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チェンジ・ロワイアル@ ウィキ

ファントムブラッド

最終更新:2024年01月21日 16:50

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だれでも歓迎! 編集
『空条承太郎…その身体の名は燃堂力』

これを聞いた時、口角が上がらなかったと言えばそれは嘘になる。


南西の森エリアにおいて、DIOによって一時停戦の提案が出された直後、第三回放送が始まった。
そんな提案が出されたばかりなこともあり、放送の間、そこにいた三人はその場で黙って放送に耳を傾けていた。

けれども彼らの間にある空気は、すさまじい殺気に満ち溢れていた。
休戦の提案があったからと言って、それまでに行われていた殺し合いがなかったことになるわけではない。
ピリピリとした、一触即発な殺伐とした空気感が形成されていた。

それでも三人共放送の重要性も分かっていたため、その間は静かにしていた。
DIOとJUDOは、それぞれエターナルとディケイドへの変身も解除しないままであった。


やがて流れ始めた放送の内容において、DIOは注目しないわけにはいかなかった。

(フ、フフッ。フフフ…ッ。そうか…そうか!承太郎が死んだか…ッ!)

DIOは心の中で高笑いを上げた。
空条承太郎…それは、DIOにとって運命の最大の障害物であったジョースター家の末裔。
彼にとって、ジョースターとは運命という道に散らかり捨てられた犬の糞のようなもの。
それが知らずの内に掃除されたというのならば、無意識にでも笑みがどうしても浮かんでしまう。
歌でも一つ歌いたいような良い気分だ。
もっとも、この状況でそんなことをする訳にはいかないが。

(……だが、これでザ・ワールドの能力の真価を引き出すのは、完全に自力で行わなければならなくなったか)

受かれた気分になってきていたが、そのことを思い出し少し冷静さを取り戻す。
この殺し合いに来る直前辺りで、承太郎のスタープラチナは自分のザ・ワールドの能力を知り、影響されたことで、時間停止ができるようになった。
それと同じようなことをやるのは、これで不可能となった。
ザ・ワールドの時間停止能力を復活させるのは、DIO自身でどうにかしなくてはならなくなった。
そのためにはやはり、エンヤ婆が言っていたように、できると思い込むことが重要であろう。
けれどもそれは、承太郎に影響されるよりも手間がかかりそうだ。


(…そういえば、ジョースターの肉体の繋がりもいつの間にか感じられなくなっていたな。やはり、東方仗助の肉体の者も死んだためか?)

何故かジョースター家に関わりがあるんじゃあないかと感じていた東方仗助の肉体も死亡状態にあることを知った。
ジョースターの血を引く肉体同士は、何故だかその存在を感じ取れる。
その感覚も、確かにいつの間にか無くなっていた。
であれば、東方仗助の肉体は本当にジョースター家のものだったのかもしれない。
まあ、DIOからしてみれば、もしかしたら他の死亡者の誰かの肉体の方がそうだった可能性もまだ考えられるが。

◆

(それと…まさか、わざわざ用意していたモノモノマシーンを封じるとはな。言っていた通り、誘導だけが目的だったという訳か?気に食わんな)

今回の放送で指定された禁止エリアによって、本来自分がここに来た目的の一つであったモノモノマシーンが、もう使えなくなったことが知らされた。
そうなった理由については、誘導する必要が無くなったとのことだ。
つまり、今この場にいる者達が出会った時点で、主催陣営にとってモノモノマシーンは価値が無くなったということだ。
モノモノマシーンは新たなアイテムを得られるとの話だったが、主催達は本当はそんなものを渡すつもりは初めからなかったのだろう。
思い通りにさせられているような感じで、この点に関してはかなり不愉快であった。

(……だが、考えようによっては都合が良くなったと言えるか?)

DIOは今、ここにいる三人で停戦することを提案した。
けれども、三人ともここに来た当初の目的はモノモノマシーンだった。
そしてそのモノモノマシーンは、一本道の地下通路内に存在していた。
もし二人がDIOの提案を受け入れたとしても、モノモノマシーンが使用可能なままだったら、三人とも同じ方向を目指す可能性が高い。
三人一緒に仲良く歩くことになったのでは、提案の意味が一部無くなる。
他の場所にいるであろう、都合の悪い者達を殲滅するまでという約束で動こうというのに、三人固まっていてはそれが出来るのかとなってくる。
そういった者達がモノモノマシーのある方向に集まって来る可能性は、マシーンの使用条件のことを考えると低いかもしれない。
それに、動ける範囲の限られた地下通路の中で三人でいれば、いつ誰が唐突に裏切ってくるか分からない。
それこそ、モノモノマシーンを使おうとする隙を狙ってくる可能性も考えられる。
そんなことを全員思い付けるとすれば、いざマシーンの下にたどり着いた時に余計な心理戦が始まるかもしれない。
そんなことをしている内に、やはり殺し合いに反抗する者達が集まり、結託し、余計に都合の悪いことになるかもしれない。

