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  • チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
  • 悔いなき選択 -傷痕-

チェンジ・ロワイアル@ ウィキ

悔いなき選択 -傷痕-

最終更新:2023年11月09日 12:43

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
◆





――僕らはいつでも叫んでる





◆


雨粒が屋根を叩き、アスファルトで弾ける音が絶えず響く。
あれだけの緊張感と死の臭いを放っていた市街地は、一時の平穏を取り戻した。
異界の魔王も、悪意の化身も、怒れる悪鬼もここにはいない。
問答無用で他者を害する輩は姿を消しており、残ったのは言葉で意思を交わせる人々。
武器を突き付け合う必要が一旦は無くなったがしかし、気を抜くには些か早計。
先程の連中は武力行使以外に対処法の無く、今は言葉で戦闘回避が可能な者。
絶対の安全を保障された訳ではない。
言葉一つ、対応一つ間違えれば即座に殺し合いへ発展。
そんな事態も有り得ないとは言い切れず、凛が気を引き締め直すのは至極当然の事であった。

「で、まず最初にはっきりさせておきたいんだけど」

片手で数えられる年の幼子とは思えぬ、ある種の貫禄すら宿った声。
齢十七の身でありながら、一介の女子高生ではまず持ち得ない胆力。
幼き頃より魔術の世界へ身を置いた彼女は、そう簡単に弱みを見せない。
集まる視線も何のその、臆する事無く己が言葉をぶつける。

「キャメロットは無事なんでしょうね?」

問い掛けるはこの地で最初に出会った少女。
最優のサーヴァントの肉体を得た、意思を宿し人の形を取った城。
仮初とはいえ主従関係を結んだ彼女は今、出会った頃と同じ顔でありながら別の精神(なかみ)へと入れ替わっている。
こちらを値踏みする瞳へ騎士道精神は欠片も見当たらない。
僅かでも怯み、付け入る隙をむざむざ与えてやるものか。
太眉を吊り上げ真っ向から視線を返す。

「へぇ…」

吊り上げた口の端と、感心を含んだ短い呟き。
舐めてかかられるのを良しとしない程度の意地はあると見た。
微塵も迫力を感じない眼光に薄ら笑いを浮かべる。

「消えちゃあいない。ただちょいと眠ってるだけだ」
「そう……」

予想していた最悪の事態にはなっていない。
相手が嘘を言っている可能性もあるが、あれもこれもと疑いを重ねては埒が明かないだろう。
一先ずキャメロットの意識は健在として話を続ける。

「それで…あんたはキャメロットじゃない、のよね?」
「何回この流れやらせんだよ。俺はグリードだ。鋼のチビの弟に会ったんなら、俺の事も聞いてるんじゃねえのか?」

三度目の訂正と自己紹介には、流石に少々辟易した態度。
呆れ顔で後頭部を掻く仕草、美少女と呼ぶに相応しいセイバーの体ではミスマッチだ。
どちらかと言うと、凛の知るランサーに近い。
品行方正を絵に描いたイメージの強いキャメロットが、短時間で不良少女さながらの性格に激変する方が現実的ではない。
アルフォンスから危険性を説明され、バリーから事の詳細を教えられ、そして本人から名乗られた。
ならば事実として受け入れる他無い。
目の前にいるのはホムンクルス。
解き放たれた強欲は城娘の意識に代わって、表舞台へと姿を現した。

(頭痛いわ…)

そうなってもおかしくはないとアルフォンスから言われたのを加味しても、実際に起きてしまえば愚痴の一つでも零したくなるのが人間の性。
あーだのうーだの呻きそうになるのをぐっと堪える。
起きてしまったのは仕方ない。
仕方ないで済ませて良い物では無いが、引き摺った所で解決するならそりゃ盛大にうだうだ言ってやる。
そんなみっともない真似をする気は当然無し。

(落ち着きなさいっての私。話が通じる奴ならまだやり様はあるでしょうに)

