば…」

地下にいる間、何か不測の事態が起きるかもしれない。
その時ハルトマンが目を覚まさないなら、ゲンガー単独で対処するしかないのだ。
だから少しでも助けになれるならと、吉良の支給品を譲渡した。
取れる手は一つでも多い方が良いというのには、ゲンガーも同意見。
礼を言ってデイパックを受け取る。

「それじゃあ行って来ます。そちらも気を付けてくださいね?」
「オラたちがお留守の間、エーリカちゃんの事は頼んだゾ!ゲンゴロウおにいさん!」
「ゲンガーだっての…。おう、お前らも用心しろよ」

マンホールへ入って行く二人を見送り、ゲンガーも移動し始める。
屋外で呑気に身を晒すような、不用心な真似をする気は無い。

少し歩けば、周囲の建造物からは浮いた木造りの施設が見つかった。
ベルトに差した拳銃を意識しながら、慎重に足を踏み入れる。
承太郎達がこのエリアを訪れた時に遭遇したのはディケイドのみ。
そのディケイドが新八と共に姿を消した以上、他には誰もいないだろうが警戒しておいて損は無い。
一旦テーブル席にハルトマンを下ろし、ゲンガーは銃を片手に店内をざっと調べる。
酒場らしき一階には誰もいないと分かれば、今度は二階。
各部屋を一通り見終え、やっと大丈夫だと判断。
ハルトマンを背負い二階の居住スペースへと運び、従業員が使っていたベットへと寝かせてやった。

「ふぅ…」

ゲンガー自身も木組みの椅子に腰を下ろし、一息つく。
ぼんやりと眺める視線の先には、目を閉じたままの青年の姿。
化け物になり暴走していたのが元に戻った、それは良い。
だがハルトマンが目覚めた時、自分は彼女に何と言ってやれば良いのかまるで分からない。
エボルト達と合流した際、ハルトマンが目覚めなかった事に安堵した。
しかし永遠にそのままとはいかない。いずれは必ず意識を取り戻し、何をやったのかを知ってしまう。

「分かんねぇ……」

何と言ってやるのが正解なのか。
そもそも自分の言葉が彼女にとって意味があるものなのかすら分からない。
他人が嫌がり、傷つく方法なら幾らでも浮かぶ。
だけど喜ばせ、救いとなるものはまるで思い浮かばないのだ。

「ケケッ、ガラじゃねえんだよ、こういうの……」

自分は、アイツらとは違う。
散々妨害をして来たにも関わらず、自分の依頼を引き受けてくれたアイツらのようにはなれない。
だというのに今ハルトマンの支えになれるのは自分だけなのだから、本当に悪い冗談としか思えなかった。


◆◆◆


「くさ~い…」

鼻を摘まんでげんなりするしんのすけに内心で同意する。
濁り切った水が流れる通路はお世辞にも綺麗とは言い難く、悪臭が充満している。
好んで訪れるような場所ではないが、アドバーグを助ける為ならこれくらいの臭いは我慢出来る。
慎重な足取りで奥へ進んで行く。

そして二人はとうとう探していた人物と出会った。

「む!?そこにいるのはどなたですかな?」

しんのすけ達の存在に気付いた何者かが、駆け足で近付いて来た。
現れたのは、しんのすけにとっては初めて見る、ミチルにとっては数時間前に見た人物だ。
艶のある黒髪に誰もが美人と言うだろう容姿。
腰みの、胸当て、頭飾りのみを身に着け、見惚れるような体を惜し気もなく晒している。
346プロダクション所属のアイドルの身体を得た、キタキタ踊りの伝道者がそこにいた。

「エルドルしゃん!無事d「あは~ん♥おねえさ~ん♥」ちょ、え!?」

心配していた男の無事を喜ぶミチルより早く、アドバーグの元へ駆け寄る者がいた。
そう、しんのすけである。
抜群のプロポーションと美貌の持ち主が、やたらと露出度の高い姿で現れたのだ。
考えるより先に本能で突き動かされ、自分好みの美人へと腰をくねらせ近付く。
いやらしさを全開にした笑みの仲間に、ミチルは頬が引き攣る。
この少年、5歳児にしては男性の欲望に忠実過ぎやしないか。