だがここで地下通路の方に入る理由が無くなれば、ここにいる三人はバラバラに動くことになる。
DIOからしてみれば、他二人の目が無い方が都合良く動きやすい。
サニー号のこと等、そこにあるモノのことを隠し通せれば、より有利にこの殺し合いの舞台の上を動きやすくなる。
それに今のDIOは、たとえ一人になったとしても他参加者を全て殲滅できる自信がある。
二人への提案は、云わば自分の手間を減らしたいがためだけだ。
それを実現するためという視点からでは、今回モノモノマシーンが使用不可になったのは都合が良いと言えなくもないかもしれない。

今回、DIOが気にした点としてはこれで以上だろう。
他には、放送ではこの近くにある電話ボックスがC-5の村に繋がっているみたいな話もあった。
それについては、視界の内に件の電話ボックスらしきものが、地下通路の入り口の近くにあるため、後で調べるか近くの者が知ってれば話させるかすれば良いだろう。
放送でも、分かる者には分かる話と言っていた。

◇

『私は、「亀」である』

『…………そして、今の私は、「カメラ」でもある』


(………カメ?)
(亀?)
「亀……?」

放送の最後の方で伝えられたことに、ここにいた三人皆が反応を見せた。
放送は、終わりそうになったと思ったら、何故か急に予定外の話が付け足された感じになった。
そこで語られたあまりにもの内容に、三人とも呆気にとられた。

黒幕からの伝言とされたもの、それは黒幕自身の正体についてだった。
それが「亀」で、しかも今は「カメラ」等、三人にとってもまるで意味が分からない。
しかも、一応ここまで生き残ってきた褒美の情報のはずなのに、こんな訳の分からない所で止まり、放送は終わってしまった。


「………おい、今のことに………心当たりはあるか?」
「………カメバズーカ………いや、絶対に違う」
「………宇水の盾…………いや、何でもねえ」

三人とも混乱し、それぞれ自分でもよく分からないままに口走る。
記憶にある亀に関連するものを引っ張り出すが、当然それらは全て無関係だ。


(亀……亀…?そいつは、知性を持っている…ということか?それはつまり…スタンド使いの可能性もあるのか?)

放送で伝えられたことが真実だと仮定すると、DIOの中ではそんな可能性が思い浮かぶ。
スタンド使いになった動物は、通常のものよりも知能が高くなることがある。
それこそ、人間に匹敵するくらいのものだってある。
ならば、殺し合いを企画できるだけの知力を獲得できることだってあるかもしれない。
今はカメラだという発言は…参加者や他の主催と同じく身体側を別のものに変更しているということだろうか。
カメラという非生物が肉体側なのは、普通に考えればおかしいことだが、この殺し合いには既に非生物の貨物船が精神側として参加者にされていた。
それならば、非生物でも身体側となれるポテンシャルはあるだろう。
もしかしたら、その身体側のカメラとやらも、貨物船と同じくスタンド使いだったのかもしれない。
身体側に選んだのも、そのカメラが持つ能力目当てだったのかもしれない。
………ナチュラルにこんな可能性を考えてしまう辺り、あの貨物船の存在にある程度毒されてしまっているのかもしれないとも考えてしまう。

(…だが、もしそれが真実ならば、許しがたいことだ。このDIOを差し置いて、畜生ごときがスタンド使いとして上に立とうなど…!)

――この殺し合いに巻き込まれている時点で、DIOも、他の者達も、主催陣営に一度敗れているようなのものである。
―ここに来るまでの記憶が無い分、なおさらだ。

亀のスタンド使いの存在に、DIOに心当たりは全く無い。
それは、この殺し合いがDIOのために行われている可能性を低めることも意味していた。
殺し合いの黒幕が本当に亀だとして、尚且つそれがスタンド使いであるとしたら、DIOにとっては腹立たしさを感じることにもなる。
どんな能力かは分からないが、吸血鬼どころか人間以下の亀ごときがこのDIOを出し抜いて殺し合いの参加者にするなど、受け入れられないことであった。
せめて神だとかそういったものを名乗るくらいなら、その座から引きずり下ろして自分が代わって座ってやるくらいの気概を出そうと思えたかもしれない。
だが実際には亀を名乗るなど、こちらのことを大きく嘗めているのかと言いたくなるようなことであった。
DIOの中には、主催陣営に対し少し怒る感情もまた、確かに出現してきていた。


◆

放送で言われたように、先ほどまで降っていた大雨が止む。
そのタイミングで、DIOはもう一度話し始める。

「…………さて、改めて聞こうか。私の提案に、乗るかどうかを」

放送のせいで調子を大きく狂わされた感じがあったが、DIOは改めて他の二人に問う。
指定された禁止エリアだったりで状況は大きく変わったが、まだこの提案は生かせるものと判断していた。

「……てめえはさっき、情報の開示とか言っていたが、てめえが欲しい情報はもう無くなっちまったんじゃねえか?空条承太郎って奴は、死んだみてえだが?」
「………ふん。まあ、その点に関してはそうであろうな」