グリードに関してはアルフォンスからメモを貰っていたのが幸いした。
危険人物なのは間違いないが、誰彼構わずいきなり殺しにいくとは断言できない。
ダブリスで出会った時のグリードなら、部下想いの面も有り交渉の余地は有り。
お父様と呼ばれる創造主の配下となった時でも、殺し合いという状況故に話しくらいは可能な筈。
共通しているのは、名前の通りの強欲さ。
多数の参加者を巻き込み、願いを叶える餌をぶら下げた殺し合い。
グリードが反応しない筈がない。

だがついさっきの戦闘では凛達へ牙を剥く様子は無く、むしろ銀髪の剣士相手に協力したのは記憶に新しい。
バリーからもすぐに自分達を襲う気はないらしいと聞いた。
つまりこちらの対応次第で敵にもなるし、信頼し合える仲間とまではいかなくとも協力関係は結べる。
錬金術師の基本理念、等価交換。
グリードが凛達と敵対しなくて良い理由を差し出さねば、交渉のテーブルを蹴り飛ばされて終わりだ。

「少し良いか?」

5歳児とは思えない苦労人の顔を作る凛へ、頭上から割って入った男の声。
グリードとのやり取りに口を挟まずにいたが、何時までも見物しているつもりは無い。
強面の少年、承太郎が横槍は承知で会話を切り出す。

「そっちに事情があるのは分かるが、俺の方ものんびりはしてられねぇ。長引くようなら俺は仲間を探しに行くぜ」

ミチルが殺され、残る四人の生存も未だ確認出来ていない。
凛とグリードの間に宜しくない問題があるのは察せられると言っても、それに長々と付き合ってはいられない。
承太郎とてグリードを完全に信用したつもりはないが、彼の目から見ても即座にこちらを襲うとは考えにくい。
魔王相手に共闘したからこそ分かる、グリードが自分達を見る目は排除対象へ向けるのとは違う。
己にとって利を齎すか否か、吟味の真っ最中。
その点については凛も理解しており、だからこそ如何に言葉を交わすか頭を働かせているのだろう。
もし街に来たのが承太郎だけなら交渉の場に同席し、相手が妙な真似に出た時は拳で返答する役目を請け負ったかもしれない。

どうしたものかとまたもや凛は悩む。
仲間というのは恐らく、白黒の鎧の参加者と戦っていた者達だ。
ゲンガーを含んだ彼らがどうなったのかは凛にも分からない。
魔王との戦闘に意識を割き、気が付いたら向こうの姿は一人も見当たらなくなったのだから。
満身創痍以外の言葉が見当たらない有様の彼に、グリードとの話が終わるまで待ってと言っても聞き入れないのは間違いない。
ジャガイモ頭をこねくり回していると、肩を突かれ振り返る。

「乾燥トマトみてぇな顔してるとこ悪いけどよ、んな悩む必要も無いんじゃねぇか?ほれ」

クイ、と顎で示した方には雨に濡れた道路。
ずっと奥に見える人の輪郭が、徐々にこちらへ近付いて来るではないか。
ビニール傘を揺らし水溜まりを跳ね駆け寄る二人に、承太郎は見覚えがある。

「無事だったか承太郎…!」

仲間の無事に安堵する帽子の青年。
傷は決して少なくない、だが生存を確認出来たのは素直に嬉しい。
ホッとする蓮を尻目に軽薄な笑みの女が横に並ぶ。
街へ移動した内の二人は向こうから来た。
残る一人と放送前から街に残ったもう一人の姿は無い。

「お互い生きてて何より、と言いたいが…ゲンガーと黎斗はまだ迷子みたいだな」

集まった全員の顔を見渡しつつ肩を竦める。
相も変らぬ胡散臭い仕草のエボルトに、ヒューッと口笛を吹くのはグリード。
アメストリス人では無いが見た目は文句なしの美女。
横では「斬り応えのありそうなねーちゃんだな」と、殺人鬼らしい価値観でバリーが感心する。
軟派と何やら危う気な男二人に、凛が白い目を向けた。