しんのすけの突飛な行動に出鼻を挫かれたが、アドバーグを見つける事は叶った。
ディケイドに殺される最悪の可能性にならなかったのは喜ばしい。
安堵感から笑みを浮かべて、しんのすけの後に続く。

「良かったです…。エルドルしゃんが無事で……」

吉良と同じように助けられなかった、という結果にはならなっていない。
思わず涙ぐむミチルへ、アドバーグは不思議そうに首を傾げる。

「エルドル、というのは誰の事ですかな?そもそもお二人は一体…?」
「えっ……」

予想外の返答にミチルから涙が一瞬で引いて行く。
冗談か何かでも言っているつもりなのか。
だがアドバーグからそういった雰囲気は無く、本気で分からないと言うような顔をしている。
ミチルの中にあった安堵感はあっという間に消え去って、代わりに嫌な予感が沸々と湧き上がった。

「私の名前はキタキタおあじ!エルドルという名は聞いた事もありませんぞ~」
「ほうほう、だったらおあじおねえさんですな」
「その通り!まぁ好きに呼んでくだされ~」
「じゃあ好きに呼ばせてもらいますかな。わっはっはっは!」
「え、えぇー…」

気さくな態度を取りつつ、フラダンスのような動きを見せるアドバーグ改めキタキタおあじ。
アクション仮面のポーズで何故か得意気に高笑うしんのすけ。
妙に波長の合った二人のやり取りに、ミチルは困惑するしかなかった。
ミチルの反応を気にせず、アドバーグはひとつ咳払いをし爛々と輝く目を見せる。

「このような場所で出会えたのは運命の導き!記念にキタキタ踊りを披露してさしあげましょう!」
「…えっ、いやあの、エルドルしゃん!?今はそんな場合じゃ――」
「おぉ~!オラ、おあじおねえさんの踊りなら見てみたいゾ~!!」

シロを鬼にした男がうろついているかもしれないのに、呑気に踊りを眺める余裕は無い。
至極真っ当なミチルの意見は、興奮するしんのすけの声にかき消される。
アドバーグもまた踊りを強く望まれているとあっては、やっぱり無しだと言う気は皆無。
己の肉体に色濃く焼き付いた記憶に身を任せ、キタキタ踊りを披露した。

「さぁ!さぁ!さぁ!存分に見てくだされ~!」

奇妙で、それでいてどこかダイナミックな動き。
大きな円を描くかのような腰使いは、肉体の運動能力が如何に高いかが分かる。
全身を余すことなく使った踊りにより、胸当てが外れそうな勢いで乳房が揺れ動く。
その度にしんのすけが鼻息を荒くし、ミチルはどこか遠い目となった。

――私は何を見せられているんだろう

踊っているのが美麗な女性だからか、同性のミチルから見ても惹かれる部分はある。
だがそれはそれとして、下水道で珍妙な踊りを見せられるというシチュエーションにはついていけない。
というかアドバーグは自分にキタキタ踊りを勧めて来たが、もし承諾していたらあの恰好であの動きをする羽目になっていたのか。
しんのすけとは正反対のテンションで、キタキタ踊りを始終無言で眺めていた。

やけに時間が長く感じられたがどうにか終わり、アドバーグは最後に一礼をする。
飛ばされるのはしんのすけの盛大な歓声と、ミチルの控えめな拍手。
そのどちらもアドバーグにとっては誇らしいものらしく、得意気に口を開いた。

「ふぅ、良い汗を掻きました。どうでしたかな?私のキタキタ踊りは」
「ヒューヒュー!マンホール!マンホール!」
「それを言うならアンコールじゃないですか…?」
「お?そうとも言う~」

しんのすけの反応が余程気に入ったのか、満面の笑みを浮かべるアドバーグ。

「気に入ってくれたのなら何よりですぞ~!よろしければお二人もご一緒にいかがですかな?」
「やるやる~!オラもおねえさんと、お熱いダンスをしちゃうゾ~!」
「あ、あの!!今はそんな場合じゃないですよ!」