DIOの提案は、志々雄がスタープラチナの名を出した直後にあった。
そのことやDIOが出すザ・ワールドのこともあり、志々雄はDIOが求めている情報の中に承太郎のことも含まれていることを察していた。

「そうかい。なら、一旦話を変えるか。さっきの放送で言っていた電話ぼっくす…『公衆電話』について、てめえらがまだ知らねえだろうことを教えてやる」

志々雄は、少し離れた場所に向けて指差す。
そこにあるのは、放送でも言われた通りな、公衆電話ボックスだ。

「少し調べれば分かることだが…アレは、遠く離れた場所に一瞬で移動できるものだ。行き先は、まあさっきの放送で言われた通りだろうな」

志々雄は、自分が先にここにたどり着いた時に確認した公衆電話の機能を簡単に説明する。

「で、アレはどうやら前に使われたことがあったから、俺は使えず待っていたわけだが…これで何時使えるようになるか分かった。そして、次に問題となるのは…てめえらもアレを使いたいと思うかどうかって点だ」
「……なるほど。アレを使った方が、網走監獄の方に早く行けるかもしれないという訳か…」
「アレは一応、一度使ったら十分以内なら他の奴も使えるが…果たしててめえらは、それをやすやすと通すのか?」

志々雄が問題として提起したのは、もし仮に休戦する場合、公衆電話の扱いをどうするかについてだ。
放送前にDIOが懸念していた、地下通路のモノモノマシーンがあったらここにいる全員がそちらの方に向かう可能性問題が、再発するようなものだ。
モノモノマシーンの方へ向かうことを考えると、やはり全員が公衆電話で瞬間移動(ワープ)することを望む可能性が出てくる。
ワープ先であるC-5に一時間後、一瞬で行けることを考えると、順当に移動するよりも早くB-1の網走監獄に到着できると考えられる。
今回でDの1、2だけでなくD-3が禁止エリア指定されたことや、地形的な問題から、そんな風になっていた。

しかも、基本的に使うのは一人ずつなことを考えると、先にワープした者が後からワープした者をワープ直後に攻撃する可能性も考えられる。
いわゆる、着地狩りというものだ。
DIOは地下通路のモノモノマシーンが使用不可になったことについて、都合が良いかもしれないと一度考えたが、それは誤りだったかもしれない。
むしろ、片方が封鎖されないで、それぞれどちらかを目指す形となった方が良かったかもしれない。
まあ、このことについてはDIOには一応、多少の解決となる情報を持っていた。

「ふむ、それならばこちらからも一つ先に教えておこう。地図を見れば分かることだが、G-2の方にサニー号という施設が追加されている。これは船であり、中には我々参加者でも動かすことができる特殊な小舟が用意されている。私が確認した。提案を飲む場合、私はそちらの方に向かおうか」

サニー号のことは元々隠したいと思っていたが、こうなっては仕方がない。
ここでこの情報を出した方が、バラけて動けて都合が良いと判断した。

「ちなみにだが、そこで小舟を使うには条件がある。首輪を多く用意することだ。果たして貴様らは、それだけの首輪を持っているのか?」
「……なるほど、使えるのは自分だけだと、言いてえ訳か」

志々雄はDIOの言葉に一定の理解を得た姿勢を見せる。
どこまでが本当のことかは彼視点では分からないが、一応はこれで休戦する場合の今後の動きが予測出来てくる。
サニー号とやらの中にある小舟がどれ程のものかは知らないが、ようはそれで海を渡り、F-1の川から島の中に入り、川を伝って近道すると言いたいのだろう。

◇

「また少し話しを変えるが、てめえの案に乗るために必要な情報はまだあるだろう。そっちが言う目障りな奴ら、そいつらの場所だ」

志々雄はまだ答えを出さずに、更なる情報を求めてくる。

「ちなみに俺の方からそういったことは何も言えねえ。放送二回分…十二時間はずっと誰とも会えずじまいだったからなあ。会った奴の中でまだ生きている奴は一人いるが…もうどこにいったかなんて全く分からねえさ」
「……そんな口の利き方で聞き出せると思っているのか?」

志々雄のこの言葉に嘘は無い。
けどもDIOからしてみれば、志々雄が自分だけ情報を出し渋ろうとしているようにも聞こえる。

「ちなみにそいつは長髪の男で、斧と剣が混ざったみてえな武器を使い、氷や飛ぶ斬撃みてえな妙な術を使う。こっちが先に言ったんだから、そっちも言えよな?」

志々雄は自分が知る唯一の相手…魔王についての情報を先んじて与える。
そうすることで、案の同意前にDIO達からも戦力についての情報を吐き出させようという魂胆だ。
その魂胆は、実際上手くいっているようだった。


「……我からは僅かに、言えることがある」

ここで、これまでほとんど静かにしていたJUDOが口を開く。

「おそらく…この島の中央か、東の方の街で…おそらく4人程度が固まって動いている。1人は羽を生やした剣士の女…残る3人は、我や貴様のように『仮面ライダー』への変身能力を有している。1人は銃使い、1人は武器を複製する力を持つ。…最後の1人は、貴様と同じベルトを巻いていた」
「何だと?」