「承太郎、ゲンガー達はまだ来てないのか?」
「ああ。俺はてっきりお前らと一緒だと思ったが…」
「幽体離脱だったか、あの力を使うのにどこへ隠れたんだろうなァ」

レンタロウの能力を使用中は本体が無防備と化す。
既に殺し合いで何度も幽体となったゲンガーもそこには十分注意しており、簡単には見つからない場所で能力を使った筈だ。
離れた場所にいる為、合流に時間が掛かっているだけかもしれない。
楽観的に考えたいがこういう時に限って嫌な予感は当たるもの。
やはりこちらから探しに行った方が良いのでは、思いがそちらへ傾く。

「いや、ゲンガー君ならもう見付けた」

探索を止めたのは行方不明中の片方の声。
白い衣服を濡らし暗い顔で合流を果たした仲間に、蓮は喜び以上に不安を抱く。
黎斗もまた無傷とはいかなくとも五体満足。
風都タワーで出会った善良な大人の彼が口にした、ゲンガーを見付けたとの報告。
普通なら嬉しい筈の言葉が、今は毒のように蓮の心へ痛みを与える。

「檀さん…?ゲンガーはどこに……」

ゲンガーが見付かったのなら、どうして一緒にいないのか。
周辺に金髪の少年は影も形も見当たらない。
もしかして傷を負い、能力を使った場所から身動きが取れないのかもしれない。
だったら急いでゲンガーの元へ向かわなくては。

(今なら、助けられる力がある…!)

仲間との絆が齎したペルソナ。
回復スキルを備える新たな力で今度こそ助けてみせる。
煉獄、シロ、新八、ミチル。
死にゆく彼らを黙って見送るしか出来なかった後悔は、もう真っ平なのだから。

「檀さん!ゲンガーの居場所を教えてくれたら、すぐに治しに――」
「雨宮君」

言葉が出ない。
自分の名前を呼ばれ、こうも息苦しく感じたのは初めてだ。
黎斗が何を言うつもりなのか、分かりたくないのに分かってしまう。

そうだ、本当はもう分かっている。
あんな暗い顔をして出て来られたら、誰だって察しは付く。
受け入れ難い事実だろうと、受け入れて戦わねばならない。
理解しているのに、心は言わないでくれと耳を塞ぐ。

どんなに拒否したって、意味は無かった。

「ここに来る途中で倒壊した家屋があった。彼は……そこで下敷きになっていたよ…」

雨の勢いが強まった気がした。
いっそ自分も流されて、消えてしまえばいいのに。
そうやって自暴自棄になれば多分、楽になれるのだろうけど。

「…………」

逃げる選択だけは、許されない。
分かっているからこそ、余計に息が止まりそうだった。

◆◆◆


精巧に作られたレプリカと分かっても、簡単には割り切れない。
ルブランの二階で蓮は思う。
壁に開けられた穴からは容赦なく雨が侵入し、床を変色させる。
家主が知ったら雷が落ちるでは済まないだろう。
本当に追い出されてもおかしくはない。
あくまで殺し合いの為に作られた場所であっても、自分が住まわせてもらっている屋根裏部屋だ。
激怒する惣治郎をつい幻視するのも仕方がない。

本来のルブランと違うのは壁の大穴以外にもう一つ。
ソファーに横たわる少年の死体。
殺された仲間、助けられなかった少女。
犬飼ミチルの魂は跡形も無く消え、残されたのは東方仗助の抜け殻。
土砂降りの中で野晒しにはしておけず、自分はどんな顔で運んだだろうか。
本当ならゲンガーだってそのままにはしたくなかった。
だが黎斗の話では瓦礫に押し潰された死体は引っ張り出すのも困難らしく、諦めるしかないとのこと。
せめてミチルだけでもと運び今に至る。

「ミチル…」

返事は返って来ない、来る筈がないのに。
彼女へ伝えたい言葉はもう言った、ベルベットルームでの決意に嘘偽りはない。
ミチルとの絆は失われていない、ミチルが逃がしたしんのすけだって今もどこかで戦っている。
それなら蓮が止まる訳にはいかない。
もういない仲間へ力強い頷きを向け、背を向ける。

静寂だけが残った屋根裏から降り、下で蓮を出迎えたのは複数人の視線。
やはりおかしな気分だ。
本来だったらマスターや常連客がいて、休日には怪盗団の皆が集まる憩いの場。
そこで今から殺し合いで出会った者達との話が始まるとは。