すっかりその気になったらしく、しんのすけはおかしな腰使いで踊り出す。
頭の中には嘗て春日部市民のクローン入れ替えを目論んだアミーゴスズキとの対決と、決着後のサンバを踊った光景が蘇っているのかもしれない。
といった事情を知らないミチルからすれば、二度目のキタキタ踊りに発展しそうで堪ったものではなく、慌てて待ったを掛ける。
さっきは二人のおかしなテンションに流されたが、いい加減それどころでは無いと伝えねばなるまい。
こうなれば多少強引にでも話を聞き入れさせようと口を開きかけ、

「私と同じ鬼となり、共にキタキタ踊りを広めましょうぞ~!」

飛び出た言葉に凍り付いた。

「エ、エルドルしゃん…今、何て…?」

鬼。聞き間違いでなければ、アドバーグは確かにそう言った。
ついさっきまで興奮していたのが嘘のように、しんのすけも顔を強張らせている。
二人とも鬼という存在がどういうものなのかを、己の目でしかと見た。
ミチルの中で浮かび上がった嫌な予感は、急速に何が起きたかを理解し始める。

「何も心配はいりませんぞ!この御方の手で人間なんぞよりも素晴らしい存在に生まれ変わるのですから!」

恭しく首を垂れるアドバーグの背後から、音も無く男が姿を見せる。
男を見たミチルの第一印象は、失礼ながら人形のようだと思った。
整った顔立ちからは感情というものがまるで読み取れない。
友好的では無く、さりとて明確な敵意がある訳でもなし。
それくらいに、背筋が寒くなる程の無機質な瞳だ。

緊張からゴクリと生唾を飲み込むミチルの鼓膜へ、「お、おじさん…」というか細い囁きが届く。
誰が言ったか確かめるまでもない、しんのすけから発せられたものだ。
声に宿る感情は、得体の知れない男への警戒のみではない。
アドバーグの言った「鬼」という言葉を考えるに、男の正体は明白。
この男こそがシロを鬼に変えた張本人であると、ハッキリ理解した。

「オ、オラ、おじさんにおはなししたい事があるんだゾ…!」

声を震わせながら、男へとしんのすけは歩み寄る。
瞬間、ミチルは猛烈な危機感に襲われた。
男が自分としんのすけへ向ける視線は、とてもじゃないが人間に対してのものとは思えない。
地面に転がるガラクタに少しは使い道が残されているか否か、無感動に見下ろしているよう。
アレはマズい。アレに近寄っては、きっと良くない事が起こってしまう。
無言で男が腕を僅かに動かすのが見え、反射的に叫んだ。

「クレイジー・ダイヤモンドさん!!」

バゴォ、と男の腕が弾かれる。
射程距離ギリギリではあったが、クレイジー・ダイヤモンドの拳はしんのすけへの接触を見事に防ぐのに成功。
ミチルには男が具体的に何をするつもりだったかは分からない。
だけどあのまま放って置いては最悪の事態になる、そんな予感に従い動いた。
アドバーグには男、産屋敷耀哉が何をするつもりだったのか分かっていた。
耀哉はしんのすけに血を与え、鬼にする気だったのだ。
鬼になればキタキタ踊りを共に踊ってくれる。
だが目論見は失敗に終わった、おかしな髪型の少年が出現させた人形のせいで。
アドバーグの頭を一転して占めるのは怒り。
主の邪魔をする不届き者への、何よりキタキタ踊りを否定するかのような愚者への、圧倒的な憤怒。

「我らの邪魔をするとは…許せませんぞ~!!」

許し難い罪を犯したミチルへ肉薄し、突き出される手刀。
胴体を貫く感触はいつまで経ってもやって来ない。
代わりに何か硬いものへ当たった小さな痛みが指先から伝わって来る。
手刀の餌食となるのを防いだのは、ハートの装飾の怪人。
クレイジー・ダイヤモンドを操作し、アドバーグの一撃を対処してみせた。