その言葉にDIOは反応を示す。
他の仮面ライダー程度、今のDIOにとっては大したものとは思っていないが、自分と同じベルトを使っていると聞いたら話は少しだけ変わる。
それはつまり、可能性としてはごく僅かなものではあるが、自分に近い力を持っているかもしれないからだ。

なお、JUDOが話した3人の内1人は厳密には仮面ライダーではないかもしれないこと、JUDOは一応それに気付いていること。
それは、わざわざ話すことではなかった。

「そのベルトをした者は、どんな姿になっていた?」
「それを聞きたければ、貴様も話すことだ。特に、他に仮面ライダーがいたかどうかをな」

「……チッ。…おそらくは、ここから北の山の方で……5人が固まって動いてる。…まあ、厳密には1人は1匹か。電気を発する鼠に、再生能力を持つ女……残る3人は、仮面ライダーだ。…青い剣士が1人、刀と盾を持つ者が1人。…最後の1人は、貴様のベルトをピンクに染めたようなものを使っていた」
「…………そうか。なら、こちらも言っておこう。貴様が知りたがっている仮面ライダーは、黒かった。戦闘方法は、徒手空拳だ」
「そうか…黒か」

DIOとJUDOは睨み合いながら、お互いに持つ情報を引き出させる。
DIOとしては対等な交渉をさせられているようで不満なところもあったが、これにより少しの懸念事項も解消された。
本当に黒いライダーであるならば、少なくとも自分と同じくエターナルを使っている可能性は無くなる。
こちらの情報を話すだけの価値はあっただろう。
せっかく同じベルトを使っていた奴がいたことを教えたのに、何故か反応が少し薄めなのも気になるが、そこまで問題として捉えることではないだろう。


◇

「……で、ここまでのことを踏まえた上で、結局どうするつもりか?私の提案に乗ろうと思えてきたか?」

ある程度の情報が整理されたために。DIOは改めて問う。
これまでの話により、お互いにあるだろう心配事項はある程度までは解消されたと言えるだろう。
予めの情報もかなりサービスした。

けれども、DIOが望んだような答えは返ってこなかった。

「そうだな……はっきり言ってしまえば、俺としちゃあ『どっちでもいい』だ」

そう答えるのは、志々雄真実だ。

「確かにてめえの言う通り、どうせなら余計な奴らが居なくなってからの方が良いかもしれねえが…結局最終的にはお前らとも戦うことには変わりねえ。むしろ、そんな奴らと戦い、疲弊した所をてめえが狙ってくることも考えられる。だが、今後どうなるかについては結局のところ動いてみなくちゃ分からねえ。ここでお前らと戦うか、戦わないか、どっちを選んでも最終結果は変わらねえと思うぜ。どうせこの世は弱肉強食、生き残るのは『強い奴』なんだからな」

志々雄は持論を交えながら語る。
その言葉には、前からと同じく挑発的な要素も混じっていた。


「…生き残るのは強者だという点には同意する。だが、よくもまあそんな中途半端で煮え切らない答えが出せたな。前にも、つまらん挑発は貴様自身を滅ぼすと言ったはずだが?」
「はっ。つまり何だ?てめえはここで殺り合っても自分だけが生き残れる自信があるってわけか?」
「……お望みとあらば見せてやろうか?」
「さあな。てめえの好きにしたらいいさ。自分の提案を無碍にしたいんならな」

志々雄は挑発的な態度を止めない。
けれども、この言葉に対してDIOの方から手を出すわけにはいかない。
こんな挑発に乗って攻撃を仕掛けたら、どこか精神的な敗北感が微かに残るかもしれない。


「で、さっきから妙に静かな感じがするが…そっちの方はどうなんだい?そこの縞々仮面」

苛つき始めているDIOを尻目に、志々雄は話をJUDOに振る。
先ほどの放送が終わってから、JUDOは確かに口数が何故だか少なくなっている感じがあった。
他参加者の位置情報の話になった時は喋っていたが、それも「仮面ライダー」以外のことについては反応が薄かった感じもあった。
これまでの交渉はほとんどDIOと志々雄だけで行われていた。
JUDOが何を考えているか、二人には分かりにくくなっている感じがあった。

「…………そうだな。確かに、余分な者共を削ぎ落としてから決着をつけるというのは、理にかなった提案だろう」

口を開いたJUDOは、DIOの案に肯定的な言葉を発する。


「………だがそれは、3人も必要なことであろうか」

◆


「…何を言いたい」
「言葉通りだ。貴様の提案通りにするとしても、3人もいる必要はないだろう。つまり、1人は消えるべきだ」

JUDOは、DIOの言う通り他の都合が悪い者達を排除するまで休戦するのは構わないが、それは2人だけで十分という意味の発言をした。
それは、3人の内1人はもうここで死んでもらいたいという意味でもあった。