「すまない、待たせた」
「良いわよ別に。こっちも考えを纏める時間が欲しかったし」

あっけらかんと答えたのはルブラン内で最も幼い体の少年。
蓮が気に掛ける仲間、しんのすけの肉体で腕を組む様は背伸びした子供にしか見えない。
口に出さない感想に気付いた様子も無く、パンと両手を鳴らす。
全員集まったなら、次にやるのは各々情報の開示だ。

バリーとグリード以外の知らない参加者が4人。
自分が気を失い、二回目の放送が過ぎてから一体何が起きたのか。
ゲンガーの仲間らしい彼らは何を知っているのか。
情報交換とグリードとの対話、天秤に掛け傾きく方はどちらか考えた凛だったが長く悩む必要は無かった。
当のグリード本人が蓮達にこう告げたのだ、「知ってる事を教えろ」と。
よりにもよってゲンガーの死に空気が重苦しくなったタイミングでその発言には、バリーですらぎょっとした程。
とはいえグリードからしたらゲンガーの死は多少の反応こそあっても、悲しむだとかは無い。
仮に部下として迎えていたらまた違った反応だったろうが、そうならなかったのが現実だ。

主催者の持つ全てを手に入れる、グリードの方針に揺らぎはない。
同時にどんな方法であれ一筋縄でいかない事もまた、十分理解している。
先の戦闘が良い例だ。
二人掛かりでも仕留め切れないばかりか、最強の盾を弱体化させられる始末。
誰彼構わず喧嘩を売り、力押しで望む全てを奪える程甘い戦場に非ず。
なればこそ情報は貴重な武器となる。
現在生き残っている奴の戦力、何人で徒党を組んでいる。
知れば知った分今後の動きに選択肢が増え、逆に知らないままでいれば己の首を絞めるだけ。
だから今は情報の入手を優先した。

幸い、蓮からの反発らしい反発もなく情報交換には承諾。
ゲンガーの死を雑に扱うとも取れる言葉へ、思う所が無い訳ではない。
だが死者の存在を引き摺り続けるより、生きている自分達がやらねばならない事の方が多々あるのも事実。
感情的な反論を口にする前に、どうするのが正しいか答えを導き出す。
それが出来たのは怪盗団のリーダーを務めているからか。

「じゃ、始めましょうか」

蓮がカウンター席に腰を下ろしたのを見計らう。
凛の一声を合図に改めて自己紹介から始まり、次いでこれまでの経緯を互いに話す。
ゲンガーから既に聞いた部分は省略してもらい、主に風都タワーと街に戻って来てからの戦闘。
村でアルフォンス達と出会って以降は収穫の無かった自分達と違い、ほとんど戦闘続きだったらしい。

「成程なぁ…」

腕を組み面白気に笑みを零すグリード。
スタンド、ペルソナ、仮面ライダー、サーヴァント。
どれもこれも自分の知識には存在しないものばかり。
錬金術とは明らかに違う力、もしかするとお父様ですら知り得ない存在。
それらを一か所に集め、支配者気取りでこちらを見下ろすボンドルドとかいう奴と協力者達。
益々以て主催者の持つ全てを手に入れたくなった。

「あいつが白黒の中身だったのね…」

ディケイド、銀髪の剣士、白い弓兵。
いずれもここまで生き残るだけの力を持った厄介な連中だ。
特に白い弓兵はゲンガーが話してくれた通り、別の強力な姿に変身が可能。
凛も遠目に見た白黒の鎧、あれこそがハルトマンなる参加者を殺害した仮面ライダー。
恐らくゲンガーを死に追いやったのも白い弓兵で間違いない。
建造物を倒壊させられる威力の攻撃、先の戦闘でそれが可能なのはあの弓兵くらいのもの。
肉体は可愛らしい少女であっても、中身は邪悪そのものとしか言いようがなかった。

「……」

ゲンガーを殺した相手は分かったが、凛の表情に大きな変化は見られない。
ストレートに悲しみを顔に出す蓮と同じにはならない。
けれど、短い時間とはいえ言葉を交わし行動を共にして。
自分の傷を治す為に支給品を使ってくれた者の死に、何一つ感じない少女では無かった。
馬鹿正直に内面を口にする気は全く無いが。