「ミチルちゃん!」
「っ!しんのすけしゃん!後ろ!」

焦燥感を露わにしたミチルの叫びに、咄嗟に体を捩るしんのすけ。
訳も分からず立ち尽くすのではなく行動に移れたのは、肉体の恩恵だろうか。
グロテスクな肉の鞭と化した耀哉の腕が、オレンジ色の胴着を僅かに切り裂く。
被害はそれだけだ。しんのすけには掠り傷一つ無い。

だが事態は良くなる所か悪化してしまっている。
アドバーグは恐らくシロと同じ鬼にされ、このままでは自分達もとミチルの頬を汗が伝う。
一度地下を脱出するにもアドバーグ達が近過ぎる。素通りさせてはくれないだろう。
こうして思考に割いている間にも、向こうはこちらへ仕掛けようとしているのだから。

「しんのすけしゃん!絶っ対にその人の攻撃に当たらないでください!!!」

本当ならばしんのすけの加勢に回りたいが、アドバーグが許してはくれない。
故に今はこれだけをどうにか伝える。

シロとアドバーグは同じ人物によって鬼にされた。
分からないのは、彼らが一体どのような方法で人から鬼に変えられたかだ。
能力者のような超常の能力なのか、或いはゾンビ映画のように体液の接種かもしれない。
もしかすると何らかの道具を使った可能性とて、否定は出来ない。
鬼にする具体的な方法が不明な以上、現状で取れる対処法は一つだけ。
敵の攻撃に当たらないよう立ち回るという、これ以上ないくらいにシンプルなもの。
能力にしろ道具にしろ、鬼にするナニカが当たらなければ良いのだ。

「お喋りする余裕など与えませんぞ~!」

しんのすけが頷くのが視界に映り、直後アドバーグの手刀が殺到した。
殺す為ではない、少しばかり痛めつけて動けなくするのが目的である。
どれだけ深い傷であっても、一度鬼にしてしまえば関係無い。

「チェリャリャリャリャ!」

餌を突く嘴のように両手がミチルに放たれる。
人間から鬼になった事の恩恵とは、キタキタ踊りのキレが増しただけで終わらない。
肉を紙の様に引き千切り、骨を小枝のようにへし折る。
年端も行かない幼子だろうと、天寿を全うする寸前の老人だろうと、容易く大男を屠れるだけの身体能力が手に入るのだ。
アドバーグもまたその例に漏れず。
次から次へと繰り出される突きは指一本でも直撃すれば重症は免れず、一撃躱すのも困難な速度。

「ドララララララララララララァッ!!」

だが破壊力とスピードならば、クレイジー・ダイヤモンドも負けてはいない。
射程距離こそスタープラチナに劣るものの、近接系のスタンドとしては上位の能力を誇る。
アドバーグの攻撃に真っ向からラッシュで迎え撃つ。
アイスピックの如く肉を貫かんとする指を弾き、あるいは勢いのままへし折る。
敵の手が使い物になら無くなれば、そこは正に拳を叩き込むチャンス。
胴体に、顔面に、岩石すらも破壊する威力の拳が次々と命中。
女性の身体をこうも殴りつけるのは、ハッキリ言って気持ちの良いものではない。
が、そうも言ってられないのが現状だ。

「何のこれしき~!」

クレイジー・ダイヤモンドの拳はアドバーグの、より正確に言うならヘレンの肉体を痛めつけた。
指をへし折り、胴体には痛々しい殴打痕が付けられ、顎も砕かれた。
常人ならば泣き叫び、耐えようとしても苦悶の汗が浮かぶだろう激痛。
それらをアドバーグは意に介さない。というよりも気にする必要が皆無である。
肉体の損壊はほんの一瞬の事、時間を掛けずに全て完治したではないか。
これもまた鬼となった恩恵。
太陽光以外の如何なる攻撃も、鬼の生命力の前には無意味。
故に幾度拳をその身に受けようと、アドバーグが負傷を気にする素振りは全く無い。
反対にミチルはそうもいかない。
スタンド使いであろうと、行使する本人はれっきとした人間だ。
殴られ、斬られ、撃たれれば当然傷つき、瞬時に治るなど不可能。
傷を治すクレイジー・ダイヤモンドの能力とて、本人には効果が無い。