「だが、今ここで3人の内誰かが死ぬまで戦えば、今後戦うための力を失う可能性もある」

JUDOは自分が今言ったことの問題点も自覚していた。

「だからここは、消す者を予め決めておくべきだ」




「――――消えるのは、貴様だ」

JUDOは指を差す。

それが指し示していたのは、DIOだった。

◇

「……なるほど。つまり、2人がかりでこいつを殺ろうって言いてえわけか」

志々雄はJUDOの言葉に納得の色を見せる。

「確かに3人残っていたら、最後の方で漁夫の利を狙う奴が出るかもしれねえからな。特に、そんな提案をしてきた奴なんかな」

志々雄はDIOを見ながら皮肉交じりな言葉を発する。
それは、JUDOの新たな案に乗りかけていることを意味していた。

「…我の考えに、貴様にとってももう少し利があることを教えてやる」

JUDOは志々雄を見ながら話し始める。
自らのデイパックの中に手を入れ、1つのアイテムを取り出す。
それは、棒の取り付けられた宝石のようなものだった。

「この『賢者の石』は、使用者本人と、一定範囲内の使用者が味方と認識している者を回復する。一度使ったらしばらくは使えんがな。我に協力するなら、貴様にもこれを使ってやる」

今の志々雄は確かにダメージを負っている。
時間を置けば自然回復するものではあるが、今すぐ治せるのはそれでも悪くない。
すぐに治るのであれば、この場で改めて戦う道も非現実的なものから離れていく。


「……まさかとは思うが、本当にその愚かな案に乗るつもりじゃあなかろうな…!」

DIOが志々雄に向かって声をかける。
その声には、大きく怒気が含まれているようだった。

「そもそもだ。何故に貴様はそのような愚か極まりない選択をとる?………今すぐ謝るなら、許してやらんこともないが?」
「………貴様のような人間如きが、そんな自分の方が上だと思っているかのような態度をしているのが気に食わん。…理由はそれだけで十分だろう」
「……人間だと……?」

DIOは威圧的な言葉に臆する様子なく、JUDOは煽り返す。
…けれども少し、返答までに妙な間もあった。
何か無理矢理、理由付けを考えていたかのようであった。

けれどもDIOはそんなことよりも、自分を人間呼ばわりしたことの方に気を立てた。
その言葉の方が、彼の神経を逆撫でしていた。


「…………良いのか?他にもまだ知らせてない情報はあるぞ?」

DIOはより激しくなりそうな怒りを無理矢理にでも抑え込み、冷静さを装いながら今度は言い聞かせるかのように話す。
実際、まだ隠している情報はある。

DIOがこれまで会った中でまだ情報を話していない者が2人いる。
1人は承太郎が身体を使っていた燃堂力。
そして、身体側の身内が主催陣営におり、何か特殊なものがあると思われる柊ナナ。
この2人に関してはPK学園の方に戻ってこなかったため、現在地の予測は正確性を少し欠く。
おそらくは最初に逃げ延びた場所に待機し、今頃桐生戦兎達と再合流している可能性は高いと思われるが、確実にそうだとは言えない。
言わなかったのはそれだけでなく、柊ナナの方に少し興味があり、他の者に先に殺されるのはなるべく避けたい気持ちもあったためだ。
他にもまだ、隠していることはある。

「そんなこと…これまで言ったことも含めて、どこまでが本当かは互いに分からねえだろ」

ここで、自分たちが知る他参加者の情報を話すとしても、全て真実である必要は無い。
全員が共に行動できない方に話が進んでしまっている以上なおさらだ。
むしろある程度情報を隠した方が、他の者らの殺害に苦労し、都合の良い感じに消耗してくれる可能性も考えられる。
そういったことは、全員思いつけている。
ここでの情報は、そこまで大きく鵜呑みにはできない。
ある程度までは信頼できないかもしれないことを意識するべき。
そのことも、全員分かっている。

「それにまあ、情報はもう十分だろうからな」
「その言葉…我に乗ると見ても良いのか?」

先ほどからの志々雄の態度を見て、JUDOもそんな風に判断する。
けれどもはっきりそうだとは言ってないため、一応の確認をとる。


「ああ、いいぜ。やってやろうじゃねえか」

そして志々雄は、JUDOに対し肯定の言葉を返した。
最初に遭遇した時は殺し合った相手であるが、それを一旦置いておいて協力する道を選んだようだ。
当初はDIOが提案したものが、望んでいなかった形で実現してしまったようだった。


「………ハァ。まさか、君たちがここまでの大馬鹿者だとは思わなかったよ」

DIOはわざとらしくため息をつき、大きく呆れたような反応を見せる。

「よかろう。貴様らがどれほど愚かな選択をしたのか、この行いがどれほど無駄なことなのか、頂点に立つべきは誰なのか…その身に味合わせてやろう!」


◆◆◆


開戦の合図となるのは、DIOが迎え撃つことを決めて発した言葉だけではない。

JUDOは手に持った棒付きの賢者の石を振った。
同時に、確かにその石の効果が発揮された。
JUDOと志々雄が負っていた傷が、回復された。
特に志々雄は、完治と言ってもいいレベルまでに傷が癒された。
クリームによって削り取られていた左肩も、そんな事実が無かったかのように元に戻っていた。