「遠坂、そのアルフォンスって奴が風都タワーに向かったのは間違いないのか?」
「…えっ?ええそうよ。村で別れてからそこに行った筈、なんだけど…」
「だが俺らはそいつとすれ違ってもいない。時間を考えりゃ放送前には到着してもおかしくない筈だぜ?」

頭の痛い問題がまた一つ増え、つい渋面を作る。
蓮達は風都タワーでディケイドと戦い、定時放送が流れるまで留まった。
その間、アルフォンスが現れはせず道中で姿を見かけてもいない。
一体どこに行ったのか、その答えはバリーとグリードが持っている。
何でもアルフォンスは放送があった村の近くで怪物化し暴れ回ったのだという。
尤もこの証言はメタモンから聞いた為、信憑性には欠ける部分もあるだろう。
メタモンは自分はいきなり襲われた被害者と振舞っていたが、実際にはメタモンの方から仕掛け戦闘に発展、その最中アマゾンなる怪物へ変わり暴走した。
こう考えた方がしっくりくる。
どっちにしてもアルフォンスが危惧した通りの事態になったのに変わりはない。
今どこで何をしているのか、アマゾンの暴走は治まったのか継続中なのか。
制御不能の野獣と化したならば討つしかなく、覚悟しているとはいえ出来ればそうはなって欲しくないものだ。

心配なのはアルフォンスだけでなく、しんのすけもである。
地下水路に潜った筈が何と行方不明になったのだから。
放送の時点で生きているのだとしても、まだ無事だとは限らない。
下水道で何が起きたのかを具体的に話せるミチルはおらず、手掛かりも無い以上無事を祈る以外にやれる事は無かった。

有益な情報は手に入ったものの、問題が更に増えたのは気のせいではあるまい。
朗報として、危険人物であるメタモンと産屋敷(無惨)は既に討ち取られた。
後者は生きていたら苛立ちの一つはぶつけたかったが、死んだならまぁそれはそれで問題無い。

「ああそういや、一応これも見といた方が良いだろ」

思い出したようにエボルトがデイッパクに手を突っ込む。
アーマージャック殺害のボーナスで支給された組み合わせ名簿だ。
蓮と承太郎はともかく、他のメンバーはまだ確認していない。
風都タワーを出発する時はゴタついてたのもあり、見る機会の無かった黎斗には願ったり叶ったり。
四人で額を突き合わせ視線を落とす。

(CRの者達もパラドもいないか…)
「弟はいるのに兄貴の方は体にも無しと。イマイチ分からねぇ人選だな」
「ナミ…?あー、確かこの体の仲間だったか?」
「岡田以蔵って…あの岡田以蔵?まさかこいつも英霊ってんじゃないでしょうね…」

知っている名前はない、或いはあっても方針に影響を及ぼす程ではない。
取り敢えず懸念事項はそれぞれ解消された。

話が一段落すると、傷の処置をした方が良いのではと誰かが言い出す。
断りを入れて回収したデイパックを開き、中身を確認。
見付かったのは回復効果があると説明書に記載された、四本の缶ジュース。
元はポケモン用で人間が飲んでも効き目があるかは不明。
毒ではない為飲んでみても損は無いとプルタブを開ける。

「……甘いな」

飲み干したのは風都タワーから街へ来た4人。
ホムンクルスの再生能力があるグリード、この場で唯一無傷のバリーには無用の支給品。
体に痛みはあっても死ぬレベルではないからと、凛も飲むのを先に断った。
5歳児の体の自分より、正面切って危険人物と戦える蓮達の回復を優先すべきだろう。
正論だがしんのすけの体が傷付いたままなのを蓮は無視できない。
手に入れたばかりのペルソナを使い、凛の傷を治す。

さておきミックスオレの実際の効果はどうなのかと言えば、一気飲みした甲斐はあった。
体の痛みがある程度引き、傷も大部分は消失。
完全に回復とまではいかないがこれだけでも十分だ。