「ドラララララララララァッ!」

クレイジー・ダイヤモンドのラッシュは止まらない。
しかし勢いは、ミチル本人の戦意とは裏腹に落ちているのが見て取れた。
アドバーグがダメージを無視して攻撃を続ける以上、相手の怯んだ隙を突く事は不可能。
肉が潰れ骨が砕けようとも後退せず、前へ前へと襲い掛かる。
初めは全て防いでいた筈のアドバーグによる突き、それが一つまた一つとクレイジー・ダイヤモンドに命中していく。

「っ!」

致命傷にはならない。
されど痛みが、肉が削がれる痛みが集中力を奪い去るのを避けられようか。
歯を食いしばって耐えた先に、またしてもアドバーグの指がクレイジー・ダイヤモンドに当たる。
右肩への焼けるような痛み。
数時間前にアーマージャックのゼットシウム光輪を受けた箇所への攻撃。
短く悲鳴が漏れるのは、無理もないこと。

「ッヅ…!」

しかし耐えるしかない。
痛みに呻くだとか泣き叫ぶといった、余裕を持てる状況では無いのだ。
歯が砕けんばかりに噛み締め、痛みを押し殺す。
クレイジー・ダイヤモンドは操作したままで、ミチルはデイパックに手を突っ込む。
手にしたのは木製の棒。アイヌ民族の制裁道具、ストゥ。
元々はアーマージャックの支給品だったストゥを、アドバーグ目掛けて投擲する。

「はりゃあっ!」

クレイジー・ダイヤモンドと渡り合う能力を得た今のアドバーグからしたら、悪足掻きにすらならない。
魅力的なスラリとした脚を一度振るってやれば、麩菓子のように粉々と化す。
棒状としての名残は僅かに残った持ち手部分のみとなり、木片が足元の汚水へ散らばった。
ミチルの狙い通りに。

「ドララァッ!」

クレイジー・ダイヤモンドが腕を振るう。
今だけはアドバーグでは無く、蹴り上げ宙へと舞ったストゥの持ち手へと狙いを付けて。
破壊された物体への接触により、クレイジー・ダイヤモンドの固有能力が発動。
散らばった木片がビデオの逆再生のように、持ち手へと集まって来たではないか。
四方八方から飛来する木片は、間近に立つアドバーグの身体を切り裂きながら元の形へと戻って行く。
当然それらの傷で鬼の肉体はどうにか出来ない。
だが予期せぬ方向からの攻撃というものは、どうやったって隙を生み出すもの。

「おひょぉ!?」

アドバーグの視線がクレイジー・ダイヤモンドから逸れる。
僅かな間のみ、意識がミチルから外れた。
このチャンスを活かさない愚行を犯せるものか。

「ドララララララララララララララララララララララララララララァッ!!!」

無防備な身体へ容赦無しに叩き込まれる拳の嵐。
傷が再生する間すら与えてたまるかと放たれたラッシュにより、アドバーグは砲丸のように飛んで行き、

「キタキタ~!!」

はしなかった。
何とアドバーグ、最初の数発こそ受けたものの即座にキタキタ踊りの要領で全身をくねらせ、ラッシュの大半を躱したのだった。

「キタキタ踊りで鍛えられた私の腰使いを甘く見てはいけませぬぞ~!」

非常に不気味な動きで腰を振るアドバーグにミチルはただ歯噛みするばかり。
信頼の置ける仲間だったはずの男が敵として牙を剥く。
目を背けたくなる現実に、されど逃避してなるものかとスタンドを操作する。

ミチルとアドバーグが戦う傍らで、彼らの仲間と主による戦闘も行われていた。
尤も、彼らがやっているのを戦闘と言えるかは少々疑わしいが。
片方が幾度も腕を振るい、もう片方はひたすらに避ける。
繰り返されるのはそんな代わり映えのしない光景。