そのことを確認できた志々雄が、真っ先に動く。
片手に持ったエンジンブレードを大きく振り上げる。
そしてDIOの方へと向かって行き、振り下ろそうとする。

「ザ・ワールドッ!」

それを受け止めるのは、DIOのスタンドのザ・ワールドだ。
両手に持った2本の刀を交差させてエンジンブレードにぶつける。
20kgの重量と柱の男の肉体を持って振り下ろされたエンジンブレードだが、2本の刀の方もザ・ワールドのパワーが乗せられることで弾き返す。


その隙に、今度はJUDOが動く。
手に持ったライドブッカーをガンモードにし、DIOの方目掛けてトリガーを引く。

「チッ、無駄なことを…!」

この攻撃による効果は実際薄い。
発射されたエネルギー弾は、胴体部分へは届いてもエターナルの装甲に阻まれて大きなダメージにならない。
顔部分へ届きそうになったものも、DIOが咄嗟に持ってきたエターナルエッジと腕に防がれる。
とは言っても、これは何かしらのダメージを期待してでの攻撃ではない。
自分の方に注意を向けさせるための、牽制の目的があった。

結果、DIOはJUDOの方を、ザ・ワールドは志々雄の方を相手する形になっていく。
ザ・ワールドが志々雄の攻撃を捌きながら、本体であるDIO自身はJUDOの方へと向かって行く形になっていく。
本体とスタンド、どちらも同時に動かしながらそれぞれ違う戦闘方法で別々の相手と戦うのは精神的な負担も増える。
だからと言って、DIOはそもそも自分がそんなこと程度のことを気後れするような者だと思っていない。

『無駄無駄無駄無駄ッ!!』

ザ・ワールドが両手に刀を持ったまま突きのラッシュを志々雄に向かって行う。
数十分前、JUDOに向かってやったものと同じだ。

「シャアアッ!」
『ガンッ!』『キンッ!』

志々雄はそれに対しエンジンブレードを振り回して弾いて捌く。
1対1の状態ならまだしも、2人相手でスタンドを本体と別の相手と戦わせていては普段よりも操作するための集中力はやはり落ちる。
ザ・ワールドが持つ精密性も、いつもよりは僅かに低い。
そして何より、刀剣類を扱った戦闘は志々雄の方がよく慣れている。
相手の刀の切っ先がどこに向かっているか、これを避けたり弾いたりするにはどうすればいいか、それが志々雄には分かる。
元々有していたものと、ここに来てからの承太郎やディケイドカブトを相手にした戦闘経験により、素早いラッシュもある程度見切れていた。
これにより、JUDOを相手にした時と違い二刀流によるラッシュは志々雄に対し有効な攻撃を当てることは難しくなっていた。


スタンドにラッシュを行わせながら、DIO自身はJUDOの下へと駆けていく。
走りながらDIOはエターナルメモリをロストドライバーから抜き取り、それを手に持ったエターナルエッジのスロットの方に差し込む。

『ETERNAL MAXIMUM DRIVE』

『バチッ』
「ッ!?」

その瞬間、志々雄の持ち物に異変が起こる。
エンジンブレードに差しっぱなしだったヒートメモリ、それから一瞬電気のようなものが走ったように見えた。
これにより志々雄の意識は、そっちの方に一瞬引っ張られた。

『無駄無駄ァッ!』
「ぐあっ…!」

そうしてできた一瞬の隙により、志々雄の体にザ・ワールドが持つ刀が複数回突き刺さる。
柱の男の肉体ではこれは致命的な傷とはならない。
けれども勢いよく突かれたことにより、志々雄は後方へと押し出される。

「くっ…!」

志々雄は咄嗟に後ろ向きに跳んでザ・ワールドから距離を離す。
そしてザ・ワールドが再び近づいてくる前に、エンジンブレードからヒートメモリを一旦抜き取り、それのボタンを押してみる。

(何だ?急に壊れたのか?)

ボタンを押してみても、何も反応がなかった。
本来鳴るはずのガイアウィスパーは、うんともすんとも言わなかった。

これは、エターナルメモリが持つ本来の能力の一つだった。
T1のガイアメモリの機能を永久的に停止させる、それがエターナルのマキシマムドライブの効果だ。
これは、エターナルメモリが破壊されない限りは解除されないものだ。
本来ならその効果は風都全域程の広範囲に及ぶものだ。
けれどもこの場においては、近い場所にあるものにしか効果がないようだった。

なお、このことはDIOが意識してやったことではない。
JUDOへの攻撃のために発動したものが偶発的に作用した。
そして、DIOがJUDOの攻撃の方に一瞬意識を集中したために、ザ・ワールドの動きも少し鈍った。
それにより、志々雄はこの瞬間にヒートメモリの動作確認ができた。


ここで発動されたマキシマムドライブでは、メモリのエネルギーが青い炎となってエターナルエッジを包み込む。
そしてDIOはエターナルエッジを一閃、青い炎が斬撃と共にJUDOの方へと飛んでいく。
これは数十分前に発動した、結果的にディケイドアギトの必殺技とのパワー比べとなったものと同じ技だ。