次に取り出したのはミックスオレ同様、元々は耀哉の支給品。
二つ放送前の時点における参加者の位置を示した地図。
但し肉体側の写真のみが表示されている上に、情報も古く現在地を割り出すには役に余り使えそうもない。
せめて名前が分かれば、組み合わせ名簿と照らし合わせられるのだが。

(成程ねぇ、戦兎はそっちに居たと…)

西側の街へ続く道路上にある複数の画像。
そこに一人、エボルトのよく知る顔を見付けた。
自分が創ったヒーローと瓜二つなのも当然だ、元はこの佐藤太郎の顔なのだから。
10時間以上経過したというのに、一向に戦兎と会えないのも納得がいく。
自分がいる東側とは反対の場所をうろついていれば、会える訳がない。

「でだ。ここいらで提案しときたい事がある」

地図を仕舞った直後、共犯者の言葉に蓮は視線で続きを促す。
言動の端々に信用し切れないものを秘めているが、こういった場面では意外と真面目に話を進めるのがエボルトだ。
真剣に耳を傾ける姿勢を作り、向こうもまどろっこしいのは抜きに本題へと移る。
エボルトが話すのは首輪をどうするかについて。
回収し終えたのはともかく、未だ死体に填めたままのを放置するのはハッキリ言って愚行。
煉獄を始めとして、いい加減首を落とし手に入れる旨を伝えるべく口を開く。

異変が起きたのは正にその瞬間だった。

「…?こいつは……」

首輪云々の話を引っ込め、代わりに出たのは訝し気な言葉。
急なエボルトの反応を疑問に思う者はいない。
ルブラン内にいる全員が同じく眉を顰め、警戒を露わにし始める。

「地震…じゃないわよね…」
「足音、なのか?」

雨音に混じり何かが聞こえて来る。
最初は虫の吐息のように小さく、次第に大きさを増しハッキリと異変を知らせるように。
聞き間違いではない、これは明らかに豪雨とは別の音。
正体不明の音は、まるで不安を煽るのが目的と言わんばかりの不気味さ。

「おいこれ…マズいんじゃねえか?」

うんざりしたバリーの言葉に全員が同意した。
音は確実にルブランへ近付いている。
このまま店内で身を縮こまらせたとしても、ロクな結末にならないのは確か。
いっそ先に外へ出て正体を見極め、早急に対処へ移った方が良い。
危険は承知だが殺し合いに巻き込まれた時点で、傷付かずに切り抜けられるとは誰も思っていない。

「ったく休憩もさせてくれないのかねぇ…」

エボルトのボヤきを聞き流し急ぎ外に飛び出す。
たちまち衣服が濡れるのも気にしてはいられない。
一体全体、何が街へ現れたのかと身構える一同。

「っ!?見つけました!あそこ!雨宮さん達です!」
「遠坂さん達も…!あれ?産屋敷さんはどこに…」
「話し込むのは後にしろ!追い付いて来たぞ!!」
「わ、も、もう来るよ…!」

すると聞こえて来たのは奇妙な音とは違う、複数人の会話。
そのどれもが聞き覚えのある声だ。
空を飛び、地を駆けやって来たのは別行動中の仲間達。
双剣使いの天使、白い魔法少女、青い装甲の錬金術師。
そして、逃げたホイミスライム。

「ホイミン!?皆も…」

姿を眩ませたホイミンと一緒にいる、それだけなら喜ばしい。
問題は何故彼らはああも焦っているのか、何故未だに奇妙な音は鳴り止まないのか。
疑問をぶつける必要は無い、『答え』が自ら姿を現した。



『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!』

→

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 ・【51~100】
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 ・【第四回放送までのSS】
  • 追跡表
  • 書き手紹介

登場話

  • 【登場話候補作】
  • 【登場話候補作】(採用)

番外編

  • 没SSまとめ

資料

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  • 俺ロワ・トキワ荘:http://jbbs.shitaraba.net/otaku/12648/
  • 本スレ①:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1615384066/
  • 本スレ②:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1633849195/l30
  • 本スレ③:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1664632643/l30
  • 本スレ④:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1706338338/l30
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