「あは~ん、激し~い」

言葉だけなら呑気であっても、表情には焦りが見て取れる。
フラダンスに似た動きで肉の鞭を躱すしんのすけ。
傍目にはふざけていると受け取られかねないが、本人は至って真剣だ。
ミチルからは絶対に攻撃を受けるなと警告された。
切羽詰まった表情からも、素直に聞き入れるべきと判断しこうして回避に全力を注いでいる。
5歳児の身体であった頃から、しんのすけは足元に銃弾を連射されても無傷で回避する程の反射神経を持つ。
制限下にあるとはいえ、馴染みつつある悟空の肉体ならば元の身体以上の動きが可能だ。

「……」

両腕を振るうも悉くふざけた動きで躱される。
身体の元の持ち主なら苛立ちで血管の数本は浮き出そうな光景にも、耀哉は顔色一つ変えない。
本人の人格が消失している現在の耀哉がするのは、出会った参加者を鬼にするという機械的な思考のみ。
怒りも喜びも無く、ただ淡々と毒を植え付けた存在の為に行動するだけ。
変形させた両腕の先端には自身の血を混ぜてある。
掠りでもすれば血が相手の体内へ瞬く間に侵入するのだが、当たらないなら当然鬼にはならない。

「やっつやっぱり柔軟弾丸!」

今だってそう、胸部と足を狙った両腕が空振った。
頭部を屈め足を折り畳み、身体全体をボールのように丸める。
的が少しだけ縮んだ所で大した効果は無い。
その筈が、しんのすけは丸めた身体で通路内を跳ね回った。
ピンボールのような動きを可能とするのは、ぷにぷに拳の奥義が八。
まるで本物のボールが如き弾力で回避・攻撃を行うのだ。

「うおっとと…」

ややあって丸めた体を元に戻すも、フラつきを見せる。
当然の如く迫る耀哉の両腕。
左右から挟み込む形のソレへは、跳躍し回避する。
着地するより先に、空中という身動きの取れない所へ振るわれる両腕。
しかし当たらない。海の中を揺蕩う海藻のような捉え所の無い動きにより躱されたのだ。
アーマージャックとの戦闘でも使用した、ぷにぷに拳の基本となる奥義である。

着地したならまたもや両腕に狙われる。
だがおバカなしんのすけとて、こうも繰り返し狙われたら次にどう動くべきかくらい瞬時に判断が可能だ。

「ここのつここから戦意尻失!」

張りのあるガッチリした尻を前方に突き出し、縦横無尽に動き回る。
偶然か必然か、しんのすけのケツだけ星人と同じ動きで相手の戦意を喪失させる奥義。
実際は尻を露出させなくても良いのだが、そこはしんのすけなので仕方ない。
尤も思考がスコルピオワームの毒により乗っ取られている耀哉には無意味。
一切の動揺無しに、攻撃の手を緩めない。
だが前々からしんのすけがしょっちゅう行っていたケツだけ星人を、ぷにぷに拳の修行により強化した動きだ。
以前かすかべ防衛隊のメンバーからも、普段のケツだけ星人より明らかにキレが増していると言わしめた程である。
耀哉の両腕は尻を露出したしんのすけへ掠る事すら叶わない。

元々しんのすけは千年に一人の逸材と見出され、恐るべき速さでぷにぷに拳の奥義を習得した。
加えて今の身体はサイヤ人の孫悟空。
亀仙人への弟子入りからセルゲームに至るまで、数多の修行と強敵との死闘を制して来た戦士。
肉体に刻み込まれた経験、しんのすけ自身が経験したぷにぷに拳とブラックパンダラーメンを巡るアイヤータウンでの戦い。
アーマージャックとの戦闘を経て悟空の肉体に馴染みつつある今、心身の経験が総動員されている。