「フンッ!」

これをJUDOは、単純な跳躍で回避。
マキシマムドライブの発動の前に、跳ぶ準備はできていた。
JUDOが跳んだ後、青い炎はその下の方に着弾して爆発を起こす。

「フン、確かに回復しているようだな」

そう言いながらDIOはエターナルメモリをエッジの中から出してドライバーの方に戻す。
苛つきを感じながらも相手の現状をDIOは把握する。
先ほどの戦いではかなりのダメージを与えたはずだが、そんなことがなかったかのような動きをしていた。
賢者の石は、JUDOが受けたダメージも確かに回復させていた。

「よそ見すんなよ!」

DIOがまだ空中にいる状態のJUDOに目線を向けている間に、志々雄が体勢を整え直して動く。
エンジンブレードを再び構える。
そんな状態になった志々雄の前に、再びザ・ワールドのスタンド像が立ちふさがる。

(こいつ、何故平気そうにしている?刺した手応えは確かにあったはずだが…)

ザ・ワールドの目越しに、志々雄に刀を何度も突き刺したことは確認していた。
普通の生物なら死ぬか、そうでなくとも重傷になるほどのものだ。
けれども、志々雄がそれをあまり気に留めずに立っていることに疑問を感じてしまう。

(こいつ、もしや吸血鬼か?)

この点についてはそんな可能性を考えてしまう。
少し刃物で刺して体に小さな穴を開けた程度で動ける存在は、それくらいしかDIOは知らない。
かつてのDIO…ディオ・ブランドーも、吸血鬼になった後は銃弾を何発か撃ち込まれても動けていた。
それと、同じようなものだと感じた。

自分と同じくエターナルメモリを使っている可能性は、エターナルの姿になってないから考えない。


DIOが志々雄の肉体について一瞬考察した頃、JUDOは最初の位置から少し後ろの方の地上に降り立つ。
同時に、滞空していた間にライドブッカーから取り出していたカードをディケイドライバーに差し込んだ。

『KAMEN RIDE RYUKI』

JUDOが選んだのは、龍騎へのカメンライドだ。
ディケイド龍騎となったJUDOは、続けざまに別のカードをディケイドライバーに挿入する。

『ATTACK RIDE ADVENT』

その音声が流れた後に、近くにできていた水溜まりから赤い龍…ドラグレッダーが現れる。
――ディケイド龍騎のドラグレッダーは、数時間前の戦いで破壊されたこともあった。
けれども、このドラグレッダーは本物のミラーモンスターのドラグレッダーというわけではない。
だから、こうして再び出現させることもできていた。

JUDOがそうしてディケイド龍騎として戦う準備をしている間にも、志々雄とザ・ワールドの小競り合いも続いている。
JUDOがカードの用意をしていた時、再びエンジンブレードと2本の刀のぶつかり合いがあった。
そこでの数秒の間に、刃同士の何度かの打ち合いがあった。
そこでもまた、一つの異常が起きてしまった。

『バキッ』
(ムッ…!?)

ザ・ワールドが持っていた刀が、1本折れてしまった。
折れたのは、時雨の方だ。
時雨は、先端から全体のおよそ三分の一の長さの分だけ折れてしまっていた。

こうなってしまったのは、様々な要因が重なったためだ。
まず単純に、これまでの戦いで酷使されたこと、
ザ・ワールドの強い力で振り回されていたことで、刀身に負荷がかかっていたことが挙げられる。
特に負担となったのは、突きのラッシュでの衝撃によるものだった。

そして、志々雄の肉体に突き刺したのも要因の一つだった。
今の志々雄の身体…柱の男のエシディシは500度もの高温の血液が流れている。
一回一回の突き刺しは一瞬でも、その血液に触れたことにより刀には急激に熱が加えられた。
かつて、エシディシの血液が金属性のマスクにかかった時、そのマスクは脆くなった。
触れた時間は短いため程度はマスクの時より低いが、それと同じようなことが、突き刺された刀にも起こった。
それに、先ほどまで降っていた雨により、ある程度までは冷えた状態からでもあった。
それによるヒートショックの影響も、少なからずあった。

そして最後に、今の打ち合いで20kgのエンジンブレードと柱の男の膂力が合わさった衝撃が脆くなってきていた刀に何度か伝わった。
それが止めとなり、遂に時雨が折れた。

なお、もう1本の刀の秋水の方は、元々が頑丈さを誇る品だったこともありここでは折れなかった。
そちらの方に関してはまだ大丈夫そうであった。
時雨は、名刀であることは確からしいが、それ以上の特徴の情報が無いためにここで折れることとなってしまった。


刀が1本折れたことにより、ザ・ワールドの動きにズレが生じる。

「シャアッ!!」
「ぐっ…!」

その隙を逃す志々雄ではない。
刀が折れたと同時に、左胸部分が一瞬空いた。
そこに、エンジンブレードの刃が届いた。
ザ・ワールドの左胸から腹の辺りまでを、斜めに斬りつけた。
とは言っても、そこまで深い傷を作れたわけではない。
表面からおよそ数センチの深さ…致命的なダメージにはなっていない。
それでも、刃がスタンドの像の中に入っていったのは確かなようだった。
それにより、本体のDIOにもフィードバックが起きる。
ザ・ワールドと同じ箇所を、斬られた感覚がDIOの上を走った。

JUDOがドラグレッダーの召喚を完了したのも、それと同じタイミングだった。

「やれ」
『GYAOOOO!』

ドラグレッダーが口の中から火球を飛ばす。
その火球は、DIOの方へと向かっていく。

「! 無駄ァッ!!」

エンジンブレードによるダメージを受けながらも、DIOはその火球を認識する。
そして火球が自身の下へと着弾しそうになった瞬間、背中にあったローブマントを翻す。
火球は、そのマントに包み込まれると、かき消された。
このマント…エターナルローブには、あらゆる熱や冷気、電撃や打撃等を無効化する能力が備わっている。
その能力により、ドラグレッダーの火球を打ち消した。

「行け」
『GUOOOOO!!』

JUDOが指示を出すと、ドラグレッダーは今度はDIOの方に向かって突進して行く。
口を開き、DIOに対して噛み付こうとしているようだった。

「ちょっと頭数を増やした程度でこのDIOに対抗できると思うな!」

DIOはそう叫ぶと、彼もまた跳躍した。
そのまま前方に向かって跳び、ドラグレッダーの頭の上へと跳び乗った。

「あっ、てめ、待ちやがれ!」

同時に、ここまで志々雄と打ち合いをしていたザ・ワールドのスタンド像が離れてDIOの方へと戻っていった。
DIOに伴って空中に移動していくザ・ワールドを、志々雄は追いきれなかった。


『GAAAAAA!!』

DIOはドラグレッダーの頭の上に股がる。
ドラグレッダーは頭を振ってDIOを落とそうとする。
それち対しDIOは片手でドラグレッダーの角を掴み、落とされないように耐えていた。

「こんなちょいとばかしデカいだけの赤い蛇でどうにかできると思っていたのかァ~?なあァーッ!」
『GIIIIIA!!』

DIOはもう片方の手に持ったエターナルエッジを振りかざし、それを勢いよくドラグレッダーの頭頂部に突き刺した。
同時に、ザ・ワールドが折れた時雨を投げ捨て、秋水を両手で握りしめて、股がったDIOより後ろのドラグレッダーの胴体部分に刀を叩きつけた。
頭を刺されたドラグレッダーは悲鳴のようなものを発声する。
そして胴体の方は、ザ・ワールドのパワーで秋水を打ち込まれたことにより、切断されてしまった。
真っ二つにされたドラグレッダーは、そのまま落下していく。
DIOは落下途中のドラグレッダーの上から飛び降り、先に地面へと着地する。
落下したドラグレッダーの残骸は、まるで溶けるような形で消滅した。

DIOが着地した後、志々雄とJUDOは横並びの形で、DIOに対峙するように移動する。
DIOもまた、2人がいる方に向き直る。

「…重ね重ね言っておこう。貴様らがどんな手を尽くそうとも、このDIOの前では全てが無駄だということをな!」

DIOは自分の体が2人に見やすくなるように胸を前に押し出すよう少し反る姿勢で力強く立つ。
ガイアメモリを使った仮面ライダーは肉体が直接変化するタイプであるため、エターナルの装甲の上からでも傷が見えていた。
するとどうだろう、DIOの体に付けられていた傷に変化が生じる。
傷は、まるで何事もなかったように塞がっていった。

「何だ?てめえも俺と同じだったのか?」

志々雄がそんな疑問を呈する。
彼の肉体もまた、先ほどの戦いで刀で開けられた体中の傷穴が再生・塞がり始めていた。

「…さあ、どうだろうな?」

DIOは志々雄に対し、微笑を浮かべながら返答する。

(こいつ、こちらのことを吸血鬼だと認識したか?だとすれば、その認識はいずれ足を引っ張るだろう)

内心では、DIOは志々雄の態度にそんな風な判断をとっていた。
こちらのことを吸血鬼だと思ったのならば、相手は自分を殺す手段を日光が確実なものだと考えるだろう。
しかし、今の時間帯ではもう日がほとんど沈んでおり、日光もこちら側には届いてない。
ならば、相手は次の手段として頭部…脳の完全破壊を殺害のための手段として考えるかもしれない。
けれども、今の自分ならばそれでも死には至らないだろうと、DIOは認識していた。
DIOは内心、ほくそ笑んでいた。


そんなやり取りをしている2人をさほど気に留めていないかのように、JUDOは新たなカードを取り出していた。
それは、今の攻防をきっかけに新たに解放されたカードだった。
今のJUDOが持つ中では、最後のカードでもあった。
JUDOはそのカードをディケイドライバーの中に差し込んだ。

『KAMEN RIDE KIVA』

◆◆◆


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