お兄ちゃんも大変だったよね、その、偽ひまり様と……
ああ、まったくとんでもない事になってさ、おかげで妙な噂が立ちっぱなしだよ
何が悲しくて自分の祖先をそういう目で見なくちゃならないんだよ、もう
でもお兄ちゃん、結構なすがままにされちゃったって聞いてるけど
偽ひまり様のとのあれって、もしかして……結構良かったのかな?
ぶはっ!お、お前は急に何を言い出すんだよ!
ご、ごめんお兄ちゃん、でも、私……ああいうのした事が無いから、気になって
だって、偽ひまり様って敵だよね?なのに、身を委ねちゃうって、相当なのかなって
だから別に委ねてなんていないから!駄目だ、|紫音|も妙な噂に翻弄されてる……
でね、わたし考えたの!ひまり様との変な噂を消しちゃう方法
あの事件を上書きしちゃうようなもっと大きい事件を起こせばって……
はあ?ってか紫音、おい、なんで近づいてくるんだよ
だからね、お兄ちゃん……偽ひまり様のあれ、私が上書きしてあげる……
かつてここまで紫音の唇を意識した事があっただろうか?
心の準備も出来ないまま、それでも紫音の唇は迫ってくる。長年連れ添ってきた、妹の、唇
それはしっとりと塗れていて、普段の紫音が見せる快活さからは考えられない程に……
考えられない程になんだよ!いや、分かったぞ、この展開は……破鴉丸さんの幻ですね!
なに勝手に見破ってるのよ、せっかくこの機会に乗じて遊んでやるつもりだったのに
破鴉丸さんには紫音関連で一度手酷くやられてますからね、ちゃんと警戒してますよ
昔は勝手に自爆までしてくれたし、今回も楽しめると思ってたのに
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