攻撃をこうも避けられ続けれるのには、耀哉の方にも原因があった。

もしこの場に無惨との戦闘を経験した鬼殺隊の隊士がいたら、口を揃えて違和感を口にするだろう。
明らかに弱くなっていると。

拳を振るい、蹴りを放つ。たったそれだけの単純な動作ですら無惨が行えば脅威となる。
そして無惨の攻撃手段とはそれのみに収まらない。
両腕を触手のように変形、手数に優れた背中からと無惨が持ち得る力では最高の速度を持つ腿からの管、全身に生させた口による吸引及び奥の手である胴体部からの衝撃波、血液を茨状に伸ばす血鬼術等々、殺す手段なら幾らでもある。
だが現実にはルブラン前で蓮とエボルトを襲った時にも、此度のしんのすけに対しても耀哉が行っているのはただ一つ。
自身の血を付着させた両腕を振るう、それだけだ。
前提として、耀哉の目的は参加者の殲滅ではなく鬼に変えること。
変化させる前にどれ程の傷を負っていようと、鬼にしてしまえばあっという間に完治する。
但し死んでしまった者に血を与えても意味は無い。鬼の始祖だろうと死者に対して出来る事は何も無いのだ。
だから間違っても殺してしまわないよう、ある程度の加減を自身に課している。

加えて現在戦っている場所も問題だ。
彼らがいる下水道は狭過ぎるとまでは言わないが、決して広いとも言えない。
耀哉が危惧するのは戦闘の巻き添えによる天井部の崩壊。
鬼の弱点である太陽が下水道内に降り注ぐ事の一点。
竈門禰豆子のような例外中の例外でもない限り、太陽の光を浴びて消滅を免れる鬼などいない。
故に攻撃の勢いは鬼殺隊との決戦時どころか、ルブラン前での戦闘時より落ちている。

それらの事情があっても、しんのすけに余裕は無い。
相手は掠めるだけでも良くて、こちらは一発当たればアウト。
極度の緊張感はしんのすけの精神をじわじわと蝕んでいく。

余裕が無いのはミチルも同じだ。
鬼となったアドバーグをどうにか人間に戻したい気持ちはある。
その為に気絶させるなり拘束するなりして一度大人しくしてもらいたいが、現実にはアドバーグの猛攻に防戦一方。
尻を出して動き回るしんのすけに対抗意識でも燃やしたのか、ミチルに背を向けたかと思えば勢い良く尻を突き出した。
絵面は全く持ってふざけていても、威力は笑えない。
クレイジー・ダイヤモンドの両腕を交差させ防いだが、衝撃の強さに吹き飛ばされかけた。

「きゃあっ!」
「どんどんいかせてもらいますぞ~!」

体勢がよろければ、尻を幾度も突き出し追撃を仕掛けて来る。
ただしラッシュは尻から出る。
一瞬浮かんだ意味不明な言葉を頭から追い出し、クレイジー・ダイヤモンドでどうにか迎え撃つ。
しかし一手遅い。柔らかな尻肉で突かれているとは思えない痛みに、ミチルの身体は悲鳴を上げた。

「っあぁ…!」

とうとう膝を付いたミチルに、アドバーグは尚も攻撃の手を休めない。
余計な抵抗をさせない為に、両腕を粉くくらいはするつもりだろう。
苦痛を訴える身体に鞭打ちクレイジー・ダイヤモンドを操作するも、やはり動きのキレは落ちている。
辛うじて防いではいても、一つまた一つと傷が刻まれていく。
このままでは致命的なダメージを負うのも時間の問題だろう。

「ミチルちゃん!」

仲間のピンチをしんのすけは見過ごせない。
再びやっつやっぱり柔軟弾丸を使い、耀哉の腕を回避。
跳ね回りながらミチル達へ急接近すると、そのままアドバーグを突き飛ばす。
背後からの衝撃によろけ、すかさずクレイジー・ダイヤモンドのラッシュがヒット。
殴り飛ばされ転がるも、すぐに立ち上がった。

「ありがとうございます、しんのすけしゃん…」

礼を口にしながらミチルも立ち上がる。
多少の距離は取ったが、すぐにまた詰められるに違いない。
一息つく間もなく、二体の鬼による攻撃を警戒し、


不可視の刃が四人へと放たれた。